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 目が大きいことで有名なオフタルモサウルス類(ophthalmosauridae)といえば、ジュラ紀後期に放散し、白亜紀にかけて栄えた魚竜とされています。

 今回、アラスカにあるジュラ紀中期の地層からは初めてとなる、オフタルモサウルス類の魚竜化石について報告されています。

 アラスカは、最古のオフタルモサウルス類の一つが見つかり、また、北半球では唯一、ジュラ紀中期のオフタルモサウルス類が記載されている場所です。

 今回の発見から、オフタルモサウルス類は急速に多様化し、ジュラ紀中期のバッジョシアン初期までには既に、幅広く分布していたと考えられています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Patrick S. Druckenmiller & Erin E. Maxwell (2013) 
  4. A Middle Jurassic (Bajocian) ophthalmosaurid (Reptilia, Ichthyosauria) from the Tuxedni Formation, Alaska and the early diversification of the clade. 
  5. Geology Magazine (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1017/S0016756813000125



 オヴィラプトロサウリア(Oviraptorosauria)といえば、大きなクチバシのある獣脚類で、白亜紀後期にかけて、様々に多様化していました。

 今回、その仲間であるカエナグナシダエ(Caenagnathidae、カエナグナサシド類)について、ユタ州で発見された新種が報告されています。

 発見された化石や系統関係は、Bite the Stuff で紹介されています。

 Leptorhynchos を新属として提唱していますが、植物に同じ属名があるそうです。動物名と植物名は、競合しないので、問題はありません。このような例、他にはGastoniaもそうです。

 また、系統関係について再評価し、カエナグナシダエとオヴィラプトリダエ(Oviraptoridae)を、単系統の姉妹タクサとして回復しています。

 さらに、カエナグナシダエが、白亜紀後期に北米大陸で幅広く分布し、多様化した2つの理由(ニッチ分割と高い固有性)に言及されています。


 カエナグナシダエは、白亜紀後期のアジアや北米大陸では一般的ですが、米国最南部では見つかっていなかったそうです。  

 カナダにあるカンパニアン後期の地層からは、3属3種のカエナグナサシド類が報告されているそうです。 そのひとつ、Leptorhynchos を新属として提唱しています。

 かつて Ornithomimus elegans とされていた Leptorhynchos elegans は、小型で、短く深い下顎骨と、先端が上向きのくちばしが特徴とされています。  

 ユタ州からのカエナグナシダエは、 Hagryphus giganteus. の1種が知られています。Aguja Formationからは、Chirostenotes sp. と Leptorhynchos gaddisi (新種)が見つかっています。   

 カエナグナシダエは、白亜紀後期に北米大陸で幅広く分布し多様化したとされ、その多様性は、次の二つの方法で維持されたと考えられています。  

 ひとつは、ダーウィンのフィンチの例に類似した方法で、ボディサイズとクチバシの形状の多様性が、ニッチを分割することで維持されたとしています。  

 第二に、多様性は、異なる生息地に異なる種がいたという、高い固有性によって維持されたとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Nicholas R. Longrich, Ken Barnes , Scott Clark , and Larry Millar (2013) 
  4. Caenagnathidae from the Upper Campanian Aguja Formation of West Texas, and a Revision of the Caenagnathinae. 
  5. Bulletin of the Peabody Museum of Natural History 54(1):23-49 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.3374/014.054.0102



 北米大陸の白亜紀後期(カンパニアン後期から白亜紀末)には、さまざまな角竜がいました。しかし、より早期タイプの角竜はあまり知られていないそうです。

 今回、最古のカスモサウリネ(chasmosaurine)とされる新種が報告されています。

 眼の後にあるツノは適度に細長く、前外側に傾斜し、涙滴状の断面を持つ、ということですが、図がないと、特徴がわかりにくいですね。

 ジュディス川層(カンパニアン後期)で発見されたので、Judiceratops tigris という学名です。  このカスモサウルス類は、以前の角竜には見られない特徴の組み合わせを持つとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Nicholas R. Longrich (2013) 
  4. Judiceratops tigris, a New Horned Dinosaur from the Middle Campanian Judith River Formation of Montana. 
  5. Bulletin of the Peabody Museum of Natural History 54(1):51-65. 2013 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.3374/014.054.0103



