米国の最新ニュース

 先週末のユタに続いて、モンタナにある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Judith River Formation)で発見されたケラトプシアが記載されています。
 
 眼窩の上にあるツノが、横方向に伸びているのが特徴的です。

 学名は、Spiclypeus shipporum(スピクリペウス・シッポルム)で、属名の意味は、「突起のある盾」。頭頂鱗状部のフリルの端にスパイク状の突起があることから。

 系統的には、カスモサウリネ(カスモサウルス亜科)で、バガケラトプスとコスモケラトプスからなる系統の姉妹群とされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Jordan C. Mallon, Christopher J. Ott, Peter L. Larson, Edward M. Iuliano & David C. Evans (2016) 
  4. Spiclypeus shipporum gen. et sp. nov., a Boldly Audacious New Chasmosaurine Ceratopsid (Dinosauria: Ornithischia) from the Judith River Formation (Upper Cretaceous: Campanian) of Montana, USA. 
  5.   PLoS ONE 11(5): e0154218. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0154218
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ティロサウルスの再評価

 魚竜が絶滅した約9300万年前の白亜紀後期、代わって勢力を拡大していったのが、モササウルスです。

 その中でも、より派生し大型化したタイプが、ティロサウリナエ(tylosaurinae、亜科)で、このあたり、ドイツ初のティロサウリナエ(2015年1月)で紹介しています。

 今回、カンザスで発見され、1874年に記載されたた Tylosaurus nepaeolicus と、2005年に記載された T. kansasensis について再評価され、タイプ標本、T. prorigerと比較した論文が報告されています。

 T. nepaeolicus T. kansasensis の違いは、成長段階の違いとされ、おそらく後胚発生の間の相対成長の変化ではないかとされています。

 後に記載された T. kansasensis は、 T. nepaeolicus の幼体で、つまり、ジュニアシノニムとされています。  

 そして、個体発生の証拠から、タイプ種のT. proriger は、大きめですが、 T. nepaeolicus の幼形進化(paedomorph)ではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Paulina Jiménez-Huidobro, Tiago R. Simões & Michael W. Caldwell (2016) 
  4. Re-characterization of Tylosaurus nepaeolicus (Cope, 1874) and Tylosaurus kansasensis Everhart, 2005: Ontogeny or sympatry? 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.04.008
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 非常に保存状態の良い竜脚類のの幼体化石から、竜脚類では初めてとなる、尾背側の含気性 構造が報告されています。

 ユタ州にあるジュラ紀後期のモリソン層で発見されたもので、バロサウルスとされ、サイズは、成体の3分の1ほどしかないそうです。

 背側椎骨の含気性は、連続的に変化しており、1-4と8-9の椎骨の椎体が、大きな含気性フォッサ(骨にある窪みや空洞)で区切られているに対し、5-7の椎骨ではこれらのスペースは、浅いくぼみで占められています。

 これは竜脚類では初めてとなる尾と背側の含気性空間を示し、別々の気囊が、脊椎の前方および後方を含気化していたと考えられています。

 また、非鳥類型恐竜と鳥類で見られるパターンと一致し、竜脚類には鳥類様の肺があったさらなる証拠とされています。

 なお、竜脚類の含気性構造(2012年6月)では、ティタノサウリアでみられた、脊柱から尾にかけての含気性構造を、竜脚形類にあるPSP、気嚢は恐竜より前から進化か(2011年3月)では、基盤的竜脚形類(プラテオサウルスなど)での例を紹介しています。



  1. References:
  2.  
  3. Keegan M. Melstrom, Michael D. D'emic, Daniel Chure & Jeffrey A. Wilson (2016) 
  4. A juvenile sauropod dinosaur from the Late Jurassic of Utah, U.S.A., presents further evidence of an avian style air-sac system. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2016.1111898
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トロサウルスの新標本

 やはり別の種/トロサウルスとトリケラトプス(2013年11月)などで紹介していますが、トロサウルスとトリケラトプスの議論は続いています。
 トロサウルスは成長したトリケラトプスで両者は同一種なのか、それとも、異なる種なのか、という話です。

