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 福井から石川、富山、岐阜にかけて分布する手取層群は、多くの恐竜化石などを産出することで有名です。

 そのうち、富山と岐阜県境に分布する、今まで手取層群とされてきた地域の一部に、手取層群とは堆積環境の異なる地層群が見出され、新たに神通層群(Jinzu group、新称)を提案する論文が報告されています。 

 富山・岐阜県境に分布する手取層群は、海成層に限るとされ、恐竜化石などを産出する陸成層は、神通層群とされています。

 例えば、新属新種の群れる恐竜足跡(1997年8月)で紹介した新種の足跡化石、Toyamasaurips masuiae が発見された地層は、手取層群ではなくて、神通層群猪谷層となります。

 
 また、神通層群は、手取層群とは異なる時代に形成された可能性が高いとされています。   

 手取層群を下位より真川層と有峰層、有峰層に対比される桐谷層に区分し、神通層群を庵谷峠層,猪谷層,白岩川層に区分しています。


 


  1. References:
  2.  
  3. 松川正樹・福井真木子・小河佑太力・田子 豪・小荒井千人・大平寛人・林 慶一(2014) 
  4. 手取層群の分布域頭部(富山・岐阜県境)の層序の再検討と神通層群(新称)の提案 
  5. 地質学雑誌,120巻,147-164頁 (pdf) 
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 三畳紀後期は恐竜が誕生した時代ですが、その時代区分は、海に棲息していたアンモナイトとコノドントの生物層序に基づくものだそうです。

 ですから、海でのイベントが基準であって、陸の生態系の変化を反映しているとは言えませんね。

 今回、そんな三畳紀の地質年代区分について、前期、中期、後期を用いない、新しい提案が報告されています。



 現在のところ、三畳紀は、地質年代は、3つの期と、7つの階、そして15の亜階に分けられています。  

 これらの元となるのは、アンモナイトとコノドントの生物層序に基づくものですが、今回、アンモナイトだけに基づく提案がされています。

 新しい年代層序では、今までの、前期、中期、後期という区分は、たいしたイベントがなく、それらに変わり、Scythian、Dinarian、Carnian、Norian の4つに分けられています。




  1. References:
  2.  
  3. Spencer G. Lucas, 2013 
  4. A new Triassic timescale 
  5. New Mexico Museum of Natural History and Science, Bulletin 61, p. 366-374  (pdf)
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パタゴニア中部の地質年代

 パタゴニア中部の地質年代について、高精度な地質年代測定法により解析した論文が報告されています。

 その結果、真竜脚類の出現やヘテロドントサウルス類の最初の放散は、ジュラ紀初期と、従来考えられていたより早かったとされています。 

  Cañadón Asfalto 内陸盆地にあるCañadón Calcáreo Formationについて、ジルコンを用いた新しいU-Pb年代測定法(CA-TIMS法)により解析したもの。

 ここは、恐竜や哺乳類、南米の植物進化にとって貴重な化石が残された場所とされています。


 その結果、竜脚形類の主な動物相のターンオーバーが、ジュラ紀初期と、従来考えられていたより早く、真竜脚類(eusauropod)の出現を導いたとしています。

 同様に、鳥盤類(ヘテロドントサウルス類)の最初の放散がうまくいったことや、針葉樹(araucarian conifers)やシダ類(osmundaceous ferns)の多様化は、全て、ジュラ紀初期が終わる以前までには始まったとされています。  

 また、かつて白亜紀初期だったと考えられていた様々な花粉群集の拡散は、完全にジュラ紀後期とされています。


  1. References:
  2.  
  3. Rubén Cúneo, Jahandar Ramezani, Roberto Scasso, Diego Pol, Ignacio Escapa, Ana M. Zavattieri & Samuel A. Bowring (2013) 
  4. High-precision U-Pb geochronology and a new chronostratigraphy for the Cañadón Asfalto Basin, Chubut, central Patagonia: Implications for terrestrial faunal and floral evolution in Jurassic. 
  5. Gondwana Research (advance online publication) 
  6. http://dx.doi.org/10.1016/j.gr.2013.01.010
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 グランドキャニオンが形成されたのは約7000万年前と、従来考えられていたよりも古いとする論文が、Science に報告されています。

 ユカタン半島にも近く、この渓谷で、巨大隕石を見て、ティラノサウルスが吠えるシーンは実際にあったのかもしれませんね。47ニュースが紹介しています。

 岩石中の放射性同位元素4He/3He の熱年代学的分析(thermochronometry ) と、U-Thの帯状分布(zonation)を解析したもの。  

 その結果、従来、5?6000万年前とされてきた年代よりも古く、およそ7000万年前までに、現在のような深い渓谷となったとされています。

 

  1. References:
  2.  
  3. R. M. Flowers & K. A. Farley (2012) 
  4. Apatite 4He/3He and (U-Th)/He Evidence for an Ancient Grand Canyon 
  5. Science (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1126/science.1229390
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