Nemegt Formation (Upper Cretaceous)の最新ニュース

 小さく産んで大きく育つ・・・のが恐竜の世界だったようで、頭部の長さが最も大きな成体の5%程しかないサウロロフス(Saurolophus angustirostris )が報告されています。

 ゴビ砂漠にある白亜紀後期の地層(Nemegt Formation)で発見された標本(MPC-D100 / 764)で、化石はモンゴルから不法に持ちだされたため、正確な発見場所は不明です。

 その後、日本経由でヨーロッパのコレクターに渡り、最終的にベルギーの自然史博物館に寄贈されたそうです。

 周囲には卵殻も見つかっており、生まれたてのようですが、まだ胚の段階なのか、後胚期(postembryonic) なのかははっきりしないようです。

 論文タイトルが、Perinatal (周産期)ですから、胚から生まれたてまでの期間ですね。

 頭部にトサカはなく、頚椎の神経アーチの半分が癒合していないことからも、成長の初期段階です。

 頭蓋骨の長さは6センチと推定され、今までに知られている成体の頭部標本の最大の長さ(1220mm)の5%ほどです。

 図は化石ブロック標本(Leonard Dewaele et al., 2015)。スケールが10センチですから、小さいですね。
 
 Saurolophus angustirostris.jpg



  1. References:
  2.  
  3. Leonard Dewaele, Khishigjav Tsogtbaatar, Rinchen Barsbold, Géraldine Garcia, Koen Stein, François Escuillié & Pascal Godefroit (2015) 
  4. Perinatal Specimens of Saurolophus angustirostris (Dinosauria: Hadrosauridae), from the Upper Cretaceous of Mongolia. 
  5. PLoS ONE 10(10): e0138806. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0138806
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 Elmisaurus rarus (エルミサウルス・ラルス)といえば、ホロタイプが中足骨であることからもわかるように、今まで不完全な化石しか知られていませんでした。

 オヴィラプトロサウリアのカエナグナナシダエ(Caenagnathidae )の系統ですが、その中足骨が癒合しているという明確な特徴があります。

 今回、モンゴルにある白亜紀後期の地層(Nemegt Formation)で発見された新しい標本について報告されています。 全文が読めます。 

 エリミサウルスとしては初めての頭部を含み、頭部には、ほとんどが鼻骨によって形成されていた大きなトサカがあったとされています。


 また、初めてとなる脊椎骨や肩甲骨、大腿骨、脛骨も報告されています。  

 カエナグナナシダエには、エルミサウリナエ(Elmisaurinae)とカエナグナチナエ(Caenagnathinae )の2系統がありますが、エルミサウリナエは、足根骨の末端と中足骨基部の癒合や、より小型なサイズで、区別できるとされています。  

 また、オヴィラプトロサウリアの後足の構造から、この系統には、3つの明確なクレードがあったとされています。  

 1つは、足が長く足根骨が癒合していない基盤的タイプ、もうひとつは、長い足で足根骨が癒合した派生タイプ(カエナグナシダエ、なお、エルミサウリナエでは中足骨まで癒合)、そして、足が短く、足根骨が癒合していない派生タイプ(オヴィラプトロサウリダエ)です。

 


  1. References:
  2.  
  3. Philip J. Currie, Gregory F. Funston, and Halszka Osmólska (2105) 
  4. New specimens of the crested theropod dinosaur Elmisaurus rarus from Mongolia. 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi:http://dx.doi.org/10.4202/app.00130.2014
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 デイノケイルス(Deinocheirus mirificus)の腹肋骨(gastralia)から、タルボサウルスがかんだ痕が見つかったと報告されています。
 
 デイノケイルスは、モンゴルにある白亜紀後期のネメグト層で発見され、2.4メートルもある大きな腕の骨だけが見つかっているオルニトミモサウルス類です。

 今回、ホロタイプが発掘された場所からの断片的な化石を調べ、噛んだ痕(平行な条痕とみぞ)を見つけたもの。 

 鋸歯痕は幅広いU字型で、直径0.5mmほど。当時、このような痕をつけたのは、タルボサウルスではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Bell, Currie & Lee (2012) 
  4. Tyrannosaur feeding traces on Deinocheirus (Theropoda:?Ornithomimosauria) remains from the Nemegt Formation (Late Cretaceous), Mongolia. 
  5. Cretaceous Research, Available online 25 April 2012
  6. doi:10.1016/j.cretres.2012.03.018
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 モンゴルにある白亜紀後期の地層で発見された、ティラノサウルス類(Tyrannosaurid)、Alioramus altai(アリオラムス・アルタイ)のタイプ標本の骨学について報告されています。 

