翼竜の最新ニュース

翼竜の翼端と飛行特性

 多くの翼竜の翼の先端の歯骨は、湾曲しており、その曲率は、翼の飛行性能に影響を与えたと考えられています。

 今回、翼竜の湾曲した翼端と、空気力学や航空力学的な効果との関連について解析した論文が報告されています。

 湾曲した翼端は、地上に生息していた可能性のある翼竜と、遠洋性翼竜の両方の翼竜で共通しています。

 高い曲率は、乱雑な環境やオープンな海洋上を飛行したことに関連するとされています。

 翼端が前方にカーブした新種翼竜/ドイツ(2012年7月)では、翼端(第4指骨)がゆるく前方にカーブしたBellubrunnus rothgaengeri を紹介しました。他の全ての翼竜と違ったユニークな特徴です。

 この翼竜は、他の翼竜とは異なる飛行プロファイルだったとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. D.W.E. Hone, M.K. Van Rooijen & M.B. Habib (2015) 
  4. The wingtips of the pterosaurs: Anatomy, aeronautical function and ecological implications. 
  5. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.palaeo.2015.08.046
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 Historical Biology 28(1-2)は、科博の冨田幸光博士、退官記念論文集です。

 さすがに哺乳類の論文が多いのですが、その中から、恐竜と翼竜関係の論文を紹介します。いずれも、部分的な化石のためか、種の記載には至っていません。

 最初は、熊本の御船層群で発見されたオルニトミモサウリアについて。

 日本の白亜紀後期の地層からは、初のオルニトミモサウリアで、東アジアの半乾燥気候下で棲息していたとされています。  

 続いて、石川県白山市にある白亜紀前期の桑島層からの鳥脚類化石について。  

 イグアノドンティア(歯と頭部)やアルパロフォサウルスとは異なる小型鳥脚類(上顎)、不確定な鳥脚類化石について。  

 最後は、翼開長6.8メートルと、アジア最大の翼竜について。  

 三笠にある白亜紀後期(サントニアン-カンパニアン前期)の地層(蝦夷層群)で発見された、日本初の翼竜化石標本(NSM PV15005) を再記載したもの。プテラノドンチダエ(科)に類似しているようです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Naoki Ikegami (2016) 
  4. The first record of an ornithomimosaurian dinosaur from the Upper Cretaceous of Japan. 
  5. Historical Biology 28(1-2): 264-269 
  6. DOI:10.1080/08912963.2015.1025389 
  7.  
  8. Paul M. Barrett & Tomoyuki Ohashi (2016) 
  9. Ornithischian dinosaur material from the Kuwajima Formation (Tetori Group: Lower Cretaceous) of Ishikawa Prefecture, Japan. 
  10. Historical Biology 28(1-2): 280-288 DOI:10.1080/08912963.2015.1032273 
  11.  
  12. Alexander W.A. Kellner, Fabiana R. Costa, Xiaolin Wang & Xin Cheng (2016) 
  13. Redescription of the first pterosaur remains from Japan: the largest flying reptile from Asia. 
  14. Historical Biology 28(1-2): 304-309 
  15. DOI:10.1080/08912963.2015.1028929
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 近年の翼竜における最も重要な発見の一つは、ウコンゴプテリダエ(wukongopteridae)の発見とされています。

 2009年に初めて見つかったジュラ紀後期の翼竜の系統で、 モジュール進化の証拠/新種翼竜(2009年10月)で紹介している Darwinopterus modularis が有名です。

 大きい頭部などは進化した翼竜のプテロダクティロイデア(Pterodactyloidea)ですが、その他の骨格は三畳紀からジュラ紀にかけての基盤的な翼竜です。

 今回、大型で吻部の長い Cuspicephalus scarfi をこの仲間とする論文が報告されています。 英国にあるジュラ紀後期(Kimmeridgian)の地層(Kimmeridge Clay Formation)で発見され、最も若くて、そしてヨーロッパで初めてのウコンゴプテリダエです。

