Yixian Formation(Early Cretaceous)、遼寧省の最新ニュース

 推定全長165センチと大きなボディながら、飛行には使えそうにない小さな前肢。いったい、前肢や尾にある長くて非対称の羽毛は何のために進化したのでしょうね。 
  
 遼寧省にある熱河生物相から、6種目となるドロマエオサウリダエ(科)が新種記載され、Zhenyuanlong suni (チェンユアンロン・スニ)と命名されています。

 熱河生物相からは、同じく短い前肢のティアンユラプトル( Tianyuraptor ostromi )が見つかっていますが、羽毛は未発見でした。

 したがって、大型で短い前肢を持つドロマエオサウリダエにある羽毛の形態や分布については初めての情報とされています。

 なお、ティアンユラプトルについては、腕の短い新種のドロマエオサウリダエ(2009年)で紹介しています。

  論文では、飛行した先祖から進化して二次的に飛べなくなったのか、それとも、ディスプレイのためだけに進化させたのか、などと推論されています。 


 白亜紀前期の義県層(Yixian Formation)で発見されたもので、骨の癒合状態から、亜成体とされています。  

 図は、発見された標本、JPM-0008(Junchang Lü & Stephen L. Brusatte , 2015)。両方の前肢の上下や尾の上に見える影は、羽毛の痕跡です。

 化石の全長は、126.6センチとされていますが、尾の半分ほどが失われており、推定全長は165センチとされています。 ティアンユラプトルよりはわずかに小型とされています。  



Zhenyuanlong suni.jpg



 前肢や尾や背中、頸の後ろなどに保存状態の良い羽毛構造があるのですが、後ろ足にはありません。 

 一部は羽軸や羽枝があり、非対称の平面状の大羽で、その形状などは、ミクロラプトルなどに似ているとされています。  

 系統的には、ゼニュアンロンを含めて6種の遼寧省産のドロマエオサウリダエ(他には、ChangyuraptorGraciliraptor、ミクロラプトル、シノルニトサウルス、ティアンユラプトル) が多系統とされています。  

 同じように短い前肢のティアンユラプトルと、新たなクレードを形成しているわけではありません。



  1. References:
  2.  
  3. Junchang Lü & Stephen L. Brusatte (2015) 
  4. A large, short-armed, winged dromaeosaurid (Dinosauria: Theropoda) from the Early Cretaceous of China and its implications for feather evolution. 
  5. Scientific Reports 5, Article number: 11775 
  6. doi:10.1038/srep11775
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 遼寧省にある白亜紀前期の地層で発見された古鳥類、エナンティオルニス(Enantiornithes)の、Longipteryx chaoyangensis (ロンギプテリクス・チャオヤンゲンシス) の新標本について報告されています。

 今まで知られていなかった小円鋸歯(crenulation)があり、これは、鳥類(Aves)では初めてとされています。
 
 大きくて反曲し、唇舌方向に薄く側扁(compressed)した鋸歯のある歯や、手足の鋭いツメから、魚や小型の脊椎動物を食べていたのではないかとされています。

 今まで発見されている地層(Jiufotang Formation)より、年代的に古い地層(Yixian Formation )からの発見で、 ロンギプテリクスの層序範囲を拡大するものとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Xuri Wang, Bo Zhao, Caizhi Shen, Sizhao Liu, Chunling Gao, Xiaodong
    Cheng & Fengjiao Zhang (2015) 

  4. New material of Longipteryx (Aves: Enantiornithes) from the Lower
    Cretaceous Yixian Formation of China with the first recognized avian
    tooth crenulations. 
  5. Zootaxa 3941 (4): 565-578 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.11646/zootaxa.3941.4.5


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 プシッタコサウルスは、幼体だけで暮らしていたようで、集団化石については、幼体だけが群れで暮らした証拠/プシッタコサウルス(2013年5月)で、P. lujiatunensis の例を紹介しています。

 今回、同じ遼寧省にある白亜紀前期の別の地層( Yixian Formation )で発見されたプシッタコサウルスの幼体からなる24の集団化石について報告されています。

 X線回折と切片分析による鉱物学的分析から、火山-石質砂岩に保存されています。骨の微細構造が熱の影響を受けておらず、標本は火山の土石流によって埋もれたと考えられています。

