翼竜の最新ニュース

 長崎県の野母崎地区にある白亜紀後期(約8400万年前)の地層(三ツ瀬層)から、翼竜化石が発見されたそうです。毎日読売などが伝えています。

 最初の化石は2009年に見つかったもの。翼竜の同一個体の化石がまとまって見つかったのは国内で初めてとされています。

 翼開長は3-4メートル。アズダルコ類ではないかとされています。 化石は、長崎市内や福井県立恐竜博物館で展示される予定です。

 3月にも、同じ野母崎地区にある三ツ瀬層から発見されたハドロサウルス類の化石が報告されています。



 遼寧省にある白亜紀前期(約1億2000万年前)の地層(Jiufotang Formation)で発見された翼竜化石について報告されています。

 タペジャラ類などはアジア起源ではないかとされています。WIRED NEWS が紹介しています

 細くて長い歯が口から飛び出し、コプロライトや頭部の形状から、魚を食べていたとされています。学名はGuidraco venator で、"ghost dragon hunter"の意味です。

  ブラジル産のLudodactylus sibbicki に似ており、タペジャラ類(Tapejaridae)やアンハングエラ類(Anhangueridae)の白亜紀初期の翼竜はアジア起源ではないかとされています。



  1. References:

  2. Xiaolin Wang, Alexander W. A. Kellner, Shunxing Jiang and Xin Cheng, 2012
  3. New toothed flying reptile from Asia: close similarities between early Cretaceous pterosaur faunas from China and Brazil 
  4. NATURWISSENSCHAFTEN, 99(4), 249-257
  5. DOI: 10.1007/s00114-012-0889-1



 白亜紀の翼竜、Istiodactylus latidens の頭部に関する論文が報告されています。 

 今回、アゴの化石を再記載し、頭部を再構築したもの。その結果、頭部はより短く、また、眼窩領域が高いなど、20世紀に描かれた特徴とされています。 系統関係にも言及しています。 
 
 また、その頭部構造から、スカベンジャー説を支持するとしています。


 プテロダクティルス類のIstiodactylus latidens については、断片的な複数の個体の化石から、ほぼ全体像が知られていますが、あごの長さは不明だったそうです。 

 今回、アゴの化石を再記載し、頭部を再構築しています。 その結果、頭部は以前推定されていたより短く、また、眼窩領域が高く、比較的上顎骨が細いという特徴があるとされています。 
 この特徴は、20世紀に描かれた特徴ですが、最近では無視されているそうです。

 また、その頭部構造から、スカベンジャー説を支持するとしています。下は、ステゴサウルスの死骸をむさぼるIstiodactylus latidensです。


journal.pone.0033170.g007.png 


  1. References:
  2.   
  3. Witton MP (2012)  
  4. New Insights into the Skull of Istiodactylus latidens (Ornithocheiroidea, Pterodactyloidea).  
  5. PLoS ONE 7(3): e33170  
  6. doi:10.1371/journal.pone.0033170




レバノンの新種翼竜

 レバノン北部にある白亜紀後期(9960-9600万年前)の地層で発見された新種の翼竜が記載されています。

 イスラエルの北部の中東にある国ですが、アフリカで発見された最も完全な翼竜化石とされています。

 アズダルコイデア(Azhdarchoidea)で、Microtuban altivolans と命名されています。属名の意味は、"little dragon"です。

 

 なお、レバノンといえば、1996年に初めての恐竜化石が報告されています。

 わすが2本の竜脚類の歯で、ブラキオサウルス類のものとされています。 レバノンで初の恐竜化石で紹介しています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Ross A. Elgin and Eberhard Frey (2011)
  4. A new azhdarchoid pterosaur from the Cenomanian (Late Cretaceous) of Lebanon. Swiss Journal of Geosciences (advance online publication)
  5. DOI: 10.1007/s00015-011-0081-1



鳥ではなく大型翼竜、Samrukia

 8月に、恐竜と共存した巨大鳥類、Samrukia nessovi で紹介したSamrukia nessovi は、大型翼竜とする論文が報告されています。eurasianet が紹介しています。

 カザフスタンにある白亜紀後期(約8000万年前)の地層で発見された27.5センチを超えるという歯がない下顎枝(mandibular rami)化石から、ダレン・ナイシュらが報告しました。

 走鳥型と飛行型の復元イラストが発表されましたが、今回の報告では鳥類の特徴は無く、翼竜としています。

 

 ただ、鳥類とする記載論文はまだ印刷中で、翼竜とする論文が早く印刷されると、それが最初となりそうです。

 しかし、翼竜とする論文は新種としての記載要件を満たしていないようで、混乱が生じています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Eric Buffetaut, 2011
  4. Samrukia nessovi, from the Late Cretaceous of Kazakhstan: A large pterosaur, not a giant bird
  5. Annales de Paléontologie In Press
  6. doi:10.1016/j.annpal.2011.10.001
  7.  
  8. Darren Naish et al. 2011
  9. A gigantic bird from the Upper Cretaceous of Central Asia
  10. Biol. Lett. Published online before print August 11, 2011,
  11. doi: 10.1098/rsbl.2011.0683



 ドイツ南部、ゾルンフォーフェンで発見された新種の翼竜化石が記載され、Aurorazhdarcho primordius と命名されています。

 始祖鳥化石で有名なババリア地方にあるジュラ紀後期((Early Tithonian)の石灰岩からの発見で、ほとんど完全で3次元的に保存されているそうです。 

 紫外線を照射すると頭部外側に軟組織の痕が見られ、トサカではないかとされています。

 最古のアズダルコ類(Azhdarchoidea)とされ、最大級の飛行動物であるこのグループの起源はユーラシアとしています。

 