 一方、フランスにあるジュラ紀後期の地層で発見されたNormannognathus wellnhoferi は、断片的な化石で、系統的な位置は不明確とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Mark P. Witton, Michael O'Sullivan & David M Martil (2015) 
  4. The relationships of Cuspicephalus scarfi Martill and Etches, 2013 and Normannognathus wellnhoferi Buffetaut et al., 1998 to other monofenestratan pterosaurs. 
  5. Contributions to Zoology 84 (2) - 2015
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 Academia.edu は、2008年にイギリスでサービスが開始された研究者の情報交換のためのSNSです。古生物関係でも、多くの研究者が参加し、 自分の論文を投稿して情報交換しています。

 必ずしも研究者でなくても登録できるようで、興味のある分野を登録しておけば、自分のページに、その分野で新たに登録された(必ずしも最新とは限りませんが)論文が表示されます。ちなみに、私は、Dinosaur Paleontology などを登録しています。

 今回の翼竜の論文も、Academia.edu に、全文が登録されています。論文には、無登録でもアクセスできます。


 白亜紀前期(Aptian)の九仏堂累層(Jiufotang Formation)で発見されたリャオニンゴプテルス属の新種の翼竜で、 Linlongopterus jennyae と命名されています。 論文の復元図を見ると、頭部の長さは、45センチほどありそうです。

 リャオニンゴプテルス(Linlongopterus)といえば、中国でも最大級の翼竜で、歯があるプテラノドントイデア(Pteranodontoidea、上科)の系統であり、全体的な形態は、他の歯のあるプテラノドントイデアと一致しています。

 一方、眼窩が、このクレードの他の種より腹側に位置するといった、いくつかの興味深い特徴も示しています。また、同じリャオニンゴプテルス属のL. gui についても詳細に記述しています。


 今回の新種と、L. guiGuidraco venator そして Ikrandraco avatar は、ともに非常に異なった歯を持つ大型翼竜で、このことから、異なったエサの採り方をしていたと考えられています。

 このように、九仏堂累層には、翼竜種の多様性は高かったとされています。 



  1. References:
  2.  
  3. Taissa Rodrigues, Shunxing Jiang, Xin Cheng, Xiaolin Wang & Alexander W.A. Kellner (2015) 
  4. A new toothed pteranodontoid (Pterosauria, Pterodactyloidea) from the Jiufotang Formation (Lower Cretaceous, Aptian) of China and comments on Liaoningopterus gui Wang and Zhou, 2003. 
  5. Historical Biology 27(6): 782-795  全文(Academia.edu)
  6. DOI:10.1080/08912963.2015.1033417

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 ジュラシック・ワールドでは、ほんの一瞬ですが、歯をむきだしにした翼竜が登場しますね。

 ディモルフォドンだそうで、魚食性とされる翼竜が、あんなに凶暴だったのかと不思議ですが、まあ、娯楽映画ですから、そのほうが迫力があるのでしょう。

 今回、ディモルフォドンに近い、保存状態が良いランフォリンクス・ムエンステリ(Rhamphorhynchus muensteri)の標本(TMP 2008.41.001)について報告されています。

 3次元的に保存され、軟組織化石又はその印象化石、胃の内容物である脊椎動物化石、翼竜としては初めてのコプロライト(糞石)と思われる化石が残っています。

 論文のタイトルは、軟組織ですが、軟組織そのもの(タンパク質等)ではなくて、化石化した軟組織です。

 翼竜の軟組織化石が残るのは珍しく、飛膜や食事内容など、いくつかの翼竜に関する仮説を裏付ける情報を提供しています。

 下図は、その頭部(David Hone et al., 2015)。上顎には12本、下顎には、10本の歯があり、これは通常より多いそうです。口を閉じると、歯が口からはみ出すタイプですね。スケールバーは50mmです。
 




Rhamphorhynchus muensteri.jpg


 そもそも、ランフォリンクス・ムエンステリといえば、1831年に記載された比較的小型の翼竜で、古くから知られ、100以上もの標本が知られています。  

 Rhamphorhynchus(Wikipedia)で、その生態などについても、いろいろと報告されています。Wikipediaでも、日本語のランフォリンクスは貧弱ですね。

