ルーマニアにある白亜紀後期(7100万年-6600万年前)前の地層で発見されたドロマエオサウルス類、 Balaur bondoc (バラウル・ボンドック)について、アメリカ自然史博物館紀要に報告されています。 100ページもあり、フリーのpdf があります。
2010年に記載され、第1指にも第2指と同じようなカギヅメがあるのが特徴です。当時のルーマニアは、多島海に浮かぶ島々で、特に"Hateg 島"と呼ばれるような島環境で矮小化したためか、2メートルほどと小型です。
このモノグラフでは、ホロタイプの追加のプレパレーションにより、バラウルが、ヴェロキラプトルに近い、異様で、派生的なドロマエオサウルス類であるという更なる証拠を示しています。
一方、白亜紀後期のローラシアにみられる派生的なドロマエオサウルス類にかなり近いとされ、島という環境で特殊に進化したのかどうか、議論されています。
バラウルの特徴は、著しく変形した四肢骨格、ずんぐりと重い癒合した遠位の後肢、2セットある過伸展した足ヅメ、癒合し退縮した手です。
これらは、派生的なコエルロサウルス類には見られない特徴とされています。
また、別の場所から、ホロタイプより50%ほど大きい標本が見つかっているそうです。組織学的に、ホロタイプとこの標本は成熟した成体とされ、大きい標本は、Balaur sp.とされています。
系統的に、バラウルは、白亜紀後期のローラシアのタクサにかなり近い派生的なドロマエオサウルス類とさ
れています。
このことから、ルーマニアの島における動物相が、長期間、地理的な固有性を保っていたという以前の仮説とは矛盾するとしています。
一方、特異な姿は、現生や最近絶滅した哺乳類に似ており、これは、"島効果"ではないかとの議論もあります。
- References:
- Stephen L. Brusatte, Mátyás Vremir, Zoltán Csiki-Sava, Alan H. Turner, Akinobu Watanabe, Gregory M. Erickson, and Mark A. Norell (2013)
- The Osteology of Balaur bondoc, an Island-Dwelling Dromaeosaurid (Dinosauria: Theropoda) from the Late Cretaceous of Romania.
- Bulletin of the American Museum of Natural History Number 374 :1-100
- (AMNH(pdf))
- doi: http://dx.doi.org/10.1206/798.1