Lianmugin Formation(Tugulu Group, early Cretaceous)、新疆ウイグル自治区の最新ニュース

 疑問名とされていた Kelmayisaurus petrolicus (ケルマイサウルス・ペトロリクス)について再評価し、有効名とする論文が報告されています。

 新疆ウイグル自治区で発見され、1973年に報告されたのですが、疑問名とされていました。今回、タイプ標本を再評価しています。

 系統的には、基盤的カルカロドントサウリダエ(Carcharodontosauridae)に位置づけられています。

 

 他の大陸に比べて、アジア大陸からの白亜紀前期の大型獣脚類化石の発見例は少ないそうです。

 2009年にアジア初のカルカロドントサウリダエ、Shaochilong maortuensis が再記載されています。内モンゴルにある白亜紀後期(チューロニアン、約9100万年前)の地層で発見されました。

 ケルマイサウルスは、アジアからは2種目のカルカロドントサウリダエになります。

 この再評価で、白亜紀前期から中期にかけて、この系統のhypercarnivorous(純肉食性、大型で、70%以上が肉食)の獣脚類が地球規模で放散していたとされています。

 

  なお、Kelmayisaurus petrolicus  ですが、最初の報告は、ドン・チーミン。種小名は石油に絡んでいるようですが、石油会社がスポンサーだったのでしょうか。 

 

 図は、タイプ標本の左歯骨(IVPP V 4022)で、スケールは5センチ。上は内側から、下は背側(上)から見たもので、dは歯の番号。

 

 

Kelmayisaurus_petrolicus.jpg

 

 

 

  References:

  1. Stephen L. Brusatte, Roger B. J. Benson, and Xing Xu , 2011
  2. A reassessment of Kelmayisaurus petrolicus, a large theropod dinosaur from the Early Cretaceous of China
  3. Acta Palaeontologica Polonica in press available online 28 Apr 2011  
  4. doi:10.4202/app.2010.0125
  5.   
  6. Dong, Z.-M. 1973.
  7. Dinosaurs from Wuerho.
  8. Memoirs of the Institute of Vertebrate Paleontology and Paleoanthropology Academica Sinica 11: 45-52 [in Chinese].
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 中国、新疆ウイグル自治区にある白亜紀前期の地層(Tugulu Group)で発見された鳥類と獣脚類の足跡化石について報告されています。

 レコードチャイナによると、中国で発見された中でも最も多くて保存状況がよく、また種類が豊富とされています。なお、雑誌は、"palaeontology"ではありません。

 

 Huangyangquan トラックサイトでこれまでに発見された多数の足跡化石で、以下の鳥類4種、非鳥類型恐竜3種の足跡化石が報告されています。

 特に鳥類の足跡化石は密集しており、当時は、浅い湖と湿地帯が広がり、鳥類が多く生息していた楽園だったと見られています。

 

鳥類

  • Koreanaornis dodsoni (新種)
  • Goseongornipes
  • Aquatilavipes
  • Moguiornipes robusta(新属新種)

非鳥類型恐竜

  • Jialingpus
  • Asianopodus
  • Kayentapus 

 

  

Moguiornipes_robusta.jpg 密集した足跡化石、Moguiornipes robusta の輪郭線図(Xing,L.-D., et al. 2011)。 よく見ると別の足跡も。

 

 

 上の図は、唯一、新属新種とされた鳥類の足跡化石、 Moguiornipes robusta 。ナチュラルキャストで、25個以上あるそうです。a がホロタイプ( 完模式標本、右足)で、b-d はパラタイプ(副模式標本)。スケールは10センチ。

 属名の意味は、"Mogui(地名)の鳥の足跡"。種小名("robust")が意味するように、中生代としてはユニークな、がっしりと太めの指です。現生のカイツブリ(grebes)やオオバン(coots)も似たような足跡で、水棲というより、浅い湖を泳いだ水陸両用(amphibious)だったのではないかとされています。

 

 これを非鳥類型獣脚類ではなくて鳥の足跡とする根拠は、小型で、2-4指の角度が110-120度と広く、長さ/幅の比が 1.0 以下であることから((Lockley et al.,1992 ; McCrea and Sarjeant, 2001)。

 2-4指の角度が広ければ、長さ/幅の比は小さくなるでしょう。足跡から鳥とする根拠は、体骨格に比較して、かなりシンプルです。

 

 

 References:

  1. Li-Da Xing, Jerald D. Harris, Cheng-Kai Jia, Zheng-Jiang Luo, Shen-Na Wang and Jian-Fu An. 2011
  2. Early cretaceous bird-dominated and dinosaur footprint assemblages from the northwestern margin of the Junggar Basin, Xinjiang, China
  3. Palaeoworld, in Ppress, Available online 8 February 2011
  4. doi:10.1016/j.palwor.2011.01.001
  5.  
  6. Lockley,M.G.,Yang,S.Y.,Matsukawa,M.,Fleming,F.,Lim,S.K.,1992.
  7. The track record of Mesozoic birds:evidence and implications. Philosophical Transactions
  8. Biological Sciences, 336(1277),113-134.
  9.   
  10. McCrea, R.T.,Sarjeant,W.A.S.,2001.
  11. New ichnotaxa of bird and mamma lfoot-prints from the lower Cretaceous (Albian) Gates Formation of Alberta.
  12. In:Tanke,D.H.,Carpenter,K.(Eds.), Mesozoic Vertebrate Life. Bloomington and Indianapolis.
  13. Indiana University Press, Indiana,pp.453-478.
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