Kem Kem beds(Cenomanian)の最新ニュース

 モロッコにある白亜紀後期(セノマニアン)のケムケム単層(Kem Kem Beds)といえば、スピノサウルスが見つかっていることで有名です。

 ここは、植物食恐竜よりも獣脚類が過剰であり、奇妙な生態系とされています。 今回、このアンバランスな食物網について考察した論文が報告されています。

 その理由として、当時の古環境が原因とされています。 つまり、三角州などのデルタ環境で、魚などの水生生物が豊富であり、これが、スピノサウルスなどの獣脚類のエサになったとされています。
 

 従来から、獣脚類が多いアンバランスな比率を説明するため、いくつかの仮説が提案されています。  

 この論文では、新しいフィールドデータに基づいて、特に、植物食と肉食恐竜の比率に焦点をあてて、これらの仮説を検証しています。  
 その結果、系統だっていない化石収集や層序的なバイアスは関係なく、古環境の影響が大きいと考えられています。  

 実際、デルタという古環境は、安定して植物が生えるには不利で、水生生物に有利だったとされています。  

 当時の環境は、水生または半水生食物網の基本的な水準を形成し、直接、獣脚類や特にスピノサウルスというトップにいる捕食者を養ったとされています。  



  1. References:
  2.  
  3. Läng Emilie, Boudad Larbi, Maio Laszlo, Samankassou Elias, Tabouelle Jérôme, Tong Haiyan & Cavin Lionel (2013)
  4. Unbalanced food web in a Late Cretaceous dinosaur assemblage. 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.palaeo.2013.04.011



 モロッコにある白亜紀後期(Cenomanian)の地層で発見された新種の大型獣脚類が記載され、Sauroniops pachytholus (サウロニオプス・パキイソルス)と命名されています。
 
 系統的には、基盤的なカルカロドントサウルス類に位置づけられています。

 前頭骨には分厚いドームがあり、頭突きをした可能性も示唆されています。Theropoda に化石のイメージがあります。目の上あたりが、多少分厚い程度で、頭突きをしたのかどうかは怪しいですね。


 ほぼ完全な前額骨化石に基づいたもので、鼻骨前頭縫合線(naso-frontal suture)が前頭骨の長さの40%近くもあり、また、背側表面の前外側角に分厚いドームがあるなどの特徴が確認されています。  

 系統的には、基盤的なカルカロドントサウルス類に位置づけられ、 ニジェールにある白亜紀前期の地層で発見された Eocarcharia (エオカルカニア)の姉妹群とされています。  

 頭部の特異的な特徴は、収れん的に、アベリサウルス類で獲得され、カルカロドントサウルス類の頭部の進化において、モザイク状パターンがあったとしています。  

 前頭部にある分厚いドームは、頭突きをしたのか、又は、ディスプレイだったのではないかと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Andrea Cau, Fabio M. Dalla Vecchia & Matteo Fabbri 
  4. A thick-skulled theropod (Dinosauria, Saurischia) from the Upper Cretaceous of Morocco with implications for carcharodontosaurid cranial evolution. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. Doi:10.1016/j.cretres.2012.09.002



 モロッコにある白亜紀後期(セノマニアン初期)の地層で発見された獣脚類の脱落歯化石について報告されています。

 保存状態の良い歯の化石が37個見つかっており、形態的に4つのタイプに分類できるとされています。

 タイプ I は、鋸歯のないカリナで、スピノサウルス類の歯とされています。  ただし、歯冠のエナメル質の装飾には3タイプがあり、この時期の北アフリカには、Spinosaurus aegyptiacus とは異なるスピノサウルス類の存在が示唆されています。

 一方、タイプ II から IV は、鋸歯があり、アベリサウルス類とドロマエオサウルス類、そしてカルカロドントサウルス類の歯とされています。 モロッコでのこれらの獣脚類の存在を確認したとされています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Ute Richter, Alexander Mudroch and Lisa G. Buckley (2012) 
  4. Isolated theropod teeth from the Kem Kem Beds (Early Cenomanian) near Taouz, Morocco. 
  5. Paläontologische Zeitschrift (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s12542-012-0153-1



 モロッコにある白亜紀後期の地層で発見された新種のクロコダイル形類(Crocodyliform) が記載されています。 

 昨年のSVP年会で報告され、論文では、学名や系統関係などが加わっています。 Mirror朝日など伝えています。 

 頭部に盾のように長く平たくなった骨板を持つといった特徴的な話は、11月に、"シールドクロック"/現生クロコダイルの祖先かで紹介しました。

  およそ9500万年前の Kem Kem Formation から、頭部化石が発見されたもの。 学名は、Aegisuchus witmeri です。


  1. References:
  2.  
  3. Holliday CM, Gardner NM (2012) 
  4. A New Eusuchian Crocodyliform with Novel Cranial Integument and Its Significance for the Origin and Evolution of Crocodylia.
  5. PLoS ONE 7(1): e30471. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0030471



