哺乳類の最新ニュース
- References:
- Gregory P. Wilson et al., 2012 Adaptive radiation of multituberculate mammals before the extinction of dinosaurs
- Nature, published online 14 March 2012
- doi:10.1038/nature10880
- References:
- John R. Hutchinson et al., 2011
- From Flat Foot to Fat Foot: Structure, Ontogeny, Function, and Evolution of Elephant "Sixth Toes"
- Science 334(6063), p. 1699-1703, 2011
- DOI: 10.1126/science.1211437
エジプトにある約4100-4000万年前の地層で発見された新種の原始的なクジラ類のプロトケタス類(Protocetidae), Aegyptocetus tarfa が記載されています。
SVP のPRESS RELEASE に頭部のスライス映像があります。
イタリアに輸出されたライムストーンから見つかり、ほぼ完全な頭部化石などが発見されていますが、手や脚の化石は見つかっていません。
LAELAPS でも紹介されています。ただし、トップの復元イラストは、パキスタンで発見されたMaiacetus です。
突き出た鼻、水かきのある手足が特徴的で、体が魚に近くなっても、子供をいたわるような姿は哺乳類の雰囲気十分ですね。
- References:
- Bianucci, G., & Gingerich, P. (2011).
- Aegyptocetus tarfa, n. gen. et sp. (Mammalia, Cetacea), from the middle Eocene of Egypt: clinorhynchy, olfaction, and hearing in a protocetid whale
- Journal of Vertebrate Paleontology, 31 (6), p.1173-1188
- DOI: 10.1080/02724634.2011.607985
南極にある4950万年前(始新世)の地層で、最古の原クジラ類の化石が発見され、第11回国際南極地学シンポジウム(ISAES 2011)で報告されています。
その年代から、クジラが水生環境に適応したのは、わすが400万年だったと、ナショジオが紹介しています。
La Meseta Formation から、長さ60センチの顎化石が発見されたもの。
原始的な原クジラ類(archaeoceti) とされ、バシロサウルス類(basilosaurid) の特徴があるそうですが、詳細な比較はされていません。
バシロサウルスは、体が長く、まだ遠泳能力は無くて浅い海に暮らしていたとされています。
従来、5300万年前のクジラに似た半水生哺乳類が海に適応進化するには、1500万年を要したと考えられてきたのですが、今回の4950万年前の地層からの発見で、400万年と一気に早くなっています。
当時の南極あたりは今よりも温暖で、すばやく海に適応していったようです。
現生のクジラには、塩分濃度の濃い海水に適応するため、腎臓が数百-数千個もあるそうです。
体の外見だけでなく内部の仕組みまで進化させるには、ずいぶんかかりそうですが、400万年とはすばやい進化ですね。
- References:
- Marcelo Reguero et al., 2011
- Vertebrates from the Basal Horizons (Ypresian To Lutetian) of the Cucullaea I Allomember, La Meseta Formation, Seymour (Marambio) Island, Antarctica
- ISAES 2011 abstract, p.534
2006年に和歌山県沖で発見された世界で初めてとなる腹びれを持つイルカに、後ろ脚の痕跡があることがわかったそうです。読売が伝えています。
29日からフロリダで開催されるの国際海産哺乳類学会(The Society for Marine Mammalogy)で発表されます。
バンドウイルカの雌で、太地町立くじらの博物館で飼育されています。腹びれをX線で調べたところ、指と太もも、すね、甲に相当する部分が見つかったそうです。
指の形状は、約3000万年前のクジラに「先祖返り」した状態とされています。
「先祖返り」とは、先祖の持っていた形質が出現することですが、恐竜が持っていた歯とか長い尾がある鳥が見つかれば面白いですね。
パタゴニアにある白亜紀後期早期の地層から発見された、サーベルのような歯を持つ哺乳類化石が報告されています。
ルイビル大(University of Louisville)に復元イラストがあります。 食虫動物だったようですが、肉食系としても不思議ではありませんね。ただし、大きさはリスほどと小型です。
この時期の南米からの哺乳類化石は初めてで、白亜紀のゴンドワナ大陸からの哺乳類の頭部としては2例目とされています。
恐竜化石を多産するパタゴニアですが、哺乳類は珍しいのですね。
アルゼンチンで発見された新種のドリオレステス類(Dryolestoids)で、三畳紀後期(約2億2000万年前)に登場した、現生の有袋類および有胎盤類につながる原始的な絶滅哺乳類です。
Cronopio dentiacutus と命名され、大きい目に長く突き出た鼻、そしてサーベルのように特大の犬歯が特徴です。
References:
- Guillermo W. Rougier et al., 2011
- Highly specialized mammalian skulls from the Late Cretaceous of South America
- Nature, 479, p.98-102
- doi:10.1038/nature10591
中国遼寧省にあるジュラ紀の地層で、最古の真獣類とされる化石が発見され、記載されています。ナショジオなどが伝えています。
約1億6000万年前と、従来より3500万年早い時代からの発見です。学名は、Juramaia sinensis(ジュラマイア・シネンシス)で、"中国のジュラ紀の母"の意味。
体長は12センチほどと小型で、例によってネズミのような復元図です。
木登りに適した前肢を持ち、恐竜などがやってこない森林の樹上部に生息していたのではないかとされています。
約2億2500万年前に誕生した哺乳類は、少なくとも1億6000万年前に、真獣類と、後の有袋類へとつながる後獣類に分岐したことになり、これはDNA 解析の結果と一致するそうです。
- References:
- Zhe-Xi Luo, Chong-Xi Yuan, Qing-Jin Meng & Qiang Ji (2011)
- Jurassic eutherian mammal and divergence of marsupials and placentals.
- Nature 476, 442-445
- doi:10.1038/nature10291