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 南極大陸の恐竜化石産地としては、ジェイムズ・ロス島の恐竜化石/南極(2013年9月)でレビューを紹介している ジェイムズ・ロス島が有名です。白亜紀後期の海洋堆積層です。

 今回、白亜紀後期(マーストリヒチアン、約7000万年前)の地層(Snow Hill Island Formation の López de Bertodano Formation)で発見されたイグアノドンティアが記載されています。

 学名は、Morrosaurus antarcticus(モロサウルス・アンタルクチクス)で、属名は、化石発見地(El Morro)にちなんでいます。

  系統的には、南半球だけの鳥脚類からなる単系統のクレードとされ、白亜紀後期、パタゴニアや南極、オーストラリアは、同じ陸上動物相だったと考えられています。

 この系統には、新種の鳥脚類トリニサウラ/南極(2013年1月)で紹介しているTrinisaura(トリニサウラ)や、アルゼンチン産のGasparinisauraAnabisetiaNotohypsilophodonTalenkauenMacrogryphosaurusを含みます。

 このグループの仲間のいくつかは、中足骨IVが狭くて、細くて骨が収束した足を持つなどの特徴から、特殊化した走行モードに適応していたとされています。





  1. References:
  2.  
  3. Sebastián Rozadilla, Federico L. Agnolin, Fernando E. Novas, Alexis M. Aranciaga Rolando, Matías J. Motta, Juan M. Lirio & Marcelo P. Isasi (2016) [2015] 
  4. A new ornithopod (Dinosauria, Ornithischia) from the Upper Cretaceous of Antarctica and its palaeobiogeographical implications. 
  5. Cretaceous Research 57: 311-324 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.09.009
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 新種のエラスモサウリダエ/南極(2015年6月)などで紹介していますが、南極半島の端にあるジェイムズ・ロス諸島からは、恐竜や海生爬虫類の化石を産出します。

 今回、白亜紀後期の地層(Santa Marta Formation)で発見されたポリコチリダエ(Polycotylidae、ポリコチルス科)について報告されています。北海道三笠でも発見されているプレシオサウリアの一種です。

 不完全ながら、非常に長い坐骨などから、白亜紀後期の南極からは初のポリコチリダエとされています。

 ポリコチリダエは、 アリストネクチナエ(aristonectinae)とアリストネクチナエ以外のエラスモサウリダエに支配されていた白亜紀後期のウェデリアン(Weddellian)生物地理区では稀とされています。

 ポリコチリダエが少ないことは、ウェデリアンにおける、プレシオサウルス群集のもうひとつの特徴とされています。  

 対照的に、北半球では、プレシオサウリアの多様性にとって、ポリコチリダエは重要とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Fernando E. Novas, Julia S. D'Angelo, José P. O'Gorman, Federico L. Agnolín, Juan M. Lirio & Marcelo P. Isasi (2015) 
  4. First record of Polycotylidae (Sauropterygia, plesiosauria) from the Upper Cretaceous of Antarctica. 
  5. Cretaceous Research 56: 563-568 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2015.06.015
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 ヒマワリやタンポポ、ヒナギクなど、キク科(Asteraceae)の植物は、およそ23,000種もあって、南極大陸以外の世界中で咲いています。  
 この花に深く依存しているミツバチやハチドリなどの多様性や進化に影響力があるだけでなく、陸上生態系にも重要な役割を果たしています。

 今回、南極半島にある白亜紀後期(7600万から6600万年前)の地層で見つかったキク科植物の花粉について報告されています。

 花粉は、Tubulifloridites lillei と命名され、キク科植物の花粉としては、従来より2000万年古く恐竜時代にさかのぼり、最古とされています。

 また、今回の化石を含めて更正しながら、分子系統的に解析し、キク科の植物の起源は、南極大陸が分離する前の、少なくとも8000万年前のゴンドワナ大陸とされています。

 花自体は見つかっていませんが、Discovery Newsなどは、ヒナギクと紹介しています。

 恐竜やアンモナイト化石なども一緒に見つかっており、当時は比較的温暖だったゴンドワナ大陸の一部で、恐竜たちが、キク科の花に囲まれていたシーンがあったのでしょうね。


 


