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エラフロサウルス再評価

 タンザニアで見つかったElaphrosaurus bambergi(エラフロサウルス・バンベルギ) といえば、新しい時代まで生きのびたコエルロサウリアと考えられたこともあった獣脚類です。

 オルニトミモサウリアとされた時もありましたが、最近では基盤的なケラトサウルスとされていました。ジュラ紀後期の地層で発見され、1920年に記載されています。

 今回、再評価された論文が報告されています。

 非常に細長くくびれた頚椎、強く変形した前肢のある拡張した肩帯、比較的小さな腸骨など、アベリサウロイデア(上科)のノアサウリダエ(Noasauridae、科)と共通する特徴が多いことが確認されています。

 新種か、アベリサウロイデア/ブラジル(2016年2月)で紹介していますが、アベリサウロイデアは、比較的小型のノアサウリダエと大型のアベリサウリダエの2つのクレードに大別されます。

 エラフロサウルスの推定全長は6メートルほどです。  そして今回、ノアサウリダエを2分するサブクレード、エラフロサウリナエ(Elaphrosaurinae、エラフォサウルス亜科)が提唱されています。



  1. References:
  2.  
  3. Oliver W. M. Rauhut and Matthew T. Carrano (2016) 
  4. The theropod dinosaur Elaphrosaurus bambergi Janensch, 1920, from the Late Jurassic of Tendaguru, Tanzania. 
  5. Zoological Journal of the Linnean Society (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/zoj.12425
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 初期に放散した恐竜形類(dinosauromorph)の個体発生については、ほとんど知られていません。それは、同じタクソンの成長段階の異なる標本がほとんどないからです。

 最近、タンザニアにある三畳紀中期のち層から、シレサウリダエのアジリサウルス(Asilisaurus kongwe)の多数の標本が発見されています。

 そこで、今回、大腿骨の成長に伴う変化と長骨を組織学的に解析した論文が報告されています。Sci-news では、アジリサウルス、最大でも30kgと紹介しています。

 73.8から177.2 mmまでの長さの大腿骨、27標本について調べたもの。

 ほとんどの大腿骨は、似たような発達をたどると思われがちですが、骨の傷跡の外観や形状の順に配列多型(sequence polymorphism)が観察されています。

 さらに、大腿骨などの薄切片化では、成長停止線(LAGs)は見つからなかったそうです。

 アシリサウルスと初期の恐竜で共に見られる大腿骨の特徴は、個体発生パターンが恐竜では相似形態(plesiomorphic) であることを示唆するとしています。共通祖先を持たない類似性のことです。

 また、初期の恐竜形類では、そのサイズは、成熟度を予測する因子としては役に立たないとされています。


  1. References:
  2.  
  3. C. T. Griffin & Sterling J. Nesbitt (2016) 
  4. The femoral ontogeny and long bone histology of the Middle Triassic (?late Anisian) dinosauriform Asilisaurus kongwe and implications for the growth of early dinosaurs. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1080/02724634.2016.1111224.
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 恐竜が登場する以前の三畳紀中期(アニシアン)、地上では4足歩行の基盤的主竜類が勢力を拡大していました。

 当時南部パンゲアの一部であったアフリカ大陸からは、早期の偽鰐類(pseudosuchia)やアヴェメタタルサリア(avemetatarsalia)が見つかっており、主竜類の放散が三畳紀中期の初めまでに順調に進んでいたとされています。

 今回、タンザニアにある三畳紀中期(アニシアン、約2億4700万年前)の地層( Manda beds)で発見された新種の主竜類が記載されています。

 南部パンゲアから見つかる三畳紀初期の主竜類としては完全な化石のひとつとされています。
 
 Sci-newsに、ワニのような復元図があります。体長2.7メートル、背中には骨質のプレートがあったとされています。

 大型のシレサウルス類/タンザニア(2014年3月)で紹介していますが、この地層からは、大型のシレサウルス類(恐竜形類)も見つかっています。

 学名は、Nundasuchus songeaensisで、属名は「プレデターのワニ」の意味です。系統的には、偽鰐類の位置づけですが、今までにない特徴があるとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Sterling J. Nesbitt, Christian A. Sidor, Kenneth D. Angielczyk, Roger M. H. Smith& Linda A. Tsuji, 2014 
  4. A new archosaur from the Manda beds (Anisian, Middle Triassic) of southern Tanzania and its implications for character state optimizations at Archosauria and Pseudosuchia Archosauria and Pseudosuchia 
  5. JVP, 34(6), p.1357-1382 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.859622
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 JVP誌といえば、由緒ある古生物専門誌ですが、話題の論文は他誌にまわるのか、どちらかと言うと地味な内容が多いですね。でも、今回は少し話題になりました。

