モンゴルの最新ニュース

 小さく産んで大きく育つ・・・のが恐竜の世界だったようで、頭部の長さが最も大きな成体の5%程しかないサウロロフス(Saurolophus angustirostris )が報告されています。

 ゴビ砂漠にある白亜紀後期の地層(Nemegt Formation)で発見された標本(MPC-D100 / 764)で、化石はモンゴルから不法に持ちだされたため、正確な発見場所は不明です。

 その後、日本経由でヨーロッパのコレクターに渡り、最終的にベルギーの自然史博物館に寄贈されたそうです。

 周囲には卵殻も見つかっており、生まれたてのようですが、まだ胚の段階なのか、後胚期(postembryonic) なのかははっきりしないようです。

 論文タイトルが、Perinatal (周産期)ですから、胚から生まれたてまでの期間ですね。

 頭部にトサカはなく、頚椎の神経アーチの半分が癒合していないことからも、成長の初期段階です。

 頭蓋骨の長さは6センチと推定され、今までに知られている成体の頭部標本の最大の長さ(1220mm)の5%ほどです。

 図は化石ブロック標本(Leonard Dewaele et al., 2015)。スケールが10センチですから、小さいですね。
 
 Saurolophus angustirostris.jpg



  1. References:
  2.  
  3. Leonard Dewaele, Khishigjav Tsogtbaatar, Rinchen Barsbold, Géraldine Garcia, Koen Stein, François Escuillié & Pascal Godefroit (2015) 
  4. Perinatal Specimens of Saurolophus angustirostris (Dinosauria: Hadrosauridae), from the Upper Cretaceous of Mongolia. 
  5. PLoS ONE 10(10): e0138806. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0138806



 モンゴルからは初めての、関節したエナンティオルニスが新種記載され、 Holbotia ponomarenkoi と命名されています。

 なお、Holbotia ponomarenkoi は、1982年に使われましたが、論文報告ではなく、不的確な学名(裸名)とされていました。
 
 1977年に白亜紀前期の地層で発見され、今までも翼竜とされていた標本です。
 
 今まで、頚椎の形態や広いスペースに小さな歯など、エナンティオルニスではほとんど知られていなかった珍しい形態を示しています。

 その頚椎は、部分的に腹側に面した前脊椎関節突起(prezygapophyses)関節面を示し、これはヘビウ類にしか見つかっていない構造で、首の可動範囲は広かったようです。

 白亜紀前期のエナンティオルニスの口蓋の形態について詳細に説明したのは初めてで、 始祖鳥と鳥類以外のパラアビアに似ているとされています。

 系統解析の結果からは、歯の消失という点で、白亜紀前期のエナンティオルニスよりは、白亜紀後期のゴビプテリクスにより近縁とされています。

 ということは、真鳥形類とは違い、エナンティオルニスでは、歯の消失は異なった複数の経路があったとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Nikita V. Zelenkov & Alexander O. Averianov (2015) 
  4. A historical specimen of enantiornithine bird from the Early Cretaceous of Mongolia representing a new taxon with a specialized neck morphology. 
  5. Journal of Systematic Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/14772019.2015.1051146



 15体の幼体/プロトケラトプスの巣(2011年11月)で紹介しているように、プロトケラトプスなどの巣の痕跡や非常に小さな幼体化石は見つかっています。

  しかし、今まで、プロトケラトプスをはじめ、プシッタコサウルスやバガケラトプスといったネネオケラトプシアのものとされる卵化石は見つかっていないそうです。

 今回、微細構造からネオケラトプシアのものとされていた卵化石について再調査した論文が報告されています。  モンゴルにある白亜紀後期の地層で発見された胚の残る卵化石です。

 高分解能X線CTでによる再解析で、後肢より十分長い前肢が見つかり、その他の特徴から、ネオケラトプシアではなくて、鳥類のエナンティオルニスの卵化石ではないかとされています。

