Lance Formation(Upper Cretaceous)、ワイオミングの最新ニュース

 白亜紀後期(カンパニアン-マーストリヒチアン)、北半球の大型獣脚類といえば、ティラノサウリダエ(科)でした。

 その骨格化石は豊富に見つかっていますが、足跡が残されるような環境を好まなかったのか、足跡化石は限定的です。

 群れて歩いた/初めてのティラノサウリダエの連続歩行跡(2014年7月)では、カナダにある白亜紀後期の地層で発見されたティラノサウリダエ(科)としては初めての連続歩行跡を紹介しました。

 ここで推定される歩行速度は、時速、6.40 km から8.50 km とされていました。

 今回、ワイオミングにある白亜紀後期(マーストリヒチアン)の地層(Lance Formation)で発見されたティラノサウリダエの連続歩行跡について報告され、その歩行速度は、時速4.5-8kmとされています。 phys.orgが紹介しています。

 以前は、ティラノサウリダエの歩行速度は、他の大型獣脚類よりかなり遅かったと推測されていたそうですが、今回の結果から、歩くのが遅いわけではないとされています。

 砂岩の表面に連続した3つの足跡が残されており、サイズなどから、足跡の主は、T.rex の亜成体かナノティラヌスとされています。    


 


  1. References:
  2.  
  3. Sean D. Smith, W. Scott Persons IV & Lida Xing (2016) 
  4. A tyrannosaur trackway at Glenrock, Lance Formation (Maastrichtian), Wyoming. 
  5. Cretaceous Research 61: 1-4 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.12.020
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 北米大陸北西部、ワイオミング州にあるランス層(Lance Formation)といえば、1800年代末からT.rex の化石が発見されている場所です。

 ここでの発見は、その後の北米大陸での相次ぐ発見や命名の先駆けになったとされています。

 今回、この地層で発見されたT.rex の化石について総括した論文が報告されています。

 特に、1947年に発見された標本は、当時北米大陸内部にあった内海路(Western Interior Seaway) の海岸から離れた内陸からの初めての発見で、重要とされています。

 また、これらの化石に形態的な相違がないことから、白亜紀後期末(マーストリヒチアン後期)、北米大陸北西部では、T.rex が唯一の大型獣脚類だったとしています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Sebastian G. Dalman (2013) 
  4. New Examples of Tyrannosaurus rex from the Lance Formation of Wyoming, United States. 
  5. Bulletin of the Peabody Museum of Natural History 54(2):241-254. 2013 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.3374/014.054.0202
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 トリケラトプスとトロサウルス、ネドケラトプスは別の種とする論文が報告されています。New Scientist が伝えています。

 昨年10月には、スキャネラ(Scannella)とジャック・ホーナーが、トリケラトプスとトロサウルスは同一種(トロサウルスは成熟した成体でトリケラトプスは若い成体)とする論文が報告していました。


 また、ネドケラトプスは、トリケラトプスとトロサウルスの中間段階とされていました。

 下はネドケラトプスの頭部。スケールは10cm。鼻角は消失しており、上眼窩角は垂直に伸びています。また、フリルには穴(鱗状骨窓、sqf)があり、左右非対称です。トリケラトプスとはずいぶん違いますね。

 

 

Nedoceratops.jpg 

  1. Anatomy and Taxonomic Status of the Chasmosaurine Ceratopsid Nedoceratops hatcheri from the Upper Cretaceous Lance Formation of Wyoming, U.S.A
  2. Andrew A. Farke
  3. PlosOne Published, January 20, 2011


 今回の論文は、レイモン・アルフ博物館のファルケ(Andrew A. Farke)が、ワイオミングで120年前に発見された Nedoceratops hatcheri (ネドケラトプス)の頭部化石を調べたもの。
 
 ネドケラトプスの頭部には、たとえば、鱗状骨窓(sqf:squamosal fenestra)の左側の骨が右側より分厚く、また形状が非対称であるなど、トリケラトプスと異なる特徴があり、はっきりした別の属としています。


 ツノの形状や表面テクスチャアやフリルの上部骨化(epiossifications)から成熟した成体としています。

 3属が成長段階の違いによる同一種とされることについては、まだ未知の頭部の変化が必要としています。

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