Morrison Formation (Kimmeridgian-Tithonian), オクラホマの最新ニュース

 ワイオミングにあるジュラ紀後期(キンメリッジアン)のモリソン層で発見された、新種のディプロドクス類が記載されています。

 竜脚類としては珍しく、頭部と頚椎が発見されており、Kaatedocus siberi (カアアテドクス・シベリ)と命名されています。タイプ標本は亜成体ではないかとされています。 

 スイスの博物館(Sauriermuseum)で保管されているようで、ThurgauerZeitungに、映像があります。世界で最も保存状態のいい首だそうです。

 
 系統的にディプロドクス類は、フラゲリカウダタ(Flagellicaudata)、ディプロドシダエ(Diplodocidae)、ディプロドシナエ(Diplodocinae)というクレードが提唱されています。

 今回のカアアテドクスは、ディプロドシナエの基盤的な位置づけです。かつての"亜科"ですね。  また、ディンヘイロサウルス(Dinheirosaurus)とスーパーサウルスは、アパトサウルスとディプロドシナエの姉妹群とされ、最も基盤的なディプロドシダエとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Emanuel Tschopp & Octávio Mateus (2012) 
  4. The skull and neck of a new flagellicaudatan sauropod from the Morrison Formation and its implication for the evolution and ontogeny of diplodocid dinosaurs. 
  5. Journal of Systematic Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/14772019.2012.746589



小型ではなかったスーワセア

 モリソン層で発見されたジュラ紀後期のディプロドクス類、 Suuwassea emilieae (スーワセア・エミリエアエ)の骨の微細構造について報告されています。

 スーワセアとしては、初めての骨の微細構造の解析だそうです。最近、骨の組織学的研究が増えてきましたね。

 唯一の標本は、アパトサウルスなどの3分の2ほどと、小型です。 ホロタイプは、最近、亜成体とわかったそうですが、骨の組織学的には性的成熟度は、成体の75-80%程度とされています。  

 小さいのは個体発生的なもので、十分に成熟した成体は、アパトサウルスなどと同程度の大きさだったと考えられています。 また、いくつかの祖先形質は、未成熟とは無関係とされています。

 
 

  1. References:
  2.  
  3. Brandon P. Hedrick, Allison R. Tumarkin-Deratzian, and Peter Dodson 
  4. Bone microstructure and relative age of the holotype specimen of the diplodocoid sauropod dinosaur Suuwassea emilieae
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.4202/app.2012.0049



竜脚類の幼体化石の系統解析

 ジュラ紀後期のモリソン層で発見された竜脚類のほとんど完全な幼体化石について報告されています。 

 体長は2メートルほど。ディプロドクス類とされていましたが、系統解析では、いくつかのディプロドクス類の特徴を欠き、基盤的なティタノサウルス形類(titanosauriform)とされています。 

 含気性構造や神経棘の変化、四肢のアロメトリックな成長を含めて、成長段階の違いによる主な個体発生的な変化はほとんど見られないとしています。 



  1. References:
  2.  
  3. JOSÉ L. CARBALLIDO, JEAN S. MARPMANN, DANIELA SCHWARZ-WINGS & BEN PABST 
  4. New information on a juvenile sauropod specimen from the Morrison Formation and the reassessment of its systematic position 
  5. Palaeontology, 55(3), p.567-582, 2012
  6. DOI: 10.1111/j.1475-4983.2012.01139.x



 体重が1kg以下と北米最小の恐竜、Fruitadens haagarorum(フルイタデンス・ハーガロルム)の解剖学的特徴についての論文が報告されています。  

 記載論文では、一般的な解剖学的特徴程度しか書かれていませんでした。今回、小さな頭部や歯でいったい何を食べていたのか、など、その食性などについて考察されています。  

 フルイタデンスは、小さな体ながら、幅広い環境条件に耐えられる生態学的ゼネラリスト(ecological generalist)だったようです。  Farke がPlosのブログで語っています。

 フルイタデンスは、コロラドにあるジュラ紀後期(約1億5000万年前)の地層で発見されたヘテロドントサウルス類(Heterodontosauridae)で、2009年10月に記載されました。 

