モササウルス類の最新ニュース

ティロサウルスの再評価

 魚竜が絶滅した約9300万年前の白亜紀後期、代わって勢力を拡大していったのが、モササウルスです。

 その中でも、より派生し大型化したタイプが、ティロサウリナエ(tylosaurinae、亜科)で、このあたり、ドイツ初のティロサウリナエ(2015年1月)で紹介しています。

 今回、カンザスで発見され、1874年に記載されたた Tylosaurus nepaeolicus と、2005年に記載された T. kansasensis について再評価され、タイプ標本、T. prorigerと比較した論文が報告されています。

 T. nepaeolicus T. kansasensis の違いは、成長段階の違いとされ、おそらく後胚発生の間の相対成長の変化ではないかとされています。

 後に記載された T. kansasensis は、 T. nepaeolicus の幼体で、つまり、ジュニアシノニムとされています。  

 そして、個体発生の証拠から、タイプ種のT. proriger は、大きめですが、 T. nepaeolicus の幼形進化(paedomorph)ではないかとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Paulina Jiménez-Huidobro, Tiago R. Simões & Michael W. Caldwell (2016) 
  4. Re-characterization of Tylosaurus nepaeolicus (Cope, 1874) and Tylosaurus kansasensis Everhart, 2005: Ontogeny or sympatry? 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.04.008
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 アフリカにある白亜紀後期の地層からは、多様なモササウルス化石が産出します。

 ニジェールにあるマーストリヒチアンの地層(Farin-Doutchi Formation )からは、Pluridens walkeri(プルリデンス・ワルケリ)が記載されています。

 一方、この参照標本が、カンパニアンの地層から発見されていました。

 しかし、この標本は、極端に長くて真っ直ぐなアゴなど、プルリデンス・ワルケリに見られる多くの派生的な特徴がありません。

 このことから、プルリデンス属の新種とされ、P. calabaria と命名されています。

 今回の結果から、プルリデンス属は、ハリサウリナエ(Halisaurinae、ハリサウルス亜科)の中でもかなり多様性のある仲間だったとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Nicholas R. Longrich (2016) 
  4. A new species of Pluridens (Mosasauridae: Halisaurinae) from the upper Campanian of Southern Nigeria. 
  5. Cretaceous Research (advance online publication) 
  6. doi:10.1016/j.cretres.2016.03.013
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 再評価により、1885年に記載された、Hainosaurus bernardi は、Dollo, 1885, to Tylosaurus Marshとする論文が報告されています。

 ベルギーにある白亜紀後期(マーストリヒチアン)の地層で発見されたモササウルスです。

 ハイノサウルスは、ティロサウルスのジュニアシノニムになります。

 つまり、ティロサウルス属は、北大西洋環状盆地(North Atlantic Circle Basin)で、マーストリヒチアンからチューロニアンと、以前考えられていたよりも、地理的時間的に広く分布していたことになるとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Paulina Jimenez-Huidobro & Michael W. Caldwell (2016) 
  4. Reassessment and reassignment of the early Maastrichtian mosasaur Hainosaurus bernardi Dollo, 1885, to Tylosaurus Marsh, 1872. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2016.1096275
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 モンタナにある白亜紀後期(カンパニアン)の地層(Bearpaw Formation)で発見された新種のモササウリダエが報告されています。

 Plioplatecarpus(プリオプラテカルプス)属の新種で、P. peckensis と命名されています。系統的には、P. marshi や P. houzeauiと姉妹群とされています。




  1. References:
  2.  
  3. Robin S. Cuthbertson & Robert B. Holmes (2015) 
  4. A new species of Plioplatecarpus (Mosasauridae, Plioplatecarpinae) from the Bearpaw Formation (Campanian, Upper Cretaceous) of Montana, U.S.A. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology (advance online publication) 
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.922980
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 米国にある白亜紀後期の地層( Niobrara Formation)で発見されたモササウリナエ(Mosasaurinae)のクリダステス(Clidastes)の一種とされる小さな頭部化石が報告されています。