 
 今回の標本が発見されたのは、ドイツ、ゾルンフォーフェン。ここは、始祖鳥化石で知られているように、保存状態のいい化石を産出することで有名です。

 ゾルンホーフェン化石図譜 (2)(2007年7月)で紹介していますが、美しい翼竜化石も多数見つかっており、その一部は、pterosaurier で見られます。

 標本は、1965年に、シェルンフェルド(Schernfeld)砕石場で発見され、2008年にカナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館が購入したもの。 骨の状態などから、成体に近いとされています。



Rhamph_DB.jpg


 上は、ランフォリンクスの復元イラスト、Rhamphorhynchus(Wikipedia)から。この系統は、グライダーのように、アスペクト比(縦横比)の大きい細長い皮膜と尾膜(tail vane)が特徴です。

 今回の標本からは、飛膜は、主膜である側膜(brachiopatagium)や尾膜など、大部分が保存されています。膜そのものというより、繊維の印象が残され、実際よりは縮んでいるようです。  

 腿間膜(uropatagium)で繊維の痕跡も確認されています。腿間膜は後ろ足の間にある膜で、翼竜の皮膜パターン(2011年3月)を参考に。  

 胃の内容物から、魚を食べていたことははっきりとしていますが、他の水生動物の化石も見つかっていることから、単に魚だけを食べていたというわけではないようです。   

 



  1. References:
  2.  
  3. David Hone, Donald M. Henderson, François Therrien & Michael B. Habib (2015) 
  4. A specimen of Rhamphorhynchus with soft tissue preservation, stomach contents and a putative coprolite. 
  5. PeerJ 3:e1191 
  6. doi: https://dx.doi.org/10.7717/peerj.1191

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ワイト島の翼竜化石

 英国ワイト島にある白亜紀前期の地層(Wessex Formation)で発見された翼竜化石が報告されています。

 最も前方の歯が上向きであり、オルニトケイルス類のColoborhynchus属の一種ではないかとされています。

 この属が見つかるのは、バレミアンのワイト島からは初めてとされています。
 


  1. References:
  2.  
  3. David M. Martill (2015) 
  4. First occurrence of the pterosaur Coloborhynchus (Pterosauria, Ornithocheiridae) from the Wessex Formation (Lower Cretaceous) of the Isle of Wight, England.
  5. Proceedings of the Geologists' Association (advance online publication)
  6. doi:10.1016/j.pgeola.2015.03.004
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翼竜の機能卵巣は2つ

 体を軽くするためか、ほとんどの鳥類では機能している卵巣は1つです。機能卵巣は1つ/基盤的鳥類(2013年3月)で紹介していますが、基盤的な鳥類でも同様だったようです。

 一方、同じように空を飛んだ翼竜はどうだったのでしょうか。

 しかし、翼竜の卵化石自体、非常に稀で、新種の翼竜コロニー/新疆ウイグル自治区(2014年6月)で紹介している例を合わせると、今まで、5例の報告しかありません。

 今回、翼竜には2つの機能卵巣があったとする報告があります。

 中国にあるジュラ紀後期の地層( Tiaojishan Formation )で発見された非プテロダクチロイドデアとされる標本から、2つめの卵化石が見つかったもの。

 以前、報告なしに、ダーウィノプテルス(Darwinopterus)ではないかとされていた標本ですが、今回の再分析からは、仮ですが、クンペンゴプテルス(Kunpengopterus)属とされています。

 組成分析から、炭酸カルシウムからなる固い外層がないことがわかっています。  また、組織切片解析から、大腿骨は骨髄骨を欠き、骨が成熟する前に生殖機能が成熟に達したようです。  