 体長は1メートル足らずで、体重も1kg以下、最小級の鳥脚類とされています。 

 今回、化石をCTスキャンすることで骨や筋肉を再現し、その頭部構造を解析することで、その祖先よりアゴの構造はよりシンプルに、弱く、そしてより素早い動かせることがわかったとされています。  

 その結果、その祖先が主に植物食だったのに比べると餌の幅が広がり、植物の他、昆虫や他の脊椎動物を食べていたとされています。 
 つまり、小さな体ながら、幅広い環境条件に耐えられる生態学的ゼネラリスト(ecological generalist)だったようです。  



  1. References:
  2.  
  3. Butler, R.J., Porro, L.B., Galton, P.M. & Chiappe, L.M. (2012) 
  4. Anatomy and Cranial Functional Morphology of the Small-Bodied Dinosaur Fruitadens haagarorum from the Upper Jurassic of the USA. 
  5. PLoS ONE 7(4): e31556.
  6. doi:10.1371/journal.pone.0031556



カマラサウルスの渡り

 カマラサウルスが、季節的な渡り(seasonal migration)をしたとする論文が報告されています。低地と高地を行き来していたようです。

 足跡化石から、竜脚類が群れで移動することは知られていましたが、直接の証拠はありませんでした。Nature News 朝日などが紹介しています。

 

 ワイオミングとユタにあるジュラ紀後期(約1億5000万年前)のモリソン層で発見された32本の歯の化石のエナメル質に含まれる酸素同位体比を調べたもの。

 付近の地層の同位体比と比較すると、当時飲んでいた水の環境がわかるそうです。

 その結果、歯の先端では根元と比較して同位体比が低いことがわかり、高地の水は同位体比が低いことから、成長後期には高地に住んでいたとしています。

 歯は5ヶ月ほどで形成されるとされ、半年ほどかけ、高地と低地の間を数百kmほど移動していた可能性を示唆しています。

 

 図は、カマラサウルスの渡りを示す図。

 水色の部分は、ジュラ紀後期に北米西部に広がるモリソン堆積盆地。

 緑色の■は、化石発見場所。THはワイオミングのサーモポリスで、DNM はユタにある Dinosaur National Monument です。

 カマラサウルスは、赤い線で示すように、内海に流れ込む河付近の低地と、火山のある高地との間を行き来したとされています。その距離は、片道で300kmほどです。

 水やエサを求めて、植物が少なくなる乾季(おそらく夏)には高地に移動し、雨季(冬)には盆地に戻ったようです。

Camarasaurus_migration_routes.jpg

 

 

  References:

  1.  
  2. Henry C. Fricke, Justin Hencecroth & Marie E. Hoerner (2011)
  3. Lowland-upland migration of sauropod dinosaurs during the Late Jurassic epoch.
  4. Nature (advance online publication)
  5. doi:10.1038/nature10570



 ステゴサウルスのタイプ標本を変更しようとする提案があります。ICZN で要旨が紹介されています。

 今までのホロタイプ(模式標本)は、マーシュ(Marsh)が1877年に記載した Stegosaurus armatus で、これを、同じくマーシュが1887年に記載した S. stenops にしようというのです。

 いずれもモリソン層のジュラ紀後期の地層で発見されています。

 S. armatus は不完全で、ステゴサウルスの共有派生形質(autapomorphic characters)をもっておらず、無効名としています。

 一方、S. stenops の標本、USNM 4934 は、一部はまだ岩の中にありますが自然関節しており、ほぼ完全だそうです。

 

  1. References:
  2.  
  3. Galton, P.M. (2011)
  4. Case 3536 Stegosaurus Marsh, 1877 (Dinosauria, Ornithischia): proposed replacement of the type species with Stegosaurus stenops Marsh, 1887. Bulletin of Zoological Nomenclature 68(2): 127-133



$275万で落札、"The Fighting Pair"

 テキサスで開催されたオークションで、"The Fighting Pair(戦うペア)"と呼ばれるアロサウルスとステゴサウルス類の2頭の恐竜化石が、$275万($2,748,500 )で競り落とされました。

