Kaiparowits Formation(Campanian)、ユタの最新ニュース

ナストケラトプス続報

 鼻の大きな新種の角竜/ユタ州(2013年7月)で紹介したケラトプシア、ナストケラトプス・チスシ(Nasutoceratops titusi) について報告されています。

 ユタ州にある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Kaiparowits Formation)で発見された基盤的セントロサウリナエ(亜科)です。 大きく盛り上がった鼻と、短い吻部、ねじれたツノが特徴です。

 系統解析では、先の論文と同じく、モンタナにあるカンパニアン後期の地層で発見されているアバケラトプス(Avaceratops lammersifrom)の姉妹群とされています。

 ナストケラトプスは、セントロサウリナエの起源に情報を与えるだけではなく、短い吻部 が短く、長い角を持つ未知のセントロサウリナエの存在を示唆するとされています。  

 それは、著者らがその存在を提唱している、北米の西部内陸盆地南部に起源を持つクレードです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Eric K. Lund, Scott D. Sampson & Mark A. Loewen (2016) 
  4. Nasutoceratops titusi (Ornithischia, Ceratopsidae), a basal centrosaurine ceratopsid from the Kaiparowits Formation, southern Utah. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2015.1054936
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 この話題、昨日のツイッターでは、小さなトサカと速報しましたが、むしろ、ベビーにしては早くもトサカ、というべきだったのでしょうね。

 パラサウロロフスといえば、頭部後方に伸びるチューブ状のトサカ(crest)が有名です。しかし、どのように成長したかについては、ほとんど知られていませんでした。

 今回、1歳未満の、パラサウロロフスとしては、最も小さく最も完全な化石が見つかり、そのトサカの成長過程などについて報告されています。オープンアクセスです。Peerj のブログが紹介しています。

 小さいながらトサカの成長を開始しており、これは、パラサウロロフスのトサカの成長には時間がかかるため、他のランベオサウルス類に比べて、早い時期から成長させる必要があったとされています。


 2009年に、ユタ州南部にある約7550万年前の地層(Kaiparowits Formation)で、高校生が発見した化石で、組織切片の分析で成長線がないことから、まだ1歳になっていない幼体とされています。  

 皮膚印象化石も残され、体長は、成体の25%ほどの、2.5メートルとされています。他のランベオサウルス類の幼体とは異なり、鼻腔は、トサカのほぼ全体を占めています。  

 さらに、頭蓋骨が、まだ最大頭蓋骨の25%未満の段階でトサカの成長を開始しており、これは、コリトサウルスのようなハドロサウルス類の、50%の段階でのトサカの成長開始とは対照的とされています。  

 一般的には、鳥盤類は、現存鳥類よりも比較的若い年齢で、しかも小さなサイズで、頭部の装飾を形成したと考えられています。  

 これは、鳥は成体サイズに達した後、生殖成熟に達するのに対し、鳥盤類の少なくとも一部は、体が成熟する前に性的成熟したかもしれないということを反映しているとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Andrew A. Farke, Derek J. Chok, Annisa Herrero, Brandon Scolieri & Sarah Werning (2013) 
  4. Ontogeny in the tube-crested dinosaur Parasaurolophus (Hadrosauridae) and heterochrony in hadrosaurids. 
  5. PeerJ 1:e182 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.7717/peerj.182
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 ユタ州にある白亜紀後期(カンパニアン後期、約7500万年前)の地層で発見された新種の角竜が記載されています。論文はフリーです。

 ナショジオなどに復元イラストがありますが、大きく盛り上がった鼻と、短い吻部、ねじれたツノが特徴的です。属名が「大きな鼻の角竜」を意味する Nasutoceratops titusi (ナストケラトプス・チスシ)と命名されています。  

 系統的には、 セントロサウリナエ(Centrosaurinae)で、Avaceratops の姉妹群とされ、この2種で、セントロサウリナエの初期に分岐する新たなサブクレードを形成しています。