 今回、モンタナにある白亜紀後期のヘルクリーク層で発見されたトロサウルス(Torosaurus latus)の新標本について報告されています。

 最も保存状態の良い標本の一つとはされていますが、議論に参考となるデータは見つかっていないようです。



  1. References:
  2.  
  3. Andrew T. McDonald, Carl E. Campbell & Brian Thomas (2016) 
  4. A New Specimen of the Controversial Chasmosaurine Torosaurus latus (Dinosauria: Ceratopsidae) from the Upper Cretaceous Hell Creek Formation of Montana. 
  5.   PLoS ONE 11(3): e0151453. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0151453
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 エンドキャスト(頭蓋内鋳型)から、頭部の感覚器官の発達程度を解析し、その行動や生態を推定することが可能です。

 しかし、アンキロサウリアは、頭部形態についての解剖学的な解明が進んでいない恐竜の一つとされています。

 今回、白亜紀初期のノドサウリダエ(ノドサウルス科)、パウパウサウルス(Pawpawsaurus campbelli)の脳や内耳構造について解析した論文が報告されています。

 パウパウ・・・とは面白い属名ですが、テキサスにある約1億年前の地層(Paw Paw Formation,、パウパウ層)での発見にちなんだもの。1992年に記載されています。


 ホロタイプ標本について、最新鋭のCTスキャンを用いて、脳の内部構造を3次元的に明らかにしています。  

 ノドサウリダエとしては、最も完全なエンドキャストとされ、内耳形態や鼻腔内の気流システムも解明されています。  

 今回の結果から、特に、嗅覚、聴覚やバランスといった感覚器官の相対的な進化について考察されています。  


 例えば、基盤的アンキロサウリアのKunbarrasaurus ieversi と同じく、内耳のつぼ(lagena)の長さから、白亜紀後期のアンキロサウリダエ、Euoplocephalusやタルキアよりは、低い周波数の音を聞くことができたとされています。  

 一方、臭覚に関する領域は、白亜紀後期の Panoplosaurus Euoplocephalus より小さく、白亜紀初期の仲間の臭覚は劣っていたとされています。  

 ただし、獣脚類との比較では臭覚領域は劣っていたというわけではなく、ケラトサウルスと似ているとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Ariana Paulina-Carabajal, Yuong-Nam Lee & Louis L. Jacobs (2016) 
  4. Endocranial Morphology of the Primitive Nodosaurid Dinosaur Pawpawsaurus campbelli from the Early Cretaceous of North America. 
  5. PLoS ONE 11(3): e0150845 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0150845
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 獣脚類の骨異常の報告は珍しくはありませんが、肩帯や前肢で4箇所より多い障害はなかったそうです。

 今回、基盤的新獣脚類のディロフォサウルス(Dilophosaurus wetherilli )の肩帯や前肢にある8箇所の骨の病態について報告されています。

 アリゾナ州にあるジュラ紀前期の地層(Kayenta Formation)で発見された標本です。

 Discoveryは、約1億9300万年前と紹介しています。

 治癒と、骨のリモデリングにより、数ヶ月は生存していたとされています。しかし、指は変形し、曲げることはできなかったとされています。

 上腕骨と右第三指の奇形は、骨形成異常(osteodysplasia)が原因である可能性があるとされ、これは、現生の鳥類で知られているのですが、非鳥類型恐竜では初めての報告とされています。


  1. References:
  2.  
  3. Phil Senter & Sara L. Juengst (2016) 
  4. Record-Breaking Pain: The Largest Number and Variety of Forelimb Bone Maladies in a Theropod Dinosaur. 
  5. PLoS ONE 11(2): e0149140 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0149140
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 パキケファロサウルスの仲間は、成長段階で、その頭部の飾りは劇的に変化することが知られています。

