アルゼンチンの最新ニュース

 ティタノサウリアは60以上もの属が記載され、白亜紀後期のゴンドワナでは、極めて多様で豊富でした。

 最も豊富に見つかっているのがパタゴニアで、今回、竜脚類では最も完全とされる頭部が見つかり、新種記載されています。

 約9500万年前の白亜紀後期(セノマニアンからチューロニアン)の地層(Bajo Barreal Formation)で発見されたもの。

 発見場所にちなみ、Sarmientosaurus musacchioi (サルミエントサウルス・ムサッチオイ)と命名されています。

 完全な頭部が残された、大きな鼻部窓のある幅の広い吻部など、最も原始的形質を保持した(plesiomorphic)ティタノサウリアとされています。

 白亜紀後期早期、南米南部では、異なる頭蓋構造を持つ複数のティタノサウリアが、共存していたことになります。

 系統的には、進化したティタノサウリアであるリソストロティア(Lithostrotia)の基盤的位置づけです。  リソストロティアは、やがてのカンパニアンの時期、パタゴニアで高度に派生します。  

 頭部は、ティタノサウリアとブラキオサウリダエ(科)の密接な関係を示すとされています。  

 骨化した頚椎の腱、含気性の高い頚椎、いつも下向きの鼻といった、他のティタノサウリアでは見られない特徴が確認されています。  

 特に、後の2つの機能は、少なくとも一つの、ほぼ同時にディプロドコイデア(ディプロドクス上科)によって収斂的に取得され、これは、低い位置の植物を食べるために共通に特殊化したと考えられています。  


 


  1. References:
  2.  
  3. Rubén D. F. Martínez, Matthew C. Lamanna, Fernando E. Novas, Ryan C. Ridgely, Gabriel A. Casal, Javier E. Martínez, Javier R. Vita & Lawrence M. Witmer (2016) 
  4. A Basal Lithostrotian Titanosaur (Dinosauria: Sauropoda) with a Complete Skull: Implications for the Evolution and Paleobiology of Titanosauria. 
  5. PLoS ONE 11(4): e0151661. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0151661
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 Amargatitanis macni(アマルガティタニス・マクニ)は、アルゼンチン・ネウケン州にある白亜紀前期の地層(La Amarga Formation)で発見された竜脚類です。
 
 2007年に記載され、最古級のティタノサウリアとされていたのですが、今回、未発表の標本も含めて、再評価した論文が報告されています。

 ホロタイプはキメラとされ、新しいホロタイプが提案されています。

 系統的には、ディクラエオサウリダエ(Dicraeosauridae、ディクラエオサウルス科)の位置づけです。

 ディクラエオサウリダエは、ディプロドコイデア(Diplodocoidea、ディプロドクス上科)の系統で、アマルガサウルスなどが属します。

 この地層からは、ディクラエオサウリダエの系統として2種目とされています。  

 今回の結果から、現在のところ、パタゴニアでは、白亜紀前期のセノマニアンより前のティタノサウリアの体化石記録は見つかっていないことになります。


 


  1. References:
  2.  
  3. Pablo Ariel Gallina (2016) 
  4. Reappraisal Of The Early Cretaceous Sauropod Dinosaur Amargatitanis Macni (Apesteguía, 2007), From Northwestern Patagonia, Argentina. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.04.002
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 アルゼンチンにある白亜紀の新竜脚類の営巣地で発見された卵殻構造について報告されています。

 マイクロCTスキャンを用い、初めて、卵殻を3次元的に解析しています。

 卵を暖めるために地熱を用いたようで、過酷な熱水環境に適応するために、卵殻の厚さは7mm もあるそうです。

 卵殻には、気孔という孔が開いていて、ガス交換を行っていますが、今回の解析により、孵化の間の卵殻の透過性は、以前、卵殻の侵食構造から推定された値に比較して、7倍に上昇しています。

