イタリアの最新ニュース

 イタリアの恐竜といえば、Dinosaurs Of Italy(2004年9月)で、本を紹介していますが、スキピオニクス(Scipionyx)程度でした。

 その後、2種の新種恐竜(2009年12月)で紹介している白亜紀後期のハドロサウロイデア、Tethyshadros insulari が記載されています。

 今回、イタリアでは初めてとなる竜脚類の化石が報告されています。南ヨーロッパで最古のティタノサウリアとされています。

 ローマの東、50kmにある白亜紀前期(アピチアン-アルビアン)の海洋堆積層から、尾椎骨の一部が発見されたもの。

 ティタノサウリアの派生的なグレード、リソストロティア(Lithostrotia)の基盤的な仲間とされています。

 古地理学的な分析からは、先祖は、アフロ・ユーラシアルートからやってきたらしく、「フィルタリング・ブリッジ(filtering bridge)」により、西テチス海を渡ったメンバーと考えられています。

 フィルタリング・ブリッジとは、白亜紀初期から、島々や半島を鎖のように繋いでいたルートで、アフリカとヨーロッパを結んでいたと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Cristiano Dal Sasso, Gustavo Pierangelini, Federico Famiani, Andrea Cau & Umberto Nicosia (2016) 
  4. First sauropod bones from Italy offer new insights on the radiation of Titanosauria between Africa and Europe. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.03.008
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 18世紀から19世紀にかけてイタリアで収集された化石から、プレシオサウリアの新種が記載されています。

 ジュラ紀中期から後期の地層(Rosso Ammonitico Veronese Formation)で発見されたクロコダイル形類のメトリオリンキダエ (Metriorhynchidae)やプレシオサウリアの化石からです。

 このあたりでは、2つのクレードが共存していたようで、メトリオリンキダエのほうは、Neptunidraco 属とされています。新種のプレシオサウリアの学名は、Anguanax zignoi です。

 系統的には、Marmornectes Thalassophonea を含むクレードと姉妹群の、基盤的なプレシオサウリアとされています。

 今回の両クレードは、1億7600万年から 1億7100万年前にかけて分岐し、その多様化速度は他のクレードに比べて有意に高かったとされています。  

 深海環境に素早く適応したのは、ジュラ紀、北部テチス海で起きた最新の海退状態に対応してのことと考えられています。




  1. References:
  2.  
  3. Andrea Cau & Federico Fanti (2015) 
  4. High evolutionary rates and the origin of the Rosso Ammonitico Veronese Formation (Middle-Upper Jurassic of Italy) reptiles. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2015.1073726
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 細長い中足骨が特徴的な獣脚類の足跡化石が報告されています。オープンアクセスです。

 図は、足跡のスケッチ(Paolo Citton et al., 2015)。スケールは10センチです。

 イタリアにある白亜紀の地層で発見された足跡化石で、足跡の分布や特徴から、直立状態から、うずくまった("crouched")状態に姿勢を変化させ、そして停止し、地上で休んだとされています。

 そして、再び、しゃがんだ姿勢で歩き出したと考えられています。





Elongated theropod tracks.jpg 



  1. References:
  2.  
  3. Paolo Citton, Umberto Nicosia, Iacopo Nicolosi, Roberto Carluccio, and Marco Romano (2015) 
  4. Elongated theropod tracks from the Cretaceous Apenninic Carbonate Platform of southern Latium (central Italy). 
  5. Palaeontologia Electronica 18.3.49A: 1-12

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シチリア島から三畳紀の魚竜

 イタリア南部にあるシチリア島といえば、風光明媚な観光地ですが、その島からは初めてとなる魚竜化石が報告されています。

 アンモナイトから三畳紀後期(カーニアン後期)の地層とされ、最大の標本は、シャスタサウルス類(Shastasauridae、種不明) とされています。

 今回の発見から、Monte Scalpello の三畳紀の動物群の多様性は、以前から知られているよりも高く、とりわけ、三畳紀の西部テチス盆地としては、最も南からの魚竜とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Cristiano dal Sasso, Gianni Insacco, Alfio Alessandro Chiarenza, Davide di Franco & Agatino Reitano (2014) 
  4. First record of ichthyosaurs in Sicily (Upper Triassic of Monte Scalpello, Catania Province). 
  5. Rivista italiana di Paleontologia e Stratigrafia 120(1): 71-82
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 イタリア北部にある白亜紀後期(カンパニアン後期)の地層で発見された、巨大なモササウルス類が報告されています。

 巨大な Mosasaurus hoffmanni と、頭部を比較したところ、頭部の大きさはモササウルスで最大級と推定されています。 よって、最大級のモササウルス類で、イタリアで最大の爬虫類化石とされています。

