Morrison Formation (Kimmeridgian-Tithonian), オクラホマの最新ニュース

 非常に保存状態の良い竜脚類のの幼体化石から、竜脚類では初めてとなる、尾背側の含気性 構造が報告されています。

 ユタ州にあるジュラ紀後期のモリソン層で発見されたもので、バロサウルスとされ、サイズは、成体の3分の1ほどしかないそうです。

 背側椎骨の含気性は、連続的に変化しており、1-4と8-9の椎骨の椎体が、大きな含気性フォッサ(骨にある窪みや空洞)で区切られているに対し、5-7の椎骨ではこれらのスペースは、浅いくぼみで占められています。

 これは竜脚類では初めてとなる尾と背側の含気性空間を示し、別々の気囊が、脊椎の前方および後方を含気化していたと考えられています。

 また、非鳥類型恐竜と鳥類で見られるパターンと一致し、竜脚類には鳥類様の肺があったさらなる証拠とされています。

 なお、竜脚類の含気性構造(2012年6月)では、ティタノサウリアでみられた、脊柱から尾にかけての含気性構造を、竜脚形類にあるPSP、気嚢は恐竜より前から進化か(2011年3月)では、基盤的竜脚形類(プラテオサウルスなど)での例を紹介しています。



  1. References:
  2.  
  3. Keegan M. Melstrom, Michael D. D'emic, Daniel Chure & Jeffrey A. Wilson (2016) 
  4. A juvenile sauropod dinosaur from the Late Jurassic of Utah, U.S.A., presents further evidence of an avian style air-sac system. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2016.1111898
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 1年ほど前ですが、ブロントサウルス復活のニュースが話題になりました。 ブロントサウルス復活/ディプロドシダエの新たな系統解析(2015年4月)で紹介しています。

 その中で、断片的な標本である Diplodocus longus が疑問名となり、ディプロドクス属のホロタイプが、D. carnegii に変更されると紹介しました。 

 今回、ファーストオーサーのEmanuel Tschopp により、改めて、ディプロドクスのホロタイプを D. longus から、 D.carnegii とする報告があります。

 どちらも、ジュラ紀後期のモリソン層から発見されていますが、 D. carnegii のホロタイプは保存状態もよく、ほとんどが関節しています。

 今回のタイプ標本変更により、ディプロドクスの属名や、ディプロドコイデア(diplodocoidea)のクレード名は維持されるとされています。 ブロントサウルスが復活しただけでなく、ディプロドクスも生き延びたのですね。



  1. References:
  2.  
  3. Case 3700 
  4. Diplodocus Marsh, 1878 (Dinosauria, Sauropoda): proposed designation of D. carnegii Hatcher, 1901 as the type species. 
  5. Emanuel Tschopp and Octávio Mateus (2016) 
  6. Bulletin of Zoological Nomenclature 73(1): 17-24
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 ステゴサウルスの中でも、Stegosaurus stenopsは、1884年に記載された最も有名な恐竜の一つです。

 また、米国のジュラ紀後期の地層(モリソン層)で発見された (Stegosaurus longispinusは、1914年に記載されています。 

 今回、そのStegosaurus longispinus とされていた古い標本について、新たな属が提案され、Alcovasaurus longispinus と命名されています。

 ユタ大は、ステゴサウルスより、25%短い尾に、2倍の長さのスパイクと、紹介しています。 短い尾なので降ることはできず、長いスパイクは理にかなっているとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Galton, Peter M. & Carpenter, Kenneth (2016) 
  4. The plated dinosaur Stegosaurus longispinus Gilmore, 1914 (Dinosauria: Ornithischia; Upper Jurassic, western USA), type species of Alcovasaurus n. gen. 
  5. Neues Jahrbuch für Geologie und Paläontologie - Abhandlungen 279(2): 185-208 
  6. DOI: http: // dx.doi.org/10.1127/njgpa/2016/0551
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 ブロントサウルス復活/ディプロドシダエの新たな系統解析(2015年4月)でも紹介しているように、モリソン層では、アパトサウルスは豊富に見つかっています。  

 一方、そのひとつ、ユタ州のクリーブランド・ロイド採石場からはアロサウルスなどは見つかっていますが、アパトサウルスは未発見だったようで、今回、初となる化石が報告されています。