 100年以上前に発見され、歯がある鳥類の化石と間違えられていただけあって、モササウルスとしては最小で、当然、クリダステスとしても最小とされています。

 かなり幼い標本が外洋堆積物で見つかったことから、モササウルスは海岸で産卵したのではなく、広い遠洋域に棲んでいて、そこで生まれたのではないかとされています。エール大が紹介しています。

 なお、海生爬虫類の胎生の起源は陸上(2014年8月)で紹介しているように、魚竜やクビナガリュウなどのサウロプテリギア(Sauropterygia、鰭竜類) が陸上の爬虫類から分岐した三畳紀初期から、陸上の爬虫類の間では、胎生は一般的であった可能性が示されています。  

 また、モササウルスの胎生については、卵胎生の新たな証拠/コロンビアのモササウルス(2014年9月)で紹介しています。いわゆる"卵胎生"と真胎生の区別は難しいとの話もあります。


  1. References:
  2.  
  3. Daniel J. Field, Aaron LeBlanc, Adrienne Gau and Adam D. Behlke (2015) 
  4. Pelagic neonatal fossils support viviparity and precocial life history of Cretaceous mosasaurs. 
  5. Palaeontology (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1111/pala.12165
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モササウルスはヘビに近縁

 爬虫類の中で、トカゲやヘビからなる有鱗類(Squamate)は、9000種以上が存在し、陸生脊椎動物では2番目に大きなグループです。

 しかし、それらの系統関係の解明は十分ではありませんでした。

 今回、形態と分子データセットを使用し、系統関係を解析した論文が報告されています。そのデータセットは、161の現生タクサと49の化石タクサからの、691の形態的特徴と46の遺伝子からなるそうです。

 白亜紀後期に現れたモササウリア(Mosasauria)については、以前の研究では、伝統的に、Anguimorpha (オオトカゲ類)の系統内に位置され、ヘビ類はモササウリアと一緒にされていました。

 一方、近年、有鱗類の基盤的位置とする報告がありました。


 今回、モササウリアは、Serpentes(ヘビ類)の姉妹群とされています。基盤的位置ではなく、Anguimorpha には含まれない外群です。

 モササウルスとヘビ類が共通の祖先を持つのですが、最も初期のヘビ系統が、穴を掘る系統の scolecophidian であることを示しているので、今回の結果が、ヘビ類の海洋起源説を支持するものではないとされています。




  1. References:
  2.  
  3. Tod W. Reeder, Ted M. Townsend, Daniel G. Mulcahy, Brice P. Noonan, Perry L. Wood Jr., Jack W. Sites Jr. & John J. Wiens (2015) 
  4. Integrated Analyses Resolve Conflicts over Squamate Reptile Phylogeny and Reveal Unexpected Placements for Fossil Taxa. 
  5. PLoS ONE 10(3): e0118199 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0118199
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 モササウルスは、白亜紀後期(9800万年前から66万年前)に栄えた、高度に水中生活に適応したグループです>

 現在までに豊富な化石が見つかっていますが、眼の位置にある強膜輪については十分には調査されていませんでした。

 今回、初めて、4つのモササウルス属の強膜輪について記載、比較した論文が報告されています。

 東大のプレスリリースでは、「鞏膜輪」として紹介されています。  筆頭著者は、Academistで、クラウドファウンディング(資金公募)されていた山下桃さんです。

 4属とは、Tylosaurus Platecarpus Clidastes そして Mosasaurus 属です。

 一部の恐竜は夜行性(2011年4月)で紹介していますが、強膜輪は、眼球を定位置におさめるため、薄い膜状の骨(強膜骨)がリング状に重なりあった構造をしています。恐竜や翼竜、現生鳥類や魚類にあり、哺乳類やワニ類にはありません。


 その結果、属によって、強膜骨の数や配置が異なり、モザイク状態で分布していることから、モササウルスの眼の水中適応においては、強膜骨の数や配置は、主な役割を果たしていないとされています。

 また、プラテカルプス(Platecarpus tympaniticus)の強膜輪の内側表面に、隆起し表面が粗くなった同心円状の部分が見つかっているそうです。  

 これは陸生のトカゲ類では見つかっておらず、焦点距離を調節する筋肉がつく部分でもあり、モササウルス類が水中でものを見るために適応した可能性もあると考えられています。