 今回のことから、翼竜は以前考えられていたよりも小さな卵を産み、鳥類よりは、基盤的な爬虫類に似た繁殖戦略を持っていたと考えられています。  

 なお、翼竜が、ヒナの世話をしたのかどうかについては、議論の余地があるところとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. WANG, XIAOLIN; KELLNER, ALEXANDER W. A.; CHENG, XIN; JIANG, SHUNXING; WANG, QIANG; SAYÃO, JULIANA M.; RODRIGUES, TAISSA; COSTA, FABIANA R.; LI, NING; MENG, XI; ZHOU, ZHONGHE (2015) 
  4. Eggshell and Histology Provide Insight on the Life History of a Pterosaur with Two Functional Ovaries. 
  5. Anais da Academia Brasileira de Ciências (advance online publication) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.1590/0001-3765201520150364
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 生きたエサしか食べないカメレオンは、長い舌をのばしたり、目にもとまらぬ速さで動かして、虫を捕まえます。

 舌を素早く動かすメカニズムですが、長い舌をまきつけた舌骨を、筋肉で奥に引っ張っておき、獲物を見つけると、弓を射るように舌骨を放つのだそうです。

 今回、翼竜で見つかった舌骨器官(hyoid apparatus)が、カメレオンの舌骨器官に似ていることから、同じように長い舌を使って獲物を捕まえたのではないかとする論文が報告されています。

 翼竜の舌骨器官は、少数ですが、ダーウィノプテルス(Darwinopterus) やルドダクチルス(Ludodactylus) などで、今までも報告されています。

 今回は、遼寧省にある白亜紀前期の地層で発見されたプテロダクチロイデア、リャオキシプテルス(Liaoxipterus brachycephalus)の下アゴから、保存状態が良く、ほぼ完全な状態で見つかったもの。

 舌骨器官は、舌を支持し動かす器官で、その長い舌突起(processus lingualis)は、長い舌で獲物をとらえるカメレオンに似ており、リャオキシプテルスが似たような摂食行動をとったのではないかと考えられています。

 また、特殊な形態の歯から、魚食性というより昆虫食だったとされています。  


  翼竜の摂食行動は、さまざまなグループで異なっています。  

 歯の形態や化石として残された胃の内容物から、摂食習慣は、魚や昆虫、小さな水生生物をフィルタリングしたり、殻のあるカニやカタツムリ、果物を食べていたようです。  

 カメレオンのように、長い舌を使っていた翼竜がいたとしても不思議ではありませんね。ただし、舌そのものや筋肉などが見つかっていないので、カメレオンのように、素早く飛ばしたかどうかは不明です。

 


  1. References:
  2.  
  3. Lü Jun-chang (2015) The Hyoid Apparatus of Liaoxipterus Brachycephalus (Pterosauria) and Its Implications for Food-catching Behavior.
  4. Acta Geoscientica Sinica 36(3):362-366 全文(pdf)
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 Historical Biology, 27(6)は、RIO PTEROSAUR と題して、翼竜の特集号です。2013年に、ブラジルのリオデシャネイロで開催された、第6回翼竜シンポジウムの講演内容を論文にしたものです。

 2014年に発行された論文やアクセスフリーの論文もあります。なお、当時の様子は、Scientificamerican で結構詳しく紹介されています。
 

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初期の翼竜も"直立"4足歩行

 翼竜は空を飛ぶだけの動物と思われがちですが、後期の大型化したプテロダクチロイデア(Pterodactyloidea)になると、異なってきます。
 
 ペリカン型か陸上歩行型か/アズダルコ類翼竜(2013年11月)で紹介しているように、四足歩行で、地上を歩きまわるライフスタイルだったのです。

 しかし、プテロダクチロイデア以外の翼竜が、地上を歩けたかどうかについては、いろいろと議論されています。

 1980年代は2足歩行で、最近では、4足歩行で復元されていますが、ヒジやヒザを曲げて前肢を前方に伸ばした、地面をはうような姿です。

 これは、足跡化石がないことや、初期の翼竜に共通している拡張した腿間膜(uropatagium、翼竜の皮膜パターン(2011年3月)参照)が、歩行や走行時の後ろ足の動きを制限していたのではないか、また、ある種では、大きな後ろ足があったのではないかと考えられてきたためです。