 ディプロドシダエ(科)の中でも、他の大陸では、このクレードが見つかっていないとことから、ジュラ紀後期に、このグループは北米で繁栄し、はっきりはしませんが、ここが起源ではないかとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. John R. Foster & Joseph E. Peterson (2015) 
  4. First report of Apatosaurus (Diplodocidae: Apatosaurinae) from the Cleveland-Lloyd Quarry in the Upper Jurassic Morrison Formation of Utah: abundance, distribution, paleoecology, and taphonomy of an endemic North American sauropod clade. 
  5. Palaeoworld (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palwor.2015.11.006
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 ユタ州にあるジュラ紀後期のモリソン層といえば、多くの恐竜の連続歩行が見つかっていることで有名です。

 そのユタ州では、2016年3月に、世界で初めて、恐竜の足跡化石に特化した博物館(MOAB GIANTS)がオープンします。

 今回、その一部(Salt Wash Member)を再調査したところ、今までヨーロッパでしか見つかっていない大型獣脚類の足跡化石が見つかリ、報告されています。Nationalgeographicが紹介しています。


 Hispanosauropus (ヒスパノサウロプス)と命名されている足跡化石です。

 Megalosauripus とは異なり、足跡の主はアロサウリロイデア(上科)ではないかとされていますが、スピノサウロイデア(トルボサウリダエ)やケラトサウロイデアの可能性も捨てきれないようです。

 北米やイベリア半島の両方で、アロサウルス属やトルボサウルス属、ケラトサウルス属の大型獣脚類が見つかっていることから、それらの足跡化石ではないかとされています。

 このあたりでは、ヒスパノサウロプスと、それと似たような足跡化石がありふれていることから、モリソン層形成の初期に、大型獣脚類相のターンオーバー(タクソンの入れ替わり)があったのではないかとされています。





  1. References:
  2.  
  3. John R. Fostera, 2015 
  4. Theropod Dinosaur Ichnogenus Hispanosauropus Identified from the Morrison Formation (Upper Jurassic), Western North America 
  5. Ichnos, 22(3-4) 
  6. DOI:10.1080/10420940.2015.1059335
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 ステゴサウルスはよく知られた恐竜にもかかわらず、産出する化石がバラバラだったり、関節していても部分的だったりと、保存状態のよい標本は稀なのです。

 今回、ワイオミング州のモリソン層で発見された保存状態のいいステゴサウルス(Stegosaurus stenops )の頭部より後ろの骨格について再記載されています。なお、頭部については別論文で報告されるようです。  

 全ての骨格要素と、新たに70以上の特徴が示されています。 1877年にステゴサウルスが初めて記載されてから1世紀以上になるのですが、詳細な記載は、初めてとされています。

 図は、骨格復元モデル(Susannah Catherine Rose Maidment,et al., 2015)。骨盤の上には、1枚だけ、大きなプレート(Plate 13)がありますね。

 前部が欠けているのですが、高さ(背腹方向の最大長)は、785mmとされています。その前後より、25センチほど長いプレートです。

 今までの復元に比べて、首が長いような気もしますね。ノドの部分を保護する皮骨もありません。


Stegosaurus stenops.jpg



 2003年に発見された標本(NHMUK PV R36730)で、完全に成熟していない個体とされています。  

 愛称はソフィーですが、性別は不明です。
 
 成熟した雌にしかない骨髄骨(medullary bone)が見られないことから、オスか妊娠していないメスとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Susannah Catherine Rose Maidment, Charlotte Brassey & Paul Michael Barrett (2015) 
  4. The Postcranial Skeleton of an Exceptionally Complete Individual of the Plated Dinosaur Stegosaurus stenops (Dinosauria: Thyreophora) from the Upper Jurassic Morrison Formation of Wyoming, U.S.A. 
  5. PLoS ONE 10(10): e0138352. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0138352
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 ロックレイが、ダイナソーリッジで発見された恐竜足跡化石についてレビューしています。

 コロラド州にあるジュラ紀後期のモリソン層にあり、1877年より知られた世界的に有名な足跡化石産地です。

 ステゴサウルスやアパトサウルス、ディプロドクスのものとされる足跡化石が見つかっていますが、詳細な報告はほとんど無いそうです。

 今回、64箇所ある他のモリソン層の足跡化石と比較しています。



  1. References:
  2.  
  3. Martin G. Lockley, Richard T. McCrea & Lisa G. Buckley (2015) 
  4. A review of dinosaur track occurrences from the Morrison Formation in the type area around Dinosaur Ridge 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palaeo.2015.05.018
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 現生の哺乳類や鳥類など、オスとメスで外観が異なる性的二型はよく見られる現象です。

