カナダの最新ニュース

 カナダ・アルバータ州の恐竜州立公園にある白亜紀後期の地層(Dinosaur Park Formation)で発見されたカスモサウリナエ(亜科)の幼体化石について報告されています。

 世界で初めての、ケラトプシアの幼体の完全な骨格と、アルバータ大が紹介しています。SVPでも紹介されています。

 系統的には、基盤的なカスモサウリナエとされていますが、幼体だけに、種の同定には至っていません。

 3月に科博で開催される「大恐竜博2016」で展示される予定で、日本では、脳函などのCTスキャン解析も行われるようです。

 体長は1.5メートルで、前肢と肩帯、尾の末端が無いだけの関節した全身骨格です。皮膚印象も残され、それらは、成体と似ているそうです。  

 短くて背の高い頭蓋骨には、幅の狭い、後部が湾状にくぼんだ形態(embayment)がないフリルを持っています。




  1. References:
  2.  
  3. Philip J. Currie, Robert B. Holmes, Michael J. Ryan & Clive Coy (2016) 
  4. A juvenile chasmosaurine ceratopsid (Dinosauria, Ornithischia) from the Dinosaur Park Formation, Alberta, Canada. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication)  PDF(全文)
  6. DOI:10.1080/02724634.2015.1048348
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 カナダ・アルバータ州にある白亜紀後期(カンパニアン後期)の地層(Wapiti Formation)で発見されたドロマエオサウリダエ(科)が記載されています。

 パキリノサウルスのボーンベッド/カナダ(2015年5月)などで紹介していますが、この地層は、北緯65度にある、かつての古海岸線から450km以上は内陸にある地層です。

 この時期、西部内部陸海によって水に浸かっていただけに、陸上の地層は重要とされています。

 Boreonykus certekorum (ボレオニクス・セルテコラム)と命名され、属名は「北の爪」の意味。しかし、"ニクス"の語尾は、アルヴァレスサウリダエのようで、混乱しそうですね。

 系統的には、真ドロマエオサウリア(eudromaeosauria)の、おそらく、ヴェロキラプトリナエ(Velociraptorinae、亜科)ではないかとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Phil R. Bell & Philip J. Currie (2015) A high-latitude dromaeosaurid, Boreonykus certekorum, gen. et sp. nov. (Theropoda), from the upper Campanian Wapiti Formation, west-central Alberta. 
  4. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  5. DOI:10.1080/02724634.2015.1034359
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 白亜紀末、当時のララミディア(北米西部)のマーストリヒチアンの陸上堆積物からは、多様性に富んだ恐竜化石が産出します。

 しかし、一部の地域で大量に収集される一方、緯度によってはムラもあるようです。

 今回、アルバータ州にあるマーストリヒチアンの地層(Scollard Formation)で発見されたパキケファロサウリダエの化石が報告されています。

 初めての歯以外の頭部化石とされていますが、この地層から「初めて」のようです。

 風化していますが、ドーム型の頭頂の特徴から、パキケファロサウリーニ(Pachycephalosaurini、族)とされ、おそらく、パキケファロサウルスではないかとされています。

 この標本から、ララミディアにおいては、マーストリヒチアン後期の恐竜コミュニティは、一般的に、離散していない動物相からなる普遍的な種だったとされています。




  1. References:
  2.  
  3. David C. Evans, Matthew J. Vavrek & Hans C. E. Larsson (2015) 
  4. Pachycephalosaurid (Dinosauria: Ornithischia) cranial remains from the latest Cretaceous (Maastrichtian) Scollard Formation of Alberta, Canada. 
  5. Palaeobiodiversity and Palaeoenvironments (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s12549-015-0188-x
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 現生鳥類では、膝と腹部を結ぶ皮膜(skin web)があります。関節部分で、皮膚をより伸縮させることで、移動性を高めているようです。