  1. References:
  2.  
  3. Viviana D. Barreda, Luis Palazzesi, Maria C. Tellería, Eduardo B. Olivero, J. Ian Raine and 6. Félix Forest, 2015 
  4. Early evolution of the angiosperm clade Asteraceae in the Cretaceous of Antarctica 
  5. PNAS August 10, 2015 
  6. doi: 10.1073/pnas.1423653112
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 南極、ジェイムズ・ロス諸島のベガ島にある白亜紀後期(マーストリヒチアン前期)の地層(Snow Hill Island Formation)で発見された新種のエラスモサウリダエが記載され、Vegasaurus molyi と命名されています。

 南極からは唯一のエラスモサウリダエとされていますが、南極大陸のエラスモサウルス類(2014年1月)で、3標本を紹介しています。ただし、こちらは、未記載です。

 また、南半球からは、頭部より後ろの解剖学的特徴が良く知られた白亜紀後期のエラスモサウリダエは数少なく、その1つとされています。

 予備的な系統解析から、白亜紀後期のウェデリアン(Weddellian)生物地理区のアリストネクチネ(aristonectine)、アリストネクテス(Aristonectes)、カイフェケア(Kaiwhekea)を含むクレード内としています。 

  アリストネクチナエ(Aristonectinae)と、アリストネクチナエではない白亜紀後期のウェデリアンのエラスモサウリダエが近縁なことから、アリストネクチナエはウェデリアン起源とされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. José P. O'Gorman, Leonardo Salgado, Eduardo B. Olivero & Sergio A. Marenssi (2015) 
  4. Vegasaurus molyi, gen. et sp. nov. (Plesiosauria, Elasmosauridae), from the Cape Lamb Member (lower Maastrichtian) of the Snow Hill Island Formation, Vega Island, Antarctica, and remarks on Wedellian Elasmosauridae. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.931285
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 プレシオサウルス類で大量にみつかった胃石についての報告があります。  胃石は、河川由来であり、また、浮力調節に使ったとする仮説に疑問を呈しています。

 もちろん、奥歯などがなくて、貝などは飲み込んだと思われるプレシオサウルス、胃石は消化の助けになったようですね。


 南極半島のセイモア島にある白亜紀後期(マーストリヒシアン後期)の地層で発見された派生的なエラスモサウルス類(Elasmosauridae) の Aristonectes 属とされるプレシオサウルス類で発見されたもの。 

  胃石のクラスターは、793個からなり、そのうち、259個はこわれているそうです。  平均長径は21ミリ。また、平均最大球形度(同じ体積の球との表面積比)は0.71で、このことから、胃石は、河川由来とされています。  

 また、この胃石は、個々に飲み込まれたのではないとされています。  

 結局、今回の胃石は、浮力制御のために使用したとする仮説に不利な証拠を提供しているとの結論です。



  1. References:
  2.  
  3. José Patricio O'Gorman, Eduardo Bernardo Olivero, Sergio Santillana, Michael J. Everhart & Marcelo Reguero (2014)
  4. Gastroliths associated with an Aristonectes specimen (Plesiosauria, Elasmosauridae), López de Bertodano Formation (upper Maastrichtian) Seymour Island (Is. Marambio), Antarctic Peninsula. 
  5. Cretaceous Research 50: 228-237 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2014.03.011
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 南極大陸にある白亜紀後期の地層で発見されたクビナガリュウのエラスモサウルス類の3標本について報告されています。

 いずれも、南米大陸に近い南極半島にあるマランビオ(シーモア島)と、ジェイムズ・ロス島からの2標本です。

 シーモア島の標本は新種ではないかとされ、また、ジェイムズ・ロス島の標本の一つは、最古の Aristonectinae とされています。

 なお、南極で最古のクビナガリュウ(2011年8月)で紹介しましたが、ジェイムズ・ロス島にある約8500万年前の地層からは、最古のクビナガリュウ化石も発見されています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Rodrigo A. Otero, Sergio Soto-Acuña, Alexander O. Vargas, David Rubilar-Rogers, Roberto E. Yury-Yañez & Carolina S. Gutstein (2013) 
  4. Additions to the diversity of elasmosaurid plesiosaurs from the Upper Cretaceous of Antarctica. 
  5. Gondwana Research (advance online publication) 
  6. http://dx.doi.org/10.1016/j.gr.2013.07.016,
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 南極大陸で、新種の竜脚形類発掘(2013年7月)で紹介した内容が、米国地質学会で発表される予定です。

