他の海生爬虫類の最新ニュース

 最近では、何億年も前の化石から、血管などの軟組織が観察されたとする報告は珍しくありません。

 今回、ポーランドにある三畳紀初期/中期境界の地層で発見された海生爬虫類からの発見が報告されています。

 ノトサウリダエ(科)とタニストロフェイダエ(タニストロフェウス科)の骨化石からで、骨の皮質領域にある、酸化鉄により鉱物化した血管壁中に保存され、有機分子を包み込んでいるそうです。

 FTIRなどを使った分光分析から、ヒドロキシプロリンやヒドロキシリジンなどのアミノ酸の断片を含む有機化合物の存在が確認されています。

 これらのアミノ酸は、コラーゲン以外のタンパク質にはほとんど含まれないことから、内因性のコラーゲンの存在が示唆されています。

 「血管」内のタンパク質の分子の保存は、初期に酸化鉄がミネラル化した時に形成されたと考えられています。  

 ミネラルが軟組織の上に直接沈殿した時に、生体分子が効率的に、鉄が豊富なミネラルの中に保存され、それらの構造がしっかり覆われたというのです。  

 今回の発見は、海洋環境で、脊椎動物の中に複雑な有機分子が保存された最古の証拠とされています。

 


  1. References:
  2.  
  3. Dawid Surmik, Andrzej Boczarowski, Katarzyna Balin, Mateusz Dulski, Jacek Szade, Barbara Kremer & Roman Pawlicki (2016) 
  4. Spectroscopic Studies on Organic Matter from Triassic Reptile Bones, Upper Silesia, Poland. 
  5. PLoS ONE 11(3): e0151143 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0151143
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 現生のクロコダイルの吻部には、高感度の圧力センサーがあって、わずかな水の動きも探知しているそうです。

 今回、プリオサウルスの吻部にある神経血管系を調べ、似たようなセンサー機能があったのではないかとする論文が報告されています。

 プリオサウルスは、最大で12メートルにもなる巨大海生爬虫類で、発達したセンサーで獲物を感知したのかもしれませんね。


 多くの脊椎動物の吻部にある複雑な神経血管系は、獲物を感知するために進化してきました。  

 しかし、化石動物となると、保存状態もあって、ほとんど情報はありません。  今回、CTスキャンで、英国で発見されたジュラ紀後期(約1億7000万年前)の保存状態の良い標本を調べたもの。 

 プリオサウルスの吻部にある神経血管系の調査は、初めてとされています。  

 頭蓋骨表面上の構造と末梢神経枝( peripheral rami )が高密度なことから、クロコダイルの圧力センサーや、サメの電気センサーに似た感覚系があったのではないかと考えられています。




  1. References:
  2.  
  3. Davide Foffa, Judyth Sassoon, Andrew R. Cuff, Mark N. Mavrogordato & Michael J. Benton (2014) 
  4. Complex rostral neurovascular system in a giant pliosaur. 
  5. Naturwissenschaften (advance online publication) 
  6. DOI: 10.1007/s00114-014-1173-3
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 現生のカイギュウ(海牛)といえばジュゴンですが、三畳紀のカイギュウといえば、海生爬虫類のプラコドンティア(Placodontia)でしょう。

 サウロプテリギア(Sauropterygia、鰭竜類) のグループで、今回、その一種、Placodus gigas (プラコダス・ギガス)についてレビューした論文が報告されています。

 現生のカイギュウのように、海藻が茂った浅い海に大量に棲息していたとされています。

 図は、プラコドン類の系統関係、左のスケールは10cm(Cajus G. Diedrich, 2013)。

 進化すると、背中などにオステオダーム(皮骨)が発達していきます。



Placodus_gigas.jpgのサムネール画像
 プラコダスは、当時のーロッパにあった盆地状のゲルマンオート地向斜(intracratonic Germanic Basin)に広がる浅い海の、海床に海藻が茂った場所に棲んでいたとされています。  

 大量の骨化石が残されていることから、ペルシャ湾に生息する現生のカイギュウ類、 dugong Sirenia のように、多数の個体が棲息していたとようです。


 


  1. References:
  2.  
  3. Cajus G. Diedrich, 2013 
  4. Review of the Middle Triassic "sea cow" Placodus gigas (Reptilia) in Pangea's shallow marine macroalgae meadows of Europe 
  5. New Mexico Museum of Natural History and Science, Bulletin 61, p. 104-131 (pdf)
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 図は、最古の水中飛行爬虫類とされている Pistosaurus longaevus (ピストサウルス・ロンガエブス)です(Meyer, 1839)。