 そのため、標本が幼体なのか成体なのかによって、系統関係や進化に大きな影響を及ぼします。

 その一種、ステゴケラスは、1902年に記載されたS. validumと、最近記載された Stegoceras novomexicanum (ステゴケラス・ノボメキシカナム)の2種です。

 S. novomexicanum の標本(NMMNH P-33898)も議論になった一つです。

 ニューメキシコにある白亜紀後期の地層(カンパニアン)で発見され、ステゴケラスの新種と、頭部のヒストモルフ(2011年8月)で紹介しています。

 最初は、不確定な幼体とされ、後に成熟した成体とされ、タイプ標本とされました。

 今回、この標本について、CTスキャンで解析し、成長段階を他の種と比較した論文が報告されています。

 その結果、ホロタイプとパラタイプは、いずれも幼体化石で、小さなサイズの成体ではないとしています。

 また、NMMNH P-33898が、S. novomexicanumの幼体なのか、Stegoceras validumなどの他の種の幼体なのか、はっきりしないとしています。  

 そして、今回の化石記録のレビューから、パキケファロサウルスは、白亜紀末の最後の1500万年間ほどの間、北米大陸西部の南部地方では、重要な恐竜相の構成要素だったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Thomas E. Williamson & Stephen L. Brusatte (2016) 
  4. Pachycephalosaurs (Dinosauria: Ornithischia) from the Upper Cretaceous (upper Campanian) of New Mexico: A reassessment of Stegoceras novomexicanum
  5. Cretaceous Research 62: 29-43 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.01.012
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 ステゴサウルスの中でも、Stegosaurus stenopsは、1884年に記載された最も有名な恐竜の一つです。

 また、米国のジュラ紀後期の地層(モリソン層)で発見された (Stegosaurus longispinusは、1914年に記載されています。 

 今回、そのStegosaurus longispinus とされていた古い標本について、新たな属が提案され、Alcovasaurus longispinus と命名されています。

 ユタ大は、ステゴサウルスより、25%短い尾に、2倍の長さのスパイクと、紹介しています。 短い尾なので降ることはできず、長いスパイクは理にかなっているとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Galton, Peter M. & Carpenter, Kenneth (2016) 
  4. The plated dinosaur Stegosaurus longispinus Gilmore, 1914 (Dinosauria: Ornithischia; Upper Jurassic, western USA), type species of Alcovasaurus n. gen. 
  5. Neues Jahrbuch für Geologie und Paläontologie - Abhandlungen 279(2): 185-208 
  6. DOI: http: // dx.doi.org/10.1127/njgpa/2016/0551
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 新種のデイノニコサウリアの足跡化石/甘粛省などで紹介しているように、ラプトルなどは、第2指にあるカギヅメを持ち上げて歩いたため、その足跡化石は、2本指として残されます。

 今回、コロラドでは初めてで、北米でも3例目の2本指の足跡化石が報告されています。

 9Newsに写真があり、世界的には16例ほどが報告され、そのうち12例が中国や韓国とされています。しかし、北米大陸ではまれです。 

 コロラドにある白亜紀前期(アルビアン)の地層(South Platte Formation)で発見された足跡化石で、デイノニコサウリアの足跡化石である Dromaeosauripus とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Martin G. Lockley, Lida Xing, Neffra A. Matthews & Brent H. Breithaupt (2016) 
  4. Didactyl raptor tracks from the Cretaceous, Plainview Sandstone at Dinosaur Ridge. 
  5. Cretaceous Research 61: 161-168 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.01.007
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 ドラコレックス・ホグワーツィア(Dracorex hogwartsia) といえば、ハリー・ポッター絡みでつけられた学名です。

 しかし、ドラコレックスは、パキィの子?(2007年12月)で紹介したように、パキケファロサウルスの幼体とされていました。

 今回、それを支持するような論文が報告されています。頭部の装飾が成長段階で大きく変化するのは、それらの社会での地位の確認にあったと考えられています。

 モンタナにある白亜紀後期のヘルクリーク層で発見されたパキケファロサウルスの幼体標本から、頭部のドームの後ろにある鱗状骨ノード、頭頂装飾、頬骨表現の初期の発現が確認されたもの。  