 厳しい環境から、そこでの固有性が高まる時期もありましたが、ジュラ紀初期には、他の大陸から恐竜たちがやってきていたようです。

 南極大陸のカーク・パトリック山にあるハンソン層(Hanson Formation)といえば、ジュラ紀前期の恐竜化石産地として有名です。

 そこでは、Cryolophosaurus ellioti(クリオロフォサウルス)や基盤的竜脚形類の Glacialisaurus hammeri(グラシアリサウルス)などの化石が見つかっています。

 今回、それらの他、新たに2種の竜脚形類の化石が見つかったもの。なお、ジルコンのU-Pb年代測定法から、約1億9400万年前とされています。

 
 三畳紀初期からジュラ紀初期にかけて、気候や地形学的バリアから、南極の脊椎動物の固有性は増加していったとされています。  

 しかし、遠縁な3種の竜脚形類が発見されたことから、ジュラ紀初期の間は、それらのバリアは、南極大陸へ他の種が分散してくるのを妨げなかったと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. SMITH, Nathan D., HAMMER, William R.,and MAKOVICKY, Peter J. [2013] 
  4. NEW DINOSAURS FROM THE EARLY JURASSIC HANSON FORMATION OF ANTARCTICA, AND PATTERNS OF DIVERSITY AND BIOGEOGRAPHY IN EARLY JURASSIC SAUROPODOMORPHS 
  5. GSA Paper No. 406-5
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 白亜紀後期の南極大陸の恐竜化石産地としては、南極半島にあるジェイムズ・ロス島が知られています。

 一部は、新種の鳥脚類トリニサウラ/南極(2013年1月)で紹介しています。

 今回、ここで発見されている恐竜化石についてレビューした論文が報告されています。

 鳥類を含む何種かの恐竜が南極大陸まで分布していたことから、当時の恐竜の分布や放散、多様化の理由などについて考察されています。


 ジェイムズ・ロス盆地(James Ross Basin)は海洋堆積層とされ、2つの恐竜化石を産出する地層があります。  

 10の非鳥類型恐竜の化石が見つかっており、いくつかの特徴は、気候変動の影響を受けて地域色がでたことを示し、大陸分裂による分断進化を反映していないとされています。  

 また、5つの鳥類化石が発見されています。白亜紀後期の鳥類化石はまれですが、鳥類の基盤的放散が白亜期に存在したことの初めての強い証拠とされています。  

 派生したティタノサウルス類化石も見つかっており、この仲間は、カンパニアン後期までに世界的規模で分布していたと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Marcelo A. Reguero, Claudia P. Tambussi, Rodolfo A. Coria and Sergio A. Marenssi (2013) 
  4. Late Cretaceous dinosaurs from the James Ross Basin, West Antarctica.
  5. Antarctic Palaeoenvironments and Earth-Surface Processes : Geological Society, London, Special Publications 381 (advance online publication) 
  6. doi: 10.1144/SP381.20
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 ジュラ紀の南極、今より気温が高かったとしても、太陽光が少ないのは今と変わりません。 にもかかわらず、極地方の恐竜は、近縁種に比較して、大きく成長したようです。

 南極大陸で恐竜化石発掘を続けるシカゴフィールド博物館の古生物学者、Peter Makovichy がインタビュー記事(Postnoon) で話しています。

 現在までに、2種類の基盤的な竜脚形類化石が見つかっており、新種記載の予定で、また、2016年には、南極の恐竜に関する展示が予定されているそうです。


 1体はほぼ完全で、CTスキャンなどを進めているそうです。  また、2種類はお互い近縁ではなく、他の大陸の種に類似し、当時は陸続きで容易に移動できたとされています。
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 南極大陸にある白亜紀後期の地層から、新種の鳥脚類化石が発見され、記載されています。