 今回、モンタナにあるジュラ紀後期のモリソン層で見つかったステゴサウルス属、Stegosaurus mjosi の背中にあるプレートで、性的二型の決定的な証拠を確認したとする報告がありまます。

 今回のポイントは、性に関係ない個体差や種内変化、成長に伴う個体発生的な変化ではないことを、どう否定したのかという点と、プレート以外に違いのない標本のオスとメスをどうやって区別したのかという点です。

 ただし、Science には、十分に成熟していない標本などと、問題点を指摘するコメントもあります。

 復元イラストに示すように、オスのプレートは丸く、大きな表面積で目立とうとし、メスのプレートは背が高く尖っています(Evan Thomas Saitta, 2015)

 ステゴサウルスの復元でよく見かける尖ったプレートは、この種のメスの形状に似ていますね。 

 ディスプレイ指向のプレート形態から、オスとオスが競争したというより、メスガオスを選んだのではないかとされています。

 交尾の姿勢は不明ですが、オスのことを考えると、メスのプレートは尖っていない方がいいと思いますね。




Stegosaurus mjosi.jpg


 今回の標本では、大腿骨や脛骨に、産卵時にカルシウムの貯蔵組織となる髄骨は見つかっておらず、また、腹腔内に卵が見つかっているわけでもありません。  

 では、どうやって、標本のオスとメスを区別したのか。それは、現生の牛類(bovid)の角からの推定です。  

 幅広く楕円形で、他方より45%表面積が大きいプレートは、その成長や維持に、より大きなエネルギーを使うとされ、エネルギー的な観点から、こちらのプレートをオスのものとしています。

 一方、幅が狭くて背が高いプレートは、メスのものとされています。 

 また、性的二型以外の可能性については、次のような点から否定されています。



  異なる種:異なる種が共存したニッチ分割(niche partitioning)の証拠が無いため、異なる種である可能性は無い。    

  1. 個体発生的な違い:組織学的には、十分に成長した個体であり、成長に伴う個体発生的な違いではない。また、同一個体では、プレートは、1つの型のみで、混在することもない。  

  2. 性に関係ない変化:性に関係ない変化は、中間形態を示すのですが、今回、中間形態が無い。  

  3. タフォノミー:少なくとも5個体が同一層準で見つかり、水で流されたり、スカベンジャーによって運ばれたのではない。このことから、オスとメスが共存し、社会性があったのではないかと、考えられています。
 


 


  1. References:
  2.  
  3. Evan Thomas Saitta (2015) 
  4. Evidence for Sexual Dimorphism in the Plated Dinosaur Stegosaurus mjosi (Ornithischia, Stegosauria) from the Morrison Formation (Upper Jurassic) of Western USA. 
  5. PLoS ONE 10(4): e0123503. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0123503
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 ワイオミングにあるジュラ紀後期のモリソン層で発見された右足化石をホロタイプとし、1879年に記載された Camptonotus amplus (キャンプノトス・アンプラス)は、長い間、鳥脚類のキャンプトサウルス(Camptosaurus )とされてきました。
 
 今回、おそらくアロサウルス(Allosaurus amplus )ではないかとする論文が報告されています。

 一連の共有派生形質は、アロサウロイデア(Allosauroidea)を示し、また、横方向に圧縮された深い爪節骨は、新竜脚類の幼体の特徴も示しているそうです。

 


  1. References:
  2.  
  3. Peter M. Galton, Kenneth Carpenter & Sebastian G. Dalman (2015) 
  4. The holotype pes of the Morrison dinosaur Camptonotus amplus Marsh, 1879 (Upper Jurassic, western USA) - is it Camptosaurus, Sauropoda or Allosaurus? 
  5. Neues Jahrbuch für Geologie und Paläontologie - Abhandlungen 275(3): 317-335 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1127/njgpa/2015/0467
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ステゴサウルスの体重推定

 ステゴサウルスの体重(質量)を推定した論文が報告されています。

 モリソン層(ジュラ紀後期)で発掘された世界で最も完全な骨格標本から、3Dデジタルモデルを作成して推定したもの。 

  その結果、体重は、 1560 kg とされています。これには、34kgの皮膚のヨロイを含んでいます。

 全長は示されていないようですが、7メートルほどとすると、同程度のアフリカゾウの体重は、6-7トンもあります。

 これとは対照的に、従来の四肢の寸法に基づく方法からは、2355kgと3751kgの間の値を予測しています。これだと、軟組織や体の密度が高くなる必要があるとされています。

