古生物全般の最新ニュース

 竜脚類の排出した大量のメタンガスが、当時の気候温暖化の一因になった可能性があるとする論文が報告されています。時事通信が紹介しています。

 現代の家畜が排出するガスから、竜脚類が腸内の醗酵でだすメタンガス量を推測したもの。

 その結果、竜脚類は毎年5億2000万トンのメタンを排出し、この量は現在全ての排出源から出されるメタンの総量と同等だそうです。

 一方、試算の根拠となる要素に変動要因が大きく、直接的な証拠が全く無いため、懐疑的な意見もあります。

 

  1. References:
  2.  
  3. David M. Wilkinson, Euan G. Nisbet and Graeme D. Ruxton (2012) 
  4. Could methane produced by sauropod dinosaurs have helped drive Mesozoic climate warmth? 
  5. Current Biology 22(9): R292-R293 
  6. doi:10.1016/j.cub.2012.03.042



広東省の卵化石の解析

 中国広東省で発見された卵化石について、包括的に統計解析した論文が報告されています。

 白亜紀後期の地層(Zhutian and Dafeng formations)で発見された461個の卵化石について、卵径、卵形、表面のテクスチャ、殻厚というマクロな形態について統計的に解析したもの。

 形状と表面から、3つのタイプに分類されています。タイプ1は鳥脚類か竜脚類かテリジノサウルス類、タイプ2はオヴィラプトル類、タイプ3はトロオドン類では無いかとされています。
 


  1. References:
  2.  
  3. Kohei TANAKA, LÜ Junchang, LIU Yi, HUANG Zhiqing, Yoshitsugu KOBAYASHI, HUANG Dong and Darla K. ZELENITSKY (2012) 
  4. Statistical Approach for Classification of Dinosaur Eggs from the Heyuan Basin at the Northeast of Guangdong Province. 
  5. Acta Geologica Sinica - English Edition 86: 294-303 
  6. DOI: 10.1111/j.1755-6724.2012.00659.x



 ペルム紀中期、四肢動物の化石記録がない期間とされた"Olson's Gap"は、無かったという報告です。    

 新しい化石の発見からではなくて、地層年代の再検討により、不連続とされた年代ギャップが埋められたもの。 Geosociety が紹介しています。

 ペルム記には、前半の基盤的な単弓類から、後半は獣弓類が支配的な動物相へと、四肢動物の変遷が生じました。 しかし、およそ3億-2億5000万年前のペルム紀中期において、500万年ほどは化石記録のない"Olson's Gap"があったとされていました。  

 これは、異なる大陸の岩石の年代の連続性に問題があったとされています。つまり、ペルム記前期の地層がある北米大陸と、中期以降の地層がある南アフリカとロシアの連続性です。  

 今回の再解析で、ロシアの岩石の年代が、北米大陸の記録にオーバーラップし、そのギャップはなくなったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Michael J. Benton, 2012 No gap in the Middle Permian record of terrestrial vertebrates. 
  4. Geology (advance online publication) 
  5. doi: 10.1130/G32669.1 
  6.  
  7. Spencer G. Lucas, 2004 
  8. A global hiatus in the Middle Permian tetrapod fossil record 
  9. stratigraphy,1(1), p.47-64, 2004(pdf)



新種の卵化石/スペイン

 スペインにある白亜紀後期の地層で発見された卵化石について、新種記載されています。  現生鳥類のように卵管がひとつしかない、おそらく小型獣脚類の卵化石ではないかとされています。  

 アレン層 (Aren Formation)からの発見で、学名は、Sankofa pyrenaica です。  


 大まかな形状は、現生のニワトリの卵に似ており、これは、白亜紀の卵化石としては異常な形とされています。  
 
 系統的には、鳥類とトロオドンからなるクラスターに位置づけられ、アルゼンチンで発見されたカンパニアンの鳥類の卵に似ているそうです。  

 一方で、卵殻の微細構造は、厚いウロコ状テクスチャア(squamatic texture)がみられる鳥類と異なるとされています。



  1. References:
  2.  
  3. ÓPEZ-MARTÍNEZ, N. and VICENS, E. (2012) 
  4. A new peculiar dinosaur egg, Sankofa pyrenaica oogen. nov. oosp. nov. from the Upper Cretaceous coastal deposits of the Aren Formation, south-central Pyrenees, Lleida, Catalonia, Spain. 
  5. Palaeontology 55: 325-339. 
  6. doi: 10.1111/j.1475-4983.2011.01114.x