 結局、ネオケラトプシアの卵化石は、見つかっていないということになります。



  1. References:
  2.  
  3. David J. Varricchio , Amy M. Balanoff & Mark A. Norell (2015) 
  4. Reidentification of Avian Embryonic Remains from the Cretaceous of Mongolia. 
  5. PLoS ONE 10(6): e0128458 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0128458



 モンゴル・ゴビ砂漠にある白亜紀後期の地層(Bayn Shire Formation)で発見された巨大カエナグナシダエ(Caenagnathidae、オヴィラプトロサウリア)が報告されています。

 見つかったのは、癒合した歯骨で、サイズや形態は、中国にあるIren Dabasu Formationで発見されたギガントラプトル(Gigantoraptor erlianensis)に匹敵し、かなり類似しているとされています。

 今回の発見と、脊椎動物、特にカメ化石が共通して見つかることから、両地層の関連性が示唆されています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Takanobu Tsuihiji, Mahito Watabe, Rinchen Barsbold & Khishigjav Tsogtbaatar (2015) 
  4. A gigantic caenagnathid oviraptorosaurian (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous of the Gobi Desert, Mongolia. 
  5. Cretaceous Research 56: 60-65 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.03.007



 Pinacosaurus grangeri (ピナコサウルス・グランゲリ)といえば、標本の数や質の点から、最もよく知られたアンキロサウリアのひとつです。

 系統的には、アンキロサウリネ(ankylosaurine、亜科)の位置づけです。

 今回、モンゴルにある白亜紀後期の地層( Alagteeg Formation)で発見されたピナコサウルスの幼体化石から、その成長変化について考察されています。

 前足の長さについては、部分によって成長速度が異なる相対成長とされています。
 
 これは、体重の負荷が前足にかかっていることを示し、このような長さに依存する相関関係は、後ろ足ではみられていません。

 また、首の周りにあるハーフリングの始まりは、体をおおうオステオダームの癒合から派生したようです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Michael E. Burns, Tatiana A. Tumanova and Philip J. Currie (2015) 
  4. Postcrania of juvenile Pinacosaurus grangeri (Ornithischia: Ankylosauria) from the Upper Cretaceous Alagteeg Formation, Alag Teeg, Mongolia: implications for ontogenetic allometry in ankylosaurs. 
  5. Journal of Paleontology 89(1): 168-182 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1017/jpa.2014.14



 Elmisaurus rarus (エルミサウルス・ラルス)といえば、ホロタイプが中足骨であることからもわかるように、今まで不完全な化石しか知られていませんでした。

 オヴィラプトロサウリアのカエナグナナシダエ(Caenagnathidae )の系統ですが、その中足骨が癒合しているという明確な特徴があります。

 今回、モンゴルにある白亜紀後期の地層(Nemegt Formation)で発見された新しい標本について報告されています。 全文が読めます。 

 エリミサウルスとしては初めての頭部を含み、頭部には、ほとんどが鼻骨によって形成されていた大きなトサカがあったとされています。


 また、初めてとなる脊椎骨や肩甲骨、大腿骨、脛骨も報告されています。  

 カエナグナナシダエには、エルミサウリナエ(Elmisaurinae)とカエナグナチナエ(Caenagnathinae )の2系統がありますが、エルミサウリナエは、足根骨の末端と中足骨基部の癒合や、より小型なサイズで、区別できるとされています。  

 また、オヴィラプトロサウリアの後足の構造から、この系統には、3つの明確なクレードがあったとされています。  

 1つは、足が長く足根骨が癒合していない基盤的タイプ、もうひとつは、長い足で足根骨が癒合した派生タイプ(カエナグナシダエ、なお、エルミサウリナエでは中足骨まで癒合)、そして、足が短く、足根骨が癒合していない派生タイプ(オヴィラプトロサウリダエ)です。

 