 ヨーロッパの三畳紀中期の地層で発見されているサウロプテリギア(Sauropterygia、鰭竜類) の一種で、今回、レビューした論文が報告されています。

 水中をヒレで泳ぐスタイルは、このピストサウルスで始まったとされています。やがてのクビナガリュウなどで、進化したのでしよう。

 似たような4枚のヒレですが、その特徴から、メインの推進力は前ヒレで後ヒレは弱く、原始的なフリッパーだったとされています。


Pistosaurus_longaevus.jpg  また、ピストサウルスは、歯列やロコモーションから、主に魚や小型から中型サイズの爬虫類を食べていたとされています。  

 なお、この論文を含め、The Triassic System: New Developments in Stratigraphy and Paleontology(三畳紀系:層序と古生物学の新展開、ニューメキシコ自然史科学博物館紀要)には、三畳紀に関する論文が多数、報告されています。オープンアクセスです。


  1. References:
  2.  
  3. Cajus G. Diedrich ,2013
  4. The oldest "subaquatic flying" repitle in the world - Pistosaurus longaevus Meyer, 1839 (Sauropterygia) from the Middle Triassic of Europe 
  5. New Mexico Museum of Natural History and Science, Bulletin 61, p.169-215 

  6. Tanner, L.H., Spielmann, J.A. and Lucas, S.G., eds., 2013
  7. The Triassic System: New Developments in Stratigraphy and Paleontology 
  8. New Mexico Museum of Natural History and Science, Bulletin 61
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 二次的な水生環境への適応は、いくつかの羊膜類で独立して進化しました。当然、エサを採る方法もさまざまに進化しました。

 しかし、海洋性脊椎動物に見られるサクションフィーディング(suction-feeding、吸引方式の採食)は、海洋性の爬虫類では稀だったようです。

 今回、サクションフィーディング装置を持つ白亜紀後期の新種のウミガメ化石が報告されています。論文は、フリーです。

 モロッコにある白亜期後期(約6700万年前)の地層で発見され、Ocepechelon bouyai と命名されています。

 70センチもある頭部から、最大級のウミガメのひとつとされています。復元イラストがありますが、長い吻部が特長的ですね。 

  この時期、少なくとも局所的には、海洋生物はずいぶん多様だったようです。

 

  1. References:
  2.  
  3. Nathalie Bardet, Nour-Eddine Jalil, France de Lapparent de Broin, Damien Germain, Olivier Lambert & Mbarek Amaghzaz (2013) 
  4. A Giant Chelonioid Turtle from the Late Cretaceous of Morocco with a Suction Feeding Apparatus Unique among Tetrapods. 
  5. PLoS ONE 8(7): e63586. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0063586
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 プリオサウルスといえば、ジュラ紀中期から約1億1000万年にわたり、海洋生態系の上位を占めた捕食者です。

 なかには、頭部だけで2メートルを超える大型種もいたのですが、大量絶滅以前の白亜紀後期の早期に絶滅してしまいます

 今回、英国にあるジュラ紀後期の地層で発見された、新種の大型プリオサウルス類が報告されています。

 プリオサウルス類は、白亜紀前期にかけて大型化したのですが、白亜紀後期にはそのサイズは縮小傾向にあったとされています。

 
 論文では、 Pliosaurus kevani. , P. carpenteri、P. westburyensis の3種の、Pliosaurus 属の新種を記載しています。  

 白亜紀前期にかけて、体のサイズは大きくなり、頭蓋骨の最大長は2360ミリにもなったそうです。これは大きな獲物を食べるのに適応したのかもしれないとされています。  

 しかし、白亜紀後期早期に絶滅する前には最大長は1750ミリと、そのサイズは縮小傾向にあったとされています。


  1. References:
  2.  
  3. Roger B. J. Benson mail, Mark Evans, Adam S. Smith, Judyth Sassoon, Scott Moore-Faye, Hilary F. Ketchum, and Richard Forrest (2013) 
  4. A Giant Pliosaurid Skull from the Late Jurassic of England. 
  5. PLoS ONE 8(5): e65989. 
  6. doi:10.1371/journal.pone.0065989
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カテゴリーの系統関係は、概要です。詳しくは、脊椎動物の系統関係をどうぞ
 

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