アルゼンチンの最新ニュース

 レバッキサウルスとしては初めてとなる成体と幼体が一緒になった化石について報告されています。群れで暮らした証拠と考えられています。

 アルゼンチンのネウケン州にある白亜紀前期の地層から発見されたもので、2つの幼体を含む3つの標本が1つのグループを作っているそうです。
 同じ盆地で発見された Zapalasaurus bonapartei に近縁とされています。

 新竜脚類は、ディプロドクス類とマクロナリア類に大別されますが、レバッキサウルスはディプロドクス類の系統です。  

 古環境から、レバッキサウルスは、マクロナリア類の竜脚類より、極端に不毛な環境に耐えられたとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Salgado, L., J.I. Canudo, A.C. Garrido & J.C. Carballido, 2012. 
  4. Evidence of gregariousness in rebbachisaurids (Dinosauria, Sauropoda, Diplodocoidea) from the Early Cretaceous of Neuquén (Rayoso Formation), Patagonia, Argentina. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 32 (3):603-613.
  6. DOI:10.1080/02724634.2012.661004



銀の国のトカゲ、再記載

 アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見された竜脚類、Argyrosaurus superbus について再記載された論文が報告されています。 

 1893年に左前脚化石から記載され、アルゼンチンでは最も記載の早い恐竜です。属名の意味は、"銀のトカゲ"で、アルゼンチンがラテン語で"銀の国"という意味にちなんでいます。 

 ティタノサウルス類として有効で基盤的とされていますが、その正確な位置づけは不明とされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Mannion, P.D. & A. Otero, 2012. 
  4. A reappraisal of the Late Cretaceous Argentinean sauropod dinosaur Argyrosaurus superbus, with a description of a new titanosaur genus. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 32 (3): 614-638. DOI:10.1080/02724634.2012.660898



ボナパルテニクスの卵化石

 昨年12月に、新種のアルヴァレスサウルス/アルゼンチンで紹介したBonapartenykus ultimus (ボナパルテニクス・ウルチムス)について、特に卵化石がニュースになっています。 

  ウプサラ大プレスリリースが紹介しています。 MSNBCに化石の映像があります。  

 復元イラストでは、複数の卵が描かれていますが、見つかったのは2個。アルヴァレスサウルス類の骨格付近からは初めての発見で、その卵殻は既存種にはない構造とされています。

 パタゴニアにある白亜紀後期(約7000万年前)の地層から発見されたアルヴァレスサウルス類(Alvarezsauridae)で、系統的にはパタゴニクス(Patagonykus)に近く、新たに Patagonykinae というクレードが提唱されています。   

 アルヴァレスサウルス類は、最も謎の多い恐竜とされ、ボナパルテニクスは、体長2.6mで、中でも最大級とされています。  

 直径7センチほどの2つの卵が関節した脛骨付近から見つかっており、アルヴァレスサウルス類の骨格付近からは初めての発見とされています。  
 
 表面には小さなコブがあり、また卵殻の微細構造は、既存のどのカテゴリーにも属さず、Arraigadoolithidae という卵化石につけられる新しいタクソン名を提唱しています。  

 電顕で観察した結果、卵殻には穴が開いており、現生鳥類と同じように、孵化の最終段階において菌類のコンタミ(汚染)に悩まされていたようです。 これは、恐竜の卵に菌類がコンタミした初めての証拠とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Federico L. Agnolin et al., 2012 
  4. New alvarezsaurid (Dinosauria, Theropoda) from uppermost Cretaceous of north-western Patagonia with associated eggs Cretaceous Research, 35, June 2012, Pages 33-56 
  5. doi:10.1016/j.cretres.2011.11.014