  1. References:
  2.  
  3. Philip J. Currie, Gregory F. Funston, and Halszka Osmólska (2105) 
  4. New specimens of the crested theropod dinosaur Elmisaurus rarus from Mongolia. 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi:http://dx.doi.org/10.4202/app.00130.2014



 15体の幼体/プロトケラトプスの巣(2011年11月)で紹介しているように、プロトケラトプス(Protoceratops andrewsi )においては、幼体だけとか、成体サイズだけとか、サイズでクラスター化された集団化石が見つかっています。

 今回、モンゴルで発見された中型サイズのプロトケラトプスの集合体(4体)について報告されています。サイズ(おそらく年齢)で選別された集団化石は、非鳥類型恐竜では初めての報告とされています。

 既存の標本と合わせ、プロトケラトプスでは、成長段階全体をとおして、ある程度のサイズからなる集団がみられた証拠としています。

 一方、単純に同一種が集まっているだけでは、「社会性(sociality)」とはいえず、恐竜の「社会性」の解釈にはより明確で具体的な証拠が必要としています。
 

 今回の結果は、多くの非鳥類恐竜は群れをなし、社会的な動物でさえあったという一般的な仮説を支持するようです。  

 しかし、従来、社会性の証拠は誇張されてきており、恐竜における「社会性」について、より厳格なアプローチを提唱しています。  

 単純に同一種が集まって見つかるだけでは、社会性とはいえず、以前のデータの幾つかについては、より保守的な解釈を提唱しています。


 


  1. References:
  2.  
  3. David W. E. Hone, Andrew A. Farke, Mahito Watabe, Suzuki Shigeru & Khishigjav Tsogtbaatar (2014) 
  4. A New Mass Mortality of Juvenile Protoceratops and Size-Segregated Aggregation Behaviour in Juvenile Non-Avian Dinosaurs. 
  5. PLoS ONE 9(11): e113306. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0113306



 テリジノサウリアは獣脚類ですが、植物食だったとされています。植物食に対応するには、歯などの変化させる必要があります。

 今回、モンゴルにある白亜紀後期の地層で発見されたテリジノサウリア、Erlikosaurus andrewsi (エルリコサウルス・アンドリューシー)の頭部の解剖学的特徴について解析し、そのあたりを考察した論文が報告されています。

 Phys.org では、約9000万年前の、体長3-4メートルの植物食恐竜と紹介されています。

 テリジノサウリアとしては、唯一、3次元的に保存されたほとんど完全な頭部とされています。

 解析の結果、テリジノサウリアの初期段階からクチバシを角質化させ、進化するに従い、歯や噛む力を減少させていったと考えられています。

 
 CTスキャンなどを用い、内部神経血管および含気性構造の可視化を含めて、頭蓋骨の形態や個々の要素を再現しています。  

 今回の解析から、クチバシにあるケラチン状のさや(rhamphotheca )は、テリジノサウリアの進化の初期段階で発達したという従来の説を支持するとされています。  

 また、それは、機能歯と交換歯の削減と並行し、食べものの加工の仕方や調達の仕方の変化を示しているとされています。  

 脳函の拡張した含気性構造は、テリジノサウリアの中でも、エルリコサウルスで最も発達し、これは、派生したテリジノサウリアにおいて、内転筋、そして咬合力の減少につながっていったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Stephan Lautenschlager, Lawrence M. Witmer, Perle Altangerel, Lindsay E. Zanno & Emily J. Rayfield (2014) 
  4. Cranial anatomy of Erlikosaurus andrewsi (Dinosauria, Therizinosauria): new insights based on digital reconstruction. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 34(6): 1263-1291 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.874529



 デイノケイルスの新標本(2013年11月)で紹介した時は、SVP年会での報告だったデイノケイルス・ミリフィクス(Deinocheirus mirificus)について、論文として報告されています。北大プレスリリース(PDF)が紹介しています。