 若い個体で、比較的小型です。鼻先が長く、細長い顔つきなどの特徴があります。 同じ場所(Tsaagan Khuushu)からは、タルボサウルスも発見されており、当時、大型ティラノサウルス類が棲み分けていたようです。 

  ネメグト層(Maastrichtian)で完全な骨格が発見され、2009年に記載された Alioramus altai の詳細についての報告です。タイプ標本は若い個体で、別種の A. remotus との違いは、成長段階の違いではないかとされています。

  成体が見つかっていないことから、同時代に同じ場所から産出するのタルボサウルスの亜成体とする説もあるようです。 しかし、タルボサウルスは大型でがっしりしており、サイズを考慮しても、形態が異なる関連種としています。 

  鼻先が長く、細長い顔つきなどの特徴から、筋肉の付き具合などを考慮すると、成体の大型ティラノサウルス類に特徴的な、"強く噛んで引っ張る(puncture-pull)"といった食餌スタイルは、この若い個体では取れなかったようです。 

 成体の食餌様式については、成体化石の発見が待たれています。


  1. References:
  2.  
  3. Stephen L. Brusatte, Thomas D. Carr, and Mark A. Norell (2012) 
  4. The Osteology of Alioramus, A Gracile and Long-Snouted Tyrannosaurid (Dinosauria: Theropoda) from the Late Cretaceous of Mongolia. 
  5. Bulletin of the American Museum of Natural History:1-197. 2012 doi: 10.1206/770.1
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 モンゴルにある白亜紀後期のネメグト盆地で発見された、Nemegtomaia barsboldi (ネメグトマイア・バルスボルディ)の新しい2つの標本が報告されています。  

 ネメグトマイアは、2004年に記載されたオヴィラプトル類で、属名は、"ネメグトの良い母"の意味です。  

 今回の標本を含めた系統解析から、ネメグトマイアは、インゲニア類(Ingeniinae)とされ、 Heyuannia の姉妹群とされています。  

 オヴィラプトル類の中では、前肢が短く、またその第1指が太く長く、ツメは強力です。一方、第2、3指は短めといった特徴があります。前肢は卵を守るために使ったようです。  



 図は、ネメグトマイアの骨格図。グレイの部分が見つかっている部分です。

 頭部などが見つかっているホロタイプと、今回発見された2つの標本からの両足などをまとめています。



ネメグ.jpg

  1.  最初は、バルウンゴヨット層(Baruungoyot Formation 、Campanian-Maastrichtian) 上部で発見された標本です。  

     卵化石の上に、その親と思われる成体化石があり、巣の化石ととも発見された4番目のオヴィラプトル属とされ、また、インゲニア類(Ingeniinae )では初めてとされています。  

     2番目は、数km離れたネメグト層の基底層で発見されたより小型の標本です。  

     オヴィラプトル類は、白亜紀後期の中国やモンゴルの、乾燥から半乾燥環境で発見される最もありふれた恐竜とされています。  

     今回は、乾燥し風の強い環境のバルウンゴヨット層と、より湿度が高い河川環境のネメグト層の両方で発見されており、営巣地は河川の近くだったようです。  



  2. References:
  3.  
  4. Fanti, F., Currie, P.J. & Badamgarav, D. 2012
  5. New Specimens of Nemegtomaia from the Baruungoyot and Nemegt Formations (Late Cretaceous) of Mongolia. 
  6. PLoS ONE 7(2): e31330 
  7. doi:10.1371/journal.pone.0031330

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 モンゴルにある白亜紀後期の地層で発見され、2009年に記載されたティラノサウルス類(Tyrannosauroidea)、 Alioramus altai (アリオラムス・アルタイ)の脳函について報告されています。

 2009年の記載論文は、頭部に8つのツノ、奇妙なティラノサウルス類発見/モンゴルで紹介しています。

 図は記載論文にある頭部骨格の復元図(Stephen L. Brusatte et al., 2009)。スケールは5cmです。  

 鼻先には小さな8つのツノ(というか小さな突起)があり、頬にも獣脚類では初めてとされるツノがあります。

 