 図は、卵殻の気孔管(pore canal) システム(E. Martín Hechenleitner et al., 2016)。

 気孔管は高密度で、そ一定の広がりと分岐、横方向の管のつながりが、複雑な気孔管システムを形成しています。

 この高密度で横方向のネットワークにより、比較的高湿度と泥状の営巣環境で孵化する中、気孔管が閉塞するリスクが軽減されるとしています。

 また、右の図で、矢印で示されているように、さまざまな深さの分岐位置で、気孔管の収縮が見られます。



Pore canal system.jpg 




  1. References:
  2.  
  3. E. Martín Hechenleitner, Gerald Grellet-Tinner, Matthew Foley, Lucas E. Fiorelli & Michael B. Thompson (2016) 
  4. Micro-CT scan reveals an unexpected high-volume and interconnected pore network in a Cretaceous Sanagasta dinosaur eggshell. 
  5. Journal of the Royal Society Interface 13: 20160008. 
  6. DOI: 10.1098/rsif.2016.0008

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 パタゴニア北部にある白亜紀後期(Coniacian)の地層(Portezuelo Formation)で発見された中程度の獣脚類化石(左前頭部)について報告されています。

 南米の白亜紀といえば、アベリサウリダエ、メガラプトリナエ(megaraptorinae)、カルカロドントサウリダエがよく知られています。

 今回の獣脚類は、それら既知の獣脚類にはないユニークな形質の組み合わせを示しているそうです。

 その特徴から、中型から大型のアロサウリダエの存在が示唆されています。
    


  1. References:
  2.  
  3. Ariana Paulina-Carabajal & Rodolfo A. Coria (2015) 
  4. An unusual theropod frontal from the Upper Cretaceous of north Patagonia. 
  5. Alcheringa (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/03115518.2015.1042275
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 白亜紀のティタノサウリアの営巣地は、ヨーロッパとアジア、南米からしか知られていません。 

 今回、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層(Los Llanos Formation)で見つかった営巣地が報告されています。 半乾燥古環境で、卵を埋める営巣(burrow-nesting)方式だったようです。

 卵殻の厚みや卵のサイズが異るタイプが見つかっていることから、少なくとも2種類の異なるティタノサウリアが、異なる営巣戦略で巣を作ったとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. E. Martín Hechenleitner, Lucas E. Fiorelli, Gerald Grellet-Tinner, Léa Leuzinger, Giorgio Basilici, Jeremías R. A. Taborda, Sergio R. de la Vega and Carlos A. Bustamante (2016) 
  4. A new Upper Cretaceous titanosaur nesting site from La Rioja (NW Argentina), with implications for titanosaur nesting strategies. 
  5. Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/pala.12234
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 アベリサウリダエ(Abelisauridae、科)といえば、マジュンガサウルスやカルノタウルスなど、白亜紀後期の主に南米に広く分布していた大型獣脚類です。 

 新種か、アベリサウロイデア/ブラジル(2013年1月)では、アベリサウロイデア(上科)は、全長が2.5メートル未満と小型のノアサウリダエ(Noasauridae)と、5メートル以上と大型のアベリサウリダエの2つのクレードにわかれると紹介しています。

 今回、パタゴニアにある白亜紀後期(セノマニアン)の地層(Candeleros Formation)で発見された世界最小級のアベリサウリダエが報告されています。

 ホロタイプ(MMCh-PV 69)は、幼体ではなく、14歳と成熟しており、その体重は240kg、全長は4メートルほどと推定されています。

 頭部より後ろの、腸骨や大腿骨などが見つかったもの。ただし、まだ未記載で、学名はありません。 

 系統的には、基盤的アベリサウリダエとされ、マジュンガサウリナエ(Majungasaurinae)とブラキロストラ(Brachyrostra)からなるノードの姉妹群の位置づけです。