 今回、オルニトミムス属でも、非鳥類型恐竜では初めてとなる皮膜が報告されています。復元イラスト等は、修正が必要になりそうですね。アルバータ大が紹介しています。

 鳥類とはやや異なり、大腿骨の中間あたりから腹部にかけての皮膜で、大腿前部皮膜(anterior femoral web)と区別されています。


 また、保存状態の良い羽毛を含む外皮構造も確認されています。現生のダチョウに似ており、体温調節に使ったようです。

 特に、尾に広範囲のダウン状の羽毛(plumaceous feathers)があり、尾に羽毛のあるオルニトミミダエ(科)は初めてとされています。


 図は、復元図(Aaron J. van der Reest et al., 2015 Artwork: Julius Csotonyi )。大腿骨の中間あたりから腹部にかけて、皮膜が描かれています。

 また、体から尾、足の一部に、びっしりと密なダウン状の羽毛があります。なお、頭部や前肢は見つかっておらず、別標本からの推定です。



Ornithomimus.jpg

 2009年に、アルバータにある白亜紀後期の地層(Dinosaur Park Formation)で、部分的に関節した化石標本(UALVP 52531)が見つかったもの。

 種名が不明の、オルニトミムス属の1種(Ornithomimus sp.)とされています。  

 尾の羽毛は、体部よりやや細長いとされています。なお、尾の下側と後足の大腿骨の中央から遠位の半分に羽毛はありません。  

 全体的に、羽毛パターンは、ダチョウ(Struthio camelus)や走鳥類(Palaeognathae)と同様とされ、その機能は体温調節の可能性が高いとされています。  

 また、足の周囲には、体の輪郭も残され、大腿骨の中間あたりから腹部にかけての皮膜(大腿前部皮膜)も確認されています。

 こういう軟組織は、非鳥類型恐竜では初めてとされています。  

 このことから、オルニトミムスの休息時の大腿骨の位置は、たいていの獣脚類よりは、前腹側だったと考えられています。  こういった姿勢は、鳥類への移行段階だったようです。




  1. References:
  2.  
  3. Aaron J. van der Reest, Alexander P. Wolfe & Philip J. Currie (2016) [2015] 
  4. A densely feathered ornithomimid (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous Dinosaur Park Formation, Alberta, Canada 
  5. Cretaceous Research 58: 108-117 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.10.004
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 動物の下アゴの筋肉は、歯よりも奥にあって、てこの支点となる関節に近いため、筋肉で加えられた力は、先端にある歯ではより小さな力となります。

 しかし、今回、一部の大型植物食恐竜のアゴには、特徴的な仕組みがあり、強い噛む力(咬合力)だったとする論文が報告されています。

 カナダにあるダイナソーパーク層で発見された恐竜について、下顎の生体力学的なてこのモデルを作り、下顎内転筋組織を再構築し、相対的な咬合力を系統的に推論したもの。

 その結果、特に、アケラトプシダエ(ケラトプシア科)とハドロサウリダエ(ハドロサウルス科)の特徴的なアゴには、筋肉の力を強める顕著な仕組みがあり、内転筋組織の力を2-3倍増強した咬合力だったとされています。


 図は、ケラトプシアの下顎のてこシステムを図解したもの(Jordan C. Mallon, 2015)。 筋肉のつく鈎状特機の位置を高くし、下アゴの関節位置を下げることで、筋肉の力を強めています。

 
ceratopsid mandibular lever system.jpg

 


 作用点に働く噛む力はSで、力点に働く筋肉の力はFで、支点は▲で示されています。

 第3種てこであり、支点から近い力点に加えられた力は、支点から遠い作用点においては常により小さな力(大きな動き)となります。  

 しかし、図では、筋肉が付着する鉤状突起を発達させて高くし、力点を上に上げ、また、下アゴの関節位置を下げて、支点を下げています。  

 こうすることによって、支点から作用点への距離( a+e' )はほとんど変わらずに、支点から力点への距離(m)が長くなり、より小さな筋肉の力で、大きな力を生み出すことが可能になるのです。   

 アンキロサウリアやケラトプシダエ、ハドロサウリダエでは、これらの特徴が見られ、特に、ケラトプシダエとハドロサウリダエでは顕著だったとされています。

 アンキロサウリアの鉤状突起は低く、咬合力は弱かったのです。

 これらのアゴのメカニズムは、それぞれ独立系統で、段階的に進化したと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Jordan C. Mallon & Jason S. Anderson, 2015 
  4. Jaw mechanics and evolutionary paleoecology of the megaherbivorous dinosaurs from the Dinosaur Park Formation (upper Campanian) of Alberta, 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology, 35(2) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.904323
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 パキケファロサウリダエ(科)といえば、白亜紀後期マーストリヒチアンに生息していた恐竜ですが、マーストリヒチアンも後期になると、比較的まれなようです。

