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テノントサウルスの成長

 2種類いるテノントサウルスのうち、Tenontosaurus tilletti の骨組織についの報告と、それらの個体間や成長段階、生物地理学的な変化について議論した論文が報告されています。 

 他のイグアノドン類と異なり、晩年になっても多年にわたり、ゆっくりと成長したとされています。  

 T. tilletti は、米国にある白亜紀前期(Aptian-Albian)の地層で発見される、尾が長い中型の鳥脚類です。 

 モンタナ中央部からオクラホマ南部まで、広い範囲で数多くの化石が見つかっています。それだけ、成長段階の違いなどが解析しやすいのでしょう。  

 その成長パターンは他の恐竜と同じように、幼児期はかなり速く、亜成体の間は早い成長を維持しているそうです。 しかし、他のイグアノドン類と異なり、晩年になっても多年にわたり、ゆっくりと成長したとされています。  

 また、、テノントサウルスの成長曲線がゆっくりとしていることから、ハドロサウルス類などのイグアノドン類は、短期間に、テノントサウルスより大きくなったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Werning, S, (2012) The Ontogenetic Osteohistology of Tenontosaurus tilletti. 
  4. PLoS ONE 7(3): e33539. 
  5. doi:10.1371/journal.pone.0033539



新種の角竜か/モンタナ

 モンタナ州で、新しい角竜化石が発見されたそうです。KPAX-TV によると、来週にも論文が報告されるようです。

  発見された川にちなんで、"ジュディス(Judith)"と呼ばれています。新種らしく、トリケラトプスの近縁種ですが、はるかに古いとか。

 既にレプリカが出来上がって博物館に寄贈されています。 映像によると、周囲に小さな角があるフリルには、大きな孔があいていますね。




胎児を持つクビナガリュウ

 胎児を持つプレシオサウルス(クビナガリュウ)の化石が報告されています。陸上で卵を生んだのではなく、胎児を産んだ最初の証拠とされています。Physorg朝日などが伝えています。

 1987年に、米国にある白亜紀後期(約7800万年前)の地層から発見された  Polycotylus latippinus の化石から、胎児の化石が見つかったもの。

 魚竜などでは胎児を持つ魚竜化石が見つかっています。いずれも胎生(真胎生)ではなくて、卵を胎内でふ化させて子を産むいわゆる"卵胎生"でしょう。ただ、両者の区別は難しいとの話もあります。

 

  1. References:
  2.  
  3. F. R. O'Keefe & L. M. Chiappe (2011)
  4. Viviparity and K-Selected Life History in a Mesozoic Marine Plesiosaur (Reptilia, Sauropterygia)
  5. Science333(6044): 870-873
  6. DOI: 10.1126/science.1205689



最大級のアンキロサウルス類

 Billings Gazette によると、モンタナにある白亜紀後期の地層で、化石ハンターの兄弟がアンキロサウルス類の化石を発掘したそうです。

 体長は約9メートルと最大級で、新種らしいとされています。発見者は、"enormasaurus"と命名されることを望んでいるとか。




ナノティラヌスは有効な属

 ナノティラヌスは、1946年に、Gorgosaurus lancensisとして記載され、1988年に、Nanotyrannus lancensisとして再記載されたティラノサウルス類です。

 成体の化石が見つかっていないことなどから、最近では、T.rex の幼体とする説が有力です。

 今回、ウィットマーらが、ナノティラヌス属は有効とする論文を報告しています。 まだ未発表の標本もあるとされています。

 

Nanotyrannus skull.jpg

 クリーブランド自然史博物館に保管されているナノティラヌスの標本 (CMNH 7541)を頭部をCTスキャンし、コンピューター解析したもの。

 ヘルクリーク層で見つかった標本です。

 

 その結果、頭部、特に脳函のいくつかの特徴は、 T.rex と共通ですが、より基盤的な特徴もあるそうです。

 また、 幼体とするのは難しく、ナノティラヌスは有効な属としています。 

 

 図は、今回の標本。CTスキャンイメージを、異なる角度から見たもの。スケールは10センチ。

 クリックすると拡大します。

 

 

 

 

  1. References:

  2. Lawrence M. Witmer & Ryan C. Ridgely, 2011
  3. The Cleveland tyrannosaur skull (Nanotyrannus or Tyrannosaurus): new findings based on ct scanning, with special reference to the braincase.
  4. Kirtlandia 37: 61-81.