 Telegraph などが伝えています。 落札したのは、米国以外の博物館だそうです。 Heritage Auctions が開催したもので、化石の詳細は、The Fighting Pair (pdf)にあります。

  

 発掘の様子や展示骨格などは、The Fighting Pair(YouTube)にあります。以下はその映像の一部です。

 Fighting_Pair.jpg 

 2つの化石は、2007年に、ワイオミング州にあるジュラ紀の地層(モリソン層)で発見され、アロサウルスは、"Dracura"の愛称で呼ばれ、ステゴサウルス類の愛称は、"Fantasia"です。

 いずれもジュラ紀の代表的な恐竜ですが、両者が同時に見つかることは無かったそうです。

 この発見では、同時に見つかっただけでなく、アロサウルスのアゴの近くで、ステゴサウルス類の上腕骨が発見されています。両者は、戦いの最中だったのではないかとされています。

 詳しい調査研究は行われていませんが、アロサウルスは、70-75%の化石が保存され、Allosaurus jimmadseni ではないかとされています。Allosaurus fragilis よりスレンダーで原始的だそうです。

 ステゴサウルス類は、75-80%の化石が保存され、より原始的な属のHesperosaurus mjosi ではないかとされています。




 恐竜の皮膚印象についての論文が報告されています。論文要旨は公開されていません。Dinosaur Tracking で紹介されています。

 北米のジュラ紀後期(約1億5300万年前)のモリソン層に残された3つの皮膚印象で、2つは竜脚類のものではないかとされ、残りは不明とされています。

 竜脚類らしき皮膚印象は、アパトサウルスの化石の付近で見つかっており、最も有力な候補とされています。

  1. References:
  2.  
  3. John R. Fostera; Rebecca K. Hunt-Fostera, 2011
  4. New occurrences of dinosaur skin of two types (Sauropoda? and Dinosauria indet.) from the Late Jurassic of North America (Mygatt-Moore Quarry, Morrison Formation)
  5. Journal of Vertebrate Paleontology, 31(3), May 2011, p. 717 - 721
  6. DOI: 10.1080/02724634.2011.557419



スーワセア続報

 モンタナで発見された新種の竜脚類、スーワセア・エミリエアエ(Suuwassea emilieae)の記載論文・Acta Palaeontologica Polonica がダウンロードできます。

 新たにFlagellicaudata というクレード(分類群)が定義されています。このクレードは、「ディクラエオサウルスとディプロドクスの最も新しい共通の祖先から派生する全ての子孫」です。
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 モンタナで発見された竜脚類、スーワセア・エミリエアエ(Suuwassea emilieae)について、Acta Palaeontologica Polonica に新種記載されています。ペンシルバニア大が伝えています。下のほうに骨格イメージがあります。

 

  1. A new diplodocoid sauropod dinosaur from the Upper Jurassic Morrison Formation of Montana, USA
  2. Jerald D. Harris and Peter Dodson
  3. Acta Palaeontologica Polonica 49 (2), 2004: 197-210

 

 およそ1億5000万年前のモリソン層で発見されたもので、ディプロドコイデア(Diplodocoidea、ディプロドクス上科)の共有派生形質を持っているとしています。近縁種より尾椎は短いそうです。

 この分類群は、デイプロドクスなどが属するDiplodocidae と、アマルガサウルスなどが属するDicraeosauridae からなるのですが、これらの起源に新たな知見を与えるとしています。

 著者の一人、ピータードットソンは米国の恐竜では初めて、頭部の先端の鼻孔付近に第2の穴があると述べています。この特別な穴は謎としています。

 Suuwassea emilieaeという学名は、"SOO-oo-WAH-see-uh eh-MEE-LEE-aye"と発音するそうです。単純に、"・・saurus"としないところにセンスを感じますね。

 属名は、"春雷"を意味する"suuwassa"から。竜脚類をかつて雷竜と呼んだことに由来しています。種小名は、化石発掘に資金援助した故エミリー(Emilie deHellebranth)さんにちなんだもの。

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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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