 長骨端の成長ぐあいから、胚ではなく孵化後の個体群とされています。

 先の P. lujiatunensis の組織学的報告と比較すると、伴っているのは成体ではなく、親のケアはなかったようで、孵化後に相互協力した例とされています。


 成長に伴う相対成長分析も行われ、プシッタコサウルスにおける大半の長骨や腰帯はボディサイズに対して等長的( isometric )です。  
 一方、以前の分析と同じく、前肢の成長は後ろ足より遅かったとしています。成体になると、2足歩行ができるのですね。このあたり、4足から2足歩行へ、プシッタコサウルスの姿勢変化(2013年7月)で紹介しています。




  1. References:
  2.  
  3. Brandon P. Hedrick, Gao Chunling, Gomaa I. Omar, Zhang Fengjiao, Shen Caizhi & Peter Dodson (2014) 
  4. The osteology and taphonomy of a Psittacosaurus bonebed assemblage of the Yixian Formation (Lower Cretaceous), Liaoning, China. 
  5. Cretaceous Research 51: 321-340 
  6. DOI: 10.1016/j.cretres.2014.06.015
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 遼寧省の熱河生物群といえば、羽毛恐竜など、極めて例外的に、保存状態の良いのが特徴です。

 いくつかの層準で、淡水性生物と陸上生物が一緒に見つかることから、大量死イベントが考えられてきました。

 今回、保存状態がいい主な理由は、火山噴火の火砕流によるものとする論文が報告されています。Nationalgeographic が紹介しています。

 以前から、火山説が唱えられていますが、今回は、化石の骨端部に熱ストレスによる損傷という直接的な証拠を観察したもの。これは、ポンペイの噴火でも見られるそうです。

 火砕流が恐竜などの死骸を吹き飛ばし、湖底などで酸素の少ない状態で埋まり、例外的に良い状態で保存されたと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Baoyu Jiang, George E. Harlow, Kenneth Wohletz, Zhonghe Zhou & Jin Meng (2014) 
  4. New evidence suggests pyroclastic flows are responsible for the remarkable preservation of the Jehol biota. 
  5. Nature Communications 5, Article number: 3151 
  6. doi:10.1038/ncomms4151
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 遼寧省にある白亜紀前期の義県層で発見された新種のオヴィラプトル類が記載され、Ningyuansaurus wangi と命名されています。

 新種記載ながら、要旨も公開されていないので詳細は不明ですが、長い頭部と、オヴィラプトル類の中で最も多い歯を持っていることなどから、もっとも基盤的な位置づけとされています。
 


  1. References:
  2.  
  3. JI Qiang, Lu Jun-chang, WEI Xue-fang, WANG Xu-ri, 2013
  4. A new oviraptorosaur from the yixian Formation of Jianchang,Western Liaoning Province,China 
  5. Regional Geology of China(中国区域地質), 2012(12), p. 2102-2107
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 遼寧省にある白亜紀前期の地層で発見された小型の鳥盤類、Jeholosaurus shangyuanensis の頭部より後ろの骨格について、詳細に報告されています。

 ホロタイプと、4つの新たな保存状態のよい標本について調べたもの。

 系統的には、新しい知見を加えても、従来示された、基盤的な鳥盤類という位置づけは変わらないようです。ChangchunsaurusHaya からなるクレードで、そこには、Koreanosaurus Yueosaurus も含まれるかもしれないとされています。

 クレード、Jeholosauridae は、白亜紀の東アジアに特有のグループにつけられた名前として提案されています。

 

  1. References:
  2.  
  3. ?Feng-Lu Han, Paul M. Barrett, Richard J. Butler & Xing Xu (2012) 
  4. Postcranial anatomy of Jeholosaurus shangyuanensis (Dinosauria, Ornithischia) from the Lower Cretaceous Yixian Formation of China. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 32(6): 1370-1395 
  6. DOI:10.1080/02724634.2012.694385
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 遼寧省にある白亜紀後期の地層から、ほとんど完全なMei long の関節した化石が発見され、報告されています。 全文が読めます。

 2番めの標本で、 ホロタイプに似た原生鳥類のような寝姿です。丸まった尾が首の下にあることや、手足が体の下にある点は共通していますが、ホロタイプとは正反対の鏡像関係の化石です。