 ジェイムス・ロス島にある Snow Hill IslandFormation下部層 (Campanian)から、脊椎や四肢化石が発見されたもの。

 白亜紀のパタゴニアにいた GasparinisauraAnabisetiaTalenkahuen にある特徴を組み合わせて持ち、Trinisaura santamartaensis と命名されています。


 ここからは初めての鳥脚類で、鳥盤類としてもアンキロサウルス類の、Antarctopelta oliveroi に続いて、2番めとされています。 

 もっとも他の地域からの発見からすると、白亜紀後期のジェイムス・ロス島あたりには、鳥脚類が幅広く分布していたようです。
 
 


  1. References:
  2.  
  3. ?Rodolfo A. Coria, Juan J. Moly, Marcelo Reguero, Sergio Santillana & Sergio Marenssi (2013) 
  4. A new ornithopod (Dinosauria; Ornithischia) from Antarctica. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2012.12.004
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 恐竜絶滅の原因については、国際研究チームが、巨大隕石衝突とすることで一致したのですが、異論も出ています。

 南極半島セイモア島(Seymour Island)にある白亜紀-古第三紀(K-pg)境界層における、磁気層序学と放射性同位体による年代推定から、推察したもの。

 3回あった主なデカントラップの火山噴火と時を同じくする顕著な温暖化イベントが起きたことと、巨大隕石衝突前に同時に起きた局地的な絶滅が起きたことを見出したとしています。 

 少なくとも高緯度地帯では、大量絶滅は、多くの独立したイベントによる蓄積の結果ではないかと考えられています。 
 
  

  1. References:
  2.  
  3. Thomas S. Tobin, Peter D. Ward, Eric J. Steig, Eduardo B. Olivero, Isaac A. Hilburn, Ross N. Mitchell, Matthew R. Diamond, Timothy D. Raub & Joseph L. Kirschvink (2012) 
  4. Extinction patterns, delta18O trends, and magnetostratigraphy from a southern high-latitude Cretaceous - Paleogene section: Links with Deccan volcanism. 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palaeo.2012.06.029
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 南極にある4950万年前(始新世)の地層で、最古の原クジラ類の化石が発見され、第11回国際南極地学シンポジウム(ISAES 2011)で報告されています。

 その年代から、クジラが水生環境に適応したのは、わすが400万年だったと、ナショジオが紹介しています。

 

 La Meseta Formation から、長さ60センチの顎化石が発見されたもの。

 原始的な原クジラ類(archaeoceti) とされ、バシロサウルス類(basilosaurid) の特徴があるそうですが、詳細な比較はされていません。

 バシロサウルスは、体が長く、まだ遠泳能力は無くて浅い海に暮らしていたとされています。

 

 従来、5300万年前のクジラに似た半水生哺乳類が海に適応進化するには、1500万年を要したと考えられてきたのですが、今回の4950万年前の地層からの発見で、400万年と一気に早くなっています。

 当時の南極あたりは今よりも温暖で、すばやく海に適応していったようです。

 

 現生のクジラには、塩分濃度の濃い海水に適応するため、腎臓が数百-数千個もあるそうです。 

 体の外見だけでなく内部の仕組みまで進化させるには、ずいぶんかかりそうですが、400万年とはすばやい進化ですね。

 

  1. References:
  2.  
  3. Marcelo Reguero et al., 2011
  4. Vertebrates from the Basal Horizons (Ypresian To Lutetian) of the Cucullaea I Allomember, La Meseta Formation, Seymour (Marambio) Island, Antarctica
  5. ISAES 2011 abstract, p.534
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南極で最古のクビナガリュウ

 南極で最古のクビナガリュウ化石が発見されたそうです。ナショジオが紹介しています。

 南極半島の先端付近にあるジェイムズ・ロス島(James Ross Island)で集められた岩の中から見つかったもの。

 約8500万年前と、従来より1500万年ほど古いのですが、種の特定にはいたっていません。

 

  1. References:
  2.  
  3. Alexander Wilhelm Armin Kellner et al., 2011
  4. The oldest plesiosaur (Reptilia, Sauropterygia) from Antarctica
  5. Polar Research 30, 7265
  6. DOI: 10.3402/polar.v30i0.7265
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