 ユタ州中東部にあるカンパニアン後期の地層で発見されたティラノサウルス類化石が報告されています。

 カンパニアン後期、アルバータやモンタナ、ユタ州南部などでは、恐竜化石はよく知られていますが、ワイオミングやユタ州中東部では極めて稀だそうです。

 これは、この時期、ユタ州の北部と南部の間には、生物地理学的な境界があったためとされています。

 今回見つかったのは、部分的な足の化石で、共有派生形質から、Tyrannosauridae としています。Mesaverde 層群からは初めてのティラノサウルス類とされています。

 また、ティラノサウルス類において、北部型(モンタナやアルバータ)と南部型(ユタ州南部とニューメキシコ)を識別する形態的証拠を見出したとしています。

 今回の標本は、北部型とされ、生物地理学的境界が南寄りだったか、北方から移ってきたタイプではないかと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Tracy J. Thomson, Randall B. Irmis & Mark A. Loewen (2013) 
  4. First occurrence of a tyrannosaurid dinosaur from the Mesaverde Group (Neslen Formation) of Utah: Implications for upper Campanian Laramidian biogeography. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.02.006,



 神経棘の分岐について、竜脚類の系統解析においては、主要な要因ではないとする論文が報告されています。論文は、フリーです。
 最近、モリソン層で発見されたいくつかの竜脚類について、個体発生的に(成長が進むに連れて)、神経棘の分岐が進むのではないかという議論があるそうです。

 そのため、スーワセア(Suuwassea)と、ハプロカントサウルス(Haplocanthosaurus)は、おそらく、ディプロドクスの幼体ではないかとする説も示されています。

 今回の論文では、竜脚類の脊椎の連続的変化が、個体発生的な変化と類似することを見出したとしています。それゆえ、特に位置が不明な単離された脊椎の場合、混乱の要因としています。


 脊椎の連続的変化を考慮した場合、モリソン層のディプロドクス類で、個体発生的に神経棘の分岐が増加するという証拠はないとしています。  

 また、系統解析から、神経棘の分岐は、竜脚類において主要な特徴ではなく、よって、スーワセアとハプロカントサウルスは、ディプロドクスの幼体ではないとしています。


  1. References:
  2.  
  3. Mathew J. Wedel, M.J. & Michael P. Taylor (2013) 
  4. Neural Spine Bifurcation in Sauropod Dinosaurs of the Morrison Formation: Ontogenetic and Phylogenetic Implications. PalArch's Journal of Vertebrate Palaeontology 10(1) (2013), 1-34.(PDF)



 こんな小さな骨に、はっきりした噛み跡があるとは驚いた・・・。

 小型のクロコダイル形類が、ヒプシロフォドン類の幼体を食べていたとする直接の証拠が示されています。 NBCが、CTスキャン映像と共に紹介しています。

 従来から、クロコダイル形類が恐竜などを食べていたとする報告がありましたが、それは大型種に限られていました。

 襲ったのか、スカベンジなのかは不明ですが、クロコダイル形類がかなり多様だったことが、恐竜を食べるというニッチ分割(niche partitioning、すみわけ)につながったのではないかとされています。


 ユタ州南部にある白亜紀後期(カンパニアン、約7500万年前)のKaiparowits Formationで発見された化石から、噛み跡などが見つかったもの。    

 左肩甲骨と右大たい骨に噛み跡が残され、大たい骨にあけられた穿孔には、クロコダイル形類の、断面が楕円形の歯冠の一部が残されていたそうです。



  1. References:
  2.  
  3. Clint A. Boyd, Stephanie K. Drumheller & Terry A. Gates (2013) 
  4. Crocodyliform Feeding Traces on Juvenile Ornithischian Dinosaurs from the Upper Cretaceous (Campanian) Kaiparowits Formation, Utah. 
  5. PLoS ONE 8(2): e57605. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0057605



 モンタナ州産の新種のアンキロサウルス類(Ankylosaurinae)が記載されています。全文が読めます。

 学名は、Oohkotokia horneri と命名されています。属名は発見場所や人々にちなみ、種小名はジョン・ホーナー(John R. Horner)に献名しています。

 白亜紀後期の地層(Two Medicine Formation)で、頭部と断片的な骨格が発見され、ロッキー博物館に収蔵されていたもの。

 アルバータからのカンパニアン後期のアンキロサウルス類には見られない、いくつかの特徴的な固有派生形質の組み合わせがあるとされています。 しかし、その他の、ほとんどの特徴には大きな違いは見られないようです。

 
 