 今回、骨格や姿勢などを新規に評価した論文が報告されています。著者がブログで紹介しています。
 
 その結果、地上を歩くという特徴は、以前考えられていたように、プテロダクチロイデアに限られたものではなく、おそらく翼竜内で深く根付いていたとされています。

 図は、ディモルフォドン(Dimorphodon macronyx)の復元イメージ(Mark P. Witton, 2015)。スケールは100ミリです。比較的長くて、しっかりした四肢を持っています。

 従来と同じ4足歩行スタイルでも、ヒジやヒザをほとんど曲げていないことに注目ですね。

 このように、少なくともいくつかの初期の翼竜では、プテロダクチロイデアのように、四肢で直立に立ち、地上を歩けたと考えられています。

 ヒジやヒザを曲げた姿勢より効率的で、小型翼竜がこういう姿で歩いたり走り回ったりしていると、別の動物のようですね。



 
Dimorphodon macronyx.jpg


 従来の考えには問題が多いとされています。  

 現生の飛行膜を持つ動物でも足の動きの制限には問題ではなく、また、足跡化石が無いからといって、必ずしも機能か生体力学的に制約があったことには結びつかないとしています。  

 翼竜の新規評価で、全てのプテロダクチロイデア以外の翼竜が、前肢を前方に伸ばした姿勢だったわけではなく、その姿勢は、肩周囲の関節の腹側での動きが制限されていた場合に限られていたようです。  

 ディモルフォドンやウコンゴプテリダエ(wukongopteridae)のようないくつかの初期の翼竜は、動きが制限されていない肩関節を持ち、上腕骨の遠位はプテロダクチロイデアのそれに似ています。    

 それらの場合、完全に前肢で直立に立つことができたとされています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Mark P. Witton (2015) Were early pterosaurs inept terrestrial locomotors? 
  4. PeerJ 3:e1018
  5. doi: https://dx.doi.org/10.7717/peerj.1018
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 獣脚類といえば、なんでもかんでも「ティラノサウルスの親類」とするマスコミも困ったものですが、古生物の世界でも、古くに報告された種名は、安易に多用されてきました。

 例えば、鳥脚類といえばイグアノドン・・・などもそうですね。翼竜では、ジュラ紀の小型種、Rhamphorhynchus(ランフォリンクス)です。

 1847年に報告された翼竜としては史上2番めに古い属なこともあり、いくつかの断片的な化石がこの属とされ、ゴミ箱とされてきた歴史があります。

 その後のレビューにより、ランフォリンクスは、ドイツ南部にあるジュラ紀後期(キンメリッジアンからテイトニアン)の翼竜に限定される単系統とされています。

 今回、英国にあるジュラ紀の地層(Kimmeridge Clay Formation)で発見された完全な右翼化石について報告されています。

 ドイツ以外では初めてのランフォリンクス属の標本で、指骨1と2の比に特徴があることから、ランフォリンクス属の新種ではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Michael O'Sullivan & David M. Martill (2015) 
  4. Evidence for the presence of Rhamphorhynchus (Pterosauria: Rhamphorhynchinae) in the Kimmeridge Clay of the UK. 
  5. Proceedings of the Geologists' Association (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.pgeola.2015.03.003
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 白亜紀後期の地層で、小型から中型の翼竜が少ないのは、進化のトレンドを示すとされてきました。

 今回、ルーマニアのハテグ島にある白亜紀後期(マーストリヒチアン)の地層で発見された、中型の翼竜の頚椎について報告されています。

 がっしりとした第四頚椎で、アズダルキダエ(Azhdarchidae)の系統の新種のようですが、命名されていません。

 ヨーロッパ初のタラソドロミナエ新種翼竜(2014年7月)で紹介しているように、ハテグ島動物相には、より小型の翼竜は実際に存在しており、小型種は化石として保存されにくく標本が少ないため、過小評価されているのだとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Mátyás Vremir, Mark Witton, Darren Naish, Gareth Dyke, Stephen L. Brusatte, Mark Norell, and Radu Totoianu (2015) 
  4. A Medium-Sized Robust-Necked Azhdarchid Pterosaur (Pterodactyloidea: Azhdarchidae) from the Maastrichtian of Pui (Hateg Basin, Transylvania, Romania). 
  5. American Museum Novitates 3827: 1-16 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.1206/3827.1
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カザフスタンの翼竜産地

