大量絶滅の最新ニュース

 白亜紀末の鳥類以外の大量絶滅については、恐竜絶滅論争に決着?(2010年3月)で紹介したように、国際研究チームが、巨大隕石衝突とすることで一致はしたのですが、いまだにその原因についてはいろいろな仮説がくすぶっています。

 そのひとつが、インドにあるデカン高原での大規模な火山活動です。

 今回、海洋生態系の解析から、白亜紀末の大量絶滅において、デカン高原の火山活動の影響は、巨大隕石衝突に比べてわずかとする論文が報告されています。

 深海の炭酸塩データを調べたもの。  海洋生態系は、大気中の二酸化炭素濃度(分圧)を調節するのに重要な役割を果たしており、大きなイベントで海洋系が酸性に傾くと、炭酸塩が溶解するというわけです。

 その結果、白亜紀後期のデカン高原の火山活動は、地球化学モデルによって予測されるよりも大きく長期間の一過性の深海炭酸塩の溶解を促したこが見出されています。

 デカン高原の火山活動は海洋の酸性化を招いたのですが、大量絶滅以前に、深海の炭酸塩よって中和され、火山活動の影響は、巨大隕石衝突の影響に比べてわずかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Michael J. Henehan, Pincelli M. Hull, Donald E. Penman, James W. B. Rae & Daniela N. Schmidt (2016) 
  4. Biogeochemical significance of pelagic ecosystem function: an end-Cretaceous case study. 
  5. Philosophical Transactions of the Royal Society B 371 20150510 
  6. DOI: 10.1098/rstb.2015.0510
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 白亜紀末の鳥類以外の恐竜は、その多様性が減少しているところに隕石がトドメをさして絶滅したという説と、白亜紀末でも豊富で多様であり、絶滅は突然だったという説に二分されています。

 このあたり、白亜期後期の恐竜の多様性(2013年3月)などで紹介しています。

 今回、初めて、ベイズ分析を用いて、種の分化や絶滅について統計的にモデル解析した論文が報告されています。

 その結果、恐竜全体で、大量絶滅の数千年前から長期的な衰退傾向が見出されたとされています。IFL Scienceに図がありますが、種分化はジュラ紀中頃がピークのようです。


 3つの恐竜サブクレード(鳥盤類、竜脚形類、および獣脚類)で、種の形成速度が鈍化し、大量絶滅の前には、絶滅速度が上回ったとされています。獣脚類に比べて竜脚類の衰退傾向が速かったようです。  

 唯一の例外は、形態的に特殊化した植物食のハドロサウルス形類と、ケラトプシダエ(ケラトプス科)で、これらの仲間は、白亜紀後期にかけて、急速に多様化しました。  

 効率的に植物を処理できることが優位に働いたようですが、これらの絶滅は突然だったのでしょう。  

 結局、恐竜全体としては、新種を生み出す種分化の能力に衰えが見え、絶滅に対して脆弱になり、最終的に壊滅的なイベントから回復できなかったとされています。    

 なお、大型鳥盤類の多様性と異質性の減少/白亜紀後期の北米大陸(2014年8月)で紹介した論文では、ケラトプシダエとハドロサウロイデアの異質性は減少しています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Manabu Sakamoto, Michael J. Benton, and Chris Venditti (2016) 
  4. Dinosaurs in decline tens of millions of years before their final extinction. 
  5. Proceedings of the National Academy of Sciences (advance online publication) 
  6. doi:10.1073/pnas.1521478113
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 小惑星衝突がデカン高原の火山活動を刺激/白亜紀末のワンツーパンチ(2015年10月)で紹介しているように、白亜紀末の大量絶滅は、小惑星衝突とインドのデカン高原の火山活動が原因とする説が提唱されています。

 今回、デカン高原の火山活動の影響は、それほど厳しくはなかったとする論文が報告されています。リーズ大が紹介しています。

 火山活動で排出される二酸化硫黄の総量と、それによって誘発される環境への影響を定量化するため、地球規模のエアロゾル・モデルを使用して解析したもの。

 その結果、地球の気温は4-5℃程度低下したに過ぎず、50年以内には元に戻ったとしています。

 また、酸性雨の影響も地域選択的だったとしています。



  1. References:
  2.  
  3. Anja Schmidt, Richard A. Skeffington, Thorvaldur Thordarson, Stephen Self, Piers M. Forster, Alexandru Rap, Andy Ridgwell, David Fowler, Marjorie Wilson, Graham W. Mann, Paul B. Wignall & Kenneth S. Carslaw (2015) 
  4. Selective environmental stress from sulphur emitted by continental flood basalt eruptions 
  5. Nature Geoscience (advance online publication) 
  6. doi:10.1038/ngeo2588
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 白亜紀末の大量絶滅の原因については、恐竜絶滅論争に決着?(2010年3月)で紹介したように、国際研究チームが、巨大隕石衝突とすることで一致したのですが、その後、異論も出ています。 
 
