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 インド中央部にある白亜紀後期の地層(Lameta Formation)といえば、多くの卵化石を産出します。

 今回、新たに発見された竜脚類の営巣地について報告されています。

 サルバーデイ( Salbardi)にある河川堆積物からなる地層で、その東にあるナーグプル(Nagpur)やジャバルプル(Jabalpur)といった既に見つかっている場所とは、離れた営巣地です。

 卵化石については、その形状やサイズ、卵殻の微細構造から、Megaloolithus 属とされています。




  1. References:
  2.  
  3. Ashok K. Srivastava & Rupesh S. Mankar (2015) 
  4. Megaloolithus dinosaur nest from the Lameta Formation of Salbardi area, districts Amravati, Maharashtra and Betul, Madhya Pradesh. 
  5. Journal of the Geological Society of India 85(4): 457-462 
  6. DOI: 10.1007/s12594-015-0237-0
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 白亜紀末の大量絶滅の原因については、恐竜絶滅論争に決着?(2010年3月)で紹介したように、国際研究チームが、巨大隕石衝突とすることで一致したのですが、その後、異論も出ています。 
 
 もう一つの有力な説として、インドのデカン高原の火山活動説がくすぶり続けたりしているのですが、今回、これら2つの説(小惑星衝突とデカン高原の火山活動)は密接に関連しているとする論文が報告されています。

 原因は、ワンツーパンチ?/白亜紀末の大量絶滅(2006年10月)でも、"press/pulse theory(プレス・パルス説)"という複合説として、似たような説を紹介しています。

 当時と状況が違うのは、今までで最も高精度な 40Ar/39Ar 年代測定により、デカン高原の噴火時期がより正確になったことでしょう。

 デカントラップ全体体積の70%程が噴出した大噴火は、小惑星衝突の5万年以内に起こったとされています。最大とはいえ、5万年とは、ずいぶん長いようですが、その分、その間に回復しつつあった環境に、ダメージを与えたのでしょう。

 衝撃によって誘発された地震エネルギーが、 地下のマグマ溜まりを刺激したようです。  

 そして、海洋生態系の回復は、火山活動が衰えるまで抑制され、陸や海の生態系が回復するまで、50万年もかかったとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Paul R. Renne, Courtney J. Sprain, Mark A. Richards, Stephen Self, Loÿc Vanderkluysen, and Kanchan Pande (2015) 
  4. State shift in Deccan volcanism at the Cretaceous-Paleogene boundary, possibly induced by impact. 
  5. Science 350 (6256): 76-78 
  6. DOI: 10.1126/science.aac7549
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 デカントラップ(Deccan Trap)は、インドのデカン高原にある地上最大の火山活動の痕跡です。
 
 たびたび白亜紀末の大量絶滅の原因の一つにあげられたりするのですが、隕石衝突ほど、インパクトのある証拠がありません。

 今回、U-Pbジルコン年代測定法を使い、その時期と規模を解析した論文が報告されています。

 その結果、メインの噴火は、大量絶滅の25万年までに開始し、75万年までの間に、110万立方キロメートルを超える玄武岩が噴出したとしています。

 今回の結果は、デカントラップが、ついには海と陸の大量絶滅となった白亜紀末の環境変化と生物のターンオーバーに関与しているとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Blair Schoene, Kyle M. Samperton, Michael P. Eddy, Gerta Keller, Thierry Adatte, Samuel A. Bowring, Syed F. R. Khadri & Brian Gertsch (2014) 
  4. U-Pb geochronology of the Deccan Traps and relation to the end-Cretaceous mass extinction. 
  5. Science (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1126/science.aaa0118
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 インドにある白亜紀後期の地層( Lameta Formation )で発見されたコプロライトから、植物化石と共に発見された微生物化石について報告されています。

 電顕で調べたところ、7つの貝虫(ostracod)のタクソンが見出されているそうです。貝虫は、淡水から海水に生息する小型の甲殻類で、堆積環境が河川湖沼だったとされています。

 植物片の大部分は識別不??能ですが、識別可能な組織としては、裸子植物組織や胞子、キューティクルなどが含まれているそうです。また、葉のラミナは、シリカに置換されています。