 ホロタイプは、1965年に記載された、2.4メートルもある大きな前腕だけの、ミステリアスな恐竜でしたが、今回、モンゴルにあるネメグト層で発見された新しい2つの標本も加えて考察したもの。

 系統的には、オルニトミモササウリア(Ornithomimosauria)の位置づけです。しかし、小型で走行性に優れた他のオルニトミモサウリアと違い、複数の恐竜の特徴をあわせ持つようなユニークな特徴を持っていました。  

 まず、推定全長は、11メートルと、最大級です。 これは、竜脚類のように、骨の含気構造を極めることで軽量化し、大型化したとされています。

 そして、がっしりとした体格で、強い筋肉がつくため拡張した骨盤で、ハドロサウルス先端が幅広いツメ(末節骨)を持っている後ろ足は比較的短くて、速く歩くことはできなかったようです。  

 また、ハドロサウルスのように、鼻先は長く大きなアゴを持ち、神経棘は高くスピノサウルスの帆のようです。尾端骨やU字型の叉骨も持っていました。

 頭部の形態や千以上ある胃石、魚化石の残る胃の内容物から、湿地帯環境に棲んでいた巨大雑食性動物だったと考えられています。    




  1. References:
  2.  
  3. Yuong-Nam Lee, Rinchen Barsbold, Philip J. Currie, Yoshitsugu Kobayashi, Hang-Jae Lee, Pascal Godefroit, François Escuillié & Tsogtbaatar Chinzorig (2014) 
  4. Resolving the long-standing enigmas of a giant ornithomimosaur Deinocheirus mirificus. 
  5. Nature (advance online publication) 
  6. doi:10.1038/nature13874



 現生鳥類の卵黄には、ひも状のカラザ(chalazae、卵帯)がついています。そのおかげで、卵黄を中央に維持することができ、卵は回転に耐えることができます。
  
 それにより、樹上や岩礁など、多様な環境で巣を作ることが可能になるのです。

 では、中生代の鳥類や非鳥類型獣脚類の卵には、カラザがあったのでしょうか。 カラザは蛋白質なので化石としては残りませんが、そのあたりを考察した論文が報告されています。

 論文は、ゴビ砂漠で発見された基盤的な絶滅鳥類、エナンティオルニス(Enantiornithes )の卵化石を、新種として記載したもの。

 砂などの堆積物に埋もれて上向きの卵の配置であることから、非鳥類型獣脚類のように、これらのエナンティオルニスの卵にはカラザがなかったとされています。

 したがって、巣づくりの環境にはそれなりに制限があったようです。 


 1991年にゴビ砂漠にある白亜紀後期の地層(Barun Goyot and Djadokhta Formations)で発見され、Gobioolithus major とされていたもの。  

 70mm?32mmと大きくて細長く、微細構造も異なり、新種として記載され、Styloolithus sabathi と命名されています。 卵化石に伴って産出した一部の骨化石から、エナンティオルニスとされています。  

 今回の発見から、中生代の真鳥形類(ornithuromorph)以外の卵のサイズは、非鳥類型獣脚類からは著しく増加していたのですが、まだ、新鳥類(Neornithes)の卵ほどではなかったとされています。  

 また、卵は、トロオドン類のように、堆積物に埋もれて、上向きに密に配置された形状で見つかっています。  

 堆積物で上向きに保持する必要があったことから、非鳥類型獣脚類のように、これらの鳥類の卵にはカラザがなかったとされています。これは、エナンティオルニスを含む基盤的鳥類に共通とみられています。  

 なお、カラザを持つことは、卵が回転に耐えられることで、新鳥類にとって2つのメリットがあるとされています。  

 ひとつは、樹上や岩礁、洞窟や穴など、堆積物の無い多様な巣環境が可能となることで、もうひとつは、インキュベーション中に巣環境が乱れても、卵の配置を調整できることとされています。  