 もう一つの有力な説として、インドのデカン高原の火山活動説がくすぶり続けたりしているのですが、今回、これら2つの説(小惑星衝突とデカン高原の火山活動)は密接に関連しているとする論文が報告されています。

 原因は、ワンツーパンチ?/白亜紀末の大量絶滅(2006年10月)でも、"press/pulse theory(プレス・パルス説)"という複合説として、似たような説を紹介しています。

 当時と状況が違うのは、今までで最も高精度な 40Ar/39Ar 年代測定により、デカン高原の噴火時期がより正確になったことでしょう。

 デカントラップ全体体積の70%程が噴出した大噴火は、小惑星衝突の5万年以内に起こったとされています。最大とはいえ、5万年とは、ずいぶん長いようですが、その分、その間に回復しつつあった環境に、ダメージを与えたのでしょう。

 衝撃によって誘発された地震エネルギーが、 地下のマグマ溜まりを刺激したようです。  

 そして、海洋生態系の回復は、火山活動が衰えるまで抑制され、陸や海の生態系が回復するまで、50万年もかかったとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Paul R. Renne, Courtney J. Sprain, Mark A. Richards, Stephen Self, Loÿc Vanderkluysen, and Kanchan Pande (2015) 
  4. State shift in Deccan volcanism at the Cretaceous-Paleogene boundary, possibly induced by impact. 
  5. Science 350 (6256): 76-78 
  6. DOI: 10.1126/science.aac7549
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 デカントラップ(Deccan Trap)は、インドのデカン高原にある地上最大の火山活動の痕跡です。
 
 たびたび白亜紀末の大量絶滅の原因の一つにあげられたりするのですが、隕石衝突ほど、インパクトのある証拠がありません。

 今回、U-Pbジルコン年代測定法を使い、その時期と規模を解析した論文が報告されています。

 その結果、メインの噴火は、大量絶滅の25万年までに開始し、75万年までの間に、110万立方キロメートルを超える玄武岩が噴出したとしています。

 今回の結果は、デカントラップが、ついには海と陸の大量絶滅となった白亜紀末の環境変化と生物のターンオーバーに関与しているとされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Blair Schoene, Kyle M. Samperton, Michael P. Eddy, Gerta Keller, Thierry Adatte, Samuel A. Bowring, Syed F. R. Khadri & Brian Gertsch (2014) 
  4. U-Pb geochronology of the Deccan Traps and relation to the end-Cretaceous mass extinction. 
  5. Science (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1126/science.aaa0118
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 白亜紀末、鳥類以外の恐竜は、その多様性が減少しているところに隕石がトドメをさして絶滅したという説と、白亜紀末でも豊富で多様であり、絶滅は突然だったという説に二分されています。

 今回、北米大陸の白亜紀最後期の恐竜の多様性について、過去20年間のデータをレビューした論文が報告されています。

 その結果、北米大陸では、白亜紀末にかけて、大型鳥盤類の多様性は減少していたとされています。もっとも、中型種やアジア大陸などでは、この傾向は見られず、北米の大型鳥盤類に限られていたのです。

 したがって、地球規模では、恐竜の多様性の減少はみられず、ナショジオが紹介しているような、「衝突のタイミングがずれていれば恐竜は絶滅を免れた・・・」なんてことはないはずです。

 図1は、白亜紀後期の地球上または北米大陸(NA)の恐竜の多様性(Diversity)を示しています(Stephen L. Brusatte et al.を改変, 2014)。

 図1に示されるように、地球全体(赤線)や北米の全ての恐竜(青線)、そして北米の獣脚類(茶線)では、多様性に変化は見られず、一方、鳥盤類(緑)の多様性は減少しています。