 標本は、幼体の最終段階で、最小で、おそらく最も若い個体とされています。

 かなり装飾的な隔壁(septum)形態や独特な縫合線のある頭頂骨は、ドラコレックスのホロタイプとほとんど同じとされています。

 つまり、ドラコレックスは、パキケファロサウルス (Pachycephalosaurus wyomingensis)の幼体というのです。  今回、タクソンに特異的な形態変化に対して、「semaphoront」の代用として、「ontogimorph」という表現が提案されています。  

 パキケファロサウルスの頭骨が成長段階によって異なることは、この「ontogimorph」の視覚的識別で、変化していく生物社会での地位のシグナルであったとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Mark B. Goodwin & David C. Evans (2016) 
  4. The early expression of squamosal horns and parietal ornamentation confirmed by new end-stage juvenile Pachycephalosaurus fossils from the Upper Cretaceous Hell Creek Formation, Montana. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1080/02724634.2016.1078343
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ナストケラトプス続報

 鼻の大きな新種の角竜/ユタ州(2013年7月)で紹介したケラトプシア、ナストケラトプス・チスシ(Nasutoceratops titusi) について報告されています。

 ユタ州にある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Kaiparowits Formation)で発見された基盤的セントロサウリナエ(亜科)です。 大きく盛り上がった鼻と、短い吻部、ねじれたツノが特徴です。

 系統解析では、先の論文と同じく、モンタナにあるカンパニアン後期の地層で発見されているアバケラトプス(Avaceratops lammersifrom)の姉妹群とされています。

 ナストケラトプスは、セントロサウリナエの起源に情報を与えるだけではなく、短い吻部 が短く、長い角を持つ未知のセントロサウリナエの存在を示唆するとされています。  

 それは、著者らがその存在を提唱している、北米の西部内陸盆地南部に起源を持つクレードです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Eric K. Lund, Scott D. Sampson & Mark A. Loewen (2016) 
  4. Nasutoceratops titusi (Ornithischia, Ceratopsidae), a basal centrosaurine ceratopsid from the Kaiparowits Formation, southern Utah. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2015.1054936
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 ブロントサウルス復活/ディプロドシダエの新たな系統解析(2015年4月)でも紹介しているように、モリソン層では、アパトサウルスは豊富に見つかっています。  

 一方、そのひとつ、ユタ州のクリーブランド・ロイド採石場からはアロサウルスなどは見つかっていますが、アパトサウルスは未発見だったようで、今回、初となる化石が報告されています。

 ディプロドシダエ(科)の中でも、他の大陸では、このクレードが見つかっていないとことから、ジュラ紀後期に、このグループは北米で繁栄し、はっきりはしませんが、ここが起源ではないかとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. John R. Foster & Joseph E. Peterson (2015) 
  4. First report of Apatosaurus (Diplodocidae: Apatosaurinae) from the Cleveland-Lloyd Quarry in the Upper Jurassic Morrison Formation of Utah: abundance, distribution, paleoecology, and taphonomy of an endemic North American sauropod clade. 
  5. Palaeoworld (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palwor.2015.11.006
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 白亜紀後期、北米大陸は、東のアパラチアと西のララミディアに分割されていました。

 今回、東のアパラチアからは初となるハドロサウリダエ(科)が記載されています。

 アパラチア、白亜紀後期初のケラトプシア(2015年12月)で紹介しているように、そもそも、アパラチアの白亜紀後期の動物相はあまり知られていないのです。

 アラバマ州にある白亜紀後期(サントニアン後期)の地層で頭部が見つかったもの。写真は、その頭部(Albert Prieto-Marquez et al., 2016)です。

 学名は、Eotrachodon orientalis (エオトラコドン・オリエンタリス)で、属名は「夜明けのトラコドン(Trachodon)」。

 ちなみに、"Trachodon"は19世紀に記載されたのですが、現在では疑問名のようです。 また、種小名は、北米大陸東部から発見されたことにちなんでいます。

 

