ロシアの最新ニュース

 ロシアにあるジュラ紀後期の地層で発見された、新種の"オルニトミモサウリア"に関する記載論文が報告されています。

 断片的な"前肢"と尾椎、角質のウロコの印象が見つかったというもの。 しかし、Theropoda によると、"前肢"とされているのは後足で、獣脚類ではなく基盤的な鳥盤類としています。

 Kulindadromeus zabaikalicus(クリンダドロメウス・ザバイカリクス) のジュニアシノニムではないかという話もあります。 

 クリンダドロメウスについては、獣脚類の原羽毛と相同か/クリンダドロメウスの羽毛状構造(2014年7月)で紹介していますが、シベリアで発見された羽毛状構造を持つ基盤的新鳥盤類(neornithischia)です。 

 2015年、いや、いままで最悪の恐竜の論文のひとつとの話もありますね。

 とりあえず、論文要旨に記載してあるのは以下のとおり。



 学名は、Lepidocheirosaurus natatilis (レピドケイロサウルス・ナタティリス)です。属名の意味は、"hand scale saurian(手にウロコのあるトカゲ)"です。

 レピドケイロサウルスは、形態的には、 Nqwebasaurus thwazi (ヌクウェバサウルス)に似ているそうです。

 ヌクウェバサウルスは、南アフリカにある白亜紀前期の地層で見つかっており、アフリカ初のオルニトミモサウリア、Nqwebasaurus thwazi(2012年6月)で紹介しています。



  1. References:
  2.  
  3. V. R. Alifanov and S. V. Saveliev (2015) 
  4. The Most Ancient Ornithomimosaur (Theropoda, Dinosauria), with Cover Imprints from the Upper Jurassic of Russia. 
  5. Paleontological Journal 49 (6): 636-650 
  6. doi:10.1134/S0031030115060039
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 ロシアにあるジュラ紀後期の地層で発見された Undorosaurus 属の新種の魚竜化石が報告されています。 オープンアクセスです。 

 不完全な前肢化石が見つかったもの。U. trautscholdi と命名されています。

 系統解析の結果、UndorosaurusParaophthalmosaurus は、オフタリモサウリダエ(Ophthalmosaurinae、オフタルモサウルス亜科)の系統とされています。




  1. References:
  2.  
  3. M.S. Arkhangelsky and N.G. Zverkov (2014) 
  4. On a new ichthyosaur of the genus Undorosaurus
  5. Proceedings of the Zoological Institute 318 (3): 187-196 (pdf)
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 1927年に、ロシアのペンザ(Penza)にある白亜紀後期(マーストリヒシアン)の地層で発見された巨大なモササウルス(Mosasaurus hoffmanni )について報告されています。オープンアクセスです。 
 
 ロシアからは初めての、モササウリダエ(Mosasauridae)で、体長は17メートルと推定され、最大級のモササウルスの一つとされています。



  1. References:
  2.  
  3. D.V. Grigoriev (2014) 
  4. Giant Mosasaurus hoffmanni (Squamata, Mosasauridae) from the Late Cretaceous (Maastrichtian) of Penza, Russia. 
  5. Proceedings of the Zoological Institute RAS 318 (2): 148-167
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 ロシアにあるジュラ紀後期の地層で発見された2種の鳥盤類が英文で記載されています。Kulindapteryx ukureicaDaurosaurus olovus です。

 毛の生えた(?)ヒプシロフォドンティア(2014年7月)で紹介した時は、ロシア語でした。

 ただし、獣脚類の原羽毛と相同か/クリンダドロメウスの羽毛状構造(2014年7月)で紹介したKulindadromeus zabaikalicus (クリンダドロメウス・ザバイカリクス)と同じ標本です。

 この論文の標本は、博物館から盗まれたものらしく、2つの学名は無効名とする話もあります。つまり、2種は、クリンダドロメウスにまとめられそうです。

 盗まれたかどうかはともかく、複数の標本からの記載なこともあり、研究者により、1種だったり2種としたり、系統も異なりますね。



  1. References:
  2.  
  3. V. R. Alifanov & S. V. Saveliev (2014) 
  4. Two new ornithischian dinosaurs (Hypsilophodontia, Ornithopoda) from the Late Jurassic of Russia. 
  5. Paleontological Journal 48(4): 414-425 
  6. DOI: 10.1134/S0031030114040029
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 新鳥盤類から羽毛状構造(2013年11月)で紹介していましたが、シベリアで発見された羽毛状構造を持つ基盤的新鳥盤類(neornithischia)が記載されています。
 
