古大陸図の最新ニュース

 白亜紀前期の恐竜の生物地理的解析について、福井県立恐竜博物館紀要で報告されています。日本語で全文が読めます。

 その結果、白亜紀前期、福井(日本)の恐竜相は、中国とモンゴル、北米からなる恐竜相の姉妹群とされています。  

 ただ、日本は、福井(北谷層)だけと、地域的にも時代的にも他の大陸に比べて狭く、その影響があるのかもしれません。

  恐竜種の地域的な分岐図は、大陸間のつながりや、逆に地域間にあった障壁を表すと考えられます。 北米が、ヨーロッパや南米ではなくて、アジアに近いとなると、この時期の恐竜はベーリング海峡を往来していたようですね。
 
 
 TRA(Tree Reconciliation analysis)により、恐竜化石を産出する各地域間の関係を示したもの。  

 TRAは、種が発見された地域情報を加味して、種の分岐図(Taxon cladogram)に最も一致する地域分岐図(Area cladogram)を見出す手法です。なお、種の分散分布は仮定しないとされています。  

 今回、種の分岐図としては、福井県で発見された恐竜 3 種(Fukuiraptor、Fukuisaurus、Fukuititan)を含む分岐図を、白亜紀前期の恐竜全体のスーパーツリーに組み合わせています。  

 また、地域は、アジアは日本と(中国+モンゴル)そして(タイ+ラオス)の3つに、アジア以外のその他を含め、8つにわけています。


 


  1. References:
  2.  
  3. KUBO Tai(久保 泰) , 2014 
  4. A biogeographical analysis of the Early Cretaceous dinosaurs including dinosaurs from Fukui, Japan using Tree Reconciliation analysis. (Tree Reconciliation analysis による福井県の恐竜を含む白亜紀前期の恐竜の生物地理的解析) 
  5. Memoirs of the Fukui Prefectural Dinosaur Museum(福井県立恐竜博物館紀要) 13:1-7.
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深海から"黄金の竜"発見

 ゴンドワナ大陸の一部が、インド洋の深海で見つかったそうです。ナショジオが伝えています。  

 以前から知られていましたが、どこにあるのか不明だった2つの微小大陸、バタビア海山とグーデン・ドラーク(Gulden Draak、"黄金の竜")です。

 インド亜大陸が離れていく時に残されたゴンドワナ大陸のかけらと考えられています。

 浅瀬の海生二枚貝の化石も発見されており、この海台に恐竜がいた可能性についても言及されています。

 

 ところで、"グーデン・ドラーク"で検索すると、ヒットするのは、以下のベルギービールばかり。来年の干支が辰ですから、来年飲むにはいいのでしょうけど(^^;;。

 

 

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 The Planetary Habitability Laboratory (PHL) は、プエルトリコ大による研究と教育のためのサイト。

 Visible Paleo-Earth Project には、7億5000万年前からの古大陸図があります。

  下の図は、手取層の時代に近い1億2000万年前の大陸図。元の画像が暗いので画像処理をしています。クリックすると拡大します。

 南米とアフリカ大陸は一部陸続きで、インド亜大陸はまだ南にあります。

 

 VPE_Poster_120.jpg   

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 白亜紀初期、海水面の温度は今より暖かかったとする論文が報告されています。USA Today は、5℃ほど高いと伝えています。海水面も高かったかもしれません。

 白亜紀初期の気候については、二酸化炭素による温室効果で暖かかったとする説と、一時的に寒冷な時期もあったとする説があるそうです。

 今回の著者らは、温暖で、しかも安定した気候だったとしています。

 海底沈殿物のテトラエーテル膜脂質(TEX86)を用いた古温度測定法(TEX86 palaeotemperature proxy)により、当時の海水面の温度を再現したもの。

 1億4200万年前から1億2800万年前(Berriasian-Barremian )には、下図の地図のサンプリングサイトに示すように、北緯15-20度では32℃を超え、南緯53度では平均26℃で、現在の同緯度の地域より高いとしています。



 下図は、白亜紀前期、オーテリビアン(Hauterivian、1億3300万年前)当時の大陸図と、今回のサンプリングサイト。
 地図の出典は、ODSN PaleoMapです。

 


early_hauterivian.jpg 

  1. References:
  2. High sea-surface temperatures during the Early Cretaceous Epoch
    Kate Littler et al.
  3. Nature Geoscience, Published online20 February 2011
  4. doi:10.1038/ngeo1081

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 ニジェールにあるジュラ紀中期の地層で、2本指の獣脚類の足跡化石が発見され、新種として記載されています。

 アフリカ大陸からは、最古の2本指の足跡化石で、足跡の主は、マニラプトル類、パラアヴィアンのディノニコサウリアではないかとされています。第2指には大きく動かせるカギヅメがあり、移動中は持ち上げていたのです。

 

 ジュラ紀中期、ゴンドワナ大陸では、 中型のディノニコサウリアは発見されておらず、このグループが第2指を大きく動かせるようになったのは、以前考えられていたより早かったのではないかとされています。

 下の図は、ジュラ紀中期の大陸図。★が今回の足跡化石の発見地。●は、ジュラ紀中期のゴンドワナ大陸の恐竜化石産地です。

Middle_Jurassic_Map.jpg

 

 中生代の露頭で、まれに2本指らしき足跡化石を見たことはあります。しかし、単独の2本指らしき微妙な跡では、なんともいえません(^^;。

 今回は、5つも連続歩行跡が残されています。これだけあると、逆に変な足跡は、同一個体の変化の範囲として貴重になります。
 
 120個の足跡が残されており、中型で、長さの平均は27.5センチ、幅は23.1センチとされています。砂岩に深く入り込んでいますが、カキヅメのついていた指の跡はありませんね。

 これだけあると、その歩く速度などが計算できるかもしれません。 


 図は、Paravipus didactyloides のホロタイプ(NMB-1887-Sp)。A)はシリコン型から作成された右足のキャスト B)は、シルエット C)は、オリジナル化石の写真です。スケールはいずれも10センチ。

 2本指とはいっても、怪我をした2本指ではない証拠に、足跡の一番左に、第2指の付け根の丸い跡が残されています。移動中に体重を支えた跡です。

 

 

Paravipus_didactyloides.jpg

 

 新種の足跡化石として命名され、学名は、属名が、パラアヴィアン獣脚類(paravian theropod)の意味する、Paravipus didactyloides です。

 その名の通り、足跡の主は、マニラプトル類のパラアヴィアンと考えられていますが、まだそれらしき恐竜の骨格化石は見つかっていません。

 なお、同じ地層(the Irhazer-Group)からは、新竜脚類(Eusauropoda)、Spinophorosaurus nigerensis の骨格化石が発見され、2009年に記載されています。

  1. References:
  2. Didactyl Tracks of Paravian Theropods (Maniraptora) from
    the ?Middle Jurassic of Africa.
    Alexander Mudroch et al.
  3. PLoS ONE 6(2): e14642. 2011
  4. A new basal sauropod dinosaur from the Middle Jurassic of Niger and the early evolution of Sauropoda.
  5. Kristian Remes et al.
  6. PLoS ONE 4: e6924. , 2009
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