従来考えられていた時期より1500万年ほど早く、1億2500万年前には、既に花をつける被子植物の爆発的放散が始まっていたとされています。インディアナ大プレスリリースが伝えています。
1990年代からの分子系統解析で、従来の双子葉類は側系統とされ、被子植物(angiosperm)は、5つの主な系統に大別されています。
それは、初期の分岐したセンリョウ類(Chloranthaceae)とマツモ類(Ceratophyllum)、そしてモクレン類(magnoliids), 単子葉類 (monocots)、真正双子葉類 (eudicots)です。
また、真正双子葉類 は、基盤的真正双子葉類 とコア真正双子葉類 (core eudicots)からなります。今日の被子植物の大部分(約75%)は真正双子葉類です。
真正双子葉類の共有派生形質は、三溝型花粉 (Tricolpate pollen)を持つことで、コア真正双子葉類は花の構成が5の倍数であることです。
Leefructus mirus (Courtesy of Indiana University)
今回新たに発見された植物化石は、系統的には、基盤的な真正双子葉類のキンポウゲ科(Ranunculaceae)に属しています。
学名は、Leefructus mirus と命名されれています。中国名「李氏果」からわかるように、"Lee" は化石を寄贈した Li Shiming にちなみ、"fructus" は"実をつける"の意味。また、種小名は、ラテン語の"mira(美しい)"から。
年代的には、1億2260万年前-1億2580万年前とされ、基盤的な真正双子葉類は、バレミアン最晩期からアプチアン最初期までに広がっていたとされています。
日本の白亜紀前期の復元イラストには、モクレンに似た植物がよく描かれています。今回の地層は時代的に似ていますから、日本の恐竜時代の復元図にも、化石証拠のあるこの植物が描かれることでしょう。
上の映像は、Leefructus mirus 。出典は、Indiana University 。
葉の周囲が黒く縁取りされているためか、リトグラフの芸術作品のような美しさですね。
右下のスケールは1センチで、化石全体の高さは約16センチ。1本の茎から全部で5枚の葉が伸びています。葉は3枚に分岐し、葉脈もあります。また、花びらが5枚ある小さなカップ状の花もついています。
- References
- Ge Sun, David L. Dilcher, Hongshan Wang & Zhiduan Chen, 2011
- A eudicot from the Early Cretaceous of China
- Nature, 471, p.625-628, 2011
-
- doi:10.1038/nature09811