図1. 地球上または北米大陸の恐竜の多様性

d-diversity.jpg

 図2は、北米大陸の恐竜の異質性(Disparity)を示しています(Stephen L. Brusatte et al.を改変, 2014)。

 異質性については、一部の植物食恐竜、絶滅前に多様性減少(2012年5月)で紹介した論文(Ref.2)を元にしていますが、解剖学的多様性(anatomical variability) のことを示しています。

 獣脚類の異質性に変化はないのですが、角竜類とハドロサウルス類の異質性は減少しています。



図2. 北米大陸の恐竜の異質性

disparity.jpg
 このように、大型植物食恐竜の多様性や異質性の減少が、北米大陸の恐竜のコミュニティに影響し、隕石の影響を受けやすくなっていたとされています。  

 化石記録が不十分なこともあり、デカン高原の火山活動の影響も考えられますが、恐竜絶滅は突然であり、巨大隕石衝突の影響が大きいと考えられています。



  1. References:
  2.  
  3. Stephen L. Brusatte, Richard J. Butler, Paul M. Barrett, Matthew T. Carrano, David C. Evans, Graeme T. Lloyd, Philip D. Mannion, Mark A. Norell, Daniel J. Peppe, Paul Upchurch and Thomas E. Williamson (2014) 
  4. The extinction of the dinosaurs. 
  5. Biological Reviews (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/brv.12128 
  7.  
  8. Stephen L. Brusatte, Richard J. Butler, Albert Prieto-Márquez & Mark A. Norell 
  9. Dinosaur morphological diversity and the end-Cretaceous extinction 
  10. Nature Communications 3, Article number: 804 
  11. doi:10.1038/ncomms1815
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白亜紀後期の小型獣脚類の歯

 ニューメキシコ北西部にある白亜紀後期のサンファン(San Juan) 盆地で発見された小型獣脚類の歯化石から、これらの多様性や絶滅などについて報告されています。オープンアクセスです。

 サントニアンからマーストリヒシアンの地層で、トロオドン類やドロマエオサウルス類のようなタクソンだけだった北部地方と異なり、幅広い範囲の種類の歯が含まれているそうです。

 そして、マーストリヒシアン後期になると、トロオドンが優勢になるとされています。

 ニューメキシコのマーストリヒシアンの地層では、小型獣脚類の多様性が失われたという記録はなく、恐竜絶滅が突然だったことを示しているとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Thomas E. Williamson & Stephen L. Brusatte (2014) 
  4. Small Theropod Teeth from the Late Cretaceous of the San Juan Basin, Northwestern New Mexico and Their Implications for Understanding Latest Cretaceous Dinosaur Evolution. 
  5. PLoS ONE 9(4): e93190. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0093190
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 白亜紀末の鳥類の絶滅とその後の急速な放散について、フェデューシア (Alan Feduccia)が報告しています。

 フェデューシアといえば、鳥が一部の獣脚類から進化したという説に異論を唱える鳥類学者ですが、最近はそういう異説の展開がなくなりましたね。

 白亜紀前期の熱河生物相からたくさんの真鳥類の化石が発見されていますが、それらは、現代の新鳥類とは似ておらず、新鳥類の登場は、白亜紀後期と考えられています。

 最近の証拠から、白亜紀末の巨大隕石衝突の影響は、過小評価されており、脊椎動物だけでなく、多数の植物や昆虫の絶滅したとしています。

 当然、鳥類が絶滅イベントを無傷で通過したという証拠はなく、鳥類も絶滅イベントに苦しみ、その後、爆発的に放散したとしています。



  1. References:
  2.  
  3. Alan Feduccia (2014) 
  4. Avian extinction at the end of the Cretaceous: Assessing the magnitude and subsequent explosive radiation. 
  5. Cretaceous Research 50: 1-15 
  6. http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2014.03.009
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 およそ6600万年前の小惑星の衝突によって引き起こされたとされる"衝突の冬"、それは、鳥類以外の恐竜などの大量絶滅につながります。

 今回、初めて、その"衝突の冬"を実証したとする論文が報告されています。当然のシナリオのように語られていますが、それを裏付ける直接の証拠は初めてなんですね。

 テキサス州にあるブラゾス川地域の堆積物を、TEX86古水温推定法(TEX86 paleothermometry)により解析し、衝突後の最初の数ヶ月から数十年の、海水面温度の低下を観察したもの。