  1. References:
  2.  
  3. Paul Penkalski (2013) 
  4. A new ankylosaurid from the late Cretaceous Two Medicine Formation of Montana, USA. 
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.4202/app.2012.0125



三畳紀の巨大魚竜/ネバダ

 ネバダ州にある三畳紀中期早期(約2億4400万年前)の地層で発見された新種のイクチオサウルスが記載されています。

 体長は8.6m以上と巨大で、Thalattoarchon saurophagis と命名されています。

 "海洋生物としては地球史上初めて、自分と同サイズの生物をエサにしていた"と、ナショジオが紹介しています。

 ペルム紀末の大量絶滅の後の時代からの海洋生態系のトップに君臨する捕食者の発見から、海の生態系の回復は陸よりも早かったと考えられています。


 大きな頭部と、2つのカッティングエッジのある、唇舌方向に扁平な大きな歯を持ち、大型の捕食性食餌スタイルだったとされています。

 今回の発見は、ペルム紀末の大量絶滅のおよそ800万年後とされ、三畳紀の海洋生態系はその頃までに回復し、爬虫類の最初の侵略は400万年以内だったと考えられています。  

 また、海洋における生物的な回復は、カーニアン以前にトップの捕食者がいなかった陸の生態系よりも早かったと考えられています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Nadia B. Fröbisch, Jörg Fröbisch, P. Martin Sander, Lars Schmitz, and Olivier Rieppel (2013) 
  4. Macropredatory ichthyosaur from the Middle Triassic and the origin of modern trophic networks. 
  5. Proceedings of the National Academy of Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1073/pnas.1216750110



 ワイオミングにあるジュラ紀後期(キンメリッジアン)のモリソン層で発見された、新種のディプロドクス類が記載されています。

 竜脚類としては珍しく、頭部と頚椎が発見されており、Kaatedocus siberi (カアアテドクス・シベリ)と命名されています。タイプ標本は亜成体ではないかとされています。 

 スイスの博物館(Sauriermuseum)で保管されているようで、ThurgauerZeitungに、映像があります。世界で最も保存状態のいい首だそうです。

 
 系統的にディプロドクス類は、フラゲリカウダタ(Flagellicaudata)、ディプロドシダエ(Diplodocidae)、ディプロドシナエ(Diplodocinae)というクレードが提唱されています。

 今回のカアアテドクスは、ディプロドシナエの基盤的な位置づけです。かつての"亜科"ですね。  また、ディンヘイロサウルス(Dinheirosaurus)とスーパーサウルスは、アパトサウルスとディプロドシナエの姉妹群とされ、最も基盤的なディプロドシダエとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Emanuel Tschopp & Octávio Mateus (2012) 
  4. The skull and neck of a new flagellicaudatan sauropod from the Morrison Formation and its implication for the evolution and ontogeny of diplodocid dinosaurs. 
  5. Journal of Systematic Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/14772019.2012.746589



 テキサスとオクラホマにまたがるにある白亜紀前期のトリニティ層群( Trinity Group)から発見されている竜脚類について再評価した論文が報告されています。 

 かつて、"Pleurocoelus(プレウロコエルス)"や"Astrodon(アストロドン)"とされていた標本を調べたもの。

 中のひとつは新種の竜脚形類として記載されています。サウロポセイドンと共に、 Somphospondyli のメンバーの位置づけです。
 トリニティ層群の竜脚類については混乱もあったようで、現在では、プレウロコエルスやアストロドンは、疑問名とされています。

 プレウロコエルスは、テキサス州の州の恐竜ですが、2007年に、Paluxysaurus jonesi として記載されています。  しかし、骨組織学的に未成熟で、その特徴などから、サウロポセイドンではないかとされています。

 サウロポセイドンの3分の2ほどしか無く、亜成体のようです。  

 新種の竜脚形類として記載されるものもあり、Astrophocaudia slaughteri (アストロフォカウディア・スラウグテリ)と命名されています。  

 尾椎に、後関節突起・前関節突起(hyposphene-hypantrum )システムを持つことから、基盤的なティタノサウルス類の位置づけです。  

 系統解析から、アストロフォカウディアとサウロポセイドンは、 Somphospondyli のメンバーとされ、一方、ケダロサウルス(Cedarosaurus) はブラキオサウルス類としています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Michael D. D'Emic (2012) 
  4. Revision of the sauropod dinosaurs of the Lower Cretaceous Trinity Group, southern USA, with the description of a new genus. 
  5. Journal of Systematic Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/14772019.2012.667446



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

2013年5月

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