北極圏の最新ニュース

 およそ7000万年前、一部のエドモントサウルスは、渡りではなくて長い間極地方にいたと、 ScienceDailyが紹介しています。  

 比較的暖かい地方と、極地方で、年間を通して棲み分けていたようです。 2月に、エドモントサウルスは1年中極地方にいた で紹介しました。

 アラスカから発見された化石は、この地方で春先に雪解け水で起こる洪水に似た洪水堆積物から見つかっているそうです。 

 つまり、恐竜が冬の期間移動して、低緯度地方にいたのなら、洪水に巻き込まれてなかったと考えられています。  

 一方、温暖だったカナダ・アルバータで見つかる骨の微細構造は、木の年輪にあたる成長線が一様なことから、年間を通して厳しい環境にいたというわけではないとしています。  



 白亜紀後期、当時の北極あたりでも恐竜化石が発見されることから、一部の恐竜は、季節的に極地方に渡りをしたのではないかと考えられています。  
 
 今回、極地方と温暖な地方に棲んでいたでエドモントサウルスの骨の構造比較から、季節的移動ではなく、年間を通して生息していたのではないかとする論文が報告されています。  

 論文は、白亜紀後期(約7000万年前)のエドモントサウルスの骨組織を分析したもの。極地方にいたエドモントサウルスは、長い冬の夜を耐えたとされています。  
 
 一方、 温暖な気候に生息していたエドモントサウルスの骨の微細構造から、年間を通して厳しい環境にいたというわけではないとしています。  
 
 これらのことから、極地方にいたエドモントサウルスは、夏だけやってきたといった季節的な移動ではなく、寒い冬も含め1年中極地方に生息していたのではないかとされています。  
 
 そして、極地方のエドモントサウルスの骨に残された越冬シグナルは、白亜紀後期に恐竜がどんな生活をしていたのか、貴重な情報を与えるとされています。
 


  1. References:
  2.  
  3. Chinsamy, A., Thomas, D. B., Tumarkin-Deratzian, A. R. and Fiorillo, A. R. (2012) 
  4. Hadrosaurs Were Perennial Polar Residents. 
  5. The Anatomical Record: Advances in Integrative Anatomy and Evolutionary Biology (advance online publication) 
  6. doi: 10.1002/ar.22428



 獣脚類や鳥脚類の成長速度に関する報告はありますが、角竜についてはほとんど報告されていませんでした。

 今回、北極圏で発見されたパキリノサウルスの骨化石の組織科学的分析から、その成長などについて考察した論文が報告されています。

 Discovery News が紹介しています。

 

 アラスカ北部にあるノーススロープの白亜紀後期(early Maastrichian )の地層(Prince Creek Formation)で発見された大たい骨の成長線を解析したもの。

 高緯度で発見される化石のほうが、成長線がはっきりしているそうです。成長の速い時期と遅い時期の違いがはっきりしていたのでしょうか。

 8月にアラスカからパキリノサウルス属の新種 で紹介した同じ地層からの発見です。ただし、今回の化石は、Pachyrhinosaurus sp. で、種は未定です。

 

 9歳で性的に成熟し、死んだのは19年だったとされています。1例だけのようですが、寿命はともかく、極地方では幼体の成長は早かったとされています。

 またそこでは、カメやクロコダイルなど普通発見される化石は見つかっていないそうです。厳しい環境の極地方まで移動するのが困難だったのでしょうか。

 

 

  1. References:
  2.  
  3. Gregory M. Ericksona & Patrick S. Druckenmillerb, 2011
  4. Longevity and growth rate estimates for a polar dinosaur: a Pachyrhinosaurus (Dinosauria: Neoceratopsia) specimen from the North Slope of Alaska showing a complete developmental record
  5. Historical Biology, 23(4), p. 327-334, 2011
  6. DOI:10.1080/08912963.2010.546856



 アラスカの北極圏にある白亜紀後期の地層で発見されたパキリノサウルス属の新種が記載されています。

 アラスカでは、以前からパキリノサウルスの化石発見の報告が多いのですが、最も緯度の高い位置からの角竜類の発見です。

 セントロサウルス類(centrosaurine)で、Pachyrhinosaurus perotorum と命名されています。

 

 図は系統関係に年代を当てはめたもの。

  Pachyrostra という新しいクレードが提唱されています。また、Pachyrhinosaurini は、クレードの定義を修正しています。

 Pachyrhinosaurus perotorum は図の一番上にあり、3種のPachyrhinosaurus の中で、6900万-7000万年前と、最も若い種とされています。

 図を見ると、角竜が見つかっていなかったプロトケラトプスとトリケラトプスの間を埋めるような角竜ですね。

 

 Pachyrhinosaurus_2.jpg

 

 次の図は、3種のパキリノサウルスの比較。

 スケールは異なります。P. perotorum のグレイの部分は未発見です。

 パキリノサウルスには角が無く、鼻先に分厚いコブ状の突起(nasal boss)があるのが特徴です。3種はよく似ていますが、フリルの形状などが異なっています。

 P. perotorum には、フリルの穴の内部に向かって小さなツノがあります。とすると、この穴が、なんらかの膜で閉じられていた可能性は低いですね。

 

 A:P. perotorum    B :P. canadensis    C :P. lakustai

 

Pachyrhinosaurus.jpg 

 

 

References:

  1.  
  2. Anthony R. Fiorillo and Ronald S. Tykoski, 2011
  3. A new species of the centrosaurine ceratopsid Pachyrhinosaurus from the North Slope (Prince Creek Formation: Maastrichtian) of Alaska
  4. Acta Palaeontologica Polonica in press available online 26 Aug 2011
  5. doi:10.4202/app.2011.0033



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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