 今回の推定は、他の恐竜で見られる一般的な予測方程式の値から外れ、この説明としては、成長段階による個体発生的な相違と考えられています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Charlotte A. Brassey , Susannah C. R. Maidment & Paul M. Barrett (2015) 
  4. Body mass estimates of an exceptionally complete Stegosaurus (Ornithischia: Thyreophora): comparing volumetric and linear bivariate mass estimation methods. 
  5. Biology Letters (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1098/rsbl.2014.0984
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 病理学的標本に基づき、アロサウルスのライフスタイルについて考察した論文が報告されています。

 ワイオミングにあるジュラ紀後期の地層(Morrison Formation)で発見された成体化石を調べたもので、複数の病状が示されています。

 おそらく致命的だった坐骨骨折を除いて、全ての外傷や外傷性感染による病理的な部分は、明確に治癒したことを示しているそうです。

 複数の外傷性病変が見られることから、大型ボティの獣脚類は生涯を通して頻繁に怪我をしたとされています。

 そして、プレデターとしての活発なライフスタイルと、怪我からサバイバルしたことから、アロサウルスが群れで過ごしたのではないかとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Christian Foth, Serjoscha Evers, Ben Pabst, Octávio Mateus, Alexander Flisch, Mike Patthey & Oliver W. M. Rauhut (2015) 
  4. New insights into the lifestyle of Allosaurus (Dinosauria: Theropoda) based on another specimen with multiple pathologies. 
  5. PeerJ PrePrints 3:e824v1 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.7287/peerj.preprints.824v1
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 コロラドにあるジュラ紀後期のモリソン層で発見された竜脚類、ハプロカントサウルス属の一種(Haplocanthosaurus sp.)が報告されています。

 種名までははっきりしないようです。モリソン層の竜脚類としては珍しい種で、今回で7カ所目の10番目の標本とされています。



  1. References:
  2.  
  3. John R. Foster & Mathew J. Wedel (2014) 
  4. Haplocanthosaurus (Saurischia: Sauropoda) from the lower Morrison Formation (Upper Jurassic) near Snowmass, Colorado. 
  5. Volumina Jurassica XII (2): 197-210 
  6. DOI: 10.5604/17313708 .1130144
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 あけまして、おめでとうございます。本年も、タイムリーな話題を、わかりやすく紹介していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 今年最初のニュースは、アロサウルス属としては4種目となる新種記載の話です。

 種小名は、スペンサー・ルーカス( Spencer G. Lucas)にちなみ、 Allosaurus lucasi と命名されています。フリーの論文です。


 1953年に、コロラドにあるジュラ紀後期のモリソン層で発見されていた成体と幼体化石です。  

 モリソン層からは、今までに3種のアロサウルス属が知られています。 Allosaurus fragilis A.atrox、そして A. jimmadseni です。  

 A. fragilis や A. jimmadseni よりがっしりしたタイプで、短い頬骨突起、方頬骨にある短い方形骨突起が異なるとされています。  
 
 2006年にはポルトガルで、 A. europaeus も記載されており、今回の報告を踏まえ、アロサウルス属は、以前考えられていたよりも、分類的にも形態的にも多様であったとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Sebastian G. Dalman (2014) 
  4. Osteology of a large allosauroid theropod from the Upper Jurassic (Tithonian) Morrison Formation of Colorado, USA. 
  5. Volumina Jurassica 12 (2): 159-180 
  6. DOI : 10.5604/17313708 .1130
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 推定全長は58-60メートルと、史上最大とされる竜脚類、アンフィコエリアス(Amphicoelias fragillimus) のサイズは過大評価とする論文が報告されています。

 そもそもが、1878年にコープが報告した大腿骨や胴椎の一部などからの推定なのです。

 しかも、ホロタイプ標本は失われており、コープの測定は正確だったのかなどの再現性は無く、この時点でサイエンスではありませんね。 

  「超ド級」ドレッドノータス/最も完全な巨大ティタノサウリア(2014年9月)でも紹介していますが、最大級といわれる竜脚類、ほとんどが断片的な化石からの推定です。

 BHLライブラリーにあるコープの記載によると、不完全な胴椎の神経アーチ(neural arch)は高さ1500 mm(1.50メートル)とし、完全だと少なくとも1.83メートルはあると報告しています。なお、"1500 m"は、"1500 mm"のタイプミスで、"1050 mm"のミスとの話もあります。