 


  1. References:
  2.  
  3. Momo Yamashita , Takuya Konishi & Tamaki Sato (2015) 
  4. Sclerotic Rings in Mosasaurs (Squamata: Mosasauridae): Structures and Taxonomic Diversity. 
  5.   PLoS ONE 10(2): e0117079 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0117079
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 魚竜が絶滅した約9300万年前の白亜紀後期、代わって勢力を拡大していったのが、モササウルスです。

 その中でも、より派生し大型化したタイプが、ティロサウリナエ(tylosaurinae、亜科)で、今回、ドイツでは初めてとなる、ティロサウリナエが、2属報告されています。

 白亜紀後期の地層で、歯の一部などが発見されたティロサウルス(Tylosaurus)属とハイノサウルス( Hainosaurus)属です。

 ティロサウルス(Tylosaurus sp.) の歯は、 T. ivoensis T. gaudryi に類似しているとされ、ハイノサウルス(Hainosaurus sp)は上顎歯と、頭部の一部が含まれています。

 歯の比較から、ティロサウルス属からハイノサウルス属へと、系統的な歯の形態変化などについて考察されています。

 ヨーロッパでは、ティロサウルスはカンパニアン初期に出現し、ハイノサウルスが現れたのは、カンパニアン後期で、白亜紀末(マーストリヒチアン末)まで生き延びたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. J.J. Hornung and M. Reich (2014) 
  4. Tylosaurine mosasaurs (Squamata) from the Late Cretaceous of northern Germany. 
  5. Netherlands Journal of Geosciences (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1017/njg.2014.31
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海洋脊椎動物のK / Pg変遷

 ニュージャージー州にある白亜紀後期の地層(Hornerstown Formation)で発見されたモササウルス化石のレビューから、K / Pg境界前後における海洋脊椎動物の変遷について考察した論文が報告されています。

 Mosasaurus hoffmanni の大型個体が見つかっている地層には、K / Pg境界が含まれ、その中や上には、クロコダイルやサメ、カメの化石が豊富に見つかるそうです。

 このことから、白亜紀末にモササウルスが絶滅したことで、海洋生態系のトップの位置に空白が生じ、そこに、より小さな捕食者からなる食物カスケードが続いたとしています。

 そして、新第三紀後期になると、バシロサウルスのような古代クジラが、モササウルスのような体に進化していくのです。



  1. References:
  2.  
  3. W.B. Gallagher (2014) 
  4. Greensand mosasaurs of New Jersey and the Cretaceous-Paleogene transition of marine vertebrates. 
  5. Netherlands Journal of Geosciences (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1017/njg.2014.30
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 モササウルス属には、多くの種が記載されていますが、今回、コープが1881年に記載したモササウルリナエ( Mosasaurinae、モササウルス亜科)、Mosasaurus conodon について報告されています。

 コロラドとモンタナでにある白亜紀後期の地層で見つかった2標本で、頭部など、ホロタイプでは失われている部分があって貴重とされています。

 M. conodon の歯の数は上顎に14-15本、歯骨に16本、翼状骨で8本と、それぞれ他の種に比べて少ないとされています。

 他の種とは、 M. lemonnieri、M. missouriensisM. hoffmanniM. maximus です。今のところ、白亜紀後期、北米大陸付近でしか見つかってはいないようです。
 

 新しい形態学的データから、次のような点が確認されています。

 
  1. M.conodon は名義種(nominal species)である 
  2. ヨーロッパの種、M. lemonnieri は、ジュニアシノニムではない 
  3. サウスダコタ州で見つかっている最も完全なモササウルスは、M. conodonではない



  1. References:
  2.  
  3. T. Ikejiria and S.G. Lucas (2014) 
  4. Osteology and taxonomy of Mosasaurus conodon Cope 1881 from the Late Cretaceous of North America. 
  5. Netherlands Journal of Geosciences (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1017/njg.2014.28
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 モササウルスといえば、白亜紀後期に繁栄した海生爬虫類で、海水準が比較的高かった当時、種によって、生息環境を棲み分けていたようです。