 最古のプテラノドンとその系統的位置で、翼竜の系統の一部を示していますが、白亜紀前期となっていたアズダルコ類の分岐が早まりそうです。

 

  1. References:
  2.  
  3. Eberhard Frey, Christian A. Meyer and Helmut Tischlinger (2011)
  4. The oldest azhdarchoid pterosaur from the Late Jurassic Solnhofen Limestone (Early Tithonian) of Southern Germany
  5. Swiss Journal of Geosciences (advance online publication)
  6. DOI: 10.1007/s00015-011-0073-1



歯を持つ翼竜では最大級

 翼竜としては最大級の歯を持ち、また歯を持つ翼竜では最大級の翼竜について報告されています。

 一般的に、歯のある翼竜は大型化しなかったのですが、翼開長は7メートルに達したとされています。 

  1874年にオーウェンが記載した翼竜で、新種ではありません。レスター大(University of Leicester )が伝えています。

 

 19世紀に英国にある白亜紀前期の地層で発見され、ロンドン自然史博物館に保管されていたオルニトケイルス類、Coloborhynchus capito の上あごの先のほうの化石です。

 歯冠が欠けていますが、歯冠の直径は13ミリもあるそうです。

 この翼竜化石は断片的なものしか見つかっていませんでしたが、最近ブラジルで発見された同属種から推定され、頭部は75センチ、翼開長は7メートルに達したとされています。

 

 歯のある翼竜は6-7グループに大別され、オルニトケイルス類を除いて、せいぜい2-3メートルです。 

 アズダルコ類では翼開長が10メートルにもなる種がいたのですが、歯のある翼竜はそれほど大きくならなかったようです。

 歯は重く、大きくなるために歯を減らしていったのではないかとされています。

  

  1. References:
  2.  
  3. David M. Martill, David M. Unwin, 2011
  4. The world's largest toothed pterosaur, NHMUK R481, an incomplete rostrum of Coloborhynchus capito (Seeley 1870) from the Cambridge Greensand of England
  5. Cretaceous Research In Press, Accepted Manuscript
  6. doi:10.1016/j.cretres.2011.09.003



 遼寧省にあるジュラ紀中期の地層で発見された新種の翼竜が記載されています。

 ランフォリンクス類で、ソルデスに似ており、Jianchangopterus zhaoianus と命名されています。

 頭部を含むほとんど完全な骨格が発見されています。上と下のアゴには、それぞれ7対、6対の歯があるそうです。

 通常、翼を形成している第4指の指骨は、先になるほど短くなるのですが、先端の第4指骨(wing phalanx 4)は、第1指骨の96%ほどの長さで、強くカーブしているそうです。

 

 図は、そのソルデス(Sordes pilosus)。Wikipedia から。小型で基盤的な翼竜です。

 種小名の意味は、種小名 pilosus はラテン語で「毛深い」という意味で、毛の痕が発見された最初の翼竜です。

 

  1. Sordes.jpgReferences:
  2.  
  3. Junchang LÜ & Xue BO (2011)
  4. A New Rhamphorhynchid Pterosaur (Pterosauria) from the Middle Jurassic Tiaojishan Formation of Western Liaoning, China.
  5. Acta Geologica Sinica - English Edition 85(5): 977-983
  6. DOI: 10.1111/j.1755-6724.2011.00231.x



遼寧省から新種翼竜

 遼寧省にある白亜紀前期(Barremian 、約1億2100万年前)の義縣累層で発見された新種の翼竜が記載されています。

 ほぼ完全な頭部などが見つかり、先の鋭い歯は50本ほどあるそうです。

 アジアで初めてのガロダクチルス類(gallodactylidae)とされ、Gladocephaloideus jingangshanensis と命名されています。ガロダクチルス類は、Ctenochasmatoidea の系統です。

 頭部後部や首まわり、背中に単繊維構造があり、表皮カバーではないかとし、温血だった可能性を示唆しています。

 

  1. References:
  2.  
  3. Lü Junchang Ji Qiang, Wei Xuefang, & Liu Yongqing (2011)
  4. A new ctenochasmatoid pterosaur from the Early Cretaceous Yixian Formation of western Liaoning, China.
  5. Cretaceous Research (advance online publication)
  6. doi:10.1016/j.cretres.2011.09.010



翼竜の翼は三日月型 

 飛行中の翼竜の翼は三日月型だった・・・。翼竜の翼の形状に関する論文が報告されています。 

 Live Science は、教科書のイメージは間違っていると紹介しています。イラストは、Darwinopterus modularisですが、こういう翼では、キリンサイズの大型翼竜は飛び立てないとしています。 

 翼竜の翼自体は軟組織で化石として残らないため、模型を作成し、その形状などを力学的、空気力学的に考察したもの。

 こういう研究はよくありますが、研究者によって結果が異なるものなんですね。

 今回は、飛行中の翼は三日月型(crescent-shaped)で、前肢は体に近く曲がっていたとしています。

 飛行の安定性、つまり膜がピンと張り、飛行中パタパタしないためには、最も適した形状なんだそうです。

 

  1. References:
  2.  
  3. Colin Palmer and Gareth Dyke (2011)
  4. Constraints on the wing morphology of pterosaurs.
  5. Proceedings of the Royal Society B (advance online publication)
  6. doi: 10.1098/rspb.2011.1529



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