 TEX86古水温推定法は、当時の古細菌由来の脂質を解析し、海水温を推定する手法です。ナショジオによると、海水温は7℃ほど低下したとされています。

 粉塵やエアロゾルが成層圏に大量にばらまかれ、太陽光を遮断したとする最初の直接的な証拠とされています。


 

  1. References:
  2.  
  3. Johan Vellekoop, Appy Sluijs, Jan Smit, Stefan Schouten, Johan W. H. Weijers, Jaap S. Sinningh Damsté, and Henk Brinkhuis (2014) 
  4. Rapid short-term cooling following the Chicxulub impact at the Cretaceous-Paleogene boundary. 
  5. Proceedings of the National Academy of Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1073/pnas.1319253111
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恐竜絶滅は酸性雨が原因

 先日ニュースになりましたが、白亜紀末の大量絶滅は、巨大隕石衝突による硫酸雨と海洋酸性化が原因とする論文が報告されています。
 
 研究チームが所属する千葉工業大(pdf)が紹介していますが、白亜紀末は6550万年前ではなくて、6600万年前ですね。2012年に変更されています。

 世界で初めて、秒速11.2km(時速約4万km)という宇宙速度(脱出速度ともいわれる、地球の重力を振り切るために必要な最小初速度)での衝突・分析実験で確認したもの。

 ユカタン半島には、硫黄を含む岩石が豊富に存在し、隕石衝突により、二酸化硫黄ではなく、硫酸になりやすい三酸化硫黄(発煙硫酸)が放出されたことが明らかになったそうです。

 その結果、 酸性雨が降り、これがやがて海洋酸性化へとつながり、白亜紀末の大量絶滅で非常に重要な役割を果たしたと考えられています。  

 また、淡水中や、浮遊性有孔虫に比べ深海では絶滅率が低かったことなど、絶滅の選択性も説明できるとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Sohsuke Ohno, Toshihiko Kadono, Kosuke Kurosawa,Taiga Hamura, Tatsuhiro Sakaiya, Keisuke Shigemori, Yoichiro Hironaka, Takayoshi Sano, Takeshi Watari, Kazuto Otani, Takafumi Matsui & Seiji Sugita (2014) 
  4. Production of sulphate-rich vapour during the Chicxulub impact and implications for ocean acidification. 
  5. Nature Geoscience (advance online publication)(pdf) 
  6. doi:10.1038/ngeo2095
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 大量絶滅を生き延びた哺乳類や鳥類などの肉食動物は、いったい何を食べていたのか。

 そのタンパク源のひとつは、ミミズのような生物だったのではないかとする論文が報告されています。

 ノースダコタ州南西部にあるの白亜紀-古第三紀(K/PG)の境界の真上で、巣穴の化石が見つかったもの。

 堆積状況などから、形成されたのは、隕石衝突の1万年未満と推定され、また、巣穴の特徴は、現生のミミズの巣穴とほとんど一致しているそうです。


 このような生物が大量にいたことで、タンパク源として、生態系で重要な位置を占めたとされています。  

 大量絶滅の後から放散した肉食動物の中には、このお陰で、成功をおさめたものもいるのではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Karen Chin, Dean Pearson & A. A. Ekdale (2013) 
  4. Fossil Worm Burrows Reveal Very Early Terrestrial Animal Activity and Shed Light on Trophic Resources after the End-Cretaceous Mass Extinction. 
  5. PLoS ONE 8(8): e70920. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0070920
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 恐竜絶滅説、かつてはいろいろ面白い説がありました。

 論文で提唱された説などをメインに、そのトップ10を Smithsonianmag.com が紹介しています。  提唱した人や年代、その根拠と、その絶滅説が否定された理由などが、説明されています。  

 いずれも、証拠がないか、限定的な現象を拡大解釈したような話ですね。以下に、その10の説を簡単に紹介します。
 

 

  1. トンデモ恐竜絶滅説 トツプ10
  2.  
  3. 卵食説(Egg-eating):自らの卵を食べたという説で、20世紀初期に提唱されました。実際ヘビや哺乳類も恐竜の卵や幼体を食べており、その程度では大量絶滅に至らないとされています。   

  4. 卵殻異常説(Pathological Shells):1979年に報告されましたが、ごく一部の地域だけにみられた現象とされています。 

  5. 過剰分泌説(Overactive Glands):脳下垂体のホルモン分泌で恐竜は巨大化し、その異常で絶滅したとする説。しかし、脳下垂体と巨大化や絶滅に関係した証拠は得られていないとあります。 