 カザフスタンにあるアラル海地域の北東部からは、白亜紀後期の5つの翼竜産地が知られています。そのあたり、当時の古環境などを含め、報告されています。

 全てが、最も派生的で大型種が含まれるアズダルキダエ(Azhdarchidae、アズダルコ科)で、Aralazhdarcho bostobensis Samrukia nessovi が見つかっています。Samrukia については、鳥ではなく大型翼竜、Samrukia(2011年11月)で紹介しています。

 サントニアンからカンパニアン初期にかけて、この海岸平野に近い浅瀬は、古代アジア大陸からの強風による上昇気流があり、特に大型だったアズダルキダエには好まれたようです。

 もっともその風のため、リン酸塩が集中的に蓄積したり、乾燥化の原因になったとされています。





  1. References:
  2.  
  3. Alexander Averianov, Gareth Dyke, Igor Danilov & Pavel Skutschas (2015) 
  4. The paleoenvironments of azhdarchid pterosaurs localities in the Late Cretaceous of Kazakhstan. 
  5. Zookeys 483: 59-80 
  6. doi: 10.3897/zookeys.483.9058
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ジュラ紀の新種翼竜/遼寧省

 中国で見つかる翼竜化石としては、遼寧省などの白亜紀前期に比較して、ジュラ紀の化石は比較的まれです。

 今回、遼寧省にあるジュラ紀の地層(Tuchengzi Formation)で発見された新種の翼竜が記載されれ、Orientognathus chaoyngensis と命名されています。

 系統解析から、ランフォリンキダエ(rhamphorhynchidae、ランフォリンクス科)で、西部遼寧省からの、ジュラ紀としては最も新しい時代の翼竜とされています。
 



  1. References:
  2.  
  3. Junchang Lü, Hanyong Pu, Li Xu, Xuefang Wei, Huali Chang & Martin Kundrát (2015) 
  4. A new rhamphorhynchid pterosaur (Pterosauria) from Jurassic deposits. . 
  5. Zootaxa 3911(1): 119-129 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.11646/zootaxa.3911.1.7
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 甘粛省で前足だけからなる翼竜の足跡化石が見つかり、報告されています。Pteraichnus 属とされる少なくとも20の足跡が残され、後ろ足の跡はないそうです。

 珍しいのかと思えば、前足だけの翼竜の足跡化石は一般的とあります。 

 これらは、翼竜が特異な姿勢をとっていたわけではなく、足跡がつけられた時に、前後の足で異なる深さだったのか、かつ/又は、足跡の保存条件が関与しているとされています。

 ほとんどがランダムな方向を向いていますが、ひとつだけ、歩いたような連続歩行が見つかっています。 また、無脊椎動物の痕跡を伴っており、翼竜はこれらを食べていたと考えられています。




  1. References:
  2.  
  3. Daqing Li, Lida Xing, Martin G. Lockley, Laura Piñuela, Jianping Zhang, Hui Dai, Jeong Yul Kim, W. Scott Persons IV & Delai Kong (2015) 
  4. A manus dominated pterosaur track assemblage from Gansu, China: implications for behavior. 
  5. Science Bulletin (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s11434-014-0681-z
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 翼竜のAlanqa saharica(アランカ・サハリカ)といえば、アフリカ初のアズダルキダエ(Azhdarchidae、科)で、翼開長は6メートルほどと、大型の翼竜です。

 モロッコにある白亜紀後期の地層(Kem Kem beds)で発見され、2010年に記載されています。そのあたり、サハラの大型翼竜(2010年5月)で紹介しています。