Eotrachodon orientalis.jpg


 系統的には、サウロロフィナエ(Saurolophinae、サウロロフス亜科)とランベオサウリナエ(Lambeosaurinae、ランベオサウルス亜科)からなるサウロロフィダエ(Saurolophidae)とされています。  

 統計的な分散・分断分布分析によると、アパラチアには、ハドロサウリダエの先祖がいた地域があり、北米西部のララミディアに放散したとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Albert Prieto-Marquez, Gregory M. Erickson & Jun A. Ebersole (2016) 
  4. A primitive hadrosaurid from southeastern North America and the origin and early evolution of 'duck-billed' dinosaurs. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2015.1054495
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 白亜紀後期(カンパニアン-マーストリヒチアン)、北半球の大型獣脚類といえば、ティラノサウリダエ(科)でした。

 その骨格化石は豊富に見つかっていますが、足跡が残されるような環境を好まなかったのか、足跡化石は限定的です。

 群れて歩いた/初めてのティラノサウリダエの連続歩行跡(2014年7月)では、カナダにある白亜紀後期の地層で発見されたティラノサウリダエ(科)としては初めての連続歩行跡を紹介しました。

 ここで推定される歩行速度は、時速、6.40 km から8.50 km とされていました。

 今回、ワイオミングにある白亜紀後期(マーストリヒチアン)の地層(Lance Formation)で発見されたティラノサウリダエの連続歩行跡について報告され、その歩行速度は、時速4.5-8kmとされています。 phys.orgが紹介しています。

 以前は、ティラノサウリダエの歩行速度は、他の大型獣脚類よりかなり遅かったと推測されていたそうですが、今回の結果から、歩くのが遅いわけではないとされています。

 砂岩の表面に連続した3つの足跡が残されており、サイズなどから、足跡の主は、T.rex の亜成体かナノティラヌスとされています。    


 


  1. References:
  2.  
  3. Sean D. Smith, W. Scott Persons IV & Lida Xing (2016) 
  4. A tyrannosaur trackway at Glenrock, Lance Formation (Maastrichtian), Wyoming. 
  5. Cretaceous Research 61: 1-4 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.12.020
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大型獣脚類が求愛した痕

 獣脚類と鳥類とは類似しているとされていますが、骨格はともかく、その行動については、不確かな部分があります。

 今回、ロックレイらが、大型獣脚類による地面を引っ掻いた痕について報告しています。

 広い範囲に広がっており、地上に巣を作る現生鳥類にみられる巣引っ掻きディスプレイ(nest scrape display)と一致するとされています。

 このことから、大型恐竜が繁殖期に求愛行動のディスプレイとして引っ掻いた、ディスプレイ場所(display arenas)又は集団求愛場(leks)の証拠とされています。

 これらの痕は、大型恐竜の生痕化石としては、未知のカテゴリーとされていますが、直径2メートルにも及ぶ大きな擦り痕は、コロラド州にある白亜紀のサイトで豊富に見つかるそうです。

 一部の痕は、Ostendichnus bilobatusとして、命名されています。属名の"Ostend "は、ラテン語のディスプレイの意味。

 なお、単なる穴掘り、テリトリー争いや水やエサを求めて引っ掻いたりする場合などが考えられますが、サイズや深さ、分布から、それらとは異なると考察されています。




  1. References:
  2.  
  3. Martin G. Lockley, Richard T. McCrea, Lisa G. Buckley, Jong Deock Lim, Neffra A. Matthews, Brent H. Breithaupt, Karen J. Houck, Gerard D. Gierliński, Dawid Surmik, Kyung Soo Kim, Lida Xing, Dal Yong Kong, Ken Cart, Jason Martin & Glade Hadden (2016) 
  4. Theropod courtship: large scale physical evidence of display arenas and avian-like scrape ceremony behaviour by Cretaceous dinosaurs. 
  5. Sci. Rep. 6, 18952 
  6. doi: 10.1038/srep18952 (2016).
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 5m超では3種めの大型ドロマエオ、ダコタラプトル(2015年11月)で、、ユタ州にある白亜紀後期(マーストリヒチアン)のヘル・クリーク層から発見されたドロマエオサウリダエ(科)、Dakotaraptor steini (ダコタラプトル・ステイニ)を紹介しました。
 