 さて、白亜紀、ティタノサウリアといえば世界中にいたようですが、地域的なばらつきがありました。  実際、南米大陸では30体以上見つかっていますが、白亜紀前期に分離したアフリカ大陸からの発見は稀なのです。

 今までアフリカ大陸から記載されているのは4種のみで、エジプトにある白亜紀後期のAegyptosaurus baharijensis (アエジプトサウルス) と Paralititan stromeri (パラリティタン)と、マラウィにある白亜紀前期のMalawisaurus dixeyi (マラウィサウルス) と Karongasaurus gittelmani (カロンガサウルス)です。

 今回、アフリカで5種類めとなるティタノサウリアが記載されています。

 マラウィの北、タンザニア南西部にある白亜紀中頃(約1億年前)の地層(Galula Formation)で発見されたRukwatitan bisepultus (ルクワティタン・ビセプルツス)です。  

 属名は、発見地のルクワリフト盆地(Rukwa Rift Basin)にちなんでいます。

 系統的には、派生したティタノサウルス類であるリソストロティア類(lithostrotian)ではないティタノサウリアの位置づけとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Eric Gorscak, Patrick M. O'Connor, Nancy J. Stevens & Eric M. Roberts (2014) 
  4. The basal titanosaurian Rukwatitan bisepultus (Dinosauria, Sauropoda) from the middle Cretaceous Galula Formation, Rukwa Rift Basin, southwestern Tanzania. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 34(5): 1133-1154 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.845568
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 アフリカからの翼竜化石は非常に稀だそうです。

 今回、タンザニアにあるジュラ紀後期のテンダグル層(Tendaguru Formation)で発見された翼竜化石が報告されています。

 アズダルキダエ(Azhdarchidae、アズダルコ科)の新種で、基盤的なプテロダクティロイド( Pterodactyloidea、プテロデクティティルス上科)の、おそらくタペジャロイデア(Tapejaroidea、タペジャラ上科) ではないかと考えられています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Fabiana Rodrigues Costa, Juliana Manso Sayão & Alexander Wilhelm Armin Kellner (2014) 
  4. New pterosaur material from the Upper Jurassic of Tendaguru (Tanzania), Africa. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2014.901314
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 恐竜のボディサイズはさまざまでしたが、その外群で最も近縁な恐竜形類は、いずれも比較的小型だったとされています。

 今回、タンザニア南西部にある三畳紀中期の地層(Manda beds)で発見された大型のシレサウルス類(silesauridae)が報告されています。

 大腿骨の長さは、約345mmで、それから推定した全長(尾を含めた長さ)は3メートル足らず。

 それでも、多くの三畳紀やジュラ紀前期の恐竜のサイズを超え、Asilisaurus kongwe (アジリサウルス・コングウェ)の大型個体か、未知のシレサウルス類ではないかとされています。

 いずれにしても、初期の恐竜形類において、以前考えられていたよりも大型化は進んでいたとされとされています。  

 なお、アジリサウルスは、同じくタンザニアで発見されています。

 この場合の大腿骨は、144ミリで推定全長は1メートルほどです。



  1. References:
  2.  
  3. Paul M. Barrett, Sterling J. Nesbitt & Brandon R. Peecook (2014) 
  4. A large-bodied silesaurid from the Lifua Member of the Manda beds (Middle Triassic) of Tanzania and its implications for body-size evolution in Dinosauromorpha. 
  5. Gondwana Research (advance online publication), 
  6. http://dx.doi.org/10.1016/j.gr.2013.12.015
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 双弓類のクラウングループであるサウリア類(Sauria )は、ヘビなどにつながる鱗竜形類(Lepidosauromorpha) と、恐竜の系統の主竜形類(Archosauromorpha) に分岐します。

 しかし、分岐した時代に相当するペルム紀の化石記録はほとんど無く、今回、再調査されています。

 その中で、タンザニアにあるペルム紀の地層で発見された新種の基盤的主竜形類、Aenigmastropheus parringtoni が記載されています。オープンアクセスです。

 復元イラストがありますが、同じ場所で見つかっているゴルゴノプス類やディキノドン類のエンドチオドン(Endothiodon)に比べると、 普通のトカゲのようですね。