 今回、大量絶滅の30万年以内の地層で発見されたパキケファロサウリダエが報告されています。

 カナダ中西部、サスカチュワン州にあるフレンチマン層で、ほぼ完全な左眼窩後部が見つかったもの。

 スファエロソルス(Sphaerotholus) で、Sphaerotholus buchholtzae の類似種とされています。同一種とするには疑問があるのですが、形態的に極めてよく似ているようです。

 フレンチマン層からは初めてで、パキケファロサウリダエの棲息範囲を北方に拡大するとしています。

 恐竜たちは、あちこち移動していたのか、白亜紀末の北米大陸では、環境間で種の類似性(ベータ多様性)が低かったとされていますが、その仮説と一致するような発見です。

 なお、Sphaerotholus は、スファエロトルスともスファエロソラスとも呼ばれています。カナダのパキケファロサウルス類(2011年8月)で、系統関係を紹介していますが、派生的なタクソンです。

 
 北部で見つかったことから、マーストリヒチアン後期、北米大陸における低いベータ多様性仮説と一致するとされています。  

 ベータ多様性とは、一般的な多様性(アルファ多様性)と異なり、複数の環境間の多様性のことです。  ベータ多様性が低かったということは、環境間の種の類似性が低くかったということで、環境間で種の入れ替わりが大きかったようです。



  1. References:
  2.  
  3. Jordan C. Mallon, David C. Evans, Tim T. Tokaryk, Margaret L. Currie 
  4. First pachycephalosaurid (Dinosauria: Ornithischia) from the Frenchman Formation (upper Maastrichtian) of Saskatchewan, Canada. 
  5. Cretaceous Research 56: 426-431 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.06.005
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 ケラトプシア(角竜)の新種化石、最近たくさん報告されているようですが、それは、白亜紀もカンパニアンの後期、約7700万年前以降の話です。

 ケラトプシアは、白亜紀後期のチューロニアン(約9000万年前)に近縁の姉妹群が登場してから、多様化が開始する約7700万年前までの間の、初期の化石記録は乏しく、7種のタクサが記載されているのみだそうです。 

 図は、ケラトプシアの系統関係に地質年代を当てはめたもの(David C. Evans et al., 2015)。ピンクの範囲(9000万年前から7700万年前)が、化石記録が乏しいとされる期間です。

 7000万年代はともかく、この図を見る限り、9000万年前から8000万年前の間は全くの空白期間ですね。


Phylogenetic relationships of Wendiceratops pinhornensis.jpg


  今回、カナダ・アルバータ州にある白亜紀後期(カンパニアン中期、7800万から7900万年前)の地層(Oldman Formation)で発見された新種のケラトプシアが記載されています。 

  Wendiceratops pinhornensis(ウェンディケラトプス・ピンホルネンシス)と命名されています。属名は、最初に化石を発見したウェンディ・スロボダ(Wendy Sloboda)にちなんでいます。

 ケラトプシダエ(Ceratopsidae、科)は、セントロサウリネ(亜科)とカスモサウリネ(亜科)の2系統に大別されるのですが、今回の新種は、基盤的なセントロサウリネの系統で、シノケラトプス( Sinoceratops zhuchengensis)の姉妹群とされています。 図の赤線の位置です。

 

 下の図は骨格図(David C. Evans et al., 2015)。発見されている部分はブルーです。 眼窩の上のツノは近縁種からの類推でしょう。



Wendiceratops pinhornensis.jpg

 不完全ですが、鼻先には、大きくて直立した鼻角(nasal horn)があり、このはっきりした鼻角は、ケラトプシアで最も古いとされています。  

 鼻角は、姉妹群のシノケラトプスやより派生的なセントロサウルスなどと比べて、眼窩に近い位置にあるのが特徴です。 

 上の系統図に、側面から見た鼻の形態が示されています。 ケラトプシダエの外群と基盤的なセントロサウリダエは、鼻飾り(nasal ornamentation)を欠いていることに注目ですね。  