 新鳥類は、巣の形成に堆積物がいらない唯一の中生代の恐竜のクレードとされ、これが、白亜紀末の絶滅イベントからの生存に重要な役割を果たしたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. David J. Varricchio and Daniel E. Barta (2014) 
  4. Revisiting Sabath's "Larger Avian Eggs" from the Gobi Cretaceous. 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi:http://dx.doi.org/10.4202/app.00085.2014



 ミステリアスな恐竜とは言っても、自然科学的に、その姿や生態に謎が多い場合と、歴史小説のように、その発見の経緯といった人の関わる部分が面白い場合があります。

 最初は大きな腕だけで、謎の多い恐竜とされていたデイノケルス(Deinocheirus mirificus)の場合は、その両方でしょうか。

 今回、未発見だった頭骨が、ヨーロッパで見つかり、ウランバートルの博物館で展示されるそうです。NewScientist が紹介しています。

 デイノケイルスの新標本(2013年4月)で紹介していますが、昨年、脊椎中央部などの新たな標本も報告されています。

 残された胃石から植物食ではないかとされていますが、歯の解析などで、その食性がより明確になることでしょう。


 今回、ヨーロッパの個人的なコレクションで発見されたもの。その頭部は、韓国・モンゴルチームが2006年に発見したデイノケルスのボディと完全に一致するそうです。  

 モンゴルからどのようにヨーロッパに渡ったのか不明ですが、盗まれたもののようです。外見は、ハドロサウルスとガリミムスの中間のようだと伝えられています。



 鳥類などは、下アゴ以外の頭部の骨を動かすことができる頭蓋キネシス(cranial kinesis、頭部の運動性)という頭部構造を持っています。 哺乳類ではまれで、ヒトにはありません。

 今回、頭部は動かせないながら、頭蓋キネシスの前提となる特徴を既に獲得している、新種のトロオドン類化石が記載されています。
 モンゴルにある白亜紀後期(Campanian)の地層(Djadokhta Formation)で発見されたトロオドン類(Troodontidae、科)で、Wikipedia で紹介されています。

 系統的には、トロオドンなどからなるクレードの姉妹群とされています。属名が「モンゴルのハンター」を意味する Gobivenator mongoliensis (ゴビヴェナトル・モンゴリエンシス)と命名されています。

 白亜紀後期のこのクレードとしては、最も完全な骨格とされ、特に、頭蓋骨は見事に保存され、トロオドン類の口蓋の全体構成の詳細情報が得られるとされています。


 口蓋の全体的な形態は、ドロマエオサウルス類や始祖鳥の口蓋に似ており、このあたりは、基盤的なアヴィアラエに向かっていたようです。  

 口蓋構成から、ゴビヴェナトルの頭部の骨は動かせなかった(無動性)のですが、上翼状骨(epipterygoid )が消失し、口蓋骨の間の接触面積が減少するというように、既に鳥類の頭蓋キネシスが進化するのための前提となる特徴を獲得しているとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Takanobu Tsuihiji, Rinchen Barsbold, Mahito Watabe, Khishigjav Tsogtbaatar, Tsogtbaatar Chinzorig, Yoshito Fujiyama & Shigeru Suzuki (2014) 
  4. An exquisitely preserved troodontid theropod with new information on the palatal structure from the Upper Cretaceous of Mongolia. 
  5. Naturwissenschaften (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s00114-014-1143-9