 アルゼンチン北部にある白亜紀後期( Campanian-Maastrichtian ですから晩期) の地層で発見されたアルヴァレスサウルスが記載されています。

 正式記載は来年ですが、Bonapartenykus ultimus (ボナパルテニクス・ウルチムス)と命名されています。

 系統的には、パタゴニクス(Patagonykus)に近く、新たに Patagonykinae というクレードが提唱されています。 1本指の、鳥に近い恐竜なんでしょう。

 

 また、骨格付近で卵化石や多数の卵殻が見つかっています。

 その卵化石には、新たな学名、Arraigadoolithus patagoniensis と、新タクソン Arraigadoolithidae が提唱されています。

 要旨には、微細構造が特徴的な卵殻で、菌類のコンタミもあるようなことが書いてあります。

 

  1. References:
  2.  
  3. Federico L. Agnolin, Jaime E. Powell, Fernando E. Novas & Martin Kundrát (2011 [2012])
  4. New alvarezsaurid (Dinosauria, Theropoda) from uppermost Cretaceous of north-western Patagonia with associated eggs.
  5. Cretaceous Research (advance online publication)
  6. doi:10.1016/j.cretres.2011.11.014



 アルゼンチンにある白亜紀(約9200万年前)の地層で発見された獣脚類について、 Boards では、小型のティラノサウルス類で、 Nototyrannus violantei と伝えています。

 しかし、その化石は盗まれたものだそうです。2007年に発見されましたが、トラックの故障によりフィールドから運べなかったとか。

 誰がマスコミに情報を流したか不明ですが、論文は報告されていません。また、ティラノサウルス類ではなく、アベリサウルス類で、名前も変える必要があるとされています。




 Biological Journal of the Linnean Society の最新号(103(2))は、パタゴニアの古地理と古気候に関する特集です。

 以下の3つのセクションの論文があり、全文フリーです。詳しくは、Palaeogeography and Palaeoclimatology of Patagonia: Implications for Biodiversityをどうぞ。

 

  1. Section I: Palaeoclimate and Palaeogeography
  2. Section II: Palynology and Palaeontology 
  3. Section III: Phylogeography

 

 図は、中新世後期のパタゴニアの風景。下の論文から。

 中央のキバ(剣歯)を出しているのは、ティラコスミルス(Thylacosmilidae)で、有袋類です。その右は、翼開長が7メートルにもなるという史上最大の鳥類、Argentavis magnificens です。

 

 

Late_Miocene_of_Patagonia.jpg 

  1. References:
  2.  
  3. CLAUDIA P. TAMBUSSI, 2011
  4. Palaeoenvironmental and faunal inferences based on the avian fossil record of Patagonia and Pampa: what works and what does not
  5. Biological Journal of the Linnean Society, 103(2), p.458-474, 2011



 アルゼンチンにある白亜紀後期の地層(Allen Formation)で発見されたハドロサウルス類が記載され、Willinaqake salitralensis と命名されています。

 属名の意味は、"the Duck-mimic of the South"。"アヒルのまねをした恐竜"といった意味でしょう。

 系統的には、サウロロフスなどからなるサフロロフィダエ(Saurolophidae)とされています。体長は4メートルほどで、ハドロサウルス類としてはずいぶん小型です。

 以前、ランベオサウルス類(Lambeosaurinae)とされた化石は、この種とされ、南米大陸でのランベオサウルス類の存在は否定されるそうです。

 なお、論文の骨格図で、発見されている部分は白色とありますが、全て白色になっています。前肢などは見つかっていません。

 

  1. References:
  2.  
  3. Juárez Valieri, R. D., Haro, J. A., Fiorelli, L. E. & J. O. Calvo. 2010.
  4. A new hadrosauroid (Dinosauria: Ornithopoda) from the Allen Formation (Late Cretaceous) of Patagonia, Argentina. Revista del Museo Argentino de Ciencias Naturales n.s. Vol. 12, No. 2, 217-231. (PDF)



Drusilasaura deseadensis.jpg

  アルゼンチン南部にある白亜紀前期(Cenomanian-Turonian)の地層(Bajo Barreal Formation)で発見されたティタノサウルス類が記載されています。