 全長1.5メートルほどの植物食恐竜で、Kulindadromeus zabaikalicus (クリンダドロメウス・ザバイカリクス)と命名されています。

 "羽毛"と紹介しているニュースもありますが、鳥類の羽毛とは異なります。論文のタイトルは、" 羽毛(feathers)"と略されていますが、本文では、単繊維(monofilaments)と、図のように分岐し軸のない羽毛状構造(featherlike structures)とされています。

 図は、複雑な構造の大腿骨付近の羽毛状構造。Eが化石の写真で、Fがそれを説明用に図にしたもの。 bpl は基板(basal plate)です(Pascal Godefroit et al., 2014)。

 剛毛状のウロコ/鳥盤類では初めて(2014年7月)で紹介した構造に似てますね。 これらは、羽毛ではなくて、毛じゃないのかな、という気もしないではありません。




Kulindadromeus-2.jpg

 以前から、鳥盤類でもフィラメント状の外皮構造は報告されています。

 羽毛はまれ/恐竜の皮膚(2014年1月)で紹介していますが、いずれも角脚類のヘテロドントサウルス類のTianyulong confuciusi とプシッタコサウルスで、ブラシ状の繊維状外皮構造は、それらの固有派生形質であって、ごく一部のグループでの特殊な例とされていました。

 しかし、今回、シンプルとやや複雑な羽毛状構造がみつかったことから、それらの構造は、非鳥類型獣脚類の"原羽毛 (protofeathers) "と共通の祖先に由来する相同と考えられています。

 今回の発見から、全ての恐竜が、羽毛状構造を備えていたと考えられています。ただ、その起源はさかのぼるのでしょうが、まだ鳥盤類での発見例は少ないですね。  
 
 クリンダドロメウスでは、もっぱら断熱やディスプレイの意味だったのではないかと考えられています。

 しかし、温暖な気候であったり、ディスプレイとしては、トサカなどのほうがめだったりと、結局、鳥盤類では羽毛はじゃまになって、それほど進化しなかったようにも思えます。



Kulindadromeus.jpg

 今回のクリンダドロメウスは、ジュラ紀中期-後期(約1億6000万年前)の地層(Ukureyskaya Formation)からの発見で、上の図に示すように、基盤的新鳥盤類の位置づけです(Pascal Godefroit et al., 2014)。  

 新鳥盤類とは、ステゴサウルスやアンキロサウルス以外の鳥盤類です。クリンダドロメウスは、角脚類(Cerapoda)の姉妹群ですから、基盤的といってもより進化した仲間ですね。  


 クリンダドロメウスは、3種類のウロコと、3種類の羽毛状構造を持つとされています。後足の遠位まわりは小さなウロコでおおわれ、尾は、より大きなカワラ状のウロコです。  

 一方、頭部や胸部は単繊維(monofilaments)でおおわれ、上腕骨と大腿骨、脛骨はより複雑で分岐し、軸のない羽毛状構造( featherlike structures)でおおわれています。リボン状構造も見つかっています。



  1. References:
  2.  
  3. Pascal Godefroit, Sofia M. Sinitsa, Danielle Dhouailly, Yuri L. Bolotsky, Alexander V. Sizov, Maria E. McNamara, Michael J. Benton & Paul Spagna (2014) A Jurassic ornithischian dinosaur from Siberia with both feathers and scales. Science 345( 6195): 451-455 DOI: 10.1126/science.1253351
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 図は変形したクシのようですが、昨日紹介したロシアのヒプシロフォドンティアで発見されたもの。

 今回の別論文では、剛毛状のウロコ(bristle-like scales)と表現されています(S. V. Saveliev & V. R. Alifanov ,2014)。