 系統解析からは、前回同様、基盤的なトロオドン類とされています。幼体のような特長を示す2歳以上の小型の成体で、小型ながら、長年にわたって成長したようです。 

 同じトロオドン類のシノルニトイデス(Sinornithoides)のホロタイプと似たような姿で、体を丸めて表面積を小さくし体温低下を防いだのではないかとされています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Chunling Gao, Eric M. Morschhauser, David J. Varricchio, Jinyuan Liu & Bo Zhao (2012) 
  4. A Second Soundly Sleeping Dragon: New Anatomical Details of the Chinese Troodontid Mei long with Implications for Phylogeny and Taphonomy. 
  5. PLoS ONE 7(9): e45203. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0045203
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2つの新種恐竜

 Bernissart Dinosaurs and Early Cretaceous Terrestrial Ecosystems(Indiana University Press)に、2つの新種恐竜が記載されているそうです。インディアナ大出版局に、目次などがあります。

 最初は、中央アジア、カザフスタンにある白亜紀後期(Santonian から Campanian)の地層(Bostobinskaya Formation)で発見された基盤的ハドロサウルス類、 Batyrosaurus rozhdestvenskyi です。

 次は遼寧省にある白亜紀前期の地層(Yixian Formation )で発見された基盤的オルニトミモサウルス類、Hexing qingyi です。
 
 

  1. References:
  2.  
  3. ?Pascal Godefroit, François Escuillié, Yuri L. Bolotsky, and Pascaline Lauters, 2012. 
  4. A new basal hadrosauroid dinosaur from the Upper Cretaceous of Kazakhstan 
  5. Godefroit, P. (ed.), p. 334-358, Bernissart Dinosaurs and Early Cretaceous Terrestrial Ecosystems(Indiana University Press) 
  6.   
  7. Jin Liyong, Chen Jun, and Pascal Godefroit. 2012. 
  8. A new basal ornithomimosaur (Dinosauria: Theropoda) from the Early Cretaceous Yixian Formation, northeast China 
  9. Godefroit, P. (ed.), p. 466-487, Bernissart Dinosaurs and Early Cretaceous Terrestrial Ecosystems(Indiana University Press)
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 中国遼寧省にある白亜紀前期の地層で発見された新種の翼竜が記載されています。歯がある翼竜では世界最大の頭部を持つ翼竜とされています。 

 完全な頭部が発見されており、PterosaurHeresies に、その頭部の化石と復元イラストがあります。Wikipedia によると、翼開長は5-7メートルとされています。

 上下のあごは細長く、頭部は75センチもあり、後方に向かって棒状のトサカが伸びてます。また、少なくとも62本の、カーブして先のとがった歯があるそうです。

 Moganopterus zhuiana と命名されています。この発見により、Boreopteridae は、Boreopterinae と Moganopterinae の2つのサブグループに分けられるとしています。



  1. References:
  2.  
  3. LÜ Junchang, PU Hanyong, XU Li, WU Yanhua & WEI Xuefang (2012) 
  4. Largest Toothed Pterosaur Skull from the Early Cretaceous Yixian Formation of Western Liaoning, China, with Comments on the Family Boreopteridae. 
  5. Acta Geologica Sinica - English Edition, 86: 287-293. 
  6. doi: 10.1111/j.1755-6724.2012.00658.x
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イシャノサウルス再解析

 遼寧省にある白亜紀前期の地層で発見された小型羽毛恐竜、Yixianosaurus longimanus(イシャノサウルス・ロンギマヌス)について、再解析した論文が報告されています。
 
 種小名が示すように、長い手を持っているのが特徴です。 初めての系統的では、基盤的マニラプトル類とされ、アルヴァレスサウルス類などともに多分岐しています。 

 また、大きな正羽(contour feather、羽軸のある羽毛)の存在は、羽毛の起源が以前考えられていたよりも早いとされています。 さらに、がっしりして大きな前肢は、他の小型獣脚類とは別の機能を持ち、それらとはニッチを棲み分けていたようです。
 


  1. References:
  2.  
  3. T. Alexander Dececchi, Hans C. E. Larsson & David W. E. Hone (2012) 
  4. Yixianosaurus longimanus (Theropoda: Dinosauria) and its bearing on the evolution of Maniraptora and ecology of the Jehol fauna. 
  5. Vertebrata PalAsiatica 50(2):111-139
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 昨日の羽毛構造を持つ大型ティラノサウルス類、Yutyrannus huali ユウティラヌス・フアリ )の続報です。  