 今回、同じ地層から、新たな標本が発見され、報告されています。 特徴的なのは、拡張した吻部の骨で、アゴの咬合表面の上に突き出しています。

 その機能は不明ですが、獲物を処理したのか、アゴを安定化させるためではないかと推定されています。


 


  1. References:
  2.  
  3. David M. Martill & Nizar Ibrahim (2015) 
  4. An unusual modification of the jaws in cf. Alanqa, a mid-Cretaceous azhdarchid pterosaur from the Kem Kem beds of Morocco. 
  5. Cretaceous Research 53: 59-67 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2014.11.001
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 ジュラ紀のラーゲルシュテッテ/道虎溝生物相(2014年3月)で紹介していますが、中国内モンゴル自治区にある道虎溝 (Daohugou)といえば、保存状態の良い化石を産出する場所として有名です。

 今回、ジュラ紀後期の地層で発見された新種の翼竜が記載されています。  この場所からは最小の翼竜とされ、発見場所の道虎溝にちなみ、Daohugoupterus delicatus という学名です。

 プテロダクチロイデア以外の系統で、頭蓋骨は横方向に圧縮され、ジェホロプテルスとは異なルなどの特徴が示されています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Xin Cheng, Xiaolin Wang, Shunxing Jiang & Alexander W.A. Kellner (2014) 
  4. Short note on a non-pterodactyloid pterosaur from Upper Jurassic deposits of Inner Mongolia, China. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2014.974038
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 先日、独立が否決されたスコットランドでですが、この地方で初めて発見された翼竜化石が報告されています。

 ジュラ紀後期 (Kimmeridgian)の地層からの発見で、大英博物館に残されたラベルによると、採集されたのは、1850年とのことです。

 メアリーアニングが、英国で最初の翼竜化石・ディモルフオドンを発見したのは、1928年であり、今回の発見は、英国でも初期の翼竜化石とされています。



  1. References:
  2.  
  3. Lorna Steel & Michael O'Sullivan (2014) 
  4. A Scottish pterosaur in London: the first record of Pterosauria from the Upper Jurassic (Kimmeridgian) of Eathie (Ross and Cromarty), Scotland. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2014.961063
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翼竜の足跡化石/アラスカ

 アラスカで発見された翼竜の足跡化石が報告されています。デナリ国立公園にある白亜紀後期の地層(Cantwell Formation)から、大小2つの足跡が見つかったもの。

 大きい足跡は長さ約18センチで幅は6センチ、小さい方は、約6センチと4センチ幅です。Pteraichnus の形態に似ているようです。

 他にも鳥類の足跡化石も見つかっており、多様で複雑な生態系があったと考えられています。

 
 


  1. References:
  2.  
  3. A.R. Fiorillo, Y. Kobayashi, P.J. McCarthy, T.C. Wright & C.S. Tomsich (2014) 
  4. Pterosaur tracks from the Lower Cantwell Formation (Campanian-Maastrichtian) of Denali National Park, Alaska, USA, with comments about landscape heterogeneity and habit preferences. 
  5. Historical Biology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/08912963.2014.933213
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 ブラジル北東部で発見された新種のアンハングエリダエ(Anhangueridae、アンハングエラ科)翼竜が記載されています。

 白亜紀前期(Aptian/Albian)の地層( Romualdo Formation)からで、Maaradactylus kellneri と命名されています。

 アラリペ盆地(Araripe Basin)で見つかっているアンハングエリダエとしては、最大級の頭蓋骨を持つ翼竜の1つとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Renan A. M. Bantim, Antônio A. F. Saraiva, Gustavo R. Oliveira & Juliana M. Sayão (2014) 
  4. A new toothed pterosaur (Pterodactyloidea: Anhangueridae) from the Early Cretaceous Romualdo Formation, NE Brazil. 
  5. Zootaxa 3869 (3): 201-223 (1 Oct. 2014) 
  6. doi: http://dx.doi.org/10.11646/zootaxa.3869.3.1
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