 そして、後に、それからの推定全長は58-60メートルと、史上最大の竜脚類で、最大の脊椎動物とされてきました。  

 しかし、今回、 ディプロドコイデア(Diplodocoidea、ディプロドクス上科)の成長に伴う変化や、このようなサイズの陸上生物が存在できるのか、コープ自身の大げささ(mannerism)を考慮すると、コープの推定は過大評価とされています。



  1. References:
  2.  
  3. D. Cary Woodruff and John R. Foster (2014) The fragile legacy of Amphicoelias fragillimus (Dinosauria: Sauropoda; Morrison Formation - latest Jurassic). 
  4. Volumina Jurassica 12I (2): 181-196 
  5. DOI: 10.5604/17313708 .1130144
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 恐竜化石の腹部あたりで、角のとれた丸い石が見つかったりすると、胃石と考えられがちです。しかし、ジュラ紀後期のモリソン層における恐竜化石産地では、竜脚類の胃石が見つかるのは、非常に稀だそうです。

 今回、そのあたり、堆積環境やタフォノミー(化石生成過程)的に考察した論文が報告されています。

 タフォノミー的には、竜脚類が鳥類のように胃石を使って食物を粉砕していたという説は、支持されないとされています。


 米国西部の白亜紀前期地層では、外石(exoliths)は豊富ですが、ジュラ紀後期の地層ではほとんど無いそうです。  

 ほとんどの地域が細粒堆積物で、礫が少なかったことから、胃石を持っていた竜脚類は、ほんの少しなのです。  

 また、礫が骨化石と集まっていることはなく、それが胃石であるという説得力のある証拠は無いと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. O. Wings (2015)[2014] 
  4. The rarity of gastroliths in sauropod dinosaurs - a case study in the Late Jurassic Morrison Formation, western USA. 
  5. Fossil Record 18: 1-16 
  6. doi:10.5194/fr-18-1-2015, 2015.
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 感染症に悩んだティラノサウルス(2009年10月)などで紹介しているように、恐竜が感染症に悩まされていたという報告は、何例かありますが、今回、ステゴサウルスの例が報告されています。

 複数の箇所でみられる多発的な感染症の痕跡は、恐竜では、世界で初めての発見とされています。大阪市立自然史博物館が紹介しています。

 ジュラ紀後期のモリソン層で発見された20個体のうち、2個体に異常が見つかったもの。

 その特徴が骨髄炎に似ており、ステゴサウルスで初めての、骨表面には影響のでていない骨髄炎の痕跡ではないかとされています。 

  骨髄炎は、骨髄の炎症で、怪我などによる細菌感染が主な原因ですが、今回は、怪我などの外傷によるものではなく、ステゴサウルスが骨髄炎にかかりやすかった可能性が指摘されています。  



  1. References:
  2.  
  3. Ragna Redelstorff, Shoji Hayashi, Bruce M. Rothschild and Anusuya Chinsamy, 2014 
  4. Non-traumatic bone infection in stegosaurs from Como Bluff, Wyoming 
  5.   Lethaia, Article first published online: 1 AUG 2014 
  6. DOI: 10.1111/let.12086
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バロサウルスの採餌スタイル

 Barosaurus lentus(バロサウルス・レンタス)といえば、アメリカ自然史博物館の玄関ホールで、立ち上がった姿で展示されている竜脚類です。

 長い首も有名で、今回、頚椎の形状から、その摂食スタイルについて考察した論文が報告されています。オープンアクセスです。

 図は、Kaeetodocus (左)とバロサウルスの頚椎の比較(Michael P Taylor et al., 2013) 。

 バロサウルスは 横方向に広いが、前後方向に短い関節突起面などの特徴から、首の横方向の柔軟性は大きい一方で、垂直方向の柔軟性は制限されるとしています。  

 これらから、バロサウルスは、地上の長い枝を刈り取って食べていたとされ、他の竜脚類とは異なる摂食方法だったと考えられています。

 図で、上は、背中方向から、下は、右側面から見ています。バロサウルスは、首の狭いディプロドクスより、アパトサウルスに似ているとされています。




barosaurus.jpgのサムネール画像

 なお、バロサウルスは、モリソン層にあるジュラ紀後期の地層で見つかっているディプロドクス類で、同層には、少なくとも9 種のディプロドクス類がいたようです。

 しかし、いわゆる科レベルのデイプロドクス類(Diplodocidae)になると、モリソン層以外では、わずか2種(ポルトガル産のDinheirosaurus と、タンザニアの Tornieria)しか知られておらず、時間的にも場所的にも限られた恐竜だったのです。