 しかし、従来は、炭素安定同位体に基づいて分析されており、時にはあいまいで、様々なモササウルスがどんな環境を好んだのかの解析には不十分でした。

 今回、化石に組まれる希土類元素比に焦点を当てた研究が報告されています。

 その結果、水深によって、生息環境を棲み分けていたようですが、サンプル数が少ないこともあるのか、系統的な関連性は少ないようです。


 アラバマ州西部にある白亜紀後期の地層で発見されたモササウルス化石について、分析したもの。  

 その結果、モササウルス、プラテカルプス(Platecarpus)とプリオプラテカルプス(Plioplatecarpus)は、水深によって、より制限された生息地を好んだとされています。  

 一方、ティロサウルス(Tylosaurus)とクリダステス(Clidastes)は、より広い範囲を好んだようです。  また、プリオプラテカルプスは、プラテカルプスよりも浅い環境に棲んでいたとされています。



  1. References:
  2.  
  3. T.L. Harrell and A. Pérez-Huerta (2014) 
  4. Habitat preference of mosasaurs indicated by rare earth element (REE) content of fossils from the Upper Cretaceous marine deposits of Alabama, New Jersey, and South Dakota (USA). 
  5. Netherlands Journal of Geosciences (advance online publication) 
  6. DOI: http://dx.doi.org/10.1017/njg.2014.29
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 コロンビアにある白亜紀後期の地層で発見された新種のモササウルス(Mosasauridae)の化石が記載されています。

 Eonatator 属の新種とされ、 E. coellensis と命名されています。ほとんど完全な関節した骨格で、軟組織も残されているそうです。今までで最も完全な、ハリサウリネ(halisaurine )の系統の化石とされています。

 "卵胎生"の新たな証拠を示すとされています。オープンアクセスなんですが、スペイン語で、詳細は不明です。

 胎児を持つクビナガリュウ(2011年8月)で紹介していますが、いわゆる"卵胎生"と真胎生の区別は難しいとの話もあります。




  1. References:
  2.  
  3. María E. Páramo-Fonseca (2013) 
  4. Eonatator coellensis nov. sp. (Squamata: Mosasauridae), a new species from the Upper Cretaceous of Colombia. 
  5. Revista de la Academia Colombiana de Ciencias Exactas, Físicas y Naturales 37(145): 499-518 (pdf)
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 1927年に、ロシアのペンザ(Penza)にある白亜紀後期(マーストリヒシアン)の地層で発見された巨大なモササウルス(Mosasaurus hoffmanni )について報告されています。オープンアクセスです。 
 
 ロシアからは初めての、モササウリダエ(Mosasauridae)で、体長は17メートルと推定され、最大級のモササウルスの一つとされています。



  1. References:
  2.  
  3. D.V. Grigoriev (2014) 
  4. Giant Mosasaurus hoffmanni (Squamata, Mosasauridae) from the Late Cretaceous (Maastrichtian) of Penza, Russia. 
  5. Proceedings of the Zoological Institute RAS 318 (2): 148-167
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小型のモササウルス/カナダ

 カナダにある白亜紀後期(カンパニアン、約7500万年前)の地層(Bearpaw Formation)で発見された小型のモササウルスについて、ロイヤルティレル博物館の小西卓也さんらが報告しています。

 Mosasaurus missouriensis とされ、1000万年のギャップがありなががら、M.missouriensisM. hoffmannii は最も近縁とされています。

 魚の頭部化石も見つかっており、歯がないのですが、捕食して食べたようです。

 当時の海(Bearpaw Sea)には、モササウルス類のPrognathodon overtoni も生息し、複数のプレデターが共存できたのは、ニッチの棲み分けと考えられています。




  1. References:
  2.  
  3. Takuya Konishi, Michael G. Newbrey & Michael W. Caldwell (2014) 
  4. A small, exquisitely preserved specimen of Mosasaurus missouriensis (Squamata, Mosasauridae) from the upper Campanian of the Bearpaw Formation, western Canada, and the first stomach contents for the genus. 
  5. Journal of Vertebrate Paleontology 34(4): 802-819
  6. DOI:10.1080/02724634.2014.838573
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 イタリア北部にある白亜紀後期(カンパニアン後期)の地層で発見された、巨大なモササウルス類が報告されています。