  6. 進化的自爆説(Evolutionary self-destruct):恐竜は、大きくなる一方なので絶滅した、という、1900年代初め、ダーウィンの自然選択説が受け入れられていない頃の説。 

  7. オス過剰説(Too many males):恐竜の性別は、孵化時の気温によって決まり、オスばかりが増えたので絶滅したという説。クロコダイル類にも見られる現象で、なぜ恐竜だけが絶滅したのかの説明がつかないようです。 

  8. ケムシ説(Caterpillars):1962年に報告された、ケムシが大量発生して、エサとなる植物を食べたからという説。しかし、蝶や蛾の壊滅的な大量発生の証拠は得られていないそうです。 

  9. 白内障説(Cataracts):角竜などは、フリルで目を太陽光から守っていたが、太陽光が強くなりすぎて、目が見えなくなっという説。1982年に提唱された説ですが、他の恐竜での説明がつきません。 

  10. 超新星説(Supernova):超新星爆発が、地球に影響を及ぼしたとする説。1971年に提唱された説ですが、その証拠がありません。 

  11. エイリアン説(Aliens):フィクション(SF)の世界ですね。 

  12. オナラ説(Dinosaur Farts):昨年、竜脚類が放出するメタンガスは温暖化にはつながるが、大量絶滅までには至らないと試算した報告が出されているそうです。
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 白亜期末の巨大隕石衝突による大量絶滅は、海洋生物にも多大な影響を及ぼしました。

 一方、同じ水環境でも、内陸水域の生物の絶滅は比較的少なかっのですが、その理由を考察した論文が報告されています。 ナショジオが紹介しています。

 その理由として、淡水性生物には、不活動状態(dormancy)をとり得る潜在能力があったことや、暑さからの避難場所(thermal refugia、サーマル・レフュージア)が豊富にあったことなどがあげられています。

 ただ、ナショジオは、淡水の方が生存率が高いという証拠は、モンタナ州にある狭い地域の化石記録しかないという話も紹介しています。

 
  白亜期末の巨大隕石衝突による大量絶滅は、強烈な熱パルスとそれに続く広範な火災によると考えられています。  

 水生環境は熱や火災から遮蔽されたにもかかわらず、海洋環境では大量絶滅が生じ、原因不明の理由のため、淡水環境では絶滅は少なかったとされています。  

 海洋環境の絶滅は、衝突による地理や煙が、太陽光を数ヶ月から数年、遮蔽したとされる"衝突の冬"の影響です。  その結果、光合成は止まり、植物プランクトンの大規模な絶滅を引き起こしたのです。  

 水生生態系は、地上の環境とは異なり、独立栄養生物(autotroph)の光合成生産物に強く依存しているからです。  

 その他の潜在的な絶滅原因としては、光合成による酸素不足による低温と無酸素があげられています。  

 一方、内陸水域の絶滅が海洋環境より少なかった理由としては、以下の理由があげられています。


  1.  
  2. おそらく淡水性生物には、不活動状態(dormancy)をとり得る潜在能力があった 
  3. 迅速な河川の流れによる再曝気で、効率的に酸素が満たされた 
  4. 地下水が供給され、適度な温度である、暑さからの避難場所(thermal refugia)が豊富にあった

 

  1. References:
  2.  
  3. Douglas S. Robertson, William M. Lewis, Peter M. Sheehan & Owen B. Toon (2013) 
  4. K-Pg extinction patterns in marine and freshwater environments: The impact winter model. 
  5. Journal of Geophysical Research: Biogeosciences (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1002/jgrg.20086
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白亜期後期の恐竜の多様性

 マーストリヒチアン後期における恐竜の生物学的多様性を推定した論文が報告されています。

 種数面積関係を用いて推定したもので、当時は、鳥類以外に、623種から1078種の恐竜が生息していたとしています。

 最大で、既に発見されている種の10倍以上と多く、恐竜絶滅については、この数字に基づいて議論すべきとされています。

 また、白亜紀後期、多様な恐竜がいたわけで、それだけ多くの種が絶滅したのは、隕石衝突という突然の出来事だったのではないかとされています。

 
 2010年まで、マーストリヒチアン後期における非鳥類型恐竜種は、未命名種を含め、104種になるとされています。  

 しかし、タフォノミー(化石化の過程)の偏りや陸上化石が稀なこともあり、実際の生物学的多様性は不明確とされています。  

 論文では、種数はその生息面積とともに増加するという種数面積関係(species-area relationship)を用いて推定しています。  

 その結果、623種から1078種の非鳥類型恐竜が生息していたとしています。  

 白亜紀後期の古生物地理学は複雑なので、恐竜絶滅についての議論は、単一地域の見かけの多様性ではなくて、このグローバルな規模で推定された多様性に基づくべきとしています。  