 植物と微化石の食物残渣で、リン酸塩組成物の珍しい組み合わせがみられ、フンをした恐竜は、故意または偶然に雑食していたタイプとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Ashu Khosla, Karen Chin, Habib Alimohammadin & Debi Dutta (2014) Ostracods, plant tissues, and other inclusions in coprolites from the Late Cretaceous Lameta Formation at Pisdura, India: Taphonomical and palaeoecological implications. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) doi:10.1016/j.palaeo.2014.11.003
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新種のキノドン類/インド

 インドにある三畳紀前期の地層(Panchet Formation)で発見された新種のキノドン類が記載されています。  

 哺乳類の直接の祖先ではない非哺乳類型(non-mammalian)のキノドン類とされ、爬虫類(獣弓類)から哺乳類への変遷に重要な情報を与えるとされています。 全文が読めます。  

 左下顎の一部が発見されたもの。他のキノドン類とは異なる特徴があり、学名は、Panchetocynodon damodarensis とされています。    
 三畳紀のゴンドワナ大陸からのキノドン類の発見は多いのですが、今のインド亜大陸からの発見は少ないそうです。 

 今回の地層からは、1987年にThrinaxodon bengalensis が報告されているだけですが、詳細な系統的な報告は無いようです。また、他のインドのキノドン類は、三畳紀後期(Carnian)からの発見とされています。  

 系統的には、今回の P. damodarensis は、 非哺乳類型のキノドン類とされています。この 非哺乳類型のキノドン類は、爬虫類(獣弓類)から哺乳類への変遷、特に歯やあごの進化に重要な情報を与えるとされています。  

 ちなみに、最も哺乳類の直接の祖先に近縁とされているのは、より進化したタイプで三畳紀中期のProbainognathus です。

 


  1. References:

  2. D. P. Das and Abir Gupta (2012)
  3. New cynodont record from the lower Triassic Panchet Formation, Damodar valley.
  4. Earth and Environmental Science Journal of the Geological Society of India, 79(2), 175-180 
  5. DOI: 10.1007/s12594-012-0022-2
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 白亜紀末のデカン高原の火山活動が大量絶滅を引き起こした新しい証拠が見つかったとする論文が報告されています。

 論文要旨はまだ公開されていませんが、プリンストン大は、ワンツーパンチと解説しています。 

 約50万年にわたりプランクトンが死滅していた証拠がみつかり、チチュルブ小惑星衝突より多い大量の炭酸ガスや亜硫酸ガスが噴出したとされています。

 

 2010年3月に国際研究チームが、恐竜絶滅はユカタン半島への小惑星の衝突が原因と結論づけた論文がScience に報告されました。

 このあたり、恐竜絶滅論争に決着?で紹介しましたが、まだまだ議論は"絶滅"しそうにありません。 

 

  1. References:
  2.  
  3. G. KELLER, P.K. BHOWMICK, H. UPADHYAY, A. DAVE, A.N. REDDY, B.C. JAIPRAKASH and T. ADATTE (2011)
  4. Deccan Volcanism Linked to the Cretaceous-Tertiary Boundary Mass Extinction: New Evidence from ONGC Wells in the Krishna-Godavari Basin.
  5. Journal of the Geological Society of India 78(5): 399-428
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 2009年英国・ブリストルで開催されたSVP年会で開催されたシンポジウムをまとめた論文集が出版されています。

 Earth and Environmental Science  Transactions of the Royal Society of Edinburghの101 Special Issue 3-4 で、サブタイトルは、"Late Triassic Terrestrial Biotas and the Rise of Dinosaurs(三畳紀後期の動物相と恐竜の出現)"です。

 

 豊富な内容で、全ては紹介できませんが、新種記載論文を紹介します。

 インドで発見された三畳紀後期の2種の竜脚形類で、プラテオサウリア類では無い(non-plateosaurian ) Nambalia roychowdhurii と、プラテオサウリア類の Jaklapallisaurus asymmetrica です。

 同じ地層からは、5つの恐竜形類の化石が見つかっているそうです。

 

 

  1. References:
  2.  
  3. New dinosaur species from the Upper Triassic Upper Maleri and Lower Dharmaram formations of Central India
  4. Fernando E. Novas, Martin D. Ezcurra, Sankar Chatterjee and T. S. Kutty
  5. Earth and Environmental Science Transactions of the Royal Society of Edinburgh, 101(3-4), p. 333 - 349
  6. DOI:10.1017/S1755691011020093  
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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