 系統的な位置からして、こういった鼻飾りは、過渡的な形態ではないかと考えられています。  

 また、大きな鼻角は、ケラトプシアでは、少なくとも2回独立して進化したとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. David C. Evans & Michael J. Ryan (2015) 
  4. Cranial Anatomy of Wendiceratops pinhornensis gen. et sp. nov., a Centrosaurine Ceratopsid (Dinosauria: Ornithischia) from the Oldman Formation (Campanian), Alberta, Canada, and the Evolution of Ceratopsid Nasal Ornamentation. 
  5. PLoS ONE 10(7): e0130007. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0130007
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 白亜紀もカンパニアンに入ると、角竜(Ceratopsidae、ケラトプス科)の系統は、2つの系統に分岐します。

 図のように、カスモサウリナエ(カスモサウルス亜科)とセントロサウリナエ(セントロサウルス亜科)です(Caleb M. Brown & Donald M. Henderson, 2015 )

 トリケラトプスに代表されるように、カスモサウリナエの頭部のフリルは、セントロサウリナエに比べて、シンプルです。

 今回、カナダ・アルバータ州にある白亜紀後期(マーストリヒチアン、約6800万年前)の地層( St. Mary River Formation)で発見された新種のカスモサウリナエが記載されています。 

 ほとんど完全で、3次元的に保存された頭部に基づくもので、Regaliceratops peterhewsi (レガリケラトプス・ペテレウシ)と命名されています。

 最も驚くべきことは、カスモサウリナエのトリケラトプシーニ(Triceratopsini)の系統ながら、頭部の飾りが派手なこと。

 この点は、レガリケラトプスが見つかった年代には既に絶滅しているセントロサウリナエの系統に類似しています。

 カスモサウリナエ(特にマーストリヒチアンの型)の頭部の形態がセントロサウリナエに類似しているのは、収斂進化だったとされています。  

 恐竜の系統では初めてとなる、頭部のツノ様ディスプレイ構造での収斂進化とされています。現生や絶滅哺乳類では見られているそうです。  

 初めての収斂進化とのことですが、すでに、カスモサウリナエの基盤的な位置では、頭部に多数のツノがあるコスモケラトプス(Kosmoceratops richardsoni )なども見つかっています。



Regaliceratops peterhewsi.jpg

  1. References:
  2.  
  3. Caleb M. Brown & Donald M. Henderson (2015) 
  4. A New Horned Dinosaur Reveals Convergent Evolution in Cranial Ornamentation in Ceratopsidae. 
  5. Current Biology (advance online publication) 全文(pdf ) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2015.04.041
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 カナダにある白亜紀後期の地層(Wapiti Formation)で発見されたパキリノサウルス( Pachyrhinosaurus lakustai )のボーンベッドについて報告されています。

 かつての古海岸線から450km以上は内陸であり、北米大陸では、最も内陸のセントロサウリネのボーンベッドのひとつとされています。

 年代的には、カンパニアン後期(7189万年前)とされています。 脊椎動物化石の約88%がケラトプシアで、ドロマエオサウリダエやハドロサウリダエ、トロオドンチダエにティラノサウリダエが見つかっています。

 まれですが、幼体化石も見つかっており、異なる年代の個体からなる集合体とされています。




  1. References:
  2.  
  3. Federico Fanti, Philip John Currie & Michael E. Burns (2015) 
  4. Taphonomy, age, and paleoecological implication of a new Pachyrhinosaurus (Dinosauria: Ceratopsidae) bonebed from the Upper Cretaceous (Campanian) Wapiti Formation of Alberta, Canada. 
  5. Canadian Journal of Earth Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1139/cjes-2014-0197
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 T.rex の共食いの証拠(2010年10月)で紹介していますが、大型肉食恐竜の共食いについての報告は、何例かあります。

 今回、カナダ・アルバータ州にある白亜紀後期の地層(Dinosaur Park Formation)で発見されたティラノサウリナエ(亜科)、ダスプレトサウルス(Daspletosaurus)で見つかった噛み痕について報告されています。