 胚骨格からの恐竜の新種記載は初めてのようですね。恐竜といっても、原始的な鳥類、エナンティオルニスです。

 よく骨化した四肢と癒合した骨格から早成とされ、孵化してすぐ歩けたということですから、幼体と成体で、それほど骨格の変化がなかったということでしょう。

 ゴビ砂漠にある白亜紀後期(カンパニアン、約8000万年前)の地層(Barun Goyot Formation)から発見された卵化石に残されていたもの。

 その骨格と肩帯から、洗練された飛行能力だったとされ、Gobipipus reshetovi (ゴビピプス・レシェトビ)と命名されています。


 この論文、随分前から原稿があったようで、ファーストオーサーは2年前に亡くなられているようです。

 系統解析の結果は、孔子鳥とともに、基盤的なエナンティオルニスの位置づけです。  

 同じ層準から見つかっている Gobipteryx minuta (ゴビブテリクス・ミヌタ)とは、かなり特徴が異なっているとされています。




  1. References:
  2.  
  3. E. N. Kurochkin, S. Chatterjee & K. E. Mikhailov (2013) 
  4. An embryonic enantiornithine bird and associated eggs from the Cretaceous of Mongolia. 
  5. Paleontological Journal 47(11): 1252-1269 
  6. DOI: 10.1134/S0031030113110087



 ゴビ砂漠で発見された最も完全とされるアンキロサウルス類の化石、サイカニアではないとする論文が報告されています。

 ピナコサウルスの可能性も示唆されていますが、完全な化石ながら、種がはっきりしないというのは、不思議ですね。

 モンゴル古生物センターにある標本100/1305は、今まで、Saichania chulsanensis (サイカニア・チュルサネンシス)ではないかとされていました。


 しかし、肩甲骨、上腕骨、中手骨に違いがあり、サイカニアではないとされています。  

 また、発見された地層も以前と異なり、Djadokhta Formation ではないかとされています。  同層からは2種のピナコサウルス(Pinacosaurus grangeriP. mephistocephalus)が見つかっていますが、それらとは尾椎の数や烏口骨の形態が異なるとされています。  

 現時点では、標本100/1305は、種不明のアンキロサウリダエ(Ankylosauridae)又はピナコサウルスに似た種とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Victoria M. Arbour & Philip J. Currie (2013) 
  4. The taxonomic identity of a nearly complete ankylosaurid dinosaur skeleton from the Gobi Desert of Mongolia. 
  5. Cretaceous Research 46: 24-30 
  6. http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.08.008



デイノケイルスの新標本

 デイノケイルス(Deinocheirus mirificus)といえば、大きな前腕だけの、ミステリアスな恐竜でした。

 今回、モンゴルで発見された新しい標本について、先日のSVP年会で報告されました。このあたり、「未知の恐竜を求めて|Webマガジン幻冬舎」で、小林さんが紹介されています。

 基盤的なオルニトミモササウルス類とされていますが、他のオルニトミモササウルス類とはずいぶん違っていたようです。


 ホロタイプは、1965年に記載されています。今回の標本は、韓国ーモンゴル国際調査隊により、2006年と2009年に、2箇所で発見されたもの。  

 頭部はなく、脊椎中央部や遠位尾椎、右前肢などが発見されています。  系統的には、基盤的なオルニトミモササウルス類( Ornithomimosauria)の位置づけです。  

 しかし、他のオルニトミモサウルス類とは異なり、がっしりして重い骨盤や後ろ足などから、速く走ることはできなかった考えられています。  
 また、たくさんの胃石も見つかっており、植物食だったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. NEW SPECIMENS OF DEINOCHEIRUS MIRIFICUS FROM THE LATE CRETACEOUS OF MONGOLIA LEE, 
  4. Yuong-Nam et al., 2013 Technical Session IX (Friday, November 1, 2013, 9:30 AM), 
  5. SVP Annual Meeting



 モンゴルにある白亜紀後期(約7000万年前)の地層から、テリジノサウルス類らしき巣の化石が、少なくとも18個、発見されたそうです。
 ロスで開催中のSVP年会で、北大総合博物館の小林さんらが発表したもの。NHKが紹介しています。