 1980年代に採掘された三畳紀の岩から、思わぬ"掘り出し物"の化石が見つかっています。その名も、ダエモノサウルス・カウリオドゥスです。

 ニューメキシコ州にある三畳紀後期(約2億500万年前)の地層(Chinle Formation)で発見された基盤的獣脚類が記載されています。

 ナショジオPhysorg などが紹介しています。2億3000万年前のへケラサウルス類やエオラプトルと、コエロフィシスなどの新獣脚類(Neotheropoda)のミッシングリンクを埋めるとされています。

 具体的には、脊椎内に呼吸器系とつながった空洞があることなどがあげられています。


 また、初期の恐竜が南米以外で発見されたことから、初期の放散がより広い範囲に及んでいたとされています。

 

 1980年代初頭に、ゴーストランチのコエロフィシス採石場(Coelophysis Quarry)で採掘された岩から、頭部などが発見されたもの。コエロフィシスが発見されたことで有名な場所です。 

 学名は、Daemonosaurus chauliodus の予定です。属名は、ゴーストランチで見つかったことから、 "demon reptile(悪霊の爬虫類)"の意味で、種小名は"prominent toothed(突き出た歯)"の意味。

 関連獣脚類からの推定体長は1.5メートルで、頭部は14センチほどで、鼻先が短く、学名が示すように、カーブした上顎歯と前上顎歯が突き出ています。

 

 下はその頭部(左側面)。長い歯が見えています。CREDIT: © Smithsonian's National Museum of Natural History.

 

Daemonosaurus_skull.jpg 

 系統的には、新獣脚類(Neotheropoda)の外群で、へケラサウルス類やエオラプトルより、コエロフィシスなどの同時代の新獣脚類に近いとされています。

 2009年に同じゴーストランチで発見された Tawa hallae と新獣脚類からなるクレードの姉妹群に位置づけられています。

 最近、竜脚形類とされたエオラプトルとの関係も気になりますね。  

 図で、赤い部分が、Daemonosaurus chauliodus 。黒い部分は化石が発見された時代を示しています。系統的には、中間的な位置づけですが、化石が発見された時代は、そうではありません。

 

Daimonosaurus_evolution.jpg                                                                                                                              Hans-Dieter Sues et al, 2011

 

 下の図は頭部骨格の復元図。眼窩が大きいですね。 

 

Daemonosaurus_skull_2.jpg                                           Hans-Dieter Sues et al, 2011

 

 下の図は復元イメージ。 Credit:© Jeffrey Martz.

 こういうイメージは、色や羽毛の模様、うろこ、耳の形状などに化石証拠がなく、芸術的な要素が多くなります。

 首の下にあるのは、米国の25セント(Quarter)で、直径は24.26 mm 。なじみの薄い硬貨を比較に出されても、北米以外の人には実感しにくいですね。

 

 

daemonosaurus_skull.jpg 

 

 

 

  References:

  1. Hans-Dieter Sues, Sterling J. Nesbitt, David S Berman, and Amy C. Henrici, 2011
  2. A late-surviving basal theropod dinosaur from the latest Triassic of North America
  3. Proc. R. Soc. B published online before print April 13, 2011
  4. doi:10.1098/rspb.2011.0410
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スーワセア続報

 モンタナで発見された新種の竜脚類、スーワセア・エミリエアエ(Suuwassea emilieae)の記載論文・Acta Palaeontologica Polonica がダウンロードできます。

 新たにFlagellicaudata というクレード(分類群)が定義されています。このクレードは、「ディクラエオサウルスとディプロドクスの最も新しい共通の祖先から派生する全ての子孫」です。
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 モンタナで発見された竜脚類、スーワセア・エミリエアエ(Suuwassea emilieae)について、Acta Palaeontologica Polonica に新種記載されています。ペンシルバニア大が伝えています。下のほうに骨格イメージがあります。

 

  1. A new diplodocoid sauropod dinosaur from the Upper Jurassic Morrison Formation of Montana, USA
  2. Jerald D. Harris and Peter Dodson
  3. Acta Palaeontologica Polonica 49 (2), 2004: 197-210

 

 およそ1億5000万年前のモリソン層で発見されたもので、ディプロドコイデア(Diplodocoidea、ディプロドクス上科)の共有派生形質を持っているとしています。近縁種より尾椎は短いそうです。

 この分類群は、デイプロドクスなどが属するDiplodocidae と、アマルガサウルスなどが属するDicraeosauridae からなるのですが、これらの起源に新たな知見を与えるとしています。

 著者の一人、ピータードットソンは米国の恐竜では初めて、頭部の先端の鼻孔付近に第2の穴があると述べています。この特別な穴は謎としています。

 Suuwassea emilieaeという学名は、"SOO-oo-WAH-see-uh eh-MEE-LEE-aye"と発音するそうです。単純に、"・・saurus"としないところにセンスを感じますね。

 属名は、"春雷"を意味する"suuwassa"から。竜脚類をかつて雷竜と呼んだことに由来しています。種小名は、化石発掘に資金援助した故エミリー(Emilie deHellebranth)さんにちなんだもの。

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