 先のT.rex の例は、死んだ後に食いついたのか戦いの結果なのか不明だったのですが、今回は生前と死後の2つの痕が残されています。


 全長6メートルほどの亜成体化石で、頭部や下顎には多数の治癒した証拠が残る傷が残され、種の内部で争ったのではないかとされています。  

 また、下アゴに残された死後の損傷は、死体が食べられたことを示し、他の標本の状況から、単純に腐食が食べられたというより、共食い的なスカベンジとされています。  

 これは、ティラノサウリダエの共食いの新たな証拠とされています。



  1. References:
  2.  
  3. D.W.E. Hone & D. Tanke (2015) 
  4. Pre- and postmortem tyrannosaurid bite marks on the remains of Daspletosaurus (Tyrannosaurinae: Theropoda) from Dinosaur Provincial Park, Alberta, Canada. 
  5. PeerJ 3:e885 
  6. doi: https://dx.doi.org/10.7717/peerj.885
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 Elmisaurus rarus (エルミサウルス・ラルス)は、白亜紀後期のカエナグナナシダエ(Caenagnathidae、科)です。

 トサカがあったエルミサウルス(2015年2月)で、モンゴル産の新標本について紹介しました。

 今回、カナダにある白亜紀後期の地層(Dinosaur Park Formation)で発見されたエルミサウリナエ(Elmisaurinae、亜科)とされる標本について報告されています。ほとんどモンゴルのエルミサウルスと区別がつかないとされています。

 また、ユタ州で見つかつているカエナグナナシダエ、Leptorhynchos elegans (レプトリンコス・エレガンス)との関連について議論されています。

 新標本から、北米には、エルミサウリナエがいたとし、また、エルミサウルスとレプトリンコスは、カエナグナナシダエの中で、非公式なグループを作るとしています。


 今まで知られていなかった、脛骨と趾骨を含む後ろ足の部分であり、トサカについて新しい知見はありません。  

 中足骨基部が癒合しているという走行に適した適応を示し、これは、以前から指摘されている雑食性と一致するとされています。  

 なお、レプトリンコスは、カエナグナシダエの新種と多様化の理由(2013年5月)で紹介しています。  


 


  1. References:
  2.  
  3. Gregory F. Funston, Philip J. Currie, and Michael E. Burns (2015) 
  4. New elmisaurine specimens from North America and their relationship to the Mongolian Elmisaurus rarus
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi:http://dx.doi.org/10.4202/app.00129.2014
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 カナダ・アルバータ州にある白亜紀後期の地層で発見されたカエナグナシダエ(Caenagnathidae、カエナグナトゥス科)の標本が、Caenagnathus collinsi (カエナグナトゥス・コリンシ)の未記載の新標本とする論文が報告されています。

 大腿骨の長さから、サイズ的には、Chirostenotes pergracilis (キロステノテス・ペレグラシリス)と Anzu wyliei (アンズ・ワイリエイ)の中間とされています。

 カエナグナシダエは、派生的なオヴィラプトロサウリアの仲間で、系統関係などは、北米最大のオヴィラプトロサウルス類(2014年8月)で紹介しています。

 ダイナソーパーク層のカエナグナシダエの相対的な多様性は、過小評価されているとされています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. G.F. Funston, W.S. Persons IV, G.J. Bradley & P.J. Currie (2015) 
  4. New material of the large-bodied caenagnathid Caenagnathus collinsi from the Dinosaur Park Formation of Alberta, Canada. 
  5. Cretaceous Research 54: 179-187 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2014.12.002
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 昨日に続いて、エドモントサウルスの話題です。

 ハドロサウリダエのボーンベッド/アルバータ(2014年9月)で紹介したボーンベッドでしょうか、カナダ、エドモントン、ダネック(Danek)にある白亜紀後期の地層で発見されたエドモントサウルスのボーンベッドについて、Canadian Journal で特集が組まれています。

 年代は、カンパニアン後期( 7130-7100万年前) とされ、エドモントサウルス(Edmontosaurus regalis)とパキリノサウルス(Pachyrhinosaurus canadensis)の化石群集が多く見つかっており、巨大植物食恐竜化石群集(mega-herbivore faunal assemblage)を提唱しています。

 これらの恐竜の集合体は、カンパニアン後期、アルバータ南部と中央に広がっていた湿った海岸平野を介して、継続的に拡張し、おそらく、北西部にあるアラスカのノーススロープまで広がったとされています。