 巨大な Mosasaurus hoffmanni と、頭部を比較したところ、頭部の大きさはモササウルスで最大級と推定されています。 よって、最大級のモササウルス類で、イタリアで最大の爬虫類化石とされています。

 壊れた前上顎骨の前方部など、吻部の一部が見つかったもの。他と違う特徴があるとのことですが、新種かどうかは不明です。


  1. References:
  2.  
  3. Federico Fanti, Andrea Cau & Alessandra Negri (2014) 
  4. A giant mosasaur (Reptilia, Squamata) with an unusually twisted dentition from the Argille Scagliose Complex (late Campanian) of Northern Italy. 
  5. Cretaceous Research 49: 91-104. 
  6. doi: 10.1016/j.cretres.2014.01.003.
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 モササウルスや魚竜などの海棲爬虫類の皮膚は黒かったとする論文が報告されています。LiveScience が紹介しています。今までも黒っぽく描かれていたので、影響は少ないようです。

 爬虫類の皮膚の色で紹介しているように、そもそも爬虫類の皮膚には4つの色素胞があるとされ、黒は基本です。

 しかし、最近の古生物の皮膚の色の報告は、ほとんど全てが黒い色とされています。これは、黒い色素が残りやすかっただけで、他の色素がなかったという証明にはなりません。

 ですから、黒色系の色素が見つかったからといって、ほんとに黒い皮膚の色だったのかは疑問が残るところです。


 今回の研究は、メラニン色素の一種で、黒褐色のユーメラニンを検出したもの。  二次的に海に適応した、かけ離れた系統で黒色系の皮膚が進化したのは、収れん的なものと考えられています。

 現生の似たような海洋動物から、黒くなったメリットとして、冷たい海に適応するための体温調節や保護色があるとされています。
  
 メラニン色素は、黒褐色のユーメラニン(eumelanin、真性メラニン)と、赤茶色のフェオメラニン(Pheomelanin、亜メラニン)の2種類に大別されます。    

 論文では、オサガメ、モササウルスと魚竜という遠縁の海生爬虫類について、エネルギー分散型X線マイクロアナリシスと呼ばれる技術を使用し、そのスペクトルから化学構造を推定し、皮膚化石での色素存在の直接的な化学的証拠を示しています。  

 これらの軟組織の黒い痕跡は、化石化したメラノソームが密に伴う、分子的に保存された黒褐色の色素細胞であるユーメラニンに支配されているとしています。



  1. References:
  2.  
  3. Johan Lindgren, Peter Sjövall, Ryan M. Carney, Per Uvdal, Johan A. Gren, Gareth Dyke, Bo Pagh Schultz, Matthew D. Shawkey, Kenneth R. Barnes & Michael J. Polcyn (2014) 
  4. Skin pigmentation provides evidence of convergent melanism in extinct marine reptiles. 
  5. Nature (advance online publication) 
  6. doi:10.1038/nature12899
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 魚竜は恐竜と一緒に絶滅したわけではなく、より早く、白亜紀後期(セノマニアン、約9300万年前)に絶滅したとされています。

 逆に、その時期、浅い海が広がったこともあって、勢力を拡大したのが、モササウルス類です。

 今回、メキシコにある白亜紀後期(チューロニアン)の地層(Ojinaga Formation)で発見されたモササウルス類が報告されています。オープンアクセスです。

 図は、白亜紀後期(チューロニアン)の北米大陸(Abelaid Loera Flores, 2013)。赤い部分が発見された場所です。

 当時の北米を東西に2分していた、広くて浅い海の西部内陸海道(Western Interior Seaway)に面しています。

  
Turonian.jpg

 今回の標本は、その特徴から、より派生したタイプのティロサウルス(Tylosaurus)属に属するとされています。  

 この属には、7種いるのですが、T. proriger T. nepaeolicus に似ている一方、 アブミ骨下突起が欠けていることから、T. kansasensis に最も近縁とされています。