  1. References:
  2.  
  3. Juan I. Canale, Ignacio Cerda, Fernando E. Novas & Alejandro Haluza (2016) 
  4. Small-sized abelisaurid (Theropoda: Ceratosauria) remains from the Upper Cretaceous of northwest Patagonia, Argentina. 
  5. Cretaceous Research 62: 18-28 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.02.001
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 パタゴニアにある白亜紀後期(サントニアン)の地層(Bajo de la Carpa Formation)で発見されたアベリサウリダエが記載されています。

 頭部などの化石が発見されたもの。推定全長は、5-6メートルとされています。

 学名は、Viavenator exxoni(ビアヴェナトール・エクソーニ)で、属名の意味は、「道路のハンター」。種小名は、発掘調査に協力した石油会社のエクソンにちなんでいます。 

 系統的には、南米のアベリサウリダエの系統であるブラキロストラ(brachyrostra)の派生的なクレード、フリレウサウリア(Furileusauria)が提唱され、その基盤的位置とされています。

 アベリサウルスやカルノタウルスなどが属するアベリサウリナエ(亜科)は、フリレウサウリアより派生的な位置です。

 サントニアンのビアヴェナトールは、白亜紀後期、セノマニアンからチューロニアンにかけての基盤的ブラキロストラと、カンパニアンからマーストリヒシアンの派生的なタイプとのギャップを埋める発見です。  

 このことから、白亜紀後期、南米で独自に進化したアベリサウリダエについて議論されています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Leonardo S. Filippi, Ariel H. Méndez, Rubén D. Juárez Valieri & Alberto C. Garrido (2016) 
  4. A new brachyrostran with hypertrophied axial structures reveals an unexpected radiation of latest Cretaceous abelisaurids. 
  5. Cretaceous Research 61: 209-219 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.12.018
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 アルゼンチン・メンドーサにある白亜紀後期の地層で発見された巨大なティタノサウリアが記載されています。

 巨大恐竜といえば、かつては、大腿骨などのごく一部の骨から全長や体重を推定し、その大きさを競っていたものです。

 今回、見つかっている上腕骨は1.76メートルと、ティタノサウリアの中でも最大で、史上最大の脊椎動物の一つとされてはいますが、論文中に推定全長の記載はないようです。ニュースでは、25から28メートルとされています。

 むしろ、その大きさを競うというより、特徴的な足(中足骨や指骨)の進化などについて考察されています。

 学名は、Notocolossus gonzalezparejasi (ノトコロッサス・ゴンザレツパレジャシ)で、属名の意味は、ゴンドワナからの巨大恐竜にちなみ、「南のコロッサス(巨人、巨像)」です。ティタノサウリアとしては珍しく、後ろ足先が完全に残されているのが特徴です。

 また、コンパクトな中足骨は、重い体重を支えるためだったのではないかとされています。また、指骨は減少し、8つしかありません。

 図は、発見場所と、発見された部分と全身の骨格図(Bernardo J. González Riga et al., 2016)。 拡大図

 ホロタイプ(UNCUYO-LD 301)は、薄緑色で、関連標本はオレンジ色で示されています。

Notocolossus.jpg



 系統的には、ティタノサウリアの派生的なクレード、リソストロティア(Lithostrotia)で、パタゴニアのティタノサウルス、ドレッドノータス(Dreadnoughtus)と姉妹群とされています。    

 そもそも、南米のリソストリアは巨大で、上腕骨の長さは、ドレッドノータスやフタロンコサウルス(Futalognkosaurus)では上腕骨はそれぞれ1.6メートルと1.56メートルです(一覧表)。

 そのなかでも、ノトコロッサスの上腕骨は1.76メートルと最大です。

 後ろ足は、竜脚類やティタノサウリアの中でもユニークとされています。中足骨は、コンパクトで短く、ほぼ同じ長さで、重い体重を支えるためだったのではないかとされています。  

 派生したティタノサウリアでは、竜脚類の中では 最も指骨の数が減少し、最少になっていくのですが、ノトコロッサスでは、第1指からの指骨の数は、2-2-2-2-0の合計8つです。  

 ちなみに、アパトサウルスでは、2-3-4-2-1の13あります。



  1. References:
  2.  
  3. Bernardo J. González Riga, Matthew C. Lamanna, Leonardo D. Ortiz David, Jorge O. Calvo & Juan P. Coria (2016) 
  4. A gigantic new dinosaur from Argentina and the evolution of the sauropod hind foot. 
  5. Scientific Reports 6, Article number: 19165 
  6. doi:10.1038/srep19165
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ネウケンサウルスに2種の形態

 1893年、英国の地質学者で博物学者のリチャード・ライデッカー(Richard Lydekker)は、南米大陸初となる恐竜を命名します。

 アルゼンチン産のティタノサウリア、"Titanosaurus" australis と "Titanosaurus" nanus、Argyrosaurus superbus(アルギロサウルス・スーパーバス)です。

 "Titanosaurus" australis は、その後、Neuquensaurus australis (ネウケンサウルス・オーストラリス)とされ、また、 "Titanosaurus" australis  は疑問名となっています。

 比較的小型のティタノサウリアであるネウケンサウルス属には、その後、1929年に、N. robustus が記載されるのですが、 そ の有効性については疑問が持たれています。

 なお、ネウケンサウルスの特徴(2010年5月)では、最も派生的で小型で竜脚類の進化の最終段階にある、と紹介しています。
 
 今回、この属の椎骨の形態学的変化を研究した論文が報告されています。


 その結果、N. australis の後部頸椎に解剖学的特徴を見出し、別のタクソンが存在することを示唆しています。

 ただし、今回の結果からは、N. robustus が有効種かどうかは判断できないのですが、ネウケンサウルスには、少なくとも2つの異なる異なる形態型があるとしています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Morphological diversity of Neuquensaurus Powell, 1992 (Sauropoda; Titanosauria): insights from geometric morphometrics applied to the vertebral centrum shape. 
  4. Historical Biology (advance online publication) 
  5. DOI:10.1080/08912963.2015.1079630act
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 アルゼンチンのネウケン州、恐竜化石を多産する地方として知られていますが、海生爬虫類も産出するのですね。

 今回、白亜紀前期の地層(Agrio Formation)で発見されたプレシオサウルスの化石について報告されています。

 これらの記録には、南米の白亜紀前期(Hauterivian)からの最初のエラスモサウリダエを含んでいます。

 化石化する過程(タフォノミー)が異なる2つの化石が見つかっているようエです。



  1. References:
  2.  
  3. José P. O'Gorman, Dario G. Lazo, Leticia Luci, Cecilia S. Cataldo, Ernesto Schwarz, Marina Lescano & María Beatriz Aguirre-Urreta (2015) 
  4. New plesiosaur records from the Lower Cretaceous of the Neuquén Basin, west-central Argentina, with an updated picture of occurrences and facies relationships. 
  5. Cretaceous Research 56: 372-387 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.04.004
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 かつて、直立歩行は恐竜の大きな特徴の一つとされたものですが、その先祖にも直立歩行の仲間がいました。

 意外と時間がかかった恐竜誕生(2007年7月)で紹介している恐竜形類の Dromomeron romeri や、 Dromomeron gregorii もその仲間です。

 それらは全て北米産でしたが、今回、南半球では初めてとなる基盤的な恐竜形類が記載され、 Dromomeron gigas (ドロモメロン・ギガス)と命名されています。

 先の2種に続いて、ドロモメロン属としては3種目ですね。

 系統解析の結果では、単系統のラゲルペチダエ(Lagerpetidae)の系統で、 D. romeri の姉妹群とされています。

 ラゲルペチダエの系統に含まれることから、以前、恐竜型類で示されたように、この系統では時間とともにボディサイズが増加したことを示しています。

 また、ラゲルペチダエの恐竜は、以前考えられていたよりも大型サイズに到達したようです。

 2007年に紹介したように、基盤的恐竜形類は、1500-2000 万年ほど恐竜類と共存したとされ、基盤的恐竜形類が衰退して恐竜類が繁栄したわけではありません。

 今回の発見は、恐竜が誕生したとされる南米での発見であり、恐竜と共存した恐竜形類の初期放散についての新たな知見を与えるとされています。


 恐竜と翼竜をを含むオルニソディラ(Ornithodira、鳥頸類)の系統は、恐竜形類(dinosauromorph)、恐竜型類(dinosauriform)、恐竜と続きます。  

 三畳紀後期ノーリアンの、恐竜ではない恐竜形類(non-dinosaurian dinosauromorph)は世界のいくつかの場所で発見されていますが、恐竜型類でもない恐竜形類(non-dinosauriform dinosauromorph)は、北米大陸の Dromomeron romeri Dromomeron gregorii のみです。  

 なお、新種の竜脚"型"類/南アフリカ(2015年6月)で紹介しているように、-morph(s)を「形類」、-form(es) を「型類」と区別して訳しています。  

 今回のドロモメロン・ギガスは、アルゼンチン北西部にある三畳紀後期の地層(Quebrada del Barro Formation,)で発見されたもので、南半球では初めてとなる恐竜型類ではない恐竜形類です。  



  1. References:
  2.  
  3. Ricardo N. Martínez, Cecilia Apaldetti, Gustavo A. Correa & Diego Abelín (2015) 
  4. A Norian lagerpetid dinosauromorph from the Quebrada del Barro Formation, northwestern Argentina. 
  5. Ameghiniana (advance online publication) 
  6. doi:10.5710/AMGH.21.06.2015.2894
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ラプラタサウルスの再評価

 アルゼンチンにある白亜紀後期(Campanian)の地層で発見されたティタノサウリア、Laplatasaurus araukanicus (ラプラタサウルス・アラウカニクス)について再評価した論文が報告されています。

 オリジナル標本は、1929年にヒュンネ(Huene)が記載したもの。その後、何点かの標本がこの種とされましたが、いくつかの問題点があったとされています。

 今回、全ての標本についてレビューし、再評価した論文が報告されています。

 その結果、ラプラタサウルスとされるのは、レクトタイプ標本(lectotype、選定基準標本)のみで、他は別種とされています。

 レクトタイプとは、何らかの理由でホロタイプがない場合に、代わりに選定された標本のことです。

 系統的には、ティタノサウリアで、ラプラタサウルスと ウベラバティタン(Uberabatitan )からなる群は、 ボニタサウラ(Bonitasaura)とフタロンコサウルス (Futalognkosaurus )、そしてメンドーザサウルス(Mendozasaurus)からなる群と姉妹群とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Pablo A. Gallina & Alejandro Otero (2015) 
  4. Reassessment of Laplatasaurus araukanicus (SAUROPODA: TITANOSAURIA), from the Late Cretaceous of Patagonia, Argentina. 
  5. Ameghiniana (advance online publication) 
  6. doi:10.5710/AMGH.08.06.2015.2911
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 Dreadnoughtus schrani (ドレッドノータス・シュラニ)は、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見されたティタノサウリアで、その推定体重は約59.3トンでした。

 「超ド級」ドレッドノータス/最も完全な巨大ティタノサウリア(2014年9月)で紹介していますが、かなりの部分が見つかっており、また精度を持って体重が推定された史上最大の陸上動物とされていました。

 今回、別の手法で計算し、下の表に示すように、その推定体重は27.7トン、最大でも38トン程度とする論文が報告されています。

 同じ方法で計算した、アパトサウルスとジラファティタンの体重は、それぞれ、27.4トンと25.2トン、最大体重は、それぞれ38トンと35トンです。ドレッドノータスは、これらと同程度で、「超ド級」ではなくなりましたね。

 計算方法が異なるのですが、どうしてこのような大きな違いが生じるのでしょうか。

 どうやら、大型竜脚類の場合、大腿骨などから体重を推定すると、かなり高めにでるようです。とすると、一部の骨しか見つかっていない他の竜脚類の体重も、不正確かもしれませんね。




Dreadnoughtus-mass.jpg

 最初の論文は、長骨(大腿骨と上腕骨)から体重を推定しています。このスケール関係を利用する方法は、従来から四肢動物の体重推定に用いられています。

 しかし、アパトサウルスやジラファティタンに比べて、骨格的にほんのわずかに大きいだけで、ドレッドノータスはかなり重く、体重が高めに出ているとされています。

 そこで、今回は3次元体積モデルを使い解析しています。3次元体積モデルでは、骨格表面を全て皮膚でおおって、最小の凸多面体である凸包(convex hull)モデルを作成することから始まります。

 比較のため、現生鳥類やクロコダイル、アパトサウルス、ジラファティタンなどのモデルも作成しています。

 今回の計算結果の上の表について、ドレッドノータスの数値を例に説明をすると、凸包モデルで計算されたドレッドノータスの最小総体積は、26.91立方メートルと計算されています。骨格を皮膚が最小限に覆う場合です。  

 この最小値に、筋肉や脂肪などの分を肉付けするのですが、ここでは現生動物の平均値である21%相当を増量しています。その結果、標準的な体積は、32.53立方メートルとなります。

  このあたり、ジラフティタンの体重はわずか23トン(2012年6月)で紹介した方法と同じです。  

 さらに、哺乳類や主竜類の最大値を考慮して肉付けした場合(1.6倍、論文の1.91は間違いか)、43.02立方メートルとなります。  

 これに、竜脚類の密度(約800kg/立法メートル)をかけると、体重は、22.12 から 38.22トンと計算されます。  

 従来の推定体重である59.3トンとするには、最小体積の2.38倍となる必要があり、また、その場合密度は、925kg/立方メートルで、竜脚類の推定密度範囲(791-900)を超えるとされています。  

 恐竜の質量推定には、体積モデルがふさわしいとのことですが、より正確に推測するには、現生動物の体積や密度データが必要としています。 

 また、今回の結果からわかるのは、最初の論文で高めの体重値が出たことから、大型竜脚類の場合、体重に比べて、大腿骨や上腕骨が長めなのではないかということですね。

 さらに、肉付けにおいて、21%の平均値ではなく、各パーツにおいて必要な筋肉量などを計算すると、より正確な体積や体重が推定できると思われます。

 空気の袋である気囊の位置や大きさなども関与しそうですから、複雑ですね。
 



  1. References:
  2.  
  3. Karl T. Bates, Peter L. Falkingham, Sophie Macaulay, Charlotte Brassey & Susannah C. R. Maidment (2015) 
  4. Downsizing a giant: re-evaluating Dreadnoughtus body mass. 
  5. Biology Letters 11: 20150215. 
  6. DOI: 10.1098/rsbl.2015.0215
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 アルゼンチンにある白亜紀前期の地層( Lohan Cura Formation)にある恐竜化石群集のタフォノミー(化石形成過程)について調べた論文が紹介されています。

 126標本が見つかっており、少なくとも、レバッキサウルス、Comahuesaurus windhauseni (コマフエサウルス・ウインドハウセーニ) 3個体分があるそうです。

 コマフエサウルスについては、新種のレッバキサウルス類(2012年11月)で紹介しています。

 同一種の複数個体が埋まっていることから、致命的なイベントによる大量死の可能性が示唆されています。

 また、骨格化石が散乱しており、長い間、死体が地上にあり、スカベンジや腐敗などで、関節がバラバラになったのではないかとされています。

 
 

  1. References:
  2.  
  3. Alberto Carlos Garrido& Leonardo Salgado (2015) 
  4. Taphonomy and depositional environment of a Lower Cretaceous monospecific dinosaur bone assemblage (Puesto Quiroga Member, Lohan Cura Formation), Neuquén Province, Argentina.
  5. Journal of South American Earth Sciences (advance online publication)
  6. doi:10.1016/j.jsames.2015.03.008
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 クチバシのある竜脚類(2004年9月)として紹介したBonitasaura salgadoi (ボニタサウラ・サルガドイ)の頭部より後ろの解剖学特徴について報告されています。

 クチバシとはいっても、角張ったアゴの奥にあり、奥歯がなくなった歯ぐきの先が鋭くなったような稜で、ケラチンで覆われていたとされています。

 アルゼンチンにある白亜紀後期(Santonian)の地層( Bajo de la Carpa Formation)で発見されたティタノサウリアで、保存状態の良い標本ですが、記載論文では、頭部以外は、ほとんど報告されていたかったようです。

 体軸骨格の特徴から、ホロタイプは未成熟とされています。また、細長い長骨の特徴から、系統的には、サルタサウリネ(saltasaurine)以外のティタノサウリアとされています。  

 なお、ボニタサウラについては、ティタノサウルス類、ボニタサウラの骨組織(2012年12月)で、組織学的な解析を紹介しています。   



  1. References:
  2.  
  3. Pablo A. Gallina & Sebastián Apesteguía (2015) 
  4. Postcranial anatomy of Bonitasaura salgadoi (Sauropoda, Titanosauria) from the Late Cretaceous of Patagonia. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.924957
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新種の恐鳥類/アルゼンチン

 アルゼンチンにある鮮新世(約350万年前)の地層から発見された、90%以上が残された最も完全な、新種の恐鳥類の化石が報告されています。

 恐鳥類のガストルニスは、やはり植物食(2014年2月)では、古第三紀(暁新世と始新世)からのガストルニスの例を示していますが、今回は新第三紀であり、その特徴から、頂点に君臨する捕食者だったようです。

 新生代の南米においては、恐鳥類は、最も優れた鳥類相を形成したいたとされています。

 今回の新種は、Llallawavis scagliai (ララワビス・スカグリアイ)と命名されています。"Llallawa" は、インカの言葉で「すばらしい」の意味です。

 系統的には、 Mesembriornithinaeにおける 派生的なフォルスラシダエ(Phorusrhacidae、フォルスラコス科) とされています。 

 頭部の特徴で最も目立つのは、独立した小さな骨によって、構造的に涙骨と頬骨弓の結合が増え、頭部内部が動くことを抑制している点です。

 このような骨は恐鳥類では初めてで、クチバシと頭部の結合が強化され、クチバシをオノのように使って、獲物を仕留めたのではないかとされています。
 
 また、両方の骨の口蓋ヒンジが欠如していることも特徴です。  

 平均的な聴力感度(〜2300 Hz)は現生鳥類の半分以下と低く、これは、種内での通信または獲物を見つけるために使用されたのかもしれないとされています。恐鳥類では初めての特徴です。  


 


  1. References:
  2.  
  3. Federico J. Degrange, Claudia P. Tambussi, Matías L. Taglioretti, Alejandro Dondas & Fernando Scaglia (2015) 
  4. A new Mesembriornithinae (Aves, Phorusrhacidae) provides new insights into the phylogeny and sensory capabilities of terror birds. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.912656
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サルタサウルスの仙骨

 ティタノサウリアは、派生的な竜脚類で、骨格の含気性が進んでいたとされています。 

 今回、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見されたティタノサウリア、Saltasaurus loricatus(サルタサウルス・ロリカツス)の仙骨の解剖学的特徴について、近縁種と比較検討した論文が報告されています。

 なお、サルタサウリーニの仙骨については、椎体側面含気孔の非対称とその意味/サルタサウリーニ(2013年12月)でも紹介しています。

 その結果、含気孔の分布は、仙骨にそって変化しているおり、以前の竜脚類の解剖学的研究において、仙骨の神経アーチの含気孔の存在と分布の重要性は、過小評価されているとされています

 また、今回のデータからは、サルタサウルスが、Neuquensaurus australis より、Rocasaurus munioziに近縁という以前からの仮説を支持しないとしています。




  1. References:
  2.  
  3. Virginia Zurriaguz & Jaime Powell (2015) 
  4. New contributions to the presacral osteology of Saltasaurus loricatus (Sauropoda, Titanosauria) from the Upper Cretaceous of northern Argentina. 
  5. Cretaceous Research 54: 283-300 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2014.12.012
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 ティタノサウルスは、竜脚形類で唯一、オステオダーム(皮骨)を持つグループです。

 パタゴニアにある白亜紀後期の地層(The Anacleto and Allen formations)では、オステオダームが豊富に産出するそうです。
 それは、単独であったり、多かれ少なかれ、完全な骨格を伴ったりします。

 今回、それらを、形態的や微細解剖学的に、そして組織学的に解析した論文が報告されています。

 その結果、サイズや全体の解剖学的特徴は、コンパクトな構造から海綿骨が発達したものまでと、かなり変化があったとされています。

 なお、ティタノサウルス類のオステオダームの変異(2014年9月)で紹介していますが、オステオダームの変異は、種間というより種内の変異で、種の識別はできないとされています。

 
 また、骨組織学的には、オステオダームは、真皮の緻密細胞層(stratum compactum)に完全に埋め込まれていたようです。  ミネラルの貯蔵や防御のためなど、オステオダームには、多くの機能があったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Ignacio A. Cerda, Rodolfo A. García, Jaime E. Powell & Oscar Lopez (2015) 
  4. Morphology, microanatomy, and histology of titanosaur (Dinosauria, Sauropoda) osteoderms from the Upper Cretaceous of Patagonia. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.905791
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 アルゼンチンにあるメンドーサ州にある白亜紀後期の地層(Loncoche Formation)で発見された足跡化石について報告されています。

 6つの足跡化石層で、竜脚類と獣脚類、約330個の足跡が見つかり、南米でも重要な産地の一つとされています。

 当時のパタゴニア北部では、初めての大西洋の海進により、干満のあるデルタが形成され、そんな海沿いの湿った場所を歩いていたようです。

 竜脚類の足跡は、ティタノサウルスのものとされています。後ろ足の3つの爪痕は、最近発見されたティタノサウルスの骨格標本とよく一致するからです。

 ここでは、ティタノサウリアの足跡化石、Titanopodus mendozensis が豊富で、310個ほどが見つかっており、また、体長1-2メートルほどの小型の獣脚類の足跡化石も見つかっています。

 なお、この Agua del Choique 地域の地層断面図は、ティタノサウルス類のスピード(2011年2月)で紹介しています。




  1. References:
  2.  
  3. B.J. González Riga, L.D. Ortiz David, M.B. Tomaselli, R. Candeiro & J.P. Coria, M. Pramparo (2014) 
  4. Sauropod and theropod dinosaur tracks from the Upper Cretaceous of Mendoza (Argentina): trackmakers and anatomical evidences. 
  5. Journal of South American Earth Sciences (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.jsames.2014.11.006
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 Buitreraptor gonzalezorum ( ブイトレラプトル・ゴンザレゾルム)の骨に残された生侵食(bioerosion)痕について報告されています。

 ブイトレラプトルは、アルゼンチンにある白亜紀後期の地層で発見された小型のデイノニコサウリアで、南半球で最古のドロマエオサウルス類(2005年10月)で紹介しています。

 この痕は、おそらくスカベンジによるものと思われ、骨格が半関節状態で残され、痕も小さいサイズであることから、痕をつけたのは、主に小型の哺乳類で、いくつかクロコダイル形類と昆虫による痕もあるそうです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Federico A. Gianechini & Silvina de Valais (2015) 
  4. Bioerosion trace fossils on bones of the Cretaceous South American theropod Buitreraptor gonzalezorum Makovicky, Apesteguía and Agnolín, 2005 (Deinonychosauria). 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2014.991726
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