 今回の解析で、化石記録に基づく鱗竜形類と主竜形類が分岐した最も若い年代は、2億5470万年前と示唆されています。  

 また、主竜形類の初期の成長戦略は、以前考えられていたよりも多様であったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Martín D. Ezcurra, Torsten M. Scheyer & Richard J. Butler (2014) 
  4. The Origin and Early Evolution of Sauria: Reassessing the Permian Saurian Fossil Record and the Timing of the Crocodile-Lizard Divergence. 
  5. PLoS ONE 9(2): e89165. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0089165
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 1930年代にタンザニアで発見されていた化石が、最古の恐竜(Dinosauria)か、またはその姉妹群である竜脚形類(dinosauriform)ではないかとする論文が報告されています。 全文が読めます。

 時代は、三畳紀中期(2億4700万-2億3500万年前)で、恐竜とすると、その出現は、従来考えられていた2億3000万年前より1500万年ほど古くなるとされています。

 Physorg に復元イラストがありますが、体長3メートルほどとされています。  

 ロンドン自然史博物館に保管されていた化石を再解析したもの。 属名は、発見場所のニアサ湖にちなみ、Nyasasaurus parringtoni (ニャサウルス・パリントニ)と命名されています。

 3つの仙骨があるなどの、恐竜やその近縁種の特徴があるだけでなく、上腕骨の組織学的解析から、初期の恐竜に見られる比較的速い成長速度を持っていたとされています。  

 ただ、見つかっているのが上腕骨と脊椎の一部だけなので、系統的には、竜脚形類から基盤的な恐竜な位置づけで、その正確な位置は曖昧になっています。

 また、アフリカ大陸で発見されたことから、恐竜はパンゲア大陸南部が起源とする説を支持するとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Sterling J. Nesbitt, Paul M. Barrett, Sarah Werning, Christian A. Sidor, and Alan J. Charig 
  4. The oldest dinosaur? A Middle Triassic dinosauriform from Tanzania 
  5. Biol Lett 2013 9:20120949; 
  6. doi:10.1098/rsbl.2012.0949
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 ステゴサウルス類の性的二型(Sexual dimorphism)について報告されています。Discovery News は、恐竜のオスとメスを区別する方法と紹介しています。

 タンザニアにあるジュラ紀後期(約1億5000万年前)の Kentrosaurus aethiopicus を調べたもので、大たい骨の近位のサイズや形状は、統計学的に有意に2つの群にわけられ、性差があるとしています。

 より腰に近く、足や腰の筋肉がつく部分で、筋肉の料の違いが性差につながっていると、著者のひとり、英国自然史博物館のポスドク、スザンヌ(Susannah C. R)は述べています。

 しかし、どちらの群が雌か雄か区別できないそうです。

  

  1. References:
  2.  
  3. Holly E. Barden; Susannah C. R. Maidment, 2011
  4. Evidence for sexual dimorphism in the stegosaurian dinosaur Kentrosaurus aethiopicus from the Upper Jurassic of Tanzania
  5. JVP, 31(3), p. 641 - 651
  6. DOI: 10.1080/02724634.2011.557112
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トルニエリア再記載

 "アフリカのバロサウルス"と考えられていた大型竜脚類、Tornieria africana (トルニエリア・アフリカーナ)について再記載されています。

 タンザニアにあるジュラ紀の地層で発見され、1905年に記載されてました。不完全な化石で、北アメリカ産のバロサウルス属のゴンドワナ種と考えられていました。

 となると、トルニエリア属は無効となるわけです。しかし、この考えは最近、疑問視されていたそうです。

 

  1. REVISION OF THE TENDAGURU SAUROPOD DINOSAUR TORNIERIA AFRICANA (FRAAS) AND ITS RELEVANCE FOR SAUROPOD PALEOBIOGEOGRAPHY
    Kristian Remes
  2. Journal of Vertebrate Paleontology, 2006, 26(3):651-669

 今回、ホロタイプを再検討しています。共有派生形質はディプロドクス類(Diplodocinae、亜科)を示し、バロサウルスとディプロドクスに近縁としています。

 いずれもジュラ紀後期に北米に生息していた大型竜脚類です。 トルニエリアは、これらのグループ(Barosaurus+Diplodocus)の姉妹群としています。学名も有効となるわけです。

  ゴンドワナ大陸にトルニエリアがいたことは、デイプロドクス類がローレンシア(北米)の固有種ではなかったようです。

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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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