 また、それぞれの恐竜が平均770万年間生息したとすると、白亜紀後期(マーストリヒチアン後期は280万年)に多数の恐竜がいたということは、白亜紀末に、それらのほとんどの系統が途絶えたということだしています。  

 つまり、今回示された恐竜の多様性は、その絶滅が隕石衝突という突然の出来事だったことを支持する結果とされています。


  1. References:
  2.  
  3. Jean Le Loeuff (2012) 
  4. Paleobiogeography and biodiversity of Late Maastrichtian dinosaurs: how many dinosaur species went extinct at the Cretaceous-Tertiary boundary? 
  5. Bulletin de la Société Géologique de France 183(6): 547-559 
  6. doi: 10.2113/gssgfbull.183.6.547
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 巨大隕石の衝突後、恐竜は以前考えられていたよりも早く絶滅し、また、隕石衝突だけが絶滅の原因ではなかったとする論文が、Science に報告されています。

 ナショジオReuter などが紹介しています。 

 巨大隕石衝突後、およそ3万2000年の間の影響を、アルゴン同位体(40Ar/39Ar)の放射年代測定法により解析したもの。

 その結果、衝突が起きたのは6603万8000年前で、その後、3万3000年後までには、恐竜は絶滅していたとしています。これは、従来の30万年よりかなり早いことになります。

 また、隕石衝突時には、すでに生態系は、デカン高原での火山噴火によって衰退状態にあったと言います。

 

  1. References:
  2.  
  3. Paul R. Renne, Alan L. Deino, Frederik J. Hilgen, Klaudia F. Kuiper, Darren F. Mark, William S. Mitchell III, Leah E. Morgan, Roland Mundil, and Jan Smit (2013)
  4. Time Scales of Critical Events Around the Cretaceous-Paleogene Boundary. 
  5. Science 339(6120):. 684-687 
  6. DOI: 10.1126/science.1230492
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 白亜期末の大量絶滅は、デカン高原の噴火が原因とする説が、アメリカ地球物理学連合(AGU Meeting)の年会で報告されています。

 iO9などが伝えているところでは、白亜期末の境界層に残されたプランクトン化石の変化という新たな証拠を示したものだそうです。 しかし、ニュースからだけでは、大量絶滅との関係が不明確ですね。

 そもそも、プランクトンとは、水の中で浮遊する水生生物の総称です。今回、プランクトンの化石を調べた結果では、その種が徐々に衰退しているそうです。

 一方、ほとんどの種が絶滅した後、 Guembilitriaという新しい種が生まれ、エジプトやスペイン、テキサスなどで発見されています。  Guembilitria は、海洋堆積物で見つかる化石の80-98%を占めるそうです。  

 大量絶滅の原因としては、噴火の後、気候は寒冷化し、酸性雨からのイオウ成分が、骨形成などに必須な成分のカルシウムと結合し奪ったためではないかと考えられています。
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 ペルム紀末の大量絶滅は、2回のパルス(突然の大変動)が原因とする論文が報告されています。 

 2006年に提唱された大量絶滅に関する"プレス/パルス(press / pulse)" モデルでは、大量絶滅は、生態系に対する長期間の苦難(press)と、その期間終盤にかけての突然の大変動(pulse)という2つのタイプの要因が必要とされています。

 今回の報告では、ペルム紀末と三畳紀最初期の2つのパルスが提唱され、それぞれ、57%と71%の海洋生物の種が絶滅したとされています。


 およそ2億5230万年前のペルム紀末の大量絶滅は、海洋生物種の90%以上が絶滅した地球史上最大の危機でした。

 その原因は、シベリアントラップの噴火か巨大隕石衝突という単一イベントの結果と考えられています。

 この論文は、中国にある7箇所の地域から、ペルム紀末を含む45万年間のスパンの、17の海洋生物グループを代表する537種を調べたもの。 その結果、海洋生物の絶滅は、18万年間の回復期間のある2つのパルスからなるとしています。 