 アラスカでは、マーストリヒチアン前期まで、続いたようです。

 また、他には、少なくとも、6種が見つかっています。それは、アルバートサウルス(Albertosaurus sarcophagus)とエドモントサウルス(Edmontosaurus regalis)、そして、カスモサウリネ、ドロマエオサウリダエ、オルニトミミダエ、トロオドンチダエ、それぞれの不明種です。


 


  1. References:
  2.  
  3. Michael E. Burns, Clive Coy, Victoria M. Arbour, Philip J. Currie & Eva B. Koppelhus (2014) 
  4. The Danek Edmontosaurus Bonebed: new insights on the systematics, biogeography, and palaeoecology of Late Cretaceous dinosaur communities. 
  5. Canadian Journal of Earth Sciences, 2014, 51(11): v-vii 
  6. doi: 10.1139/cjes-2014-0217
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 オヴィラプトロサウリアの仲間のカエナグナシダエの巨大なツメ化石が発見され、報告されています。

 カナダにある2箇所の白亜紀後期(カンパニアンとマーストリヒチアン)の地層で発見されたもの。
 
 ひとつは 北米最大級のAnzu wyliei (アンズ・ウィリエイ)に似ており、最大級のツメとされています。もうひとつは、 Chirostenotes pergracilis (キロステノテス・ペルグラシリス)のものではないかとされています。

 カエナグナシダエの多様性は、カンパニアンが最大で、マーストリヒチアンにかけて減少したとされています。 しかし、今回の発見で、北米大陸では、その多様性が顕著に減少していたわけではないとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Phil R. Bell, Philip J. Currie & Dale A. Russell (2015) [2014] 
  4. Large caenagnathids (Dinosauria, Oviraptorosauria) from the uppermost Cretaceous of western Canada. 
  5. Cretaceous Research 52(A): 101-107 
  6. DOI: 10.1016/j.cretres.2014.09.006
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 カナダ・アルバータ州にある白亜紀後期(カンパニアン後期)の地層(Horseshoe Canyon Formation)で発見されたハドロサウリダエのボーンベッドが報告されています。

 Edmontosaurus regalis(エドモントサウルス・レガリス) の化石が少なくとも12体あり、ティラノサウリダエや角竜類の化石も見つかっています。

 単一種からなる恐竜化石のボーンベッドといえば、成長段階による違いがわかります。

 しかし、 幼体でも系統解析可能、エドモントサウルスの系統(2014年6月)で紹介しているように、今回の種は、成長に伴う個体発生的な変化はほとんど見られない仲間です。

 ハドロサウリダエのボーンベッドとしては、噛み痕の残る骨が30%程度と高い比率で残されている点がユニークとされています。

 また、関節していない化石が多いことから、定期的に浸水した氾濫原に埋もれたとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Phil R. Bell & Nicolas Campione (2014) 
  4. Taphonomy of the Danek Bonebed: a monodominant Edmontosaurus (Hadrosauridae) bonebed from the Horseshoe Canyon Formation, Alberta. 
  5. Canadian Journal of Earth Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1139/cjes-2014-0062
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小型のモササウルス/カナダ

 カナダにある白亜紀後期(カンパニアン、約7500万年前)の地層(Bearpaw Formation)で発見された小型のモササウルスについて、ロイヤルティレル博物館の小西卓也さんらが報告しています。

 Mosasaurus missouriensis とされ、1000万年のギャップがありなががら、M.missouriensisM. hoffmannii は最も近縁とされています。

 魚の頭部化石も見つかっており、歯がないのですが、捕食して食べたようです。

 当時の海(Bearpaw Sea)には、モササウルス類のPrognathodon overtoni も生息し、複数のプレデターが共存できたのは、ニッチの棲み分けと考えられています。




  1. References:
  2.  
  3. Takuya Konishi, Michael G. Newbrey & Michael W. Caldwell (2014) 
  4. A small, exquisitely preserved specimen of Mosasaurus missouriensis (Squamata, Mosasauridae) from the upper Campanian of the Bearpaw Formation, western Canada, and the first stomach contents for the genus. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 34(4): 802-819
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.838573
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 プレシオサウルスの幼体は、オープンな海洋環境ではなくて、浅瀬に生息していたようですね。淡水堆積物中から見つかったことから、そう考えられています。