 このような構造は、鳥盤類では、初めてとされています。また、様々な色素も含まれているとされています。

 ベースとなるウロコの幅は2から6.5ミリで、その端から長さ2から5ミリと短い剛毛が何本も伸びており、その長さや形態は多様です。




scales.jpg


 剛毛がウロコの幅より長いものもみられ、ウロコが化石化される時に、コラーゲン繊維がほぐれた可能性は少なそうです。ただ、ウロコが断片化された可能性もありますが。

 ほ乳類の毛は、皮膚の角質化に由来し、保温のためとされていますが、ヒプシロフォドンティアも似たような目的だったのでしょうか。 
 



  1. References:
  2.  
  3. S. V. Saveliev & V. R. Alifanov (2014) 
  4. A new type of skin derivatives in Ornithischian dinosaurs from the late Jurassic of Transbaikalia (Russia). 
  5. Doklady Biological Sciences 456(1): 182-184 
  6. DOI: 10.1134/S0012496614030053
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 鳥盤類の羽毛らしき構造といえば、プシッタコサウルスの尾にみられるブラシ状の繊維状外皮構造が知られています。

 もっとも、羽毛はまれ/恐竜の皮膚(2014年1月)で紹介していますが、これは、この系統だけの固有派生形質とされ、羽毛と相同とする強い証拠はないとされています。

 今回、ロシアのジュラ紀後期の地層(Ukureiskiy Formation)で発見された2種の鳥盤類のヒプシロフォドンティア(Hypsilophodontia)が記載されています。

 その中で、ブラシ状の毛(bristles)に分岐していった皮膚のウロコの存在は、ヒプシロフォドンティアで確立されたというようなことが書かれていますが、ロシア語で詳細は不明です。

 ジェフォロサウリダエ(Jeholosauridae) の系統のKulindapteryx ukureica と、ヒプシロフォドンティダエ(Hypsilophodontidae、科) の Daurosaurus olovus です。

 鳥盤類の系統で、鳥類に使われる " pteryx" の語尾は違和感がありますね。

 
 ジェフォロサウリダエは、小型鳥盤類、Jeholosaurus の詳細(2012年11月)で提唱されたクレードですが、今回、ジェフォロサウリダエとヒプシロフォドンティダエは、レソトサウリダエ(Lesothosauridae)とともに、ヒプシロフォドンティアとされています。  

 また、鳥脚類と獣脚類における、坐骨前方にある閉鎖孔突起( obturator process )の起源と相同性についても議論されています。



  1. References:
  2.  
  3. V.R. Alifanov & S.V. Saveliev (2014) 
  4. Two new ornithischian dinosaurs (Hypsilophodontia, Ornithopoda) from the Late Jurassic of Russia. 
  5. Paleontological Journal 4: 72-82 (Russian edition) 
  6. DOI: 10.7868/S0031031X14040023
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新鳥盤類から羽毛状構造

 ロシアにあるジュラ紀中期ー後期の地層で発見された基盤的な新鳥盤類(neornithischia)とされる化石で、羽毛状構造とウロコが見つかったそうです。

 この化石、"Kulindodromeus"と呼ばれているそうです。Chita (ロシア語)に写真があります。

 単純な繊維状の羽毛は、恐竜全体に広がっていたとされています。鳥盤類からの羽毛らしき構造は、遼寧省でも見つかっていますが、まだ、化石証拠が少ないような気がしますね。


 なお、この報告、SVP年会で報告される予定でしたが、キャンセルされたようです。  

 骨格に直接ついた、変化した外皮構造があり、単純な繊維状の羽毛は、恐竜全体に広がっていたとされています。  

 また、腓骨の遠位と足には、現生鳥類のようなウロコがあるそうです。驚くことに、尾の背腹方向の動きは、背表面にある大きなウロコの重なりによって阻止されていたそうです。  

 仮説として、恐竜全体で同時に初期の羽毛が進化し、2足歩行が容易になるように、後ろ足の遠位部と尾の部分の長い構造の成長は制限されるように進化したとされています。



  1. References:
  2.  
  3. FEATHER-LIKE STRUCTURES AND SCALES IN A JURASSIC NEORNITHISCHIAN DINOSAUR FROM SIBERIA 
  4. GODEFROIT et al., 2013 
  5. SVP Annual Meeting
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 ロシア極東地方にある白亜紀後期晩期の地層(Udurchukan Formation)で発見された、ランベオサウルス類、Olorotitan arharensisの(オロロティタン)系統関係や、ランベオサウルス類(lambeosaurine)が多様化した理由などについて報告されています。 