 壊れた前上顎骨の前方部など、吻部の一部が見つかったもの。他と違う特徴があるとのことですが、新種かどうかは不明です。


  1. References:
  2.  
  3. Federico Fanti, Andrea Cau & Alessandra Negri (2014) 
  4. A giant mosasaur (Reptilia, Squamata) with an unusually twisted dentition from the Argille Scagliose Complex (late Campanian) of Northern Italy. 
  5. Cretaceous Research 49: 91-104. 
  6. doi: 10.1016/j.cretres.2014.01.003.
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北部パンゲア最古の恐竜化石

 恐竜の出現は三畳紀後期のカーニアン初期、当時のパンゲア大陸南部とされています。

  一方、北部パンゲアでは最古とされる恐竜化石がイタリアで発見され、報告されています。

 体化石ではなくて、図に示したように、大きな3本指の足跡化石です(Massimo Bernardi et al., 2013)

 恐竜形類など多様な足跡も残されており、当時の動物相が突然、恐竜に置き換わったわけではないとされています。

tridactyl footprints.jpg


 イタリア・南アルプスにある三畳紀後期(カーニアン後期、Tuvalian 亜階)の地層(Travenanzes Formation)で見つかったもの。  

 体長5メートルほどの恐竜の足跡とされ、北部パンゲアからの、信頼できる最古の恐竜の化石証拠とされています。  

 また、大小の恐竜の足跡化石だけでなく、恐竜形類やクルロタルシ類(crurotarsans) といった主竜類の足跡も見つかっているそうです。    

 これらの共存から、古い動物相が、突然、恐竜に置き換わったのではないと考えられています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Massimo Bernardi, Fabio Massimo Petti, Simone d'Orazi Porchetti and Marco Avanzini 
  4. Large tridactyl footprints associated with a diverse ichnofauna from the Carnian of the southern Alps 
  5. New Mexico Museum of Natural History and Science, Bulletin 61, p. 48-54 (pdf)
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スキピオニクスの解剖学

 イタリアにある白亜紀後期の地層で発見されたコンプソグナトゥス類(Compsognathidae)、スキピオニクス(Scipionyx samniticus )について詳細に分析した論文が報告されています。

 Corriere della Seraに、ビデオや映像がありますがイタリア語です。

 非常に保存状態が良く、内臓の痕跡が残ることで有名な化石で、イタリアでは初めての恐竜化石でもあります。

 約1億1000万年前とされ、新生児のような("neonate-like" )特徴から、年齢は3週間未満としています。

 繊維組織や血管、腸内細菌の痕も残され、未消化の食べたものも残されているそうです。

 

 下の図は、全身骨格図と未消化の食べたものの位置。トカゲや魚を食べていたようです。 出典は、Corriere della Sera です。

 

 

Scipionyx samniticus.jpg

 

  

  1. References:
  2.  
  3. Cristiano Dal Sasso & Simone Maganuco, 2011,
  4. Scipionyx samniticus (Theropoda: Compsognathidae) from the Lower Cretaceous of Italy Osteology
  5. MEMORIE XXXVII-1. p.282 
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2種の新種恐竜

 JVPの最新号(29-4)に、2種の新種恐竜が記載されています。  

 最初は、南アフリカのジュラ紀後期の地層で発見された竜脚形類で、Massospondylus 属の新種で、M. kaalae と命名されています。  

 次は、イタリアの白亜紀後期(約7000万年前)の地層で発見されたハドロサウロイデア、Tethyshadros insulari です。  

 関節状態で見つかり最も完全な恐竜化石のひとつとされています。  

 小型で、島で小型化した(insular dwarf)のではないかとされ、学名の意味は、"island of dinosaur Hadrosauroidea Tethys(島に棲んでいたテチス海のハドロサウロイデア)"です。


 


  1. References:
  2.  
  3. A New Basal Sauropodomorph Dinosaur from the Upper Elliot Formation (Lower Jurassic) of South Africa 
  4. Paul M. Barrett 
  5. JVP, 29(4), p.1032-1045, 2009  
  6.  
  7. Tethyshadros insularisA New Hadrosauroid Dinosaur (Ornithischia) from the Upper Cretaceous of Italy 
  8. Fabio M. Dalla Vecchia 
  9. JVP, 29(4), p.1100-1116 2009
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Dinosaurs Of Italy

 Dinosaurs Of Italy (Life of the Past)は、イタリアの恐竜について書かれた本で、2005年1月発売予定です。

 著者はミラノ自然史博物館の Cristiano Dal Sasso とフリージャーナリストの Giuseppe Brillante です。  

 内臓の印象が残るスキピオニクス(Scipionyx)や、この本の表紙になっているサルトリオサウルス("saltriosaurus"、未記載)などの恐竜のほか、イクチオサウルス(Besanosaurus など)や翼竜(Eudimorphodon. など)についても書かれています。 


 未発表のスキピオニクスの詳しい写真もあるそうです。  サルトリオサウルスは、およそ2億年前の最古のテタヌラ類とされています。
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