 絶滅の最初のステージは、ペルム紀末に起こり、全てのプランクトンや、藻類や四射サンゴ、フズリナ類を含む底生グループの一部の57%の種が絶滅したとされています。

  2番めのステージは、三畳紀最初期に起こり、残存種の71%が絶滅したとしています。これは、2億年続いた海洋生態系の構造を根本的に変えたとされています。  

 2つのパルスは、異なる絶滅選択性なので、それぞれ異なった環境要因と考えられています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. Haijun Song, Paul B. Wignall, Jinnan Tong & Hongfu Yin (2012) 
  4. Two pulses of extinction during the Permian-Triassic crisis. 
  5. Nature Geoscience (advance online publication) 
  6. doi:10.1038/ngeo1649
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 植物連鎖の関係(植物網)から、北米大陸での白亜期末の巨大隕石衝突の影響について、解析した論文が報告されています。 

 隕石衝突前に、恐竜が衰退していたという証拠はなく、逆に多すぎる恐竜が、絶滅しやすい環境を作っていたのではないかとされています。Newswise が紹介しています。


 北米大陸における、陸生の10箇所のカンパニアン地域(衝突前の1300万年間)と、7箇所のマストリヒシアン地域(衝突の200万年間)について調べ、隕石の影響による混乱が、食物網を通じてどのように広がるかをコンピュータによりシミュレーションしたもの。 

 北米大陸の一部をカバーしていた浅い海が干上がったことが、一番大きな環境への影響だったとされています。

 白亜期末のマストリヒシアンのコミュニティは、カンパニオンに比較して、植物の生産性(一次生産性)が低いため、植物食恐竜が二次的に危機にさらされ、絶滅しやすい環境だったとされています。  

 注目すべきは、恐竜が豊富になったことが、マストリヒシアンの生態系に ネガティブインパクトを与えたとされています。  




  1. References:
  2.  
  3. ?Jonathan S. Mitchell, Peter D. Roopnarine, and Kenneth D. Angielczyk (2012) 
  4. Late Cretaceous restructuring of terrestrial communities facilitated the end-Cretaceous mass extinction in North America. 
  5. Proceedings of the National Academy of Sciences (advance online publication) 
  6. doi: 10.1073/pnas.1202196109
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 恐竜絶滅の原因については、国際研究チームが、巨大隕石衝突とすることで一致したのですが、異論も出ています。

 南極半島セイモア島(Seymour Island)にある白亜紀-古第三紀(K-pg)境界層における、磁気層序学と放射性同位体による年代推定から、推察したもの。

 3回あった主なデカントラップの火山噴火と時を同じくする顕著な温暖化イベントが起きたことと、巨大隕石衝突前に同時に起きた局地的な絶滅が起きたことを見出したとしています。 

 少なくとも高緯度地帯では、大量絶滅は、多くの独立したイベントによる蓄積の結果ではないかと考えられています。 
 
  

  1. References:
  2.  
  3. Thomas S. Tobin, Peter D. Ward, Eric J. Steig, Eduardo B. Olivero, Isaac A. Hilburn, Ross N. Mitchell, Matthew R. Diamond, Timothy D. Raub & Joseph L. Kirschvink (2012) 
  4. Extinction patterns, delta18O trends, and magnetostratigraphy from a southern high-latitude Cretaceous - Paleogene section: Links with Deccan volcanism. 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palaeo.2012.06.029
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 比較的大型の植物食恐竜は、恐竜絶滅前の約1200万年の間に多様性が減少していたとする論文が報告されています。毎日が紹介しています。  

 論文では、7つの恐竜のサブグループの形態学的異質性(解剖学的多様性)を計算したもの。  

 その結果は、地理的に、またクレードによって特有の違いがあったことが判明したとしています。白亜紀後期の恐竜の進化は複雑で、生物多様性の普遍的な傾向はなかったようです。  

 具体的には、大型植物食恐竜(角竜類やハドロサウルス類)と、いくつかの北米の分類群は、白亜紀末になりその異質性は減少したとしています。  

 一方、獣脚類や中型の植物食動物、およびアジアの一部の分類群では、異質性の減少はなかったとしています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Stephen L. Brusatte, Richard J. Butler, Albert Prieto-Márquez & Mark A. Norell 
  4. Dinosaur morphological diversity and the end-Cretaceous extinction 
  5. Nature Communications 3, Article number: 804 
  6. doi:10.1038/ncomms1815
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