 今回、ダコタサウルスのホロタイプは、異なった種が混ざったキメラとする論文が報告されています。

 なお、PrePrints(レビュー前の原稿)で、修正の可能性もあります。

 記載論文で叉骨とされた標本は、ホロタイプも含め3つあるのですが、それらは、スツポン科(trionychidae)のカメの内腹甲(entoplastron、腹側の甲羅)骨というのです。

 こういう間違いは過去にもあって、例えば、ズニケラトプスの 鱗状骨、実は、ノスロニクスの坐骨だったという話(Wikipedia)もあります。
 



  1. References:
  2.  
  3. Victoria M. Arbour, Lindsay E. Zanno, Derek W. Larson, David C. Evans & Hans-Dieter Sues (2015) 
  4. The furculae of the dromaeosaurid dinosaur Dakotaraptor steini are trionychid turtle entoplastra. 
  5. PeerJ PrePrints 3:e1957 
  6. doi: https://doi.org/10.7287/peerj.preprints.1570v1
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 白亜紀後期、T.rexやハドロサウルスは、東のアパラチアと西のララミディアでは異なり、これは、北米大陸は東西に2分されていた事を示すとされています。

 そもそも、アパラチアの白亜紀後期の動物相はあまり知られていないのです。

 今回、ノースカロライナ州 にある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Tar Heel Formation)で発見されたケラトプシアが報告されています。Belfast Telegraphは、大型犬サイズなどと伝えています。

 北米東部の白亜紀後期の地層からは、初めてとされています。

 ただ、上顎骨のみであり、レプトケラトプシダエの仲間とされてはいますが、種の同定には至っていません。
 

 歯槽穴は短く、腹側に突出した歯列、 外翼状骨(ectopterygoid)によっておおわれた長い含歯性突起(dentigerous process)、横方向にカーブした歯列、これらの特徴はレプトケラトプシダエの特徴の組み合わせとされています。  

 また、上顎は長く、細長く下向きに曲がった後部含歯性突起があり、特殊な摂食戦略が示唆されています。  

 北米東部においてかなり特殊なケラトプシアが見つかったことから、アパラチアは白亜紀後期の相当な期間、他の地域から分離しており、独自の動物相が進化したと考えられています。  

 一方、レプトケラトプシダエを含むいつくかの種は、ヨーロッパの仲間と共通している部分もあることから、アパラチアとヨーロッパがつながっていた可能性も示唆されています。



  1. References:
  2.  
  3. Nicholas R. Longrich, (2016) [2015]
  4. A ceratopsian dinosaur from the Late Cretaceous of eastern North America, and implications for dinosaur biogeography 
  5. Cretaceous Research, 57,p. 199-207 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.08.004
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 ウタツサウルス(Utatsusaurus hataii )といえば、三畳紀前期の、最初期のイクチオプテリギア(Ichthyopterygia、原魚竜)の一種です。まだ、魚竜とはなっていない仲間ですね。

 カナダからもウタツサウルス(2014年2月)で紹介しているように、ブリティッシュコロンビアで発見されています。

 今回、ネバダ州から、形態的によく似たウタツサウルス類似種( cf. Utatsusaurus)が報告されています。

 Prida Formationで発見された三畳紀前期のイクチオプテリギアの化石群集で見つかったもの。

 断片的で同一種とは断定できないようですが、ウタツサウルスと共有する特徴があるとされています。また、小さくて丸い後方歯がグリッピアに似た標本も見つかっています。

 今回の発見から、三畳紀初期のイクチオプテリギアが、パンタラッサの東縁に沿って南緯度の方へと勢力を拡大し、繰り返し海洋周囲へ分散していたとしています。

 