 "Shieldcroc(盾を持つクロコダイル)"・・・、モロッコにある白亜紀後期(9900-9300万年前)の地層で発見されたクロコダイル型類(crocodyliform)は、頭部に盾のように長く平たくなった骨板もっています。

 ABC Science に復元イラストがありますが、中央にある2つの小さな眼は上向きで、こっけいな顔つきです。前が見えるのでしょうか。

 今回の発見から、現生のクロコダイル類の起源は、北米ではなくてテチス海あたりとされ、この種が祖先だったのではないかとされています。

 

 SVP年会ネタが続きますが、ポスターセッションで発表されたもの。

 頭部の長さは2メートル以上はあったとされていますが、盾の機能は、血管組織の痕が残ることから体温を維持するためとか、ディスプレイだったのではないかとされています。

 

 白亜紀には、サルコスクス(Sarcosuchus)やディロサウルス(Dyrosaurus)、デイノスクス(Deinosuchus)という巨大クロコダイル類がいたのですが、 温暖な気候でエサには困らなかったようです。

 ただ、その形状からでしょうか、大きな獲物と格闘する能力は無かったようで、もっぱらシーラカンスを食べていたのではないかとされています。

  

 系統的には、 Aegyptosuchus の姉妹群とされ、アフリカからは最古の正鰐クロコダイル型類(eusuchian crocodyliforms)とされています。

  当時の地中海は、大西洋やインド洋に通じたテチス海の一部で、現生のクロコダイル類の起源は、北米ではなくてテチス海あたり(circum-Tethyan、環テチス)だったようです。

 

 

  1. References:
  2.  
  3. HOLLIDAY. 2011.
  4. A NEW EUSUCHIAN CROCODYLIFORM WITH NOVEL CRANIAL INTEGUMENT AND THE ORIGIN OF CROCODYLIA
  5. SVP 2011 Program and Abstracts Book, p.127, 2011



 モロッコにある白亜紀後期(Cenomanian)の地層で発見された新しいカルカロドントサウルス類が報告されています。

 発見されたのは左前頭骨(frontal)で、標本が不足しているためか、新種としては記載されていません。

 この時期のアフリカ大陸には、カルカロドントサウルス類2種と、デルタドロメウス(Deltadromeus)、スピノサウルスの4種の大型獣脚類が共存していたとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Andrea Cau, Fabio Marco Dalla Vecchia, and Matteo Fabbri , 2011
  4. Evidence of a new carcharodontosaurid from the Upper Cretaceous of Morocco
  5. Acta Palaeontologica Polonica in press available online 11 Jul 2011
  6. doi:10.4202/app.2011.0043



 モロッコにある白亜紀(Cenomanian)の地層(Kem Kem Beds)で発見された新種のレピドテス類の化石が報告されています。

 魚自身よりも、スピノサウルスのエサだったのか、そして、スピノサウルスは半水棲生活していたのかどうかなど、恐竜のほうが話題になっています。


 発見された魚の化石は、体の表面がエナメル質の鱗で覆われていたレピドテス属の新種で、推定体長は1.6メートルほど。学名は、Lepidotes pankowskii とされています。

 レピドテス属としては、Lepidotes maximus が知られており、この仲間は、淡水湖や浅い海に棲息していとされています。


 下の映像は、ホロタイプの頭部。化石とスケッチです。硬そうな鱗で覆われています。

Lepidotes_pankowskii.jpg

 モロッコにあるContinental Red Bedsでは、Spinosaurus maroccanus と、Spinosaurus aegyptiacus の化石が見つかっていることから、この魚が、スピノサウルスのえさになっていたのではないかとされています。

 しかし、大型獣脚類が生息できるような広い水辺があったのかなど、スピノサウルスの半水棲(semi-aquatic)についてはネットでいろいろと議論があります。

 なお、dontmesswithdinosaurs.com に、Kem Kem 層のスピノサウルスのイメージがあります。クロコダイルに似て、アゴに圧力を感じる孔があり、魚の動きをキャッチしていたとあります。

 

  1. References:
  2. Peter L. Forey, Adriana Lopez-Arbarello, and Norman MacLeod, 2011
    A New Species of Lepidotes (Actinopterygii: Semiontiformes) from the Cenomanian (Upper Cretaceous) of Morocco
    palaeo-electronica, 14(1), 7A, 2011



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

2013年5月

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