 獣脚類の歯には、前と後に2本のカリナ(carina、鋸歯の連なりからなる列)があります。 

 そのカリナ間の角度を、5つの属のティラノサウルス類(Tyrannosaurid)について測定・解析し、獣脚類の歯列(dentition)の機能や進化に言及した論文が報告されています。  

 要旨だけから詳細は不明ですが、角度の相違は、歯のサイズよりも歯の機能に強く関連するとされています。  

 論文では、Tyrannosaurus、Tarbosaurus、Albertosaurus、Daspletosaurus、Gorgosaurus. について、in situで、デジタイザを利用し、そのカリナ間の角度を測定し、Paleontological Statistics (PAST)で解析しています。  
 この場合の、in situ とは、歯のある元々の場所で、という意味でしょうか。  

 結果として、 ティラノサウルス類の歯のデータセットにおいて、2つのカリナ間の角度は、タクサ間の相違に大いに関与しているとしています。  

 また、その相違は、歯のサイズよりも歯の機能に強く関連するともされています。もっとも今回得られたタクサ間の相違は、系統解析には不十分で、より多くのin situ データが必要とされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Miriam Reichel (2012) 
  4. The variation of angles between anterior and posterior carinae of tyrannosaurid teeth. 
  5. Canadian Journal of Earth Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1139/e11-068



恐竜の巣の化石はフェイクか

 かつて密輸され、中国に返還された恐竜の巣とされる化石、フェイク(作り物)かもしれないと China Daily が伝えています。  

 写真では22個の楕円形の卵化石が並んでいます。1984年に発見され、6500万年前とありますが、時代もなんだか怪しいですね。

 こういうフェイクの作り方はシンプルで、土と断片的な卵殻から作るそうです。 そういえば、土の色も均一です。





最強の恐竜ハンター、徐星

 Newsweek が、中国の古生物学者、徐星(Xu Xing) を紹介しています。全部で3ページです。

 元の記事は、Land of the Scary Dragon (2011年8月)で、白亜紀後期の恐竜が眠る諸城市  で紹介しています。日本語版にある"考古学"は原文にはありません。 

 徐星は、現在までに最も多くの新種恐竜を記載したことで有名で、30種ぐらいと述べています。 

 中国という欧米に比べて発掘研究がまたまだ未発達で広大な土地ですから、まだまだ新種の数は増えそうです。



1932年のフィールドノート

 1932年に、 SEEMANN らが、ドイツ南部、  Trossingen にある三畳紀後期の地層 で行った恐竜化石発掘の様子が報告されています。

 当時のフィールドノートやプラテオサウルスの全身骨格、最近の発掘の様子などの映像などがあります。



  1. References:
  2.  
  3. Schoch, R. R. 2011. 
  4. Tracing Seemann's dinosaur excavation in the Upper Triassic of Trossingen: his field notes and the present status of the material. 
  5. Palaeodiversity 4: 245-282(pdf)



ゾウにある6番目の"指"

 現生のゾウの前後の脚にある突起は、体重を支えるための6本目の"指"とする論文が報告されています。 NatureBBCなどが紹介しています。

 似たような指、パンダにも見られる指のような構造の"predigits"です。

 今になってわかったわけではなく、突起の存在は以前から知られていました。しかし、単なる軟骨の塊と思われ、その機能は謎だったのです。
 現生動物の構造でも、わかっていないことがあるものなんですね。

 今回、ジョン・ハチンソンらの研究で、後ろ向きについた指は、体重を支える機能があるとしています。 

 また、この指の登場は、4000万年前頃とされています。ゾウが大型化した頃です。 初期のゾウは、現生のように、つま先で歩くことはなく、足底は平だったようです。



  1. References:

  2. John R. Hutchinson et al., 2011
  3. From Flat Foot to Fat Foot: Structure, Ontogeny, Function, and Evolution of Elephant "Sixth Toes"
  4. Science 334(6063), p. 1699-1703, 2011
  5.  DOI: 10.1126/science.1211437



宇宙を旅した恐竜

 若者が科学に興味を持つようにするには恐竜と宇宙だ・・・。DinosaurTracking の記事です。

 タイトルは、Dinosaurs In Space! つまり、"宇宙の恐竜"で、宇宙を旅した恐竜化石があるそうです。

 最初は、マイアサウラ(Maiasaura peeblesorum)の骨と卵化石で、1985年にショートミッションで宇宙に運ばれたそうです。

 次は、1998年のシャトル・エンデバーで、コエロフィシスの頭部化石が宇宙を旅したとされています。

 

 もっとも、単に恐竜と宇宙を組み合わせただけでは、エキサイティングではないとしています。

 恐竜と宇宙の星などが、タイムマシンとかストーリー性を持って絡まないと面白くありませんね。 




カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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