  1. References:
  2.  
  3. Neil P. Kelley, Ryosuke Motani, Patrick Embree & Michael J. Orchard (2015) 
  4. A new Lower Triassic ichthyopterygian assemblage from Fossil Hill, Nevada. 
  5. PeerJ PrePrints 3:e1803 
  6. doi: https://dx.doi.org/10.7287/peerj.preprints.1447v1
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 ほとんどツノのみられないプロトケラトプスから、派手なツノを持つ後期のケラトプシアなど、恐竜の進化は長い期間にわたるため、とても興味深いものがあります。

 北米産白亜紀後期(カンパニアン)のハドロサウリナエ(亜科)、ブラキロフォサウリニ(Brachylophosaurini、族)においても同様です。

 その仲間として、鼻骨に装飾的な鼻稜(nasal crest)のない Acristavus gagslarsoni (アクリスタブス)や、頭部をおおう平たい稜のある Brachylophosaurus canadensis (ブラキロフォサウルス)、後方にかけて垂直になる稜のある Maiasaura peeblesorum (マイアサウラ)が知られています。

 今回、層序的にも形態的にも、これらの仲間の中間的な化石が発見され、 Probrachylophosaurus bergei (プロブラキロフォサウルス・ベルゲイ)として記載されています。

 何百年にもわたる恐竜の、単一系統内進化の完璧な例と、モンタナ大が紹介しています。 

 図は、プロブラキロフォサウルスのタイプ標本(MOR 2919、左)とブラキロフォサウルス(右)の比較。矢印で示すように、ブラキロフォサウルスでは、鼻稜が大きく伸びて平たくなっています。



Probrachylophosaurus.jpg

 モンタナにあるカンパニアン(7980万から7950万年前)の地層(Judith River Formation)で、頭部などが見つかったもの。  

 頭部の形態は、アクリスタブスとブラキロフォサウルスの中間とされています。  

 また、小さくて後方を向き、断面が3角形の鼻稜は、稜のないアクリスタブスから、発達したブラキロフォサウルスなどへの移行状態にあったとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Elizabeth A. Freedman Fowler & John R. Horner(2015) 
  4. A New Brachylophosaurin Hadrosaur (Dinosauria: Ornithischia) with an Intermediate Nasal Crest from the Campanian Judith River Formation of Northcentral Montana. 
  5. PLoS ONE 10(11): e0141304. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0141304
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 最古のプテラノドンとその系統的位置(2011年3月)で紹介していように、プテラノドンの仲間は、翼竜の中でも比較的遅く登場したグループです。

 プテラノドン自体には、その名(ノドン)のとおり、歯がありません。しかし、その先祖の仲間には歯がありました。

 今回、北米初となる、歯のある新種のプテラノドントイデア(上科)が記載されています。

 テキサスにある白堊後期(セノマニアン後期)の地層(Britton Formation)で発見されたCimoliopterus 属の新種で、Cimoliopterus dunni(シモリオプテルス・デュンニ)と命名されています。
 
 ホロタイプの歯槽に残された痕から、上の歯は少なくとも26本あるとされ、また、前上顎骨には薄いトサカがあります。


 系統解析から、英国にあるセノマニアンの地層(Grey Chalk Subgroup)で見つかっているシモリオプテルス属のもう一つの種、Cimoliopterus cuvieriとともに、基盤的プテラノドントイデアとされています。

 また、 テキサスで見つかっているAetodactylus halli ( アエトダクティルス・ハリ)に近縁とされています。アエトダクティルスは、細い針のような多数の歯を持つ翼竜です。  

 今回の発見は、白亜紀中頃の翼竜において、北米とヨーロッパをつなぐ生物地理学的な結びつきがあった証拠とされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Timothy s. Myers (2015) 
  4. First North American occurrence of the toothed pteranodontoid pterosaur Cimoliopterus
  5. Journal of Vertebrate of Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2015.1014904
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2016年6月

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