 論文では、横方向に広いが、前後方向に短い関節突起面などの特徴から、首の横方向の柔軟性は大きい一方で、垂直方向の柔軟性は制限されるとしています。  

 これらから、バロサウルスは、地上の長い枝を刈り取って食べるような、他の竜脚類とは異なる摂食方法だったと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Michael P Taylor & Mathew J Wedel (2013) 
  4. The neck of Barosaurus was not only longer but also wider than those of Diplodocus and other diplodocines. 
  5. PeerJ PrePrints 1:e67v1 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.7287/peerj.preprints.67v1
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 ワイオミングにあるジュラ紀後期(キンメリッジアン)のモリソン層で発見された、新種のディプロドクス類が記載されています。

 竜脚類としては珍しく、頭部と頚椎が発見されており、Kaatedocus siberi (カアアテドクス・シベリ)と命名されています。タイプ標本は亜成体ではないかとされています。 

 スイスの博物館(Sauriermuseum)で保管されているようで、ThurgauerZeitungに、映像があります。世界で最も保存状態のいい首だそうです。

 
 系統的にディプロドクス類は、フラゲリカウダタ(Flagellicaudata)、ディプロドシダエ(Diplodocidae)、ディプロドシナエ(Diplodocinae)というクレードが提唱されています。

 今回のカアアテドクスは、ディプロドシナエの基盤的な位置づけです。かつての"亜科"ですね。  また、ディンヘイロサウルス(Dinheirosaurus)とスーパーサウルスは、アパトサウルスとディプロドシナエの姉妹群とされ、最も基盤的なディプロドシダエとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Emanuel Tschopp & Octávio Mateus (2012) 
  4. The skull and neck of a new flagellicaudatan sauropod from the Morrison Formation and its implication for the evolution and ontogeny of diplodocid dinosaurs. 
  5. Journal of Systematic Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/14772019.2012.746589
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小型ではなかったスーワセア

 モリソン層で発見されたジュラ紀後期のディプロドクス類、 Suuwassea emilieae (スーワセア・エミリエアエ)の骨の微細構造について報告されています。

 スーワセアとしては、初めての骨の微細構造の解析だそうです。最近、骨の組織学的研究が増えてきましたね。

 唯一の標本は、アパトサウルスなどの3分の2ほどと、小型です。 ホロタイプは、最近、亜成体とわかったそうですが、骨の組織学的には性的成熟度は、成体の75-80%程度とされています。  

 小さいのは個体発生的なもので、十分に成熟した成体は、アパトサウルスなどと同程度の大きさだったと考えられています。 また、いくつかの祖先形質は、未成熟とは無関係とされています。

 
 

  1. References:
  2.  
  3. Brandon P. Hedrick, Allison R. Tumarkin-Deratzian, and Peter Dodson 
  4. Bone microstructure and relative age of the holotype specimen of the diplodocoid sauropod dinosaur Suuwassea emilieae
  5. Acta Palaeontologica Polonica (in press) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.4202/app.2012.0049
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竜脚類の幼体化石の系統解析

 ジュラ紀後期のモリソン層で発見された竜脚類のほとんど完全な幼体化石について報告されています。 

 体長は2メートルほど。ディプロドクス類とされていましたが、系統解析では、いくつかのディプロドクス類の特徴を欠き、基盤的なティタノサウルス形類(titanosauriform)とされています。 

 含気性構造や神経棘の変化、四肢のアロメトリックな成長を含めて、成長段階の違いによる主な個体発生的な変化はほとんど見られないとしています。 



  1. References:
  2.  
  3. JOSÉ L. CARBALLIDO, JEAN S. MARPMANN, DANIELA SCHWARZ-WINGS & BEN PABST 
  4. New information on a juvenile sauropod specimen from the Morrison Formation and the reassessment of its systematic position 
  5. Palaeontology, 55(3), p.567-582, 2012
  6. DOI: 10.1111/j.1475-4983.2012.01139.x
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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