Alioramus_altai_skull.jpg 

  下の図は今回の論文から。系統関係に、脳函表面にある孔(sinus cavernosus)の有無を01で示しています。

 コエルロサウリアの外群の獣脚類では存在しますが、ティラノサウルス以外のコエルロサウリアではありません。

 アリオラムスでは2次的に失われたとされ、このあたり、多様性があったとされています。

 

 

Alioramus altai.jpg 

 

  1. References:
  2.  
  3. Gabe S. Bever et al.,2011
  4. Variation, Variability, and the Origin of the Avian Endocranium: Insights from the Anatomy of Alioramus altai (Theropoda: Tyrannosauroidea)
  5. PLoS ONE 6(8): e23393
  6. doi:10.1371/journal.pone.0023393
  7. A long-snouted, multihorned tyrannosaurid from the Late Cretaceous of Mongolia
  8. Stephen L. Brusatte et al.
  9. PNAS published online before print October 5, 2009
  10. doi: 10.1073/pnas.0906911106
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 タルボサウルス(Tarbosaurus bataar )の幼体の頭蓋骨について解析した論文が報告されています。

 オハイオ大(pdf)に頭部のイメージなどがあります。写真や動画などが多いのですが、具体的に成体とどう違うか、比較イラストがあったほうがわかりやすいですね。そのうち、WitmerLab に情報がアップされるでしょう。

 スピードを活かして獲物を追ったなど、成体とは異なったライフスタイルであったと、ScienceDaily などが伝えています。

 幼体の頭部は、ナノティラヌスなど,他のティラノサウルス類との識別に役立つとされています。今後は、内耳や軟組織の報告も予定されています。

 

 今回の頭部は、林原自然科学博物館らが、2006年に、ゴビ砂漠にある白亜紀後期(約7000万年前)の地層で発見した全身骨格の一部。

 骨の微細構造から、年齢は2-3歳とされ、推定体長は9フィート(2.7メートル)とされています。頭部化石の全長は290mm と、ティラノサウルス類としては最小クラスとされています。

 成体のアゴは、大きな筋肉があり強く噛むことができ、また歯も特殊化しています。しかし、幼体にはそのような特色が見られないとされています。

 そのことから、より小さな獲物をその機敏さで狙い、年齢によって異なるえさを食べたことで、競合を避けたようです。

 上顎骨と歯骨の歯槽(alveoli)はそれぞれ13、14と15で、成体と変わらず、タルボサウルスでは、成長に伴って変化がなかったようです。

 

 

 以下の映像は、今回の幼体の頭部(手前)と、比較のための亜成体(奥、14歳)と成体(手前、25歳)の頭部。Courtesy of WitmerLab at Ohio University. 

 

Tarbosaurus_skulls.jpg 

  1. References:
  2.  
  3. Takanobu Tsuihiji; Mahito Watabe; Khishigjav Tsogtbaatar; Takehisa Tsubamoto; Rinchen Barsbold; Shigeru Suzuki; Andrew H. Lee; Ryan C. Ridgely; Yasuhiro Kawahara; Lawrence M. Witmer
  4. Cranial osteology of a juvenile specimen of Tarbosaurus bataar (Theropoda, Tyrannosauridae) from the Nemegt Formation (Upper Cretaceous) of Bugin Tsav, Mongolia
  5. JVP, 31(3),  p. 497 - 517, 2011
  6. DOI: 10.1080/02724634.2011.557116
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 モンゴルにある白亜紀後期の地層で、奇妙な姿の新種のティラノサウルス類(Tyrannosauridae、科)が発見・記載され、Alioramus altai (アリオラムス・アルタイ)と命名されています。

 Eurekalert などが伝えていますが、復元図がモノクロで、しかも背景と重なって不明瞭ですね。Nationalgeographic Newsに、頭部骨格の映像があります。

 ノレルらの2001年の遠征で、タルボサウルスの化石の近くで発見されたそうです。系統的には、Tyrannosauridae(科)の、 T.rex とタルボサウルスを含む tyrannosaurine に位置づけられています。

 推定年齢は9歳ながら体重は360Kg程度と小型で、鼻先が長く突き出ています。 また、肉食にもかかわらず歯は細長く、頭部には8つのツノがあり、特に頬にある5センチほどのツノが獣脚類では初めてとされています。

 

  1. A long-snouted, multihorned tyrannosaurid from the Late Cretaceous of Mongolia
  2. Stephen L. Brusatte et al.
  3. PNAS published online before print October 5, 2009
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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