 肉食から植物食へと食性が変化した恐竜で、群れで暮らしていたのではないとされています。



卵殻化石から古環境の推定

 ゴビ砂漠で発見された卵殻と歯の化石から、当時の古環境を推定した論文が報告されています。

 ジャドフタ(Djadokhta)層は乾燥した砂丘(dry dunes)環境で、一方、ネメグト層は、やや湿った河川環境(mesic stream)だったとされています。

 炭素と酸素の安定同位体を解析したもの。モンゴルの白亜紀の初めての地球化学的な解析で、これらの恐竜化石は、当時の古環境を再構築できる可能性を持つとされています。
 

 モンゴル、ゴビ砂漠は、白亜紀後期の多様な化石を産出します。 堆積物の解析から、当時は、風のある乾燥した砂丘から湿った環境までと、幅広い範囲であったとされています。  

 恐竜の卵殻は、現生鳥類と同じカルサイト(炭酸カルシウム)からなり、含まれる炭素と酸素の安定同位体からは、当時の古環境の情報が得られます。  

 論文では、卵殻と歯化石のエナメル質の解析から、ジャドフタ層が堆積した当時は乾燥した砂丘環境で、一方、ネメグト層は、やや湿った河川環境だったとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. ?Shaena Montanari,Pennilyn Higgins & Mark A. Norell (2012) 
  4. Dinosaur eggshell and tooth enamel geochemistry as an indicator of Mongolian Late Cretaceous paleoenvironments.
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication)
  6. DOI:10.1016/j.palaeo.2012.12.004



 ゴビ砂漠にある白亜紀後期の地層で発見されたプロトケラトプス類(Protoceratopsidae)の標本について報告されています

 Udyn Sayr 地区からの発見で、亜成体でメスのProtoceratops andrewsi など、4つの標本が報告されています。

 フリルの形状から、3タイプに分類できるとされています。また、その形状は、ツグリキン・シレのプロトケラトプスとは異なり、この違いは、種間の変異ではないかとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Naoto Handa, Mahito Watabe and Khishigjav Tsogtbaatar (2012) 
  4. New Specimens of Protoceratops (Dinosauria: Neoceratopsia) from the Upper Cretaceous in Udyn Sayr, Southern Gobi Area, Mongolia. 
  5. Paleontological Research 16(3):179-198



 ニューヨークのオークションで落札されたタルボサウルスの全身骨格について、モンゴル政府とオークション会社とが共同で、化石の出所と所有権を調べることに合意したそうです。

 ペインター法律事務所(PAINTER LAW FIRM )が紹介していますが、Tyrannosaurus bataar となっていますね。

 モンゴルにある白亜紀末の地層で発見されたとされる化石で、全長は7.3メートルほど、全体の約75%が残されているそうです。  

 モンゴルの大統領が販売差し止めの訴えを起こしていましたが、ヘリテージがオークションを強行し、$105万ほどで落札されたもの。

 今回の調査で、モンゴルで発掘され、違法に持ち出されたことが明確になれば、返還されるのでしょう。逆に、モンゴル以外での発見となれば、大きな発見ですね。



 モンゴルにある白亜紀後期の地層で発見され、Sauronithoides mongoliensis と(サウロルニトイデス・モンゴリエンシス)されていた化石が、新種として記載されています。 

 左後肢化石(IVPP V 10597)で、再調査したところ、 Linhevenator tani に近いとされています。内モンゴルにある白亜紀後期の地層で発見され、2011年に記載された前肢の短いトロオドン類です。

 しかし、特徴が異なることから、新種とされ、Philovenator curriei と命名されています。最初にこの標本を論文にしたフィル・カリーにちなんだ学名です。属名には、"狩りの愛好家"の意味もあります。
 


  1. References:
  2.  
  3. XU Xing, ZHAO Qi, Corwin Sullivan, TAN Qing-wei, Martin SANDER & MA Qing-yu (2012) 
  4. THE TAXONOMY OF THE TROODONTID IVPP V 10597 RECONSIDERED. 
  5. Vertebrata PalAsiatica 50(2):140-150



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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