  論文は全文が読めますが、スペイン語です。

 

 パタゴニアのティタノサウルス類は珍しくも無いのですが、こちらは、巨大竜脚類のロンコサウルス類(Lognkosauria)ではないかとされています。

 学名は、Drusilasaura deseadensis (デュルシラサウラ・デセアデンシス)と命名されています。

  見つかっているのは、4つの胴椎と、仙椎、尾椎が6つ、左の肩甲骨など。

 

 映像は左の肩甲骨。スケール(30cm)からすると、長さは2.7メートルにも達しますが、スケールが間違っているようです。

 論文中には、143cm とあります。

 

 

 

 

  1. References:
  2. César Navarrete, Gabriel Casal & Rubén Martínez (2011)
  3. Drusilasaura deseadensis gen. et sp. nov., a new titanosaur (Dinosauria-Sauropoda), of the Bajo Barreal Formation, Upper Cretaceous of north of Santa Cruz, Argentina.
  4. Revista Brasileira de Paleontologia 14(1):1-14, Janeiro/Abril 2011  (PDF)
  5. doi:10.4072/rbp.2011.1.01  



 JVP 誌の最新号に、獣脚類の脳函についての報告が2報あります。

 

 最初は、パタゴニアにある白亜紀後期のアベリサウルス類、カルノタウルス(Carnotaurus sastrei )の脳函について。

 アベリサウルス類の脳函についてはほとんど知られていないので、このクレードの複雑な構造の多様性を知るには重要としています。

 図は、目の上にあるツノが特徴的な頭部骨格化石。スケールは10センチ。 

 

Carnotaurus_sastrei.jpg

 

 次は、ユタ州にあるCedar Mountain Formation(白亜紀前期)で発見されたテリジノサウルス類、ファルカリウス(Falcarius utahensis)の脳函について。

 CTスキャン結果によると、ほとんど鳥のような、三半規管(semicircular canals)と長い蝸牛殻(かぎゅうかく、cochlea)がある完全な内耳構造を持ち、幅広い周波数識別能力(frequency discrimination)があったことを示すとしています。

 

  References:

  1. Ariana Paulina Carabajal, 2011
  2. The braincase anatomy of Carnotaurus sastrei (Theropoda: Abelisauridae) from the Upper Cretaceous of Patagonia
  3. JVP, 31(2), p. 378 - 386, 2011
  4. DOI:10.1080/02724634.2011.550354
  5. David K. Smith; Lindsay E. Zanno; R. Kent Sanders; Donald D. Deblieux; James I. Kirkland, 2011
  6. New information on the braincase of the North American therizinosaurian (Theropoda, Maniraptora) Falcarius utahensis
  7. JVP, 31(2), p. 387 - 404, 2011
  8. DOI:10.1080/02724634.2011.549442  

 




 アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見されていたティタノサウルス類(Titanosauridae)の化石を再解析し、記載されています。

 かつて、"large titanosaurid"とされていた化石で、今回、Traukutitan eocaudata と命名されています。

 神経弓の基部と横突起(transverse process)が、FutalognkosaurusMendozasaurus に類似していることから、ロンコサウリア(Longkosauria)のグループではないかとしています。

 ロンコサウリアは、2007年に、Futalognkosaurus dukei(フタロンコサウルス・デュケイ)の記載にあわせて提唱された大型竜脚類のグループです。他のティタノサウルス類と違って、強くて巨大な首が特徴です。

 もっとも、後足の大たい骨と尾椎の一部しか見つかっておらず、ロンコサウリアとするには疑問の声もあるようです。

 

  1. Revision of MUCPv 204, a Senonian basal titanosaur from northern Patagonia.
    Juarez Valieri, R.D. & Calvo, J.O.
    Paleontologiay dinosarios desde America Latina, 143-152(PDF)



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

2012年5月

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