植物の最新ニュース

 恐竜と共によく描かれる植物のひとつがソテツ(Cycads)です。ジュラ紀から白亜紀にかけて多様化し、"生きた化石"とされています。

 しかし、現生のソテツは比較的新しい系統であることがわかったと、Sciense に報告されています。Discover Magazine が紹介しています。 

 

 199の原生種から、 PHYP と呼ばれる遺伝子を解析したもの。その結果、300種ほどある現生種は、中新世後期に近縁種から分岐し、爆発的に適応放散したとされています。

 その時代は、およそ1200万年前よりは新しいとされています。その頃に、地球規模での同時的再多様化(synchronous global rediversification)が起きたようです。

 

 恐竜が現生種をかじったことはなく、恐竜が現在のソテツの多様性を生み出したというわけでは無かったのです。

 

  1. References:
  2.  
  3. Nagalingum, Marshall, Quental, Rai, Little & Mathews. 2011.
  4. Recent Synchronous Radiation of a Living Fossil.
  5. Science, Published Online October 20 2011
  6. http://dx.doi.org/10.1126/science.1209926



恐竜時代の小さな花

 およそ8400万年前の小さな花、New Scientist が紹介しています。

 スウェーデンで発見されたもので、長さ3ミリほど。白亜紀後期の泥の中に埋まっている花の構造をX線で解析しています。

 未知種のようで、先月末に、オーストラリアで開催された International Botanical Congress 2011(IBC、国際植物会議)で報告されました。




  ICBN (国際植物命名規約)では、2012年1月から、電子出版での新種記載を認めるそうです。残念ながら、 ICZN(国際動物命名規約)はまだです。

 Please welcome the ICBN to the 21st Century(Svpow)で紹介されています。

 従来は、新種記載は紙の印刷物を出版することでのみ認められていました。ですから、オンライン版で公表された学名は、正式には無効でした。




 中国遼寧省にある白亜紀前期の義県累層から、 真正双子葉類 (eudicots)の化石が発見され報告されています。

 従来考えられていた時期より1500万年ほど早く、1億2500万年前には、既に花をつける被子植物の爆発的放散が始まっていたとされています。インディアナ大プレスリリースが伝えています。

 

  1990年代からの分子系統解析で、従来の双子葉類は側系統とされ、被子植物(angiosperm)は、5つの主な系統に大別されています。

 それは、初期の分岐したセンリョウ類(Chloranthaceae)とマツモ類(Ceratophyllum)、そしてモクレン類(magnoliids), 単子葉類 (monocots)、真正双子葉類 (eudicots)です。

 また、真正双子葉類 は、基盤的真正双子葉類 とコア真正双子葉類 (core eudicots)からなります。今日の被子植物の大部分(約75%)は真正双子葉類です。

 真正双子葉類の共有派生形質は、三溝型花粉 (Tricolpate pollen)を持つことで、コア真正双子葉類は花の構成が5の倍数であることです。

 

  Leefructus  mirus  (Courtesy of Indiana University)

Leefructus_mirus.jpg 

 今回新たに発見された植物化石は、系統的には、基盤的な真正双子葉類のキンポウゲ科(Ranunculaceae)に属しています。

 学名は、Leefructus mirus と命名されれています。中国名「李氏果」からわかるように、"Lee" は化石を寄贈した Li Shiming にちなみ、"fructus" は"実をつける"の意味。また、種小名は、ラテン語の"mira(美しい)"から。

 年代的には、1億2260万年前-1億2580万年前とされ、基盤的な真正双子葉類は、バレミアン最晩期からアプチアン最初期までに広がっていたとされています。

 日本の白亜紀前期の復元イラストには、モクレンに似た植物がよく描かれています。今回の地層は時代的に似ていますから、日本の恐竜時代の復元図にも、化石証拠のあるこの植物が描かれることでしょう。

 

 上の映像は、Leefructus mirus 。出典は、Indiana University

 葉の周囲が黒く縁取りされているためか、リトグラフの芸術作品のような美しさですね。

 右下のスケールは1センチで、化石全体の高さは約16センチ。1本の茎から全部で5枚の葉が伸びています。葉は3枚に分岐し、葉脈もあります。また、花びらが5枚ある小さなカップ状の花もついています。

 

 

  1. References
  2. Ge Sun, David L. Dilcher, Hongshan Wang & Zhiduan Chen, 2011
  3. A eudicot from the Early Cretaceous of China
  4. Nature, 471, p.625-628, 2011
  5. doi:10.1038/nature09811



カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

2012年4月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

アーカイブ


カテゴリ  ▼(広げる)▲(たたむ)