 ランベオサウルス類のアジア起源説が一般化しつつあるそうですが、ロシア極東で白亜紀末にかけて多様化した理由としては、植物の競合などの理由があるようです。
 

 オロロティタンは、2003年に記載され、頭部にあるトサカの後ろのほうが広がっているのが特徴です。

 ロシアで発見された恐竜では最も完全な骨格で、北米大陸西部以外では、最も完全なランベオサウルス類の一つとされています。  

 系統解析の結果、コリトサウリーニ(Corythosaurini)のクレードで、 Corythosaurus casuariusHypacrosaurus stebingeri、そして Hypacrosaurus altispinus からなるクレードの姉妹群とされています。  

 マーストリヒティアン期に、アムール(黒龍江)地方でハドロサウルス類が幅広く多様化し、モザイク状に分布した理由として、植物の競合など、複雑な古地理学上の歴史の結果だとされています。  

 白亜紀後期には、南米大陸西部とアジア大陸東部の間で、多くのハドロサウルス類の系統が独立して拡散したようです。



  1. References:
  2.  
  3. Pascal Godefroit, Yuri L. Bolotsky, and Ivan Y. Bolotsky , 2012
  4. Osteology and relationships of Olorotitan arharensis, a hollow-crested hadrosaurid dinosaur from the latest Cretaceous of Far Eastern Russia 
  5. Acta Palaeontologica Polonica 57 (3), 2012: 526-560 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.4202/app.2011.0051
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 ロシア極東部にある白亜紀後期の地層で発見された新種のサウロロフス類(Saurolophinae)が記載されています。 

 白亜紀最晩期(マストリヒチアン)という時代からの発見が興味深いですね。米国のヘルクリーク層以外ではここぐらいでしようか。

 アムール(黒龍江)地方(Amur/Heilongjiang Region)にあるUdurchukan Formation から、頭部化石の一部などが発見されたもの。

 Kundurosaurus nagornyi と命名され、属名は、化石が発見された場所(Kundur)にちなんでいます。

 系統的には、エドモントサウルス類とサウロロフス類、Prosaurolophus maximus からなるクレードないに位置づけられ、同じ地層で発見され2004年に記載された Kerberosaurus manakini の姉妹群ではないかとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Godefroit P, Bolotsky YL, Lauters P (2012) 
  4. A New Saurolophine Dinosaur from the Latest Cretaceous of Far Eastern Russia. 
  5. PLoS ONE 7(5): e36849. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0036849
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 シベリアにあるジュラ紀中期の地層(Itat Formation)で発見された新種のティラノサウロイデア(Tyrannosauroidea)が記載されています。全文が読めます。  

 上顎骨や前上顎骨などが見つかっており、Kileskus aristotocus と命名されています。 

  ロシアで初めてとなるティラノサウロイデアとされ、基盤的プロケラトサウリダエ(Proceratosauridae)に位置づけられ、プロケラトサウルスよりグアンロンに近縁とされています。  

 ただ、Proceratosauridae というタクソンについては再定義しています。



  1. A.O. Averianov, S.A. Krasnolutskii and S.V. Ivantsov. ,2010
  2. A new basal coelurosaur (Dinosauria: Theropoda) from the Middle Jurassic of Siberia. 
  3. Proceedings of the Zoological Institute 314(1):42-57.(PDF)  


 Proceratosauridae というタクソンは、2009年秋、ロンドンの自然史博物館に保管されていた頭部化石が最古のティラノサウルス類の化石とわかり、Proceratosaurus bradleyi (プロケラトサウルス)と命名された論文で提唱されました。  

 しかし、今回の論文では、Proceratosauridae というタクソンは、これを識別する形質の定義が無いという理由で命名規約(13.1.1)を満足せず無効とし、新たに、Proceratosauridae family group taxon(科階級群タクソン)としてノードベースで再定義しています。 
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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