 白亜紀後期には、北米大陸を東西に2分する広くて浅い海の西部内陸海道があったのですが、今回の幼体は、その海道が形成される前に生息していたとされています。

 カナダの北極圏にあるメルビル島( Melville Island)の白亜紀前期の地層( Isachsen Formation)で発見されたもの。  

 ポリコティリダエ(Polycotylidae、ポリコティルス科) としては、北米最古とされています。  



  1. References:
  2.  
  3. Matthew J. Vavrek, Benjamin C. Wilhelm, Erin E. Maxwell & Hans C.E. Larsson (2014) 
  4. Arctic plesiosaurs from the Lower Cretaceous of Melville Island, Nunavut, Canada. 
  5. Cretaceous Research 50: 273-281 
  6. DOI: 10.1016/j.cretres.2014.04.011
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 恐竜が場所によって異なる分布をしていたのは、地理的な障壁や生えていた植物の違いなどの影響と考えられがちです。

 しかし、今回、恐竜の固有性は、種の競合によるのではないかとする論文が報告されています。時代や地域、また、植物食恐竜に限られる話かもしれませんが。

 論文自体は、カナダ南部、アルバータ州にある白亜紀後期(カンパニアン後期)の地層(Dinosaur Park Formation)で発見された2種の角竜を記載したもの。

 5本のツノがあったペンタケラトプス属と、フリルも含めると15本ものツノがあったコスモケラトプス属の新種です。

 
 2つの新種の一つめは、2つのフリルの断片が見つかっている、Pentaceratops aquilonius です。 Pentaceratops sternbergii Utahceratops gettyi とは異なり、それらからなるクレードの姉妹群の位置づけです。  

 2つめは、Kosmoceratops 属の新種で、以前カスモサウルスとされていた部分的な頭部です。系統的に、Kosmoceratops richardsoni とは姉妹群とされています。  

 今回の発見で、カンパニアン当時のカナダで北部と南部で動物相が異なっていたという説に異論を唱える結果だとされています。  しかし、南部とは異なる種であることから、その固有性は高かったとされています。  

 北米大陸において、恐竜が長い距離にわたって分散できたことから、恐竜の分布は、地理的な障壁や気候または植物相によって制約されなかったとされています。  

 それにかわり、恐竜の固有性は、地域の環境条件に適応し確立した集団による、移り渡ってきた集団を競合的に排除することから生じると考えられています。




  1. References:
  2.  
  3. Nicholas R. Longrich (2014) 
  4. The horned dinosaurs Pentaceratops and Kosmoceratops from the upper Campanian of Alberta and implications for dinosaur biogeography. 
  5. Cretaceous Research 51: 292-308 
  6. DOI: 10.1016/j.cretres.2014.06.011
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 "Saurornitholestes robustus" (サウロルニトレステス・ロブスタス)は、ドロマエオサウルス類ではなくて、トロオドン類とする報告があります。
  
 カナダ・アルバータ州にある白亜紀の地層( Kirtland Formation)で発見されたホロタイプを再解析したもの。

 その結果、前頭骨にはドロマエオサウルス類の特徴が見られず、トロオドン固有の特徴が数点見られるとしています。


 

  1. References:
  2.  
  3. David C. Evans, Derek William Larson, Thomas Michael Cullen & Robert M Sullivan (2014) 
  4. 'Saurornitholestes' robustus is a troodontid (Dinosauria: Theropoda). 
  5. Canadian Journal of Earth Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1139/cjes-2014-0073
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 北米大陸の別々の場所で発見された角竜化石が、新種の カスモサウルス類( Chasmosaurinae)として記載されています。

 deviantART に頭部のイラストがありますが、フリルの前方両側に、斧のような小さな突起があるのが特徴です。

 モンタナとアルバータにある白亜紀後期のほぼ同時代(約7700万年前)の地層から、鱗状骨(フリル)のみが見つかったもの。

 Mercuriceratops gemini と命名されています。カナダでは最古のカスモサウリナエとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Michael J. Ryan, David C. Evans, Philip J. Currie & Mark A. Loewen (2014) 
  4. A new chasmosaurine from northern Laramidia expands frill disparity in ceratopsid dinosaurs. 
  5. Naturwissenschaften (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s00114-014-1183-1
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