プルームテクトニクス理論(2) マントルの大規模な対流
 2回目の今回は、プルームテクトニクス理論の説明です。

 かつてはプレートテクトニクスといって地球表面にある厚さ100km程度のプレートの動きを考えていましたが、プルームテクトニクス(plume tectonics)では、2900kmに及ぶマントル全体の動きを扱います。

 

プルームテクトニクス理論

 プルームテクトニクスは、1994年、東工大理学部丸山茂徳教 授が提唱した理論です。プレートテクトニクス理論では説明できなかったプレート運動など、地球表層で起こる現象の原動力を説明するものとされています。  

 プルーム(plume)とは、そのマントル深部からの上昇流または下降流の塊のこと。プルームの語源は、"上昇する煙"という意味だそうです。以前は"プリューム"と言われていたそうですが、最近では、より原音に近いプルー ムに統一されています。  

 プルームテクトニクス理論は、低温のプルーム(コールドスーパブルーム)の下降が引きがねとなって、マントルの対流が活発になり、別の場所で、高温プルーム(スーパープルーム)の大規模な上昇流が起き、大陸の移動や浮き沈みが生じるという理論です。

 

 

Earth_2011.jpg

マントル対流  

 上の図は、地球内部のマントル対流シミュレーション。「Blue Earth」のイラストを一部改変しています。地球シミュレーターにより3次元的に再現されたものの2次元断面です。

  46億年前に生まれた地球ですが、冷えて固まっているのは、ほんの表面だけ。内部はまだまだ熱く流動的なのですね。

 図で、特に赤いのが、マントルの巨大な上昇流、ホットプルーム(Hot Plume)で、ブルーが巨大下降流のコールドプルーム(Cold Plume)。

 青いプレート(Plate)は、660Km付近に沈み込み滞留しているプレート。これがマントルの底へと落下すると、ホットプルームが生まれます。

 沈み込んだホットプレートやマントルより重い岩石層である反大陸(anti-continent)に含まれる重い物質に軽い元素が加わることで、ホットプルームの浮力が生まれるのではないかと考えられています。このような現象は、2億年周期でおこるそうです。

 

原動力は水

 さて、下部マントルの中でダイナミツクに上下するプルーム。これを動かす原動力は水と考えられています。 水がマントルを活性化するのです。

 プレートの沈み込みで、大量の海水がマントルに入り、含水鉱物としてマントルの深部に運びます。マントルに少しでも水分が存在すると、融点や粘性がが著しく低下 し、マントルの運動は非常に活発になるのです。

 そして、マントルに大量の水がたまると、活動が劇的に活発になり、大規模な上昇流や爆発的な火山活動が生じ、スーパープルームの誕生となります。

 この水の動きが、過去の大陸の動きだけでなく、未来の運命をにぎっているのです。

 

大陸の集合と離散

  プルームの動きで、大陸の集合や離散も説明できます。 例えば、5-6億年前には、アフリカコールドスーパープルームの沈降によって周囲 の大陸が集合し、ゴンドワナ準超大陸が誕生し、3-4億年前にはローラシア大陸がく っつき、超大陸パンゲアが生まれたのです。

  しかし、2億5000万年前に生じたマントルの上昇流(アフリカスーパープルーム) によって分裂が始まったのです。

 

全ての大陸はアジアに集まっている

 現在、東アジア直下にあり下降中のコールドスーパープルームがブラックホールのように周りのプレートを引き寄せている結果、全ての大陸はアジアに向かって移動しているそうです。

  およそ5000万年前に、インド亜大陸がアジア大陸に付加したこともこのプレート運動です。 そして、5000万年後にはオーストラリア大陸が付加し、2億5000万年後には、北米や南米大陸も加わり、アジアを中心とした超大陸が出きると考えられています。

 

参考

 

 

 

 

2011年 4月 7日(木)
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