  1. References:
  2.  
  3. Abelaid Loera Flores (2013) 
  4. Occurrence of a tylosaurine mosasaur (Mosasauridae; Russellosaurina) from the Turonian of Chihuahua State, Mexico. 
  5. Boletín de la Sociedad Geológica Mexicana 65(1): 99-107 (PDF)
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 モササウルス類は、白亜紀後期、魚竜などが絶滅した後に登場し、海洋生活に適応し世界的に分布を広げていきました。

 今回、長骨の組織学的分析から、モササウルス類(mosasaurinae)の成長率などについて考察した論文が報告されています。

 その結果、成長速度が速いとされるプレシオサウルス類や魚竜よりは遅く、また、沿岸で登場したモササウルス類の遠洋への適応は、以前考えられていたより、ゆっくりだったとされています。


 論文は、長骨の組織学的分析から、モササウルス類(mosasaurinae)の海洋環境への適応や成長率、基礎代謝速度などについて考察しています。  

 分析の結果、平行繊維骨(parallel-fibered bone)が多く、また、異様な平行繊維骨もあり、その成長速度は、成長が遅い平行繊維骨と繊維状骨との中間と推定されています。 
 
 成長率や基礎代謝速度は、平行繊維骨が多くて成長速度が遅めの現生のウミガメであるオサガメと、繊維状骨が多く成長速度が速かったとされるプレシオサウルス類や魚竜の中間段階にあると示唆されています。  

 また、原始的なモササウルス類である Dallasaurus の骨組織は、他のモササウルスとは異なり、モササウルス類の進化の中間段階とされています。  

 そのことから、モササウルス類の、沿岸から遠洋への適応は、以前考えられていたより、ゆっくりだったとされています。



  1. References:
  2.  
  3. Alexandra Houssaye, Johan Lindgren, Rodrigo Pellegrini, Andrew H. Lee, Damien Germain & Michael J. Polcyn (2013) 
  4. Microanatomical and Histological Features in the Long Bones of Mosasaurine Mosasaurs (Reptilia, Squamata) - Implications for Aquatic Adaptation and Growth Rates. 
  5. PLoS ONE 8(10): e76741. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0076741
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 モササウルス化石の腹部あたりから、別の3種のモササウルス化石が発見されたと、Livescience が紹介しています。

 10月の米国地質学会年会で報告された内容で、スカベンジしていたようです。

 モササウルスを食べたモササウルスとしては、初めての証拠ではないのですが、他にも多くの化石が見つかっており、当時の豊かな生態系を物語る証拠とされています。

 アフリカ南西部、アンゴラの南部で発見された化石で、白亜期の当時は、アフリカ大陸の沖合に位置していたとされています。
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 モササウルスは、ウナギのような長い尾を持った姿で復元されています。

 しかし、三日月型の尾びれをもつモササウルス類(2010年8月)で紹介したように、その生態や大きさなどがサメに似ていることから、サメのような尾びれを持っていたのではないかとされてきました。

 かつては、骨がない軟組織の尾びれの上側部分は未発見でしたが、今回、初めてその仮説を実証する化石が見つかり、報告されています。Nationalgeographic に復元イラストがあります。

 今回の化石は、2008年にヨルダンにある白亜紀後期(マーストリヒチアン)の採石場で発見され、前後の肢ひれや尾びれなどに繊維組織からなる軟組織の痕跡が残されています。  

 このことから、一般的に、派生的なモササウルス類は、サメのような尾びれを持ち、遠洋性のサメに似た遊泳能力があったのではないかとされています。

 二次的に海に進出し、9800万年前から6600万年前まで海を支配したモササウルス類ですが、その海洋環境への適応は、我々の理解を超えたレベルと考えられています。
 

 Prognathodon 属の一種( Prognathodon sp.)とされ、亜成体で全長は2メートルほど、成体になると10メートルほどになるそうです。



  1. References:
  2.  
  3. Johan Lindgren, Hani F. Kaddumi & Michael J. Polcyn (2013) 
  4. Soft tissue preservation in a fossil marine lizard with a bilobed tail fin. 
  5. Nature Communications 4, Article number: 2423 
  6. doi:10.1038/ncomms3423
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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