 顔の中央部に、グアンロン(Guankong)のように、かなり含気性で穴の多いトサカを持っているのが特徴です。  

 前肢の指が3本あるなど、系統的には、基盤的ティラノサウロイデアとされていますが、比較的ティラノサウリダエに近いとされています。 

 羽毛について、白亜紀前期(Barrmian - Albian 初期)、遼寧省あたりは比較的寒く、羽毛は保温のためとも考えられています。  

 ただ、大型種での羽毛構造の発見がY. huali に限られることから、ディスプレイの可能性も示唆されています。  


 図は、単純化したクラドグラムに、自体を当てはめたもの (Xing Xu  et al., 2012)
 白亜紀前期なのに比較的大型なのがわかります。似たような時代の地層が、日本にもありますから、足跡が残されているかもしれませんね。

t.jpg
 3体見つかっていますが、いずれにも繊維状の羽毛構造が残されています。 単純な繊維状の羽毛で、首のあたりは、20センチ以上、上腕骨は16センチ以上と長めです。

 今まで、鳥類以外で羽毛証拠のある大型恐竜は、ベイピアオサウルス(Beipiaosaurus)で、体重はY. huali (推定体重1414Kg)の40分の1程度とされています。  

 このような大型種で羽毛が残されている理由として、2つ考えられています。  

 ひとつは、哺乳類では、巨大化すると、毛がなくなっていく傾向ですが、ティラノサウルス類では必ずしもそうでなかったという可能性です。  

 なお、白亜紀前期の中国から、4属のティラノサウルス類が発見されていますが、Raptorex kriegsteini は疑問とされています。  


 もうひとつは、白亜紀前期(Barrmian - Albian 初期)、遼寧省あたりは比較的寒く、保温のため、Y. huali に羽毛があったという考えです。  
 その年間平均気温は、10℃とされています。同緯度の他の地域は18℃はあったそうです。  

 ただ、大型種での羽毛構造の発見がY. huali に限られることから、羽毛は、最初はディスプレイ構造として機能した可能性も示唆されています。

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 遼寧省にある白亜紀前期(約1億2000万年前)の地層から、全身が羽毛に覆われた大型の基盤的ティラノサウルス類化石が発見され、記載されています。

 学名は、Yutyrannus huali (ユウティラヌス・フアリ)で、「美しい羽毛を持つ王」という意味です。

 ほぼ完全な3体の化石が見つかり、そのうち大きいものは体長9メートルとされています。残りは若い個体です。 著者の一人、Lida Xingの Xinglida.net に全文があります。

 首や尾などから長い繊維状の羽毛化石が見つかり、大型のティラノサウルス類からの羽毛発見は初めてで、体温維持やディスプレイに役立っていたのではないかとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Xing Xu, Kebai Wang, Ke Zhang, Qingyu Ma, Lida Xing, Corwin Sullivan, Dongyu Hu, Shuqing Cheng & Shuo Wang 
  4. A gigantic feathered dinosaur from the Lower Cretaceous of China 
  5. Nature 484, 92-95 (05 April 2012) 
  6. doi:10.1038/nature10906
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遼寧省から新種翼竜

 遼寧省にある白亜紀前期(Barremian 、約1億2100万年前)の義縣累層で発見された新種の翼竜が記載されています。

 ほぼ完全な頭部などが見つかり、先の鋭い歯は50本ほどあるそうです。

 アジアで初めてのガロダクチルス類(gallodactylidae)とされ、Gladocephaloideus jingangshanensis と命名されています。ガロダクチルス類は、Ctenochasmatoidea の系統です。

 頭部後部や首まわり、背中に単繊維構造があり、表皮カバーではないかとし、温血だった可能性を示唆しています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Lü Junchang Ji Qiang, Wei Xuefang, & Liu Yongqing (2011)
  4. A new ctenochasmatoid pterosaur from the Early Cretaceous Yixian Formation of western Liaoning, China.
  5. Cretaceous Research (advance online publication)
  6. doi:10.1016/j.cretres.2011.09.010
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