 Kaiparowits Formationから、全長1.8メートルもあるほぼ完全な頭部化石などが見つかったもの。固有派生形質は、大きくなった鼻孔領域、空洞のある鼻の装飾、短くなった吻部、長くてねじれた眼窩上のツノ(角芯)です。

 当時、東西に分かれていた北米大陸の西側にあったララミディア南部にいたとされています。

 ナストケラトプスは、カンパニアン後期、百万年以上にわたって、ララミディアには少なくとも北部と南部の2つの恐竜のコミュニティがあったという地方的特質仮説(provincialism hypothesis)を強く支持するとしています。

 一方、姉妹群とされるAvaceratops は、海を隔てた東側のアパラチア大陸にいたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Scott D. Sampson, Eric K. Lund, Mark A. Loewen, Andrew A. Farke, and Katherine E. Clayton 
  4. A remarkable short-snouted horned dinosaur from the Late Cretaceous (late Campanian) of southern Laramidia 
  5. Proc. R. Soc. B. 2013 280 20131186
  6. doi:10.1098/rspb.2013.1186 (published 17 July 2013)
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 ユタ州南部にある白亜紀後期の地層(Kaiparowits Formation )で発見された翼竜の指骨化石が報告されています。全文が読めます。
 翼の先端にあたる第4指の4番目の指骨で、長さは60mm。薄くて、中空です。

 プテロダクチルス類のものとされ、この地層からは初めてのクレードとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Andrew A. Farke & Chiara A. Wilridge (2013) 
  4. A Possible Pterosaur Wing Phalanx from the Kaiparowits Formation (Late Campanian) of Southern Utah, USA . 
  5. PalArch's Journal of Vertebrate Palaeontology 10(2), 1-6.(pdf)
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 ユタ州にある白亜紀後期(late Campanian、約7500万年前)の地層(Kaiparowits Formation)で発見された新種のトロオドン類が記載されています。Science Daily などが伝えています。

 学名は、Talos sampsoni で、属名はギリシャ神話に登場するクレタ島に棲む青銅の巨人"Talos"から。また、"talon"には英語で、"鋭くフックしたツメ(sharply hooked claw)"の意味があります。

 神話の巨人と命名しながら、成体は推定体長2メートルで、体重は38kgと、トロオドンより小さいとされています。

  

 図は、Talos sampsoni の復元イラスト。北米で発見されているトロオドン類では最も完全な化石のひとつとされていますが、発見されたのは赤い部分(腰と両足など)だけです。

 不明な箇所は、 Troodon formosus Saurornithoides mongoliensis に基づいて復元されています。

 系統的には、派生的なトロオドン類の位置づけです。

 

 

Talos_sampsoni.jpg

 

 下の図は関節した左足。

 第II指の指節骨は先端に向かい、PII-2、PII-3(カギヅメ)の合計3個からなります。第III指(DIII)には4個、第IV指(DIV)には5個あります。

 赤く示したように、カギヅメとして使っていた足の指(第II指の第1指節骨)には折れたような外傷の痕があります。

 ミクロCTスキャンで調べたところ、感染症にかかり長い間わずらっていた証拠が残っているそうです。

 カギヅメだったこの指は傷つきやすく、仲間同士のバトルか獲物を狙ったときに負傷したのではないかとされています。

 また、足跡化石からもわかるように、体重もそれほどかからなかったのではないかとされています。怪我をしても歩くにはそれほど影響が無かったのでしょう。

 

 

 

Talos_sampsoni_pes.jpg

 

 References:

  1.  
  2. Lindsay E. Zanno, Varricchio DJ, O'Connor PM, Titus AL, Knell MJ , 2011
  3. A New Troodontid Theropod, Talos sampsoni gen. et sp. nov., from the Upper Cretaceous Western Interior Basin of North America
  4. PLoS ONE 6(9): e24487.
  5. doi:10.1371/journal.pone.0024487
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