チリの最新ニュース

 竜脚類は、どこの大陸でも同じような種類がいたのかと思えば、そうではないようですね。

 特に、系統によっては、珍しいクレードもあるようです。今回、ジュラ紀後期の南米からは初めてとされるディプロドシナエ(Diplodocinae、ディプロドクス亜科)について報告されています。

 ディプロドコイデア(ディプロドシナエ)といえば、ジュラ紀後期を代表する竜脚類のひとつ。北米では一般的だったこの仲間、南米ではこれまで見つかっていなかったのですね。

 チリにあるジュラ紀後期(ティトニアン後期)の地層(Toqui Formation)で発見された竜脚類化石で、植物食の基盤的テタヌラエ・チレサウルス/チリ(2015年4月)と同じ地層で、パタゴニア地方です。

 断片的な化石ですが、ティタノサウルス形類、ディプロドコイデア(ディプロドシナエ)、そして不確定なグループの少なくとも3つの系統を示し、竜脚類は意外と多様だったと考えられてといます。





  1. References:
  2.  
  3. Leonardo Salgado, Fernando E. Novas, Manuel Suarez, Rita de la Cruz, Marcelo Isasi, David Rubilar-Rogers & Alexander Vargas (2015) 
  4. Upper Jurassic sauropods in the Chilean Patagonia. 
  5. Ameghiniana (advance online publication) 
  6. doi:10.5710/AMGH.07.05.2015.2883
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 必ずしも「獣脚類=肉食」ではなくて、植物食も珍しくはありません。そもそもクレード名は単なる記号に過ぎず、「獣」や「哺乳」は、その特徴を示すわけではありません。

 植物食の獣脚類としては、オルニトミモサウリア、テリジノサウリア、オヴィラプトロサウリアが知られています。いずれも白亜紀で、植物食は複数の系統で独立して進化したようです。

 今回、チリ南部にあるジュラ紀後期(Tithonian、約1億4500万年前)の地層(Toqui Formation)で発見された植物食の獣脚類が記載されています。

 基盤的テタヌラエ(tetanurae、テタヌラ類)で、学名は、Chilesaurus diegosuarezi(チレサウルス・ディエゴスアレチ)です。
 属名はチリに、種小名は化石を発見した当時7歳の少年にちなんでいます。

 図は時間を加味した系統関係(Fernando E. Novas et al., 2015)。チレサウルスは中央です。植物食の系統は、緑で示されています。

 従来の植物食獣脚類は、鳥類に近い系統でしたが、今回は、より基盤的な位置で、植物食という特徴は、はかなり以前でも獲得されていたようです。

 なお、恐竜と鳥の指の問題を解くケラトサウリア(2009年6月)で、植物食の獣脚類、リムサウルス(Limusaurus inextricabilis)を紹介していますが、今回の図には含まれていません。ジュラ紀後期のケラトサウリアで、クチバシがあります。


 
  Chilesaurus.jpg
 チレサウルスは、チリで発見されたジュラ紀の恐竜としては、初めての完全な化石とされています。  成長段階の異なる複数の標本が見つかっており、成体の推定体長は、3メートルほどとされています。  

 モザイク的に複数の系統の特徴を合わせ持ち、平たい葉のような歯の形状から、完全に植物食だったと考えられています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Fernando E. Novas, Leonardo Salgado, Manuel Suárez, Federico L. Agnolín, Martín D. Ezcurra, Nicolás R. Chimento, Rita de la Cruz, Marcelo P. Isasi, Alexander O. Vargas & David Rubilar-Rogers (2015) 
  4. An enigmatic plant-eating theropod from the Late Jurassic period of Chile. 
  5. Nature (advance online publication) 
  6. doi:10.1038/nature14307
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 チリ中央部にある白亜紀後期(Maastrichtian)の地層(Quiriquina Formation)で発見された新種のクビナガリュウが記載されています。

 派生的なエラスモサウルス類、Aristonectes 属の新種で、A. quiriquinensis と命名されています。 多数の同型の歯を持つ比較的大きな頭部の大型のクビナガリュウです。

 2つの標本で、チリ中央部のマーストリヒチアン後期に限られることから、白亜紀末にかけて、異なるエラスモサウルス類が南の極地域に分布していたという仮説に疑問を投げかけています。

 成体の骨格標本であり、Aristonectes 属の成体サイズを推定する初めての標本とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Rodrigo A. Otero, Sergio Soto-Acuña, Frank Robin O'Keefe, José P. O'Gorman, Wolfgang Stinnesbeck, Mario E. Suárez, David Rubilar-Rogers, Christian Salazar & Luis Arturo Quinzio-Sinn (2014) 
  4. Aristonectes quiriquinensis, sp. nov., a new highly derived elasmosaurid from the upper Maastrichtian of central Chile. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 34(1): 100-125 DOI:10.1080/0272
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 チリで、シレサウルス類の化石が発見されたと、Latercera (スペイン語)が伝えています。

 ニュースなので詳細は不明ですが、2億3800万-2億4000万年前(三畳紀中期)とされ、チリでは最古の動物化石とされています。  新種かどうかを含めて、研究が続けられるとされています。

 なお、三畳紀中期の新種の恐竜形類/ザンビア(2013年9月)で紹介しましたが、シレサウルス類は恐竜の姉妹群で、恐地球規模で分布していたことがわかってきています。
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大型獣脚類だけの連続歩行跡

footprint_20110411.jpg 足跡化石は、当時生息していた恐竜の種類や数を正確に反映しているわけではありません。

 足跡がつきやすいぬかるんだような環境にいた生物の情報を残しているだけで、骨化石に比較して、より部分的です。

 

 今回、ペルーとチリにある白亜紀前期の地層で発見された、ほとんど大型獣脚類だけの連続歩行跡について報告されています。

 当時、獣脚類専用の"けもの道"だったのでしょうか。

 ペルーは、Querulpa Chico 地区 (Hualhuani formation)で、チリは、Chacarilla 地区(Chacarilla formation) です。2つの地域は500km 程、離れた場所です。

 

 同じ方向を向いている連続歩行跡もあり、ある程度群れで暮らしていたのではないかとされています。

 足跡の主として、スピノサウルス類かカルカロドントサウルス類があげられています。全身骨格が見つかっているからでしょう。

 白亜紀最初期には、これらの恐竜がゴンドワナ西端にいたことが示唆されています。

 

  右上図は、下の図に示した連続歩行跡にある足跡のひとつ、左足跡です。スケールは50センチ。

 矢印は、ハラックス(hallux、第1指)で、長く深く後方に長く伸びているのは、中足骨(tarsometatarsal)の跡です。恐竜は普段つま先で歩いているので、このような跡は珍しいですね。

 

 下図は、ペルーのQuerulpa Chico tracksite にある連続歩行跡の一部。全部で9つあります。右上から下に続いている右端の連続歩行のひとつが上の図の足跡です。

   

trackway_20110411.jpg

 

 

References:

  1. Karen Moreno, Silvina De Valais, Nicolás Blanco, Andrew J. Tomlinson, Javier Jacay, and Jorge O. Calvo, 2011
  2. Large theropod dinosaur footprint associations in western Gondwana: Behavioural and palaeogeographic implications
  3. Acta Palaeontologica Polonica in press available online 11 Apr 2011
  4. doi:10.4202/app.2010.0119
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 南米のチリで発見された新種の竜脚類化石が記載されています。ntn24news が紹介しています。 

 2000年初頭に、チリ北部にあるアタカマ砂漠(Atacama Desert)のTolar Formation(白亜紀後期、約7000万年前)の地層で、脊椎骨や尾椎、上腕骨などが発見されたもの。

 断片的ながら、チリでは最も完全な恐竜化石のひとつとされ、初めての植物食化石です。この地層からは、更なる発見が期待されています。

 学名は、Atacamatitan chilensis で、属名は"アタカマの巨人"の意味です。種小名にチリの国名があり、初めてチリの国名がつけられた恐竜です。推定体長は8-10メートルです。

 系統的には、テイタノサウルス類(Titanosauridae )とされ、マラウィサウルス(Malawisaurus)より派生的で、サルタサウルス類(Saltasauridae)より原始的な、中間的な位置づけです。

 

 チリの恐竜化石といえば、2003年に、新種のティタノサウルス類とされる"Domeykosaurus chilensis" のニュースがありましたが、記載されていないようです。

 また、アルゼンチン・ネウケン州の反対側にあるチリ南部では卵化石が見つかっている他、ジュラ紀後期の地層から、竜脚類の足跡、Iguanodonichnus frenki が報告されています。

 

 下の地図の中心が、化石が発見された Conchi Viejo Town。細長いチリの北部にあります。

 Google Map に複数の位置がマーキングできると、化石発見地のデータベースができそうですが、今のところその機能はありません。

 Google Earth ではできるようです。で、以下はGoogle Earth で示してみました。表示されない場合は、地形や地図を選択してください。

 

 

  
大きな地図で見る 

 

 

  1. References:

  2. ALEXANDER W.A. KELLNER, DAVID RUBILAR-ROGERS, ALEXANDER VARGAS and MARIO SUÁREZ
  3. A new titanosaur sauropod from the Atacama Desert, Chile
  4. An. Acad. Bras. Ciênc. [online]